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    カテゴリ:オカルト・怖い話・ミステリー > 【寺生まれのTさんシリーズ】

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    24:2007/09/09(日) 15:05:40.61 ID:
    俺は原付に乗って買い物に出かけた。
    普段どうり国道を走っていると、真っ赤なワンピースを着た綺麗な女性が眼に映った。
    お、綺麗な人だな。そう思った瞬間、俺は対向車線から来たトラックに撥ねられた。
    柔道を習っていた俺はとっさの瞬間受身をとる事ができたため、両足を骨折する重傷ですんだ。

    それから半年たったある日、友人のKが同じくトラックに撥ねられた。
    直ぐに病院に駆けつけたがKに意識は無く、その後死亡した。
    その場で救助に当たった人の話によると、
    Kは「赤いワンピースを見て、ついよそ見しちまった・・・」と呟いていたという。俺は驚いた。

    アレは死神なんじゃないか?

    俺がそう思っている頃、またあそこで事故があったらしい。
    話を聞いてみると、ひき逃げらしい。
    この辺りは見通しがいいにも拘らず、そういう事故が多いらしい。
    俺は、あの赤いワンピースの女が死神だと確信した。

    数日後、俺はバイトの先輩Tさんの車に乗って、その道を走っていた。
    Tさんは実家が寺で、非常に霊感が強いらしい。
    俺は死神の話をしてみた。
    「ふーん」っと素っ気なく聞いていたTさん。
    だが少し走ってから、Tさんが突然「あの女か!」と叫んだ。
    見ると、確かにあの赤いワンピースを着た女が道を歩いている!!

    「そうです!あの女です!!」

    俺が叫ぶと、
    「そうじゃない!あっちの事だ!!」と、正面を指すT先輩。
    見ると、顔の抉れた女が、対向車線を走るトラックの方向を狂わそうと、車体に飛び移っている所だった!
    「ハンドル頼んだぜ・・・」
    Tさんはそう呟くと、車の窓から上半身を外に出し、狙いを定め、
    「破ぁーーーーー!!」と叫んだ。
    するとTさんの両手から青白い光弾が飛びだし、女の霊を吹き飛ばした。

    「これで安心だな・・・」

    そう呟いて、片手でタバコに火をつけるTさん。
    寺生まれってスゲェ・・・その時初めてそう思った。

    ※おすすめ→【都市伝説】「泉の広場赤い服の女」【大阪】


    「赤いワンピースの女」【寺生まれのTさんシリーズ】 →続きを読む

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    25:2007/09/09(日) 15:06:14.12 ID:
    俺にもやっと彼女が出来た。
    彼女は色白で背も低く病弱で、学校でもよく虐められていたそうだ。
    俺はそんな彼女の事を守ってあげたいと思い、告白し、付き合うことになった。

    付き合いだしてから1ヶ月後、彼女が初めて家に泊まりに来た。
    だが、童貞で奥手な俺は、彼女にキスすることすら出来ず、酒を飲むとそのままソファーで眠ってしまった。

    夜中に妙な音がしたので目が覚めた。誰かがブツブツ何か言ってる・・・
    俺は彼女が電話しているのかと、隣の部屋を覗き込んだ。
    するとそこには、恐ろしい顔をした彼女が、
    「おうち、おうち、あたらしいおうち」と呟きながら、
    自分の髪の毛を、壁とタンスの隙間や戸棚の下に押し込んでいる姿だった。

    俺はあまりの恐怖に言葉を出すことも出来ず、そのまま朝を迎えた。
    何事も無かったかの様に眠る彼女・・・
    俺はどうしていいのか分からず、寺生まれで霊感の強い先輩のTさんに電話をし、ワケを話した。
    黙って俺の話を聞いたTさんは、『よし、待ってろ、すぐ行く』と言ってくれた。

    俺は彼女に気付かれないように、こっそりTさんを上げると、
    彼女を見たTさんは、「これは・・・」と呟き、
    「俺の後ろに下がってろ。絶対に前に来るな・・・」と言い、彼女の前に立った。
    Tさんは何か呪文のようなものを唱え、「破ぁ!!」と叫んだ。
    すると、部屋中に仕組まれていたであろう髪の毛がいっせいに燃え上がり、彼女の髪の毛までもが燃え上がった!!

    「姿を見せな・・・」

    Tさんがそういうと、長かった彼女の髪の毛がバサリと抜け落ち、女の生首になった!
    「こんな女の子に取り付いて、自分の結界を広げてたのかい、この小悪党め!!」
    生首をガシリと掴むTさん。次の瞬間、生首は断末魔をあげながら燃え上がり、灰になって消えた。
    しゃがみ込んだTさんは、無残に抜け降ちた彼女の髪の毛に触れると、
    「お前たち、元の場所に帰りな・・・」と優しく呟き、
    フワフワと浮かび上がった髪の毛は、彼女の頭に生え移り、元通りになった。

    「二人に『カミ』のご加護がありますように」

    Tさんは笑いながらそう言って帰っていった。
    寺生まれってスゴイ、改めてそう思った。

    「カミのご加護」【寺生まれのTさんシリーズ】 →続きを読む

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    26:2007/09/09(日) 15:06:45.78 ID:
    俺はバイト仲間5人と海へ行くことにした。
    しかし、海岸は物凄い人で、とても遊ぶことが出来ず、
    俺達は目的をドライブに半ば無理やり変更し、海辺の道路をひたすら走っていた。

    すると友人のYが、「あれ?この辺り人全然いないよ」と言う。
    見てみると、確かにこの辺りだけ人がポカンとおらず、5人で遊ぶなら丁度いい広さがある。
    浜に降り、ビーチバレーをしたり砂のお城を作ったりと、楽しい時間を過ごした。

    するとYが、「私元水泳部なんだーあのブイまで泳ぎきったらかき氷おごってね!」と言い出した。
    俺が返事をするより早く海に飛び込むY。
    なるほど、水泳部だけあってか、綺麗な泳ぎでブイまでたどり着くY。
    沖で大きく手を振るY。
    俺達も浅瀬から手を降って返すが、どうも様子がおかしい。

    「あれ!?溺れてるんじゃない!?」

    誰かが叫んだ。
    確かに今にも沈みそうだ!俺達は急いで救助に向かった。

    しかし、水泳部のYと違い泳ぎの遅い俺達は、中々たどり着くことが出来ず、代わりにYは今にも沈みそうに・・・
    おかしい・・・
    そう思った俺は水中に潜った。
    するとそこには、Yの身体にしがみ付き、引き込もうとする黒い影が無数に蠢いていた!!
    このままじゃ俺達も・・・そう思った瞬間、大波の向こうから一人のサーファーが!!
    寺生まれで霊感の強いTさんだった!
    Tさんは板を華麗に操りYを抱き上げると、そのまま波に乗って陸地へ。

    「破ぁ!!」

    振り返らずにTさんが叫んだ。
    すると、Tさんの板が起こした無数の泡がボコボコと集まり浮き輪状に。
    俺達もそれにつかまって、陸までたどり着くことが出来た。

    「ありがとうございますTさん。でも何でここへ?」

    そう聞いた俺にTさんは、

    「なぁに、この辺りは毎年水難事故が起こってるっていわく付きの海岸でな、こんな事もあろうかとな・・・」

    そう言いながら、Yの胸に手をあて呪文を唱えるTさん。
    すると、Yの口から汚れた水が吐き出され、Yは意識を取り戻した。

    「きっと死者が死者を呼ぶ潮の流れなんだろうぜ、ここは・・・」

    海岸線を見つめて呟くTさん。
    顔を赤くしながら、「あ、あんたなんかに助けてもらうくらいなら死ねばよかったわ!」と大げさに言い放つYを見て、

    寺生まれはスゴイ、俺はまたもやそう思った。

    「いわく付き海岸」【寺生まれのTさんシリーズ】 →続きを読む

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    27:2007/09/09(日) 15:07:17.46 ID:
    俺は久々に嫌な夢を見た。

    ノコギリを持った男が、俺の部屋に立っている・・・
    俺は恐怖のあまり動くことが出来ず、ただその男を眺めている。
    すると男は、突然ノコギリで家の柱を切り出した!
    思わず「やめろ!!」と叫ぶ俺。
    すると、ゆっくりこちらを振り返る男。
    その顔は、見るも無残に潰されて、顔中に釘が打ち付けてある。
    「お前もこうなりたいのか?お前もこうなりたいのか?してやろうか?してやろうか?」
    ゆっくり俺に近づく男・・・俺は金縛りにあったように動けず、そして・・・男のノコギリが俺の顔に・・・

    そこで目が覚めた。
    嫌な夢だ、後味が悪い・・・
    俺は水を飲もうと立ち上がった。
    俺の目に飛び込んできたのは、無残にも傷つけられた家の柱!
    俺は恐怖で腰を抜かしてしまった。
    あの男は現実に!!
    そして次は、ホントに俺の顔が刻まれてしまうのではないかと。

    その日のバイトで、俺は寺生まれで霊感の強いTさんに、その夢を相談してみた。
    しかし、Tさんは「しょせん夢だろ?」と冷たい対応。
    なんとしても引き下がれないので、必死に「何とかしてください!」と頼み込むと、
    「それじゃあ、俺の作ったお守りやるから、それを枕元に置いて寝ろ。そうすりゃ大丈夫だ」
    と、お守りを渡してくれた。

    「悪夢」【寺生まれのTさんシリーズ】 →続きを読む

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    29:2007/09/09(日) 15:07:46.11 ID:
    ある日、遊びの予定がキャンセルになった俺は、秘密の釣り場で夜釣りを楽しむ事にした。

    街から少し離れた所にある橋で、静かでよく釣れる俺の穴場。
    その日も良く釣れ、しばらくした頃、全身に寒気が。
    何か恐いな・・・そう思いつつも、入れ食い状態のその場を離れる気にもならず、夜釣りを楽しんだ。

    「あなたも釣りですか?」

    後ろから声をかけられた。
    振り返ると、そこにはサラリーマン風の中年男性が。

    「えぇ、ここよく釣れるんです」
    「えぇそうらしいですね」
    「あなたも釣りですか?」
    「・・・まぁそうですね」

    話していくうちに、段々と俺は違和感を感じた。

    「夜釣り」【寺生まれのTさんシリーズ】 →続きを読む

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    30:2007/09/09(日) 15:08:16.29 ID:
    俺は彼女から深刻な相談をされた。

    最近、自宅の老いた犬が、誰もいない玄関に向かってけたたましく吠えるというのだ。
    俺が彼女の家に挨拶に行った時も、俺を見ても全く吠えなかった人なつっこいあの犬が、
    突然ものすごい剣幕で吠えるのだという。しかも時間を問わず。
    不安がる彼女が、霊を引き寄せやすい体質だったことを思い出し、
    俺は寺生まれて霊感の強いTさんに相談する事をすすめた。

    ファミレスで3人で食事をしながら事の話をすると、
    Tさんは「大丈夫、その犬は帰ってきた先祖に挨拶してるんだよ、この時期だし」とのこと。
    すっかり安心した彼女を送り返すと、Tさんから連絡が・・・

    『彼女の言っていた事だが、確認したい事がある。あの子の家の前まで案内してくれ』

    「老いた犬」【寺生まれのTさんシリーズ】 →続きを読む

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    19:2008/05/19(月) 17:45:46 ID:
    個人デザイン事務所にアルバイトしていた時の話。

    3LDKマンションが事務所で、シャム猫が1匹飼われていた。
    元々は社長の愛人が飼ってた猫だったが、
    愛人と別れる際、「この猫を私と思って一生面倒を見なさい」と押しつけられたらしい。

    働き始めて半年ぐらい経った頃、事務所で社長と二人で残っていた。
    夜食のピザが来る間、社長は自分の部屋でエアブラシ作業、俺は各種資料をコピーしていた。
    シャムがコピー機の上に乗ってきた。
    「ほら、邪魔だよ」と俺が言った瞬間、ボタンを操作していた俺の手に激痛!
    シャムが突然、噛みついてきた!

    甘噛みではない、本気で肉を食い千切るような噛み方!
    っつーか、肉が一部裂けた!ピュゥッて血が吹き出てるし!?
    「うあっ!」と声を上げた瞬間、またも激痛!
    腕に牙を立てながら、思いっきり爪を立てている!

    俺は思い切り腕を振り上げてシャムを投げた。
    しかし、シャムは身を翻して再び立って襲う構えを見せる。

    「シャアアアあああああああああああーーーーーーーー!」

    シャムの鳴き声が徐々に変化してきた。まるで、人間の泣き声だ!
    こんな大きな声なのに、隣の社長は全く気付いていない。
    よく見るとシャムの影が大きくなり、人の形になってきていた。
    そして、下顎が外れそうなくらいに口をあけ、何かに狙いをさだめた様だ。
    おそらくは俺の首筋・・・逃げなきゃ!しかし体が動かない!!

    「そこまでだ」

    聞いたことのある声。寺生まれで霊感の強いTさんだ。
    Tさんは俺とシャムの間に立つと、あるものを振り回した・・・

    ”ねこじゃらし”だ!

    シャムがねこじゃらしに飛び掛った瞬間、Tさんが「破ぁ!!」と叫んだ。
    するとねこじゃらしが光り、シャムの影を引き裂いてゆく!
    ついにシャムの影は元の猫の影となった。
    その瞬間、シャムの首輪がパァンと弾けた。

    「この首輪に念を込めてたんだな」

    シャムは人?が変わった様に大人しくなっていた。

    「なんでTさんがここにいるんですか?」
    「テリヤキコンビと、あつあつグラタンピザですね」

    寺生まれはスゴイ、俺はピザを頬張りながら思った。

    「シャム猫」【寺生まれのTさんシリーズ】 →続きを読む

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    4:2008/09/13(土) 20:51:05.16 ID:
    私が牛乳を飲もうと冷蔵庫を開けると、誰かの生首が入っていました。
    私はビックリして、思わず冷蔵庫のドアを閉めてしまいました。

    きっと今のは何かの見間違いであろうと思い直し、
    再び冷蔵庫を開けると、なんとそこには誰かの生首が白目を向いていたのです。

    私は思わずドアを閉めましたが、きっと疲れていて見えもしないものを見てしまったのだと思い直し、
    覚悟を決めて、改めて冷蔵庫を開けました。
    するとそこには、何者かの生首が白目を向いて、ほのかにほくそ笑んでいるのです。

    私はビックリして、冷蔵庫のドアを閉めましたが、きっと幻覚を見たに違いない、
    最近あまり寝てないから、見えもしないものが見えてしまったのだと思い直し、
    冷蔵庫を開けました。するとそこには、白目を向いた生首が入っていたのです。

    驚いた私は、気がつけば冷蔵庫の扉を閉めていましたが、気のせいだと思い直し、
    再びドアを開けると、やっぱり白目を向いた生首が、ほのかに笑っているのです。

    思わず扉を閉めてしまいましたが、きっと幻覚に違いありません。最近寝てなかったから。
    と、思い直し冷蔵庫を開けると、やっぱり誰かの生首が入っているのです。

    思わず冷蔵庫を閉めた私でしたが、これは何かの間違いに違いない。
    疲れているから見えもしない物が見えたのだと思い直し、冷蔵庫を開けると、
    そこにはなんと白目を向いた生首が……、うわっと思い冷蔵庫を閉めましたが、
    きっと疲れのせいで幻覚を見たに違いないと自分に言い聞かせ、
    再び冷蔵庫を開けると、なんと誰かの生首が白目を向きながら笑っているのです。

    思わず冷蔵庫の扉を閉めましたが、きっと気のせいで、
    何かと見間違えをしたのだと自分に言い聞かせ、扉を開け直すと、
    なんとそこには、何者かの生首が白目を向いて笑っていたのです。

    「さがってろ!!!」

    とっさに後ろから聞こえた声の方を向くと、そこには寺生まれで霊感の強いTさんが!
    Tさんは冷蔵庫の中の生首に向かって

    「破ぁ!!!」

    と叫ぶと、生首はおいしそうなケンタッキーフライドチキンに変わってしまった!!!
    「おそらく遠まわしに何かの恨みがあったんだろう、気をつけるこったな」
    Tさんははにかみながら、「食べたくなるなるケンタッキー」とだけ言い残して帰っていった。

    寺生まれってスゴイ、改めてそう思った。

    「冷蔵庫」【寺生まれのTさんシリーズ】 →続きを読む

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    105:2008/09/13(土) 23:31:08.20 ID:
    一人暮らしをしている大学生の男がいた。
    男が住んでいるのはごく普通のアパートだが、たまにおかしなことが起こった。
    大学から帰ってくると、カーテンの形やゴミ箱の位置などが、微妙に変わっている気がするのだ。
    最近は誰かにつけられてる様な気もしてきた。

    流石に気味が悪くなってきた男は、大学の友人に相談した。
    男が、

    「もしかして…ストーカーかな?
     警察に言うのが一番良いと思うけど…警察は実際に被害が無いと動いてくれないって聞くしなぁ…どうしよ……」

    と困っていると、友人は、

    「…じゃあ大学に行ってる間、ビデオカメラで部屋を撮影しておいて、
     もしストーカーが部屋に侵入してるのが撮れたら、そのテープもって警察に行けば良いじゃん。
     不法侵入してるわけだから、さすがに警察も動いてくれるだろ」

    と具体的な解決策を提示してくれた。
    やはり持つべきは友!これは良い案だ!と思った男は、
    早速次の日の朝、部屋にビデオカメラを設置して、録画状態のまま大学へ行った。

    大学から帰ってきた男は焦った。久々に部屋に違和感がある。
    これは期待出来る、マジにストーカー映ってるかも…と思いながら、ビデオの録画を止め、再生した。

    しばらくは何も映らなかった。
    しかし夕方になると、知らない女が包丁を持って部屋に入ってきたのだ。

    「…!!!!!!」

    ビビった男は、すぐに友人に電話をかけた。

    「ヤッベー!映ってる映ってるストーカー映ってる!!!!」

    と若干興奮気味に伝え、それからは録画を見ながら友人に内容を実況した。

    「ゴミ箱漁ってるよぉ…」「今度は服の匂い嗅いでる…キメェ!!」

    今までコイツは何回も来ていたのかと思うと、男は背筋が凍る思いだった。

    「これで警察も動いてくれるなぁ」と少しホッとしてると、画面の中の女は押入れに入った。
    「うっわ…押し入れの中入ったよ、しかもなかなか出てこない……」

    などと友人と喋っていると、また誰かが部屋に入ってきた。
    男は言葉を詰まらせた。
    部屋に入って来たのは自分だった。
    そしてビデオの中の自分は、カメラに近付き録画を止める。そこでビデオは終わっていた。
    押し入れにまだ女がいる。

    「破ぁぁ!!!」

    男は押入れに向かい念を込めた。
    しばらく押入れではどたばたもがいていた様だったが、すぐに静かになった。
    わざわざビデオに撮らなきゃ見つけられないなんて、俺もまだまだ未熟だな……

    うちのオヤジは凄い、改めてそう思った。

    「ストーカー」【寺生まれのTさんシリーズ】 →続きを読む

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    116:2008/09/13(土) 23:46:03.19 ID:
    同級生の入居したアパートで、不審な現象が起こるという話を聞き、男3、女2で泊まりに行きました。
    一般に幽霊というのはシャイで、一見さんが来ると現象が起こらないと聞いていましたが、
    夕方に部屋を尋ねた途端から微かなラップ音が、夜半には扉の開閉が起こりました。
    眠ると金縛りに会うと聞いたので、面白がって全員で眠る事になりました。

    そして、金縛りが起こったのです。
    怖くてギュッと目を瞑ったのですが、こじ開けられるように瞼が開き、
    壁の前にたたずむ、半身が潰れた様な姿の恐ろしい女性が目に入りました。
    どのくらいそうしていたかは判りません。
    恐怖と金縛りで硬直している私達の耳に、
    「美人だ・・・」という呟きが聞こえると、信じられない事が起こりました。
    男の子の一人が急に立ち上がると、幽霊の前まで行き、名前や年齢を聞き始めたのです。
    幽霊はビクッと体をすくませると、怯える様に消えていきました。(全員その様に見えたそうです)

    幽霊が消えると体が動かせるようになり、電気をつけました。
    全員が壁の前に立ちすくむ男の子に詰め寄ります。

    「…消えちゃった。くそッ、少し強引過ぎたか?」
    「…いや、そういう問題では無いんではないかと…」
    「潰れてない方の顔見たろ?めちゃくちゃ美人だったぞっ!」
    「いや、気が付かなかった…って言うより、普通、潰れてる方しか目に入らんと思うぞ?」
    「「「うん」」」
    「質問があるのだけれど。T君、どうして金縛りが解けたの?」
    「いや、美人だったし…必死だったし…。気合かな?」

    「今なら問答無用で消し飛ばすんだがな…。フフッ、あの頃は俺も若かったよ」
    そう言って、学生時代の思い出話を締めくくったTさん。

    寺生まれってスゴイ、改めてそう思った。

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