1 : バークホルデリア(やわらか銀行): 2023/02/15(水) 00:31:27.65 ID:
ある夏の日のこと。
夜、仕事から帰ってきた俺は、いつもどおり1階からマンションのエレベーターに乗りました。
「…ひぃぃ!」
最初は、状況がよく掴めませんでしたがエレベーター内の壁一面に、
セミの抜け殻がびっしりとくっついていたんです。
そのエレベーターの壁は布っぽい素材といいますか、
たしかにセミの抜け殻をくっつけることができそうな壁ではあったんですが、明らかに奇妙でした。
でもそれよりも怖いのが、エレベーターに人が乗っていたんです。
背の低い男性が一人。
「なんで。なんで。セミがなんでここにいるの。」
とブツブツ言いながらセミの抜け殻を一つ一つ手で潰していました。
エレベーターのドアが開いても、全然こっちを見ない。
俺はそんなエレベーターに乗り込める訳もなく、急いで階段を登りました。
ふと気になって階段の上からエレベーターの方を見ると、
エレベーターから半分体を出してこっちを見上げている、さっきの男と目が合いました。
夜、仕事から帰ってきた俺は、いつもどおり1階からマンションのエレベーターに乗りました。
「…ひぃぃ!」
最初は、状況がよく掴めませんでしたがエレベーター内の壁一面に、
セミの抜け殻がびっしりとくっついていたんです。
そのエレベーターの壁は布っぽい素材といいますか、
たしかにセミの抜け殻をくっつけることができそうな壁ではあったんですが、明らかに奇妙でした。
でもそれよりも怖いのが、エレベーターに人が乗っていたんです。
背の低い男性が一人。
「なんで。なんで。セミがなんでここにいるの。」
とブツブツ言いながらセミの抜け殻を一つ一つ手で潰していました。
エレベーターのドアが開いても、全然こっちを見ない。
俺はそんなエレベーターに乗り込める訳もなく、急いで階段を登りました。
ふと気になって階段の上からエレベーターの方を見ると、
エレベーターから半分体を出してこっちを見上げている、さっきの男と目が合いました。