5 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:28:24.50 ID:
時は2ch暦69年。
日本のどこかにある平和で平凡で退屈な街、ニュー速市。
のどかというほど田舎ではなく、垢抜けているというほど都会でもない街。
そんな街に嫌気がさして若者は飛び出し、そして夢破れて帰ってくる。
そうやって人口は増えず減らず、名産品も観光地も特にないニュー速市は、大都市の衛星都市として凡庸に時を重ねていた。

これは、そんな街に突然舞い降りた世界的な大イベントのお話。
no title

9 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:30:25.93 ID:oXwxJFGq0
日本なのに2ch暦てwwwwwww時代が全然わかんねーよwwwwwwww

7 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:30:07.88 ID:
ある日。世界の大企業が手を結び、ITアトラクションの新しい形を模索するというプロジェクトが立ち上がった。
世界中の人々が言葉の壁も国境の壁も越えて、まったく同じ条件で触れ合えるアトラクション。
移動の手間もなく、大きな費用もかからずに、世界中の人々と顔をあわせ、体を動かし親交を深める。
まさに夢のような話だが、夢は実現しないから夢という。

だが。
実現不可能と思われたそのプロジェクトを、昨今急速に発達した技術が可能にした。
高度なプログラムと、サービス提供用のサーバーの莫大な処理能力。
さらに超高速伝達を可能にする専用回線、強制睡眠・脳波接続を行うプレイポッド。
それらによって、仮想現実の世界を現実と同じように体験できるという夢物語が実現した。

Vision lncarnate Program。
通称VIPと名付けられたその新システムは、世界各国でテスターの募集を開始。
ニュー速市は奇跡的に、そのテスター都市の一つとして選ばれた。

10 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:30:53.41 ID:
( ^ω^)「オンラインゲームの究極系・・・味や温度も感じられるなら、マンガ肉も食べられるかもしれないお!」
ハードゲーマーで軍オタの内藤。
星狐学園情報技術科に所属。

('A`)「おぉ、本物のポーションも飲めるかもな。何でも再現可能らしいからなぁ・・・夢が広がるぜ」
同じくハードゲーマー、ドクオ。内藤の友達。
とあるゲームの全国大会準優勝者。

ξ゚⊿゚)ξ「何でもありって想像するの難しいわね・・・現実にないような綺麗な景色とか見れるのかしら」
内藤の隣の家に住む幼馴染、ツン。
成績優秀、語学堪能。内藤の趣味に付き合っているため不本意ながらゲーマーに。

(´・ω・`)「けどなぁ・・・現実と同じ体感が可能なら痛みもあるんじゃないか?」
上記三人の担任、ショボン。
車はもちろんのこと、船舶、重機等の免許を持つ。歴史教師。

( ,' 3 )「痛みか・・・それは困るね。映画のようなアクションをすれば死んでしまいそうだ」
保健医の荒巻。
スキーやカヌー、キャンプなどアウトドアな趣味を持つスポーツマン。

11 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:31:19.51 ID:
(,,゚Д゚)「ドキドキするなぁ。説明はまだ始まらないのか?」
星狐学園近くに住む大学院生、ギコ。
元駅伝選手。地学専攻。旅行が趣味。

(*゚ー゚)「落ち着きなさい、ギコ。あと10分もあるじゃない」
中学時代からのギコの恋人、しぃ。
整体士。趣味は料理と読書。

(*゚∀゚)「ねぇねぇ、しぃ。賞金が出るって聞いたけどホントかな。欲しいものあるんだけど」
しぃのお姉さん、ダンサーのつー。
趣味はバイク、大型免許もち。

体育館に設置された大仰な装置の前に集められた彼らを、観客席のテスターに選ばれなかった者たちや友人が見守っている。
ステージ上には巨大なスクリーンが設置され、その周囲に小型のスクリーンが8つ。
巨大なスクリーンは全体を映し、小型スクリーンはそれぞれ8人の参加者をモニターする。
さらに、日本でテスターに選ばれた都市はニュー速市だけという事もあり、TV局も万全の体制で待機していた。
カメラの前で実況するアナウンサーの周りに、地元の中学生たちが群がっている。
そんな中、装置の点検を監督していたスーツ姿の男がマイクを手に取った。

12 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:32:41.29 ID:qKDm1AL6O

13 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:33:14.92 ID:oXwxJFGq0
>>12
ショボンの設定からしてそうじゃないかと

14 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:33:47.67 ID:
担当者「あーあー・・・はい、みなさんよく集まってくださいました。点検は完了しました。これより説明にうつりたいと思いますが、準備はよろしいですか?」
('A`)「おお、きたきた」
( ^ω^)「はやくやりたいおwww」

会場はいっせいに静まり、世界で同時に開始される大テストの説明が始まる。
説明といっても装置の起動などは全てスタッフが行う上に、テスト中、つまりプレイ中は現実とまったく同じ体感。
つまり、現実世界と同じように動ける。
仮想現実を体験するというよりも、違う世界に飛ばされるといった表現のほうがしっくり来る。
現実と違うことといえば、運営側の措置によって調整される痛覚処理くらいだ。

担当者「というように稼動中は現実と同じように動けますので、操作に関してわからないことなどは発生し得ません。痛みなどもその大きさに反比例して調整されますので、少々無茶なことをしていただいても結構です。では次に乗り物についてですが・・・」

ゲーム中には現実では触れることさえしない乗り物などもでてくるだろう。
その場合、運転方法はあらかじめプレイヤーが設定した方法が採用される。
実際運転できる人間なら現実と同じように。
そうでなければゲームの操作方法で、あるいは、違う乗り物の運転方法で。

担当者「さて、あとはプレイ中で確かめてください。何が起こるかはみなさんの行動で変わってきます。プレイ中に死亡すればゲームオーバーです」

15 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:35:07.44 ID:
担当者「それでは、プレイポッドに搭乗していただきましょう。プレイヤー全員が準備できましたら即開始となります。どう進めばいいか等は、ゲーム中で説明されますのでご安心を」

内藤たち8人のテスターがスタッフに誘導され、それぞれのプレイポッドに乗り込む。
コンテナ型の装置に乗り込み、指示に従いソケットに手を通す。
スタッフがヘッドギアをかぶせると、視界は暗闇に支配される。
内藤は暗い視界の中、これから始まる体験に胸を躍らせていた。

( ^ω^)「い、いよいよだお!ばっちこいだお!」

全員のプレイポッドに電源が入る。
プレイヤーそれぞれが緊張して開始を待つ中、ヘッドギアから直接担当者の声が響いた。
装置の駆動音が聞こえ、意識がまるで眠りに落ちるように薄らいでいく。
おそらく、目が覚めたら仮想現実の世界。

担当者「それでは準備はよろしいですか?神様にお祈りは?恐ろしい目にあって小便ちびる心の準備はOK?・・・それではいってみましょうか。未知なる体験の先駆け、VIPシステム・ワールドテスト、みなさんの健闘を祈ります!」

18 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:37:41.87 ID:
( ^ω^)「・・・はっ!?今何か不吉な台詞を聞いたような・・・って、ここは?まさかこれが仮想現実・・・かお?」

プレイポッドの中にいたはずの内藤が目を覚ますと、そこは晴天に包まれた大都市だった。
空気の匂い、風、照りつける太陽。
すべてが現実そのものだった。
あたりを見渡せば様々な人種の人々が集まり、ある人は歓声を上げ、ある人は頬をつねっている。

( ^ω^)「・・・うっひょぉぉぉ!すごいお!いや、ちょwwwこれ現実じゃね?wwww」

はしゃぐ内藤の近くで大気が揺らぐ。
その揺らぎは瞬く間に人型を作り、ドクオが仮想現実の世界に実体化した。
その光景を見て、内藤は今いる場所がまぎれもなく仮想現実、VIPシステムの世界なのだと実感する。
ドクオに続き、体育館にいたプレイヤーが次々に実体化していく。

('A`)「・・・おぉ・・・ここがそうか。すげぇな、人類の技術ってやつは!」
ξ゚⊿゚)ξ「ここは・・・これが仮想現実?すごい・・・」
(´・ω・`)「暑さも風も感じるな。いやぁ・・・信じられん。なんてこった」
( ,' 3 )「おや、外国の人もいるね。みんなまだ何をすれば良いのか聞かされていないのかな」
(,,゚Д゚)「しぃ、しぃ!すごいな!見えてるか?鳥だって飛んでる!もうすごいな!すげー!」
(*゚ー゚)「そうね、ビックリするわ・・・いい年してそこまではしゃぐギコにね」
(*゚∀゚)「あらまぁ、手厳しいねー」

21 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:41:27.13 ID:
( ^ω^)「これで日本勢は集まったお?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。私達星狐学園の生徒と・・・えっと」
(*゚ー゚)「あ、私達は市内に住んでいて・・・私はしぃ。こっちはギコに、姉のつーです。よろしく」
(,,゚Д゚)「どうも、ギコです。同じ日本テスター同士、頑張りましょう」
(´・ω・`)「これはどうも・・・こちらは高校生がいますからご迷惑をお掛けするかもしれませんが・・・」
(*゚∀゚)「いいえー。せっかく同じ場所から参加したんですから楽しくいきましょう」

('A`)「ん・・・なんか人が集まりだしたぜ」
( ,' 3 )「どこかへ向かうようだね。どれ、我々もいってみよう」

24 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:42:38.07 ID:
( ^ω^)「何か配ってるお」
( ,' 3 )「ふむ・・・説明書的なものじゃないかな」
(´・ω・`)「なるほど。よし・・・ドクオ、とってこい。全員分だ」
('A`)「へ?なんで俺が・・・」
(´・ω・`)「いけ」
('A`)「・・・はいはい」

説明書を配っている仮説テントに、各国のテスターが行列を作っている。
それを眺めてから、ドクオはため息をついて歩き出した。
そのあとをつーがついてくる。

(*゚∀゚)「お姉さんもついていってあげよう。君、名前は?」
('A`)「あ・・・ドクオです。なんかすいません、どうも・・・」
(*゚∀゚)「良いよ良いよ。さ、暇だろうから並んでる間お喋りしよっかー」

25 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:43:00.86 ID:WrEMV/8fO
まさか寝る前に一スレ見るかとおもったら蕎麦スレとはw
アメリカって物騒なもんかね

26 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:43:41.33 ID:
ドクオが長いこと並んで持ち帰ってきたのは、荒巻の言うとおり説明書のようだった。
そこには、体育館で説明されなかったことが書かれている。
まず、このテストは競争制らしい。
スタート地点で資金が渡され、最終目的地を目指し旅をする。
途中で資金を稼ごうが、だらだらとリゾートを楽しもうがプレイヤーの勝手だが、最初に目的地に到達したプレイヤーには賞金が出るようだ。
基本的にプレイヤーは個人進行だが、目的達成のためにチームを組むのも当然許されている。
その場合賞金はプレイヤー間での話し合いで処理してもらう。
ちなみに賞金額、20億円。

28 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:45:00.81 ID:
( ^ω^)「・・・0がいっぱいだお」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・20億!?」
(´・ω・`)「ほう・・・車のローンを払って、高い飯食って・・・良いな。実に良い」
(,,゚Д゚)「スタート地点ってここか?資金ってのはどこに・・・」

ギコがめくった説明書のページに、最後の説明が書かれていた。
この説明書を読み終われば各プレイヤーはこの仮想現実の世界のどこかにあるスタート地点に飛ばされ、そこから一人でスタートすることになる。
飛ばされた先で資金が渡され、それからは自分の知恵と体力で目的地を目指す。
ギコが声に出してその文を読み上げると、説明書は淡い光とともにかき消えた。

(*゚ー゚)「消えた・・・ということは、今から飛ばされるのかしら」
(*゚∀゚)「そうでしょ。だってほら、どんどん人が消えてってるよ」

周りを見ればさっきまでいた各国のテスターの数が半分ほどまで減っている。
説明書を読み終えたプレイヤーからスタート地点に飛ばされるようだ。
内藤たちも例外ではなく、いつ自分が飛ばされたのか認識できないまま、急に意識が暗転する。

29 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:47:06.53 ID:
波の音が聞こえる。
頬にはやわらかい感触と、ほのかな潮の香り。
目を開けて起き上がると、一面に広がる大海が見える。
振り返ると、さっきまでいた大都市とは違った田舎町が見えた。

( ^ω^)「ああ・・・飛ばされたのかお。ちょっと乱暴だお、改善を提案するお」

内藤は砂浜にいた。
どうやらここが内藤のスタート地点らしい。
ふと気がつけば、内藤はその手に札束を握っていた。
この仮想世界の通貨なのだろうか、見たこともないような紙幣だが、なぜかその額は理解できた。
日本円にしておよそ100万円。この資金を元に目的地を目指さないといけないらしい。

(;^ω^)「ん?・・・そういえば、目的地ってどこだお?」

32 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:52:29.37 ID:
( ^ω^)「おけおけ、落ち着くお内藤ホライゾン。ゲームの基本として村人がいるはずだお、まずは情報収集だお」

内藤は砂浜から町に移動した。
仮想現実とは思えないようなリアルな住人たちが内藤を出迎える。
住人は皆親切に接してくれたが、目的地は教えてもらえなかった。
AIで動いているだろう住人に混じって外国のテスターもいるようだが、彼らに話を聞こうにも内藤は日本語以外喋れない。

(;^ω^)「むぅ・・・困ったお。いきなり詰まるとは思わなかったお」

内藤はコンビニ前のベンチに座りコンビニで買った缶ジュースを飲んでいた。
今いる場所はどうも日本ではないようだが、プレイヤー以外になら日本語で話せるらしい。
そんな事を考えながらコンビニのほうを眺めていると、東洋系の男が出てきた。
男は内藤の視線に気付くと、気軽に声をかけてくる。

( ´_ゝ`)「なんだ坊主。そんなとこでボーっとして、暇なのか?」
( ^ω^)「・・・あーっと、プレイヤーですかお?日本の?」
( ´_ゝ`)「まぁ、一応な。アメリカ在住だからアメリカからインしてるんだけどな」
( ^ω^)「これは助かったお。良かったら目的地の場所を教えて欲しいですお」
( ´_ゝ`)「目的地っておまえ・・・知らんのか?コンビニ店員に聞けば教えてくれるってのに」

35 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 00:57:29.51 ID:
(;^ω^)「コ、コンビニ店員に聞けば良かったのかお。迂闊だったお」
( ´_ゝ`)「・・・ふむ。あんまり頼りがいはなさそうだが、一緒に来るか?ちょうど人手を探してたんだが見つからなくてな」

その男は兄者と名乗った。
この辺で相棒を探そうとしたらしいが、声をかけた相手は断るか、もしくは明らかに腹黒そうな人間ばかりで困っていたそうだ。
その点内藤は安全だと判断したらしく、内藤の隣に座り話し始めた。
兄者の話からすると、この仮想世界は地理的にいえば現実とまったく同じらしい。
内藤と兄者の現在地は現実でいうところのイギリス、ドーバー海峡に面した田舎町だ。
目的地はチベット付近、そのあたりにゴールがあるとか。

( ´_ゝ`)「んで、とりあえずユーラシア大陸に渡らにゃならん。となると船が必要なんだが・・・」
( ^ω^)「なんだが・・・?」
( ´_ゝ`)「高い。60万くらいする。こんな最初から資金の6割を失うのは避けたい」
( ^ω^)「はぁ。それって船を売ってる店があるんですかお?」
( ´_ゝ`)「ああ。道具屋に売ってるんだ。・・・そうだな、船以外に使えるものがあるかも知れんし、連れて行ってやろう」

37 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:01:59.79 ID:
兄者についていった先には、小さな屋台があった。
どうもその屋台が道具屋らしい。
船まで取り扱う割りにあまりにも小さすぎるが、この仮想現実の世界では大きなものはカタログで選んだあと、しかるべき場所に実体化するようだ。

( ^ω^)「なるほど、さすがは仮想現実・・・それに色々売ってるお」
( ´_ゝ`)「けどなぁ・・・海渡れそうなもんは少ないな。船は高いし、カヌーはさすがに無理だろう」

道具屋のカタログには凄まじい数のアイテムが並んでいる。
日用雑貨から果ては戦車まで。
そんな中、内藤の興味を強烈に惹いたものがあった。

( ^ω^) (・・・!?こ、これは・・・!)

スクール水着に身をつつみ、オールを持った少女のフィギア。
現実ではお目にかかれないような、まさに神の御技といえる造型。
まるで生きているかのような質感。

( ^ω^) (素晴らしいお・・・まさに至高だお!購入、と・・・フヒヒ!)

20万という法外な値段だったが、内藤は兄者に気付かれないようにこっそりそれを購入した。
懐にいれていた紙幣の束から20万円分が消え、かわりに購入したフィギアが手の中に実体化する。
そのフィギアを懐に隠し、内藤は何事もなかったかのようにカタログをめくり始めた。

39 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:10:09.99 ID:noxumJVd0
内藤バカスwwwwwwww

これが伏線に・・・・なるわけないな

40 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:11:53.82 ID:
やはり海を越えるのに使えそうなものは少ない。
船は高いから除外するとして、ほかに使えるのはカヌーとヨット、ゴムボートに水上スキー、イカダくらいか。
カヌーでドーバー海峡を渡るのは体力的にきついし、なにより時間がかかる。ヨットを操る術もない。
ゴムボートとイカダも現実的ではないだろう。

( ^ω^)「・・・ほかの道具と組み合わせるとかできないのかお?」
( ´_ゝ`)「なるほど・・・要は使い方か。そうだな、柔軟に考えてみるか」

兄者はまた最初からカタログをめくりだす。
内藤もそれに習い、カタログを遡っている途中、兄者が何かを購入した。
視線をむけると、兄者の手には長くて丈夫そうなロープが握られている。
さらに兄者はカヌーを購入手続きにはいる。

( ^ω^)「結局カヌーで行くんですかお?けど時間が・・・」
( ´_ゝ`)「ああ、いい事を思いついた。見ろ、あいつを」

兄者の視線の先で、プレイヤーらしき5人組が船を購入していた。
60万のクルーザーも、5人も集まれば買えないほど高い買い物ではないのだろう。
カタログから船が実体化した地点のアナウンスが流れ、5人組は外にでていった。

( ´_ゝ`)「よし・・・追うぞ。カヌーをあいつらの船が実体化した地点で指定して購入する、と」
( ^ω^)「・・・?何するつもりですお?」
( ´_ゝ`)「まぁ見てろ。俺に拾われたことを感謝させてやるよ。とりあえずロープもってきてくれ」

43 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:18:58.41 ID:
( ´_ゝ`)「いやー、それにしても話のわかる奴らで助かったな」
( ^ω^)「最初からお願いすればよかったんじゃ・・・」
( ´_ゝ`)「それだとすんなり運んでくれなかったと思うわけよ、これが」
( ^ω^)「まぁ、そっかお。とにかくこれでドーバー海峡はクリアかお」

内藤たちのカヌーを引っ張り、クルーザーはドーバー海峡の半分を過ぎる。
5人組は現実よりも美しい海を眺め、あるいは空を眺め、アメリカライクにパーティーを開いていた。
カヌーの内藤と兄者は特にすることも無くただ座っているだけだが、それでも景色を見るだけで暇にはならない。
ありえないほど海は澄み、たまに海中を泳ぐ魚が見える。
空はどこまでも晴れ渡り、程よい日差しが眠気を誘う。
何気なく空を眺めていた内藤は瞼が重くなるのを感じ、視線をしたに向けた。
底さえ見えそうなほど澄み切った海の中が、一瞬だけ何かにさえぎられた。

( ^ω^)「ん?今何か・・・」
五人組リーダー「おーい、カヌーの二人組み!名前聞いてなかったな!俺はジョンっていうんだ!」
( ´_ゝ`)「兄者だ!運んでくれてありがとよ、ジョン!」
ジョン「いいってことよ!おまえらは何でこのテストに参加したんだ?」
( ´_ゝ`)「楽しそうだからだよ!お前はどうだ?」
ジョン「俺はそろそろ結婚するんだ!賞金が出るのは聞かされてたんでな、結婚資金さ!!」

44 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:22:13.71 ID:K1LSAAhW0
>>43
ちょwwwwジョン死亡フラグwwwwwwwwwww

45 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:23:46.04 ID:
内藤は英語で返事を返した兄者に代わりに返事をしてもらおうと口を開きかけ、クルーザー前方の異変に気付いた。
開きかけた口が閉まらない。
クルーザーの前方では、大きな気泡がはじけていた。
ちょうど水中で空気を吐き出したように。
そのあたりの水面が盛り上がっていく。

( ^ω^)「な・・・気をつけるお!!」
ジョン「ん?なんだってジャップ?あーっと。日本語でなんていえば良いんd」

次の瞬間、ジョンが台詞を終える前に、巨大な水柱がたった。
10メートルは優に超えるだろう水柱の直撃をうけ、クルーザーが宙に舞い、五人組が投げ出される。
海面は荒れ狂い、投げ出された5人組は為すすべもなく海中に沈んでいった。

( ´_ゝ`)「おぉ!?な、なんだこりゃ!!」

水柱が収まり、また別の場所で水柱がたっている。
荒れ狂う海の上で、内藤たちのカヌーはなんとか転覆を免れていた。
クルーザーからはずれた縄を使い、兄者は何とか5人を助けようとする。
一番近くで何とか沈まないように頑張っていたジョンのもとにロープが届いたが、ジョンはロープを掴む前に力尽きた。
ジョンの体が力なく荒波に揉まれ、海中に消える。

47 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:28:11.60 ID:K1LSAAhW0
ジョンwwwwwwwwwwwwwwww

46 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:27:58.28 ID:noxumJVd0
ちょwwwwwwww
フラグ早すぎwwwwwwww

48 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:28:18.02 ID:
( ´_ゝ`)「ジョォーーーーーンッ!!」
( ^ω^)「ちょ、したに何かいるお!テラデカスwwww」

波立つ海面からわずかに見える水中に、激しく動く何かが見えた。
それは蛇のような動きをしていたが、蛇にしては大きすぎた。
やがて海面のうねりは内藤たちのカヌーにせまり、巨大な水柱がカヌーを押し上げる。
空中に放り出された内藤と兄者は、水柱を起こした犯人を見た。
爬虫類のような目に、魚類のエラと鱗、蛇のような体。
西洋の船乗りは海に住む大蛇シーサーペントを恐れたという。
それが本当にいるならば、きっと目の前の大蛇がそうなのだろう。

( ^ω^)「ふぉっ、ひぃぃぃ!食われるお!」
( ´_ゝ`)「おち、落ちる!逆さま!」

水柱は収まり、大蛇は内藤たちが落ちていく様子を眺めていた。
さかさまに落ちたカヌーから何とか這い出ると、頭上数メートルのところに大蛇の顔がある。
蛇ににらまれた蛙という奴だろうか。
仮想現実の世界だということなど忘れて、内藤はただ死の恐怖を感じていた。
内藤と兄者はひっくり返ったカヌーにしがみつき、大蛇を見上げている。
逃げても意味がないとわかっているのか、本能的な絶望なのか、二人はまったく動けないでいた。

51 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:34:31.78 ID:
( ^ω^)「・・・」
( ´_ゝ`)「・・・死ぬかな、これ」

兄者が声をだした瞬間、大蛇の目つきが変わった。
内藤と兄者を見ながら、大きく反動をつける。

( ^ω^)「ちょ、声だしたら動き出したお!食われるお!」
( ´_ゝ`)「俺のせいか?俺のせいなのか!?・・・正直すまんかった!!」
( ^ω^)「ひぃぃぃぃぃ!!死ぬ前に酒池肉林したかったおー!!」

反動をつけた大蛇が、泣き叫ぶ内藤に迫る。
大きく開いた口から鋭い牙が見えている。噛まれれば明らかに即死、飲み込まれてばゆっくり溶かされるだろう。
兄者が逃げろと叫んだが、内藤の体は動かない。
一瞬の先に訪れるだろう死の痛みに、内藤は固く目を瞑った。
だがその痛みが訪れる前に、唐突に大声が響き渡る。

「やめいっ!!!!」

52 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:34:55.61 ID:
( ^ω^)「・・・んぁ?」
( ´_ゝ`)「だ、誰だありゃ・・・?どっからでてきた?」

恐る恐る目を開けた内藤の横で、兄者が呆然と内藤の背後を見詰めていた。
その視線を追って振り返ると、ひっくり返ったカヌーに少女がたっている。
その少女はスクール水着を着て、オールをもっていた。
腰に両手を当て偉そうにふんぞり返った少女は、まっすぐ大蛇をにらんでいる。
大蛇はなぜかその少女に睨まれただけで動きをとめ、あろうことか少しずつ後退していた。
ない胸を堂々と張り、少女は内藤に視線を移した。
内藤を安心させるように微笑み、少女は高々と声をはり上げる。

少女「我こそはかかる天の兵打ち破り、六瀬七州統べたる大海の王!リヴァイアたんと呼ぶが良い!!」
( ^ω^)「はい・・・??」
リヴァイアたん「そこの男、貴様が封印をといたな?褒めて使わす!手始めにこの窮地取り払ってくれよう!」
( ^ω^)「・・・はぁ。助かりますお」
リヴァイアたん「うむ!行くぞ、とうっ!天罰・てきめんっ!てきめんてきめんっ!!」

さっそうと跳んだリヴァイアたんは手にもったオールでペコペコと大蛇の頭を叩いた。
どう考えても効果はなさそうだが、それだけで大蛇は力なくうなだれる。
それどころか、大蛇はリヴァイアたんに従うそぶりを見せた。

54 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:36:35.02 ID:oXwxJFGq0
妄想が現実にの変化版だなこれwwwwwwwwww

55 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:40:00.42 ID:
( ^ω^)「・・・!?どういうことだお、これは?」
リヴァイアたん「私はレアアイテムのお助け召喚キャラじゃ!良い買い物をしたな男!」
( ^ω^)「ほう?ほほほう?レアアイテムのお助け召喚?そんなものがあったのかお・・・」
( ´_ゝ`)「いつの間にんなもんを・・・いやしかし、でかした」
リヴァイアたん「これでこの不心得者はお前のいう事を聞く。岸まで運んでもらうが良い!ではな、私はあと2回呼べるぞ!またな!」
( ^ω^)「助かったおー・・・あ、フィギアにもどったお」

フィギアにもどったリヴァイアたんをしまい、内藤は大蛇に乗り移った。
これで第一関門であるドーバー海峡はクリアできたことになる。
ほかのスタート地点でも同じようなことが起きているなら、ツンやドクオは無事なのだろうか。
内藤は少しだけ心配になったが、それよりも今またがっている大蛇が怖くてそれどころではなかった。

57 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 01:56:19.17 ID:
( ^ω^)「えーと・・・ドーバー海峡を越えたんだから、ここはフランスかお?」
( ´_ゝ`)「そうじゃねーの。で、どうやってチベットまで行くかなんだが」

大蛇は暴れだすこともなく、無事に内藤たちを送り届けた。
帰っていく大蛇を見送りもせずに内藤たちは地図を広げる。
飛行機か何かで一気に進めれば良いのだが、そううまくは進まないだろう。

( ´_ゝ`)「・・・内陸を行くか、地道に」
( ^ω^)「地図によるとロシア中部までレースがあるみたいだお。これに出れば資金の補充もできて良さそうだお」

フランス発、ロシア着の長距離レース。
ちきちきVIP猛レース。
参加費無料で、参加者全員には支度金20万が支給される。
話がうますぎる気もするが、飛行機を使うよりは危険も少ないだろう。
参加者もそれなりにいるはずだから、もしかしたら無傷で完走できるかもしれない。
内藤と兄者はさっそく手続きを済ませ、レースに使用するマシンを購入すべくフランスの道具屋に急いだ。

59 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 02:11:13.26 ID:
道具屋は大勢のプレイヤーで賑わっていた。
皆一様にカタログを広げ、好みのマシンを探している。

( ´_ゝ`)「一人乗りばっかりだな・・・俺はこれにしよう」
( ^ω^)「んじゃ僕はこれだお」

レースの出発地点だけあり、カタログの8割はレース用マシンで占められている。
その中から兄者はブロッケンGを、内藤はサイクロンマグナムを選んだ。
購入完了の前に、操作方法の選択画面が現れる。

( ´_ゝ`)「・・・普通にハンドルで」
( ^ω^)「オリジナルってなんだお?・・・うーん僕はオリジナルで購入、と」

購入は完了し、レースのスタート地点に実体化完了したとアナウンスが入る。
スタート地点である凱旋門まで移動すると、たしかに購入したマシンが実体化していた。
大勢の観衆と参加者の完成が凱旋門を包んでいる。
参加者の中にもしかしたらツン達がいるかも知れないが、人が多すぎて探すに探せない。
内藤と兄者はそれぞれのマシンに乗り込みスタートに備える。

( ´_ゝ`)「一人乗りってことは、もうライバルだな。いっとくが負けんぞ」
( ^ω^)「ふ・・・僕はレースゲームうまいお?」

63 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 02:21:51.21 ID:
兄者は最後に親指をたて、窓を閉める。
内藤も窓を閉めシートベルトをつけると、カウントダウンが始まった。
同時に、凱旋門が割れ巨大なリボルバーが出現する。
スタートを告げる祝砲だろうか。さすがに仮想現実の世界だと規模が違う。
派手な祝砲に否応にも気合がはいり、内藤はハンドルを掴もうとした。

( ^ω^)「・・・って、ちょwwwハンドルがないおwwwどうやって動かすんだおこれwww」

ハンドルどころか、内藤のマシンには計器以外に何もついていない。
サイドレバーやブレーキ、アクセルも当然なく、代わりにマイクがすえつけられていた。

( ^ω^)「マイクでどうしろってんだお!バカにしてるのかお!?」

内藤があたふたしている間にもカウントは進み、ついに祝砲が火を噴いた。
轟音と地響きの中、参加者のマシンが一斉に走り出す。
隣に配置されていた兄者は一瞬内藤を見て、猛スピードで走り出した。

( ^ω^)「くぅぅ、ハンドルにしときゃよかったお!動けお、マグナム!」

内藤が叫んだとたん、マシンはけたたましい音を立てながら急発進する。
参加者の一群に少し遅れ、ようやく内藤のサイクロンマグナムが走り出した。

( ^ω^)「・・・オリジナルってそういうことかお。声で動くのかお・・・」

66 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 02:38:55.10 ID:
( ^ω^)「なんかこう、運転してる気にならないお・・・あ、曲がれおマグナム」

内藤は頭を掻きながら退屈そうに前方を見ていた。
声にだすだけで動いてくれるのは素晴らしいことだが、少しばかり盛り上がりにかける。
スピードの調整もいまいち出来ないので、いったい何キロでているのかすらわからない。
だが、それがかえってプラスに働いたようだ。
スタートしてそれほど時間はたっていないが、じょじょにコースアウトやクラッシュしたマシンが増えていく。
ハンドル操作に慣れていないプレイヤーだろう。

( ^ω^)「あんな団体の中で走れば事故っても仕方ないお。結果オーライだったかお?」

スタートしてすぐは好き放題走れたが、ある程度進むとコースは一本道になり、急カーブや砂地が増えていた。
普通に運転しているプレイヤーは慎重派と過激派にわかれたようだ。
出遅れた内藤だったが、ようやく最後尾の一団に追いついた。
その一団が邪魔をして、中々前に進めない。

( ^ω^)「むむ、邪魔するかお。こういう時はあれだお・・・いっけぇーマグナム!!」

原理を無視したような急加速。
最後尾の団体が進路を妨害するわずかな隙間を縫い、内藤は颯爽と走りぬけた。

68 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 02:46:51.74 ID:
( ^ω^)「慣れれば良いもんだお。このままトップを狙うお!」

軽トラやオート三輪を抜き去り、内藤はどんどん進んでいった。
コースは難易度をあげ、リタイアするプレイヤーもそれに比例して多くなってくる。
そんな中、後方から猛烈な勢いで迫る影があった。
真紅のRX-8は内藤のマグナムを超える速度で走りぬけ、なぜかスピードを落とす。
内藤がRX-8の隣に並ぶと、窓を開け内藤に話しかけてくる。

(´・ω・`)「やっぱり内藤か。どうだ調子は?」
( ^ω^)「おぉ!ショボン先生かお!先生も参加してたのかお!」
(´・ω・`)「途中参加だ。ユーロトンネル抜けたらレースしてるって言うから参加してみたんだが・・・」
( ^ω^)「先生もイギリス出発組だったのかお。一緒にいくかお?」
(´・ω・`)「はっは、馬鹿いうな。俺は20億を手に入れる。だからお前には負けれんのよ!」

ショボンのRX-8が急に内藤のマグナムにぶつかってくる。
危うくコースアウトしそうになったが、マグナムは速度を落とし持ちこたえた。
その隙にショボンはスピードを上げ距離を開いていく。

(´・ω・`)「じゃあな内藤、20億手に入れたら何かおごってやろう!」
( ^ω^)「ちょwww先生あんた金の亡者かおwwww」

69 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 03:07:09.17 ID:
( ^ω^)「なんて大人気ない・・・いくおマグナム!先生に負けるなお!」

内藤の声に従い、マグナムはショボンを追いかける。
ショボンは正確かつ力強い運転で連続カーブをクリアし、中々距離は縮まらない。
レースは中盤を過ぎ、ロシア国境まで後30キロの表示が見えてきた。
コースはこれまでとは違い、狭い峠に差し掛かる。
峠を上りはじめたプレイヤーたちの目の前で、峠の頂上から落ちてきたらしいマシンが爆発炎上した。

(;^ω^)「・・・マグナム、慎重かつアグレッシブにいくお」

怖気づいた内藤と周りのプレイヤーは速度を落とす。
だがショボンだけが速度を落とさずに峠を上り、やばて視界から消えた。
まさに上り最速。あのペースを維持すればやがてトップ集団に追いつくだろう。

( ^ω^)「ありゃ、いっちゃったお・・・む、あれは!」

峠の激しいカーブの中、ガードレールの一部が壊れている。
おそらく誰かが落ちたのだろうが、その壊れたガードレールの前方にコースの一部が見える。
高速で飛び出せばショートカットできるかもしれない。

( ^ω^)「・・・やっぱり慎重じゃなくていいお!いくおマグナム!」

70 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 03:12:33.07 ID:zXR218+XO
wktk

71 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 03:25:44.15 ID:
十分な加速をつけ、ガードレールからマグナムが飛び出す。
浮遊感とともに車体が宙を舞い、はるか前方のコースめがけて進んでいく。
眼下にはたくさんのプレイヤーが見えた。
コースアウトする者もいれば、うまく峠を下っていく者もいる。
その中に、兄者のブロッケンGもいた。
その頑強さを利用し、強引に他プレイヤーを弾き飛ばしながら進んでいる。
その後ろからはショボンのRX-8が次々に参加者を抜き去り、着実に順位を上げていた。

( ^ω^)「けど・・・これで一気に追いつけるお!」

内藤が飛び出した上り途中から、マグナムは下りの途中までの大幅なショートカットに成功した。
着地の衝撃をものともせず、マグナムは走行を再開する。
ちょうどバックミラーには兄者のブロッケンGが見える。
その順位をキープし、内藤は峠を越えた。

( ´_ゝ`)「あちゃー・・・降ってきやがったよあいつ。やるねぇ」

内藤に続いて、兄者も峠を越え内藤を追いかける。
前方は雪降り積もるロシアの地だが、コースはしっかり整備されスリップの危険はなさそうだ。
直線にはいり、兄者はコース表を取り出した。
もう少ししたらコースは2つにわかれているようだ。
距離の短い“ミニ四駆の現実と末路コース”と、距離の長い通常コース。

( ´_ゝ`)「・・・?短いほうに行くよな、普通」

72 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 03:31:36.13 ID:xCxwrouQO
ミニ四駆の現実wwww

77 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 04:57:12.66 ID:
( ^ω^)「こっちの短いほうにいくかお」

兄者と同じように、内藤も短いコースを選んだ。
後続はそれぞれのコースにわかれ、20台ほどが内藤に追随する。
兄者のブロッケンGは後方に確認できるが、ショボンのRX-8はいないようだ。

( ^ω^)「このコースは直線かお。となれば・・・いくおマグナム!」

マグナムを加速させようと叫ぶが、マグナムはまったく速度を変えない。
それどころか減速し、ついには現実のミニ四駆程度の速度にまで落ちた。
声に反応しないとなると、アクセルのついていないマグナムでは加速のしようがない。
内藤は後続のマシンに次々に追い抜かれていった。

( ´_ゝ`)「内藤か・・・なにしてんだあいつ、あんなトロトロと・・・」

兄者はアクセルを踏み込み、あっさり内藤を追い抜いていった。
バックミラーから内藤が見えなくなり、コースに障害物が現れ始める。
小さな岩やトタンの壁を避けながら進むと、コースの半分を占めるほどの大岩が見えてくる。

( ´_ゝ`)「でかいな。だが、このブロッケンGならあんな岩くらいなんて事はない」

兄者はさらにスピードを上げ、大岩を打ち砕こうとまっすぐ向かっていく。
それが兄者の最大のミスだった。

73 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 03:54:26.48 ID:
( ´_ゝ`)「邪魔だから掃除してやる!」

猛スピードでブロッケンGが大岩に迫る。
今まで兄者は障害物をことごとく打ち砕いてきた。
ライバルである他のプレイヤーのマシンをふっ飛ばし、時には大木をなぎ倒して。
その頑強さを兄者は信じていた。
たとえ大きくても、岩ならば打ち砕けるはずだと。
ブロッケンGのバンパーが大岩に突き刺さる。
後は岩をくり貫き、粉々に砕くだけ。
そう信じていたし、そうなるはずだった。このコースでなければ。

( ´_ゝ`)「なっ・・・!ちょっとタンマ!?」

だが、突き刺さったバンパーは砕け散り、猛スピードで岩に激突したブロッケンGは岩が辿るはずだった運命を逆に味わう。
爆発したブロッケンGの中で兄者は事態が把握できないままリタイアした。
炎の中意識が薄らいでいく。
自転車でこけたような痛みが全身に走り目を覚ますと、そこはプレイポッドの中だった。
外に出るとアメリカのテスト会場に集まった観衆から拍手が起こる。

観客「つっこむなんて男らしいぞーwww」
観客「テラアホスwww」
( ´_ゝ`)「・・・ちっ、リタイアかよ。あーぁ・・・後は任せたぞ、弟者よぉ・・・」

81 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/11(火) 06:37:51.20 ID:jSqy4YB6O
これは面白い

138 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/13(木) 22:41:18.09 ID:
( ^ω^)「いま爆発音が聞こえたような・・・嫌な予感がプンプンするお」

現実のミニ四駆並みのスピードで走る内藤を、相変わらず後続が追い抜いていく。
それだけならまだ良い。
だが、内藤を追い抜いていったマシンが悉くスクラップとなっているのを見て、内藤はコース名を思い出した。
ミニ四駆の現実と末路コース。
おそらくこのコースでは、ミニ四駆タイプのマシンは現実と同じような性能しか得られない。
岩すら砕く装甲はプラスチックに戻り、声で動くマシンは直進しかできなくなる。
スクラップでちらかったコースを進むと、とろとろ走る内藤の右前方に大岩が見えてきた。
その大岩はコースの半分ほどもあるが、幸い内藤は大岩の反対側を走っている。
もし内藤の真正面に大岩があれば、今の進路変更できないマグナムではリタイア確実だっただろう。
幸運に感謝しながら大岩に近づくと、見覚えのあるマシンが火を噴いていた。

( ^ω^)「・・・!兄者さんのブロッケンG・・・!岩を砕こうとしたのかお・・・ナムナム」

大岩にぶつかり大破したブロッケンGに手を合わせる。
おそらくリタイアした兄者とはもう二度と会えない。
惜別の思いをこめた黙祷を終え前方を見ると、はるか遠くにコースの合流点が見えた。

( ^ω^)「合流点・・・あそこまで行けばマグナムは元通りに・・・!?」

だが、ここはミニ四駆に現実を思い出させるだけでなく、その哀れな末路を体現するコース。
その世代の人間なら、公道でミニ四駆を走らせ車に轢かれたと言う者も少なくないだろう。
そんな経験を持つ人物が設計者にいたのか、内藤の前方に巨大な車が出現した。

141 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/13(木) 22:54:17.33 ID:
(;^ω^)「おぉうっ!?ちょ、曲がれおマグナム!このままじゃ轢かれるお!」

当然マグナムは内藤の声に反応せず、巨大なタイヤに向けて直進する。
なんとかしようと車体を揺らしてみるがマグナムはびくともしない。
内藤は考えた。
曲がれないなら止めればどうか?止めることもできない。
ほかのマシンにおしだしてもらえないか?周りにほかのプレイヤーはいない。
そこで内藤は自分のマシンの特性に気付いた。

( ^ω^)「・・・僕のマグナムだけミニ四駆並のスピード・・・なら、降りればいいお!」

マグナムのドアをあけ、コース上に飛び出す。
速度が遅いおかげで怪我をすることもなく着地できた内藤は、リタイアを免れた。
マグナムはそのままタイヤにつっこみ、無残にもぺしゃんこになる。

( ^ω^)「ぼ、僕のサイクロンマグナムがー!!・・・ま、死ぬよりはいいお」

たしかにレースは失格になるだろうが死ぬよりは良い。
ようするに目的地にたどり着けば良いのだから。
内藤は地図を広げ、最寄の町まで歩き出した。

144 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/13(木) 23:05:41.86 ID:RprMhDXgO
wktk

146 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/13(木) 23:06:56.24 ID:
内藤はもうすっかり暗くなった道を歩いていた。
このテストをはじめてもう十数時間。
少しずつ、このVIPシステム・ワールドテストのことがわかってきた。

( ^ω^)「このテスト・・・利便性に比例して危険も増えるのかお?」

ドーバー海峡を越えるとき、カヌーよりもリ便利な移動手段を使っていたジョンたちから大蛇に襲われた。
車を使ったレースでは危険なコースの上に様々なトラップ。
もし飛行機でも使おうものなら空軍くらい出てくるのかもしれない。

( ^ω^)「こうして歩いていても何も起こらないお。となれば、徒歩でゴールを目指すのが一番安全・・・」

そんなことを考えながら歩いていくうちに、明かりが見えてくる。
長いこと歩いてようやくたどり着いた町では、NPCに混じってプレイヤーが露店を開いていた。
色々な国の言葉が飛び交う中、日本語で客引きをしている店がある。

( ,' 3 )「いらっしゃいー。何でもあるよ、見ていっておくれー」
( ^ω^)「・・・荒巻先生、何やってるお?」

147 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/13(木) 23:21:09.78 ID:
( ,' 3 )「おや・・・内藤君じゃないか。ゴールを目指してるんじゃないのかい?」
( ^ω^)「まぁ、そうだけどお・・・荒巻先生はゴール目指さないのかお?」
( ,' 3 )「20億なんて大金はねぇ・・・それに私なんかが一番でゴールできるとはとてもとても・・・」

なにもゴールを目指すだけしか出来ないわけじゃない。
もちろん多くのプレイヤーが賞金目当てにゴールを目指すだろうが、中には露天商をするものや宿屋を営む者もいるだろう。
この、荒巻のように。
荒巻は各地でそれぞれ違う値段で売られている道具を安く買い集め、NPCがいない町の外や山の中などで売り歩いていた。
痒いところに手が届くサービスと豊富な品揃えで、荒巻の所持金は出発時の資金100万円からおよそ3000万まで増えている。

( ^ω^)「すげぇ金持ちだお。けど、外国の人相手にも商売できるのかお?」
( ,' 3 )「それはほれ、この翻訳コンニャクで一発」
( ^ω^)「・・・いくらだお、それ?」
( ,' 3 )「んー・・・生徒割引で、5万」
( ^ω^)「買うお先生、箸つきで頼むお」
( ,' 3 )「まいどあり。今日は遅いからそこの宿屋に泊まるといいよ、私も泊まってるからね」

内藤は荒巻に勧められた宿屋に泊まり、翻訳コンニャクをおいしく頂いた。
これで外国の人の言葉もわかるようになり、旅は快適なものになるだろう。
内藤は素泊まり3千円のわりに豪華なベッドでゆっくり疲れをとり、明日の出発に備えた。

162 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 00:55:39.32 ID:
夢というのは現実時間ではほんの数秒だという。
夢を見るのと同じ原理のVIPシステム中ではテスト開始から一日が過ぎようとしていたが、現実世界ではまだ数時間しかたっていない。
テスト会場のひとつ、ニュー速市の星狐学園体育館では、プレイヤーの現状がアナウンスされていた。

('A`)「ナットウミサイルだと!?全機、板野サーカス・フォーメーション!」
ドクオはアメリカからスタート。
戦闘機による太平洋横断に参加し、現在ドッグファイト中。

(´・ω・`)「四輪ドリフト!」
ショボンはまだレース中。
現在トップ集団で首位争い中。

ξ゚⊿゚)ξ「綺麗ねぇ・・・こういうのも優雅で良いわ」
ツン、オーストラリアから出発。
安全が保障された豪華客船による世界一周ツアー中。

(,,゚Д゚)「はっ、はっ、ふー・・・」
ギコ、日本からスタート。
現在中国をマラソンで横断中。

(*゚ー゚)「・・・暑い・・・」
(*゚∀゚)「・・・痩せそう・・・」
しぃとつー、共にアフリカ喜望峰からスタート。
現在ラクダで北上中。

163 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 01:10:00.39 ID:
( ^ω^)「さて、よく寝たお」
( ,' 3 )「内藤君、ロシアから南方の雪山を越えていくツアーがあるよ。私はそこで商売してこようと思うんだが途中まで一緒にどうだい」
( ^ω^)「お、本当ですかお?それじゃお供させてほしいお」

そして内藤は荒巻と一時合流。
ロシア南方の山脈を越えることになる。
内藤は荒巻の所有しているバスに乗せてもらうことになった。
バスにはほかにもたくさんのプレイヤーが乗り込み、満員になる。彼らは全員、荒巻のたてた山越えツアーの参加者たちだ。

( ,' 3 )「これで全員、と。それでは出発しますよ」
( ^ω^)「参加費3万円・・・この人普通に商売人になれば良いんじゃないのかお?」

各国のプレイヤーでにぎわうバスに揺られ、内藤はロシア南方の雪山に到着した。
参加者相手に登山具を売りつける荒巻から必要な道具一式を購入し、内藤は雪山に挑む。

( ,' 3 )「生徒割引で一式7万。気をつけていくんだよ」
( ^ω^)「どうもですお。先生も頑張って商売してくださいお」

164 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 01:31:03.93 ID:
ニュー速市では見られないような綺麗な粉雪と、見渡す限りの針葉樹。
登山路も埋もれかけた雪山を、30人ほどのプレイヤーが黙々と登っている。

( ^ω^)「こぉぉなぁぁぁゆきぃぃ!・・・ねぇ、せめて吹雪とめてくれないかお?」

雪で歩きづらい上に、登るにつれて少しずつ天気がわるくなってくる。
最初よわかった風もじょじょに強くなり、いまや吹雪を巻き起こしていた。
吹雪のせいで視界が確保できない。
すぐ前にいるはずのプレイヤーすら見えないような吹雪の中で、内藤は登山路に残った足跡だけを頼りにひたすら歩いた。
したを向いて歩いていくうちに吹雪はさらに強くなり、足跡もだんだん確認し辛くなってくる。
やがて内藤は足跡が二手に分かれている場所にたどり着いた。

( ^ω^)「・・・ん?分かれ道・・・どっち行けば良いんだお?」

足跡の濃いほうと、足跡の薄いほう。
どちらに行けば良いのかわからないが、内藤は足跡が濃いほうを選んだ。
足跡の濃いほうの道を進んでいくと、小さな洞窟が見えてくる。
扉のついたその洞窟の前で、二人のプレイヤーが話し込んでいた。

男「ふぅ・・・なんだ、この洞窟、扉がついてるぞ」
男「ああ、この鍵で開くらしい。開けるぞ」

プレイヤーの片割れが鍵を差し込むと、重苦しい音をたって扉が開いていく。
扉が開ききるとアナウンスが流れた。

“この中にはいれるのは一人だけです。誰がはいるか決めてください”

166 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 01:41:22.79 ID:
( ^ω^) (一人だけ?引き返さないといけないのかお・・・だりぃお・・・)

一人しか入れないなら鍵をもっていた男が行くべきだろう。
そう思い内藤が引き返そうとすると、男たちが口論を始めた。

男「なんだって?一人しか入れないなんて聞いてないぞ!」
男「てめぇだましやがったな!一人だけ行くつもりだったんだろう!」
男「ち、違う!俺はてっきり・・・」
男「だーうるせぇ!どけ、俺が行く!」

やがて口論は殴り合いの喧嘩になり、男たちは雪の上で転がりながら揉み合う。
周りに注意をはらわずに争う男たちを見て、内藤によからぬ考えが芽生えた。

( ^ω^) (・・・こっそり入っちゃおうかお)

男たちに気付かれないようにこっそりと洞窟に近づく。
内藤に気付かずに争いを続ける男たちを尻目に、内藤は洞窟にはいった。
洞窟の扉が閉まる音でようやく内藤に気がついた男たちは争いをやめ、呆然と閉まっていく扉を眺めている。

男「ちょ、おま・・・」
男「漁夫の利ktkr・・・うぇうぇ・・・」

167 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/14(金) 01:56:13.46 ID:tr/h5T1u0
入っちゃったwwwwwwww

168 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 01:58:53.97 ID:
( ^ω^)「争いは何も生まないという良い勉強になったお」

扉の外から聞こえる罵声を無視し、内藤は洞窟を進んでいった。
洞窟は人工のトンネルのようで、案内板が設置されている。
電灯が完備されたトンネル内には休憩用と思われる空間などもあり、鍵をもっていたと思われるプレイヤーの捨てていったゴミが散乱していた。
洞窟内の案内板に従い進んでいくと、やがて出口が見えてくる。
だがなぜか、数人のプレイヤーが出口の前に集まっている。

( ^ω^)「なにしてるんだお?・・・ってこれは・・・」

そこは、断崖絶壁だった。
なぜか眼下には大きな運河が流れていて、豪華客船がその運河を通っている。
内藤は出口に群がっているプレイヤーの一人に声をかけた。

( ^ω^)「あのー・・・これどうやって降りるんだお?」
( ゜∀゜)「さぁ・・・落ちてみる?うん、いっそ飛んでみれば良いと思うよ」
(;^ω^)「いやそれはwww」
( ゜∀゜)「いやいやwwwまぁまぁまぁwwwww」
(;^ω^)「ちょ、押すなお!あっー!!」

内藤はどこかのプレイヤーに押し出され、50メートルはありそうな崖から落ちていった。

170 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 02:11:19.91 ID:
(;^ω^)「ひぃぃぃ!」

猛烈な勢いで落下していく。
いくら下が水だからといって、こんな高さから落ちたら死んでしまうだろう。
落ちながら何とか手持ちの道具を出していくが、登山具と食料くらいしか持ち物はない。

(;^ω^)「何か空を飛べる道具とかないかお!?レッドブルとか!」

このままでは高速で水面に激突し、ひしゃげたカエルのようになってしまう。
それどころか下手をしたら優雅に航行している豪華客船に落下し、それはもう偉いことになるかもしれない。
それならいっそ水面にぶつかったほうがマシだろうか。

(;^ω^)「ん?水面?・・・水?水かお?なら・・・」

内藤は懐に手を入れた。
水が相手なら、内藤の懐には心強い味方がいる。
内藤はあらん限りの声を振り絞り叫んだ。

(;^ω^)「リヴァイアたーんっ!!」

171 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 02:19:31.34 ID:
ξ゚⊿゚)ξ「雪化粧の断崖絶壁に、対岸は緑豊かな大自然・・・現実にはない光景よね~」

ツンは世界一周の豪華客船の甲板にあるカフェテラスで優雅にティータイムを楽しんでいた。
参加費100万のツアーには20億円目当てのプレイヤーは一人もいない。
だからこそ100万という初期資金全てをつぎ込むツアーを楽しめるというものだ。
その優雅な時間も、もうすぐ終わろうとしている。

「リヴァイアたーんっ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・今なにか聞こえたような・・・」

豪華客船のすぐそばで唐突に水柱が上がり、飛沫が雨となって降り注ぐ。
その飛沫雨のおかげで出来た虹を見上げると、ツンのよく知っている人物が浮かんでいた。
スクール水着の少女にだきついたその人物はゆっくりと豪華客船に降り立つと、力なく座り込む。

(;^ω^)「はぁ・・・死ぬかと思ったお」
リヴァイアたん「ご利益てきめん!あと一回だから大事に使うよーに」
( ^ω^)「わかったお。ありがとうだおリヴァイアたん!」

ξ゚⊿゚)ξ「・・・なにやってんのあんた」

172 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/14(金) 02:21:33.37 ID:yFAQSUfo0
wktk

174 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 02:46:40.12 ID:
ツンは突然降って来た内藤をとりあえずカフェに連れて行き、今までの話を聞いた。
内藤は話の途中で何度もツンに同行を申し出たが、あっさり断られる。

ξ゚⊿゚)ξ「・・・嫌だ。もうやめてよね、なんでアンタが降ってくんのよ、お呼びじゃないのよ・・・」
( ^ω^)「ちょ、それはないおツン。一緒にチベット行こうお」
ξ゚⊿゚)ξ「だから・・・私は別にお金もいらないし、ゲームで優勝する気もないの!たまにはゆーっくり優雅に旅行をね・・・だいたいチベットってほかに何があるのよ」
( ^ω^)「・・・実はチベットにはこの世界でしか食べられないっていう究極の料理があるんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「!?・・・へぇ、それで?」
( ^ω^)「美しい花が咲き誇るそこはまさに桃源郷。さらに人懐っこい小動物がおもてなししてくれるんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「ふ、ふぅん?そ、それがどうしたの?」
( ^ω^)「いや別に。そっかお、残念だおー。まぁ僕だけでもがんばってたどり着くお。ツンは旅行を楽しんでくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、ちょっと・・・」

豪華客船は突然の来訪者である内藤を降ろすため、途中の停留所で内藤を降ろすことになった。
船を下りようとする内藤の登山服。その裾を、ツンが握っている。

( ^ω^)「ん?なんだお、ツン?www」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・あんた一人じゃ寂しいだろうから、ついていってあげてもいいわよ。仕方なくよ?別に小動物とかに釣られてないからね?」

こうして偶然にもツンと合流した内藤は、崑崙山脈のふもとにある村に向かった。

222 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 22:41:22.31 ID:
ξ゚⊿゚)ξ「それで・・・チベットにいくには崑崙山脈を越えないといけないけど?」
( ^ω^)「うーん・・・崑崙さえ越せばチベットだから盛大に・・・」

内藤とツンは村の食堂で地図を広げていた。
なんだかんだでここまでたどり着いたプレイヤーは少ないらしく、今までの村と違いプレイヤーの数も少ない。
ロシアの山越えに挑んだプレイヤー達はまだ山を越えていないのか、一人も村にたどり着いていなかった。
そうなると崖から落とされたのも幸運だったようだ。
だがしかし、その幸運は続かなかった。
崑崙山脈は踏破できない。岩肌をむき出しにした山々は人が歩いて登れるほど優しくはない。

ξ゚⊿゚)ξ「じゃダメじゃない。私かえっていい?」
( ^ω^)「いやいや、なんとかしてヘリか飛行機を買えれば・・・」

この村には滑走路がある。
おそらく崑崙を超えるために、近くのこの村に用意されているのだろう。

( ^ω^)「滑走路があるなら、飛行機を安く売ってる可能性もあるお」

224 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 22:52:09.85 ID:
だがその滑走路も使えなくては意味がない。
村中に風を切る轟音が鳴り響く。
村のはずれ、滑走路のある場所で爆発がおこった。

225 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 22:52:24.03 ID:
( ^ω^)「な、なんだお!?」
ξ゚⊿゚)ξ「内藤、あれ!滑走路が・・・」

ツンの指を辿った先の滑走路。
そこには、派手に燃え上がる戦闘機の残骸があった。
よほどの高速で墜落したのか、滑走路に半ばほど突き刺さっている。
騒然とした滑走路に向かうため外に出ようとした内藤とツンは、地面にさす影に気付いた。
上を見ると、墜落直前にペイルアウトしたらしいパイロットが降りてきている。

('A`)「いんやー・・・危ねぇな。まさかこの俺が落とされるとは・・・エースコンバットの全国優勝者だぞ俺は?」
( ^ω^)「ドクオ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたがあれに乗ってたの?」
('A`)「おー、内藤にツンじゃねぇの。そうそう、いやー墜落するってんでこう、頑張ってだな・・・なんt」
( ^ω^)「なんて間の悪いことしてくれるお!おかげで滑走路が使えないお!」
ξ゚⊿゚)ξ「お手上げね、私帰るわ。空気読んでよね、まったく」

内藤とツンは食堂から出て、すぐ近くに着地したドクオに近寄った。
話し終える前にいきなり文句をいわれ、ドクオは唖然とした表情を浮かべる。

('A`)「いやあの・・・俺が滑走路に落とさなかったら食堂に落ちるとこだったんだけど・・・」

226 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 23:04:23.37 ID:
ドクオの戦闘機が墜落してから、はや三日が過ぎた。
最初は空から崑崙を超えるつもりだった内藤たちだったが、ドクオの話からするとそれも無理らしい。
戦闘機を使っての太平洋横断に成功したドクオと各国プレイヤーは、そのままチベット上空への侵入を試みたそうだ。
だが、設置された膨大な数の機銃によって進入ままならず、あえなく全機撃墜されたとか。

('A`)「だから空は無理だって。ほかに無いのか、地下とか水路とか」
( ^ω^)「うーん・・・けど登山も無理、水路なし。地下ってどうやって行くんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「いっそ遠回りすれば?」
( ^ω^)「南はアルプス山脈に北はこの崑崙・・・東は横断山脈。となると・・・」
('A`)「西からの中国経由か・・・大分遠いな。ロシアから来る奴ら待ってみたらどうだ?」
( ^ω^)「んん・・・そうするかお・・・?」

227 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 23:16:04.24 ID:
さらに4日後、ロシアから山を越えてきたプレイヤーたちが村にたどり着いた。
その一団の中に、荒巻の姿もある。

( ,' 3 )「情報ね。生徒割引で20万」
( ^ω^)「・・・やけに高くないかお?」

わざわざロシアから来るプレイヤーの一団を待ってまで手に入れた情報。
それはとある単行本の全巻セットだった。
題名を、封神演技という。

('A`)「20万でこれね・・・どうしろってんだ?」
( ^ω^)「とりあえず読むお」
ξ゚⊿゚)ξ「普賢ハァハァ」
( ^ω^) ('A`)「腐女子乙www」

内藤たちは荒巻を信じ、ひたすら単行本を読んだ。
何度も何度も繰り返して。

228 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/14(金) 23:16:36.56 ID:
そして気付いた。
単行本をじっくり読んだ後、もう一度開いた地図。
崑崙山脈の一部に、何のためにあるのかわからない道がある。
内藤たちは村人の静止をふりきり、その道を進んだ。
道の先にあるだろう、ひとつの山を目指して。

( ^ω^)「・・・あったお、操縦室」
ξ゚⊿゚)ξ「動力確認。生きてるわ」
('A`)「操縦は俺がやろう」

水路もなく、空からも進入できない最終目的地、チベット。
中国からの陸路以外では到達できないと思われたそこに行くもう一つの手段。
移動要塞・崑崙。
荒巻に20万を払わなければ、存在に気がつかなかっただろう。

( ^ω^)「崑崙発進!」

内藤たち三人はテストのゴールに思いを馳せ、崑崙山を飛び立たせた。

234 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/14(金) 23:28:22.63 ID:U5Lb51AA0
wktk

245 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 00:16:07.76 ID:
数日前、アメリカ大陸というゴールから最も離れたスタート地点から、太平洋を越えて一気にチベット行きを狙った集団がいた。
200を超える参加者のうち、50人ほどがチベット上空にたどり着いたが、彼らは対空機銃で撃墜されることになる。
チベット周辺でそれを見ていたプレイヤーは、山越えの難易度を知っていた。
その上最後の手段だった航空手段も目の前で無力化されたため、彼ら全員が中国西部からのルートを進むことになる。
しぃとつーもその中の一組だった。

(*゚ー゚)「力加減はよろしいですかー?」
(,,゚Д゚)「あ゛?・・・天国。もうずっと走ってたからさ、しんどくてしんどくて・・・」
(*゚∀゚)「私達が通りかかってよかったねぇ」

中国西部には山脈の変わりにジャングルが生い茂り、侵入者を篩いにかける。
中国西部からチベットまで流れる川にはピラニアやワニが生息し、ジャングル内には未知の猛獣が待ち構えている。
しぃとつーは道中で広ったギコを仲間に加え、ボートでジャングルを進んでいた。

(*゚ー゚)「それにしてもなんでジャングルになってるのかしら」
(*゚∀゚)「きついわー・・・あ、みてみてピラニア」
(,,゚Д゚)「んん、ピラニアって食えるかな・・・」

しぃ達三人以外にも、川にはたくさんのボートが浮かんでいる。
中には大型クルーザーで優雅にお茶を楽しんでいる者もいて、ジャングル河ルートを行くプレイヤーはとても平和だった。

246 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 00:18:12.99 ID:
その平和を打ち砕いたのは、轟音と共に空から降ってきた岩。
その岩はしぃ達のすぐそばでお茶を楽しんでいたクルーザーに直撃し、数人のプレイヤーがリタイアする。

(,,゚Д゚)「うお!?何事だ!?」
(*゚ー゚)「トムさんのクルーザーが!」
(,,゚Д゚)「あ、あるまげどん!」
(*゚∀゚)「ちょ、まだふってくるよ!回避回避!」

ほんの1秒前まで平和だった一団は騒然となり、何人ものプレイヤーが岩の下敷きになってリタイアしていく。
大きく小回りがきかない船から岩を避けきれずリタイアされていき、なんとか生き延びたプレイヤーもピラニアの餌食となり脱落していった。
チベットまで直通、もっとも安全なはずの中国西部からの河越えルートは阿鼻叫喚の地獄絵図となる。
蛇行運転をするボートから空を見上げたギコの目に、浮遊する巨岩と多数の戦闘機が見えた。

(,,゚Д゚)「・・・山が・・・浮かんでる」
(*゚∀゚)「わぉ。あ、ビーム撃った」
(*゚ー゚)「あれもチベットに・・・?誰かが動かしてるの?」
(,,゚Д゚)「いったいどこの馬鹿だ!」

はるか上空でビームを撃つ山を見上げながら、しぃ達三人は先を急いだ。

247 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 00:20:49.96 ID:
( ^ω^)「右舷!弾幕薄いお!何やってるんだお!」
('A`)「バリア損耗率70%突破。破損した装甲が地上に落ちてるが・・・」
( ^ω^)「それどころじゃねーお!機銃群を黙らせたと思ったらなんだお!?」
ξ゚⊿゚)ξ「機銃を無力化したせいで各地から航空機を使ってプレイヤーが集まってきたみたいね・・・チベット上空が安全になるまで待ってたなんて・・・」

崑崙のレーダー上に表示された光点は約20。
機器が正確なら、現時点でリタイアしていないプレイヤーは地上のジャングルにいる200人ほどと、チベット上空の内藤たちをふくめた20数人。
山脈越えに挑んだプレイヤーは全てリタイアしたようだ。
つまり、ゴール目的でないプレイヤーを除いた全員がチベットに集まったことになる。
そしてその全員は、チベットの中央にある宮殿を目指していた。

('A`)「ち・・・図体がでかいからって俺らばっかり狙ってきやがる」
ξ゚⊿゚)ξ「高度が下がってる・・・内藤、このままじゃ落ちるわよ!」
( ^ω^)「落下予想地点は?」
ξ゚⊿゚)ξ「チベット宮殿から東に2キロ。けど・・・攻撃が続くようならわからないわ」
( ^ω^)「・・・宮殿に降りるお」

( ^ω^)「いや・・・宮殿に、この崑崙を落とすお。そのつもりで着陸だお」

248 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 00:32:02.06 ID:
崑崙は動力のほぼ全てをバリアに回し、緩やかに落下していった。
チベット上空の戦闘機の中で、唯一崑崙を狙わなかった一機がそれを見守っている。

(´・ω・`)「降りるつもりか・・・手助けしてやろうかな、少しだけ」

たった一機だけ崑崙を狙わなかったショボン機は、反転して生き残った10機ほどの戦闘機に向かっていった。
適当に時間を稼いだ後、ショボンも内藤たちの乗る崑崙に続いて宮殿近くに着陸する。
河を登ってきたプレイヤーの生き残りと、戦闘機組の生き残り。
そして内藤たちは、最後の舞台である宮殿にたどり着いた。

249 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 00:34:47.64 ID:dDlpOEuz0
wktk

250 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 00:36:53.65 ID:
(,,゚Д゚)「・・・門とかないんだな」
(*゚ー゚)「ご自由にお入りくださいって事かな?」
(*゚∀゚)「中はどうなってることやら・・・」

( ^ω^)「近づいてみるとかなり広いお・・・」
('A`)「ああ・・・ドーム状になってるみたいだな」
ξ゚⊿゚)ξ「この先が中央ね」

(´・ω・`)「・・・これは・・・何かの会場か?」

この宮殿にたどり着いたプレイヤーはどれくらいいるだろう。
100人くらいだろうか。
正確な人数はわからないが、宮殿中央に設けられたドーム状の空間には、大体プレイヤーの人数分くらいの座席が用意されていた。
それぞれの席の前にはアーケードゲームの筺体のような装置が取り付けられている。

( ^ω^)「高校生クイズみたいだお・・・?」

251 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 00:41:13.57 ID:
ドームに着いたプレイヤーは、それぞれ椅子を調べたり話し合いを始めた。
さっきまで争っていたとは思えない空気だが、これも仮想現実ならではなのだろう。
やがてドームの入り口が閉まっていき、アナウンスが流れる。

「最終関門へようこそ。テスト段階でまだまだ荒削りなシステムですがお楽しみ頂けたでしょうか?さて・・・」

かなり長いアナウンスだったが、要約するとこうだ。
内藤の予想通り、最終関門はクイズ大会。
ここまでたどり着いたプレイヤーがクイズで点数を競い合い、最高得点を獲得したプレイヤーが優勝となる。

( ^ω^)「本当にクイズだったのかお・・・僕の席はどこだお?」

内藤は自分の名前が書かれた席を見つけ、準備万端椅子に座る。
その隣に座ったのは、どこか見覚えのある人物だった。

(´<_`  )「よこっらせー、と」
( ^ω^)「!?・・・兄者さん?」
(´<_`  )「ん?・・・俺は弟者だが。兄者を知ってるのか?」

252 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 00:46:11.12 ID:
(´<_`  )「なるほど。途中まで兄者と一緒だったのか」
( ^ω^)「兄者さんには世話になったお・・・けど、レースでリタイアしちゃったお」
(´<_`  )「ははは、まったく兄者は俺がいないとダメだな」
( ^ω^)「ブロッケンGに乗ってさえいなければ、兄者さんはきっとここまで来れたお」
(´<_`  )「どうかね・・・お、始まるみたいだな。せいぜい兄者の分まで頑張るとしよう」

ドーム中央を取り囲むように座ったプレイヤーが見つめるのは、中央の大スクリーン。
クイズの開始を告げるBGMと共にスクリーンにソニーの宣伝映像が映し出される。
ソニーの宣伝映像が流れ終わると、さっそく第一問が出題された。

Q1
伊藤左千夫の作品はどれ?

1、野菊の墓
2、坊ちゃん
3、赤光

( ^ω^)「・・・はぁ?」
(´<_`  )「伊藤左千夫って誰よ」
( ^ω^)「・・・三択だから適当に選ぶお!」

253 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 00:52:22.42 ID:
どうやらクイズはジャンルごとに区切られているようだ。
各ジャンルそれぞれ10問、一つ正解で1点。
この最終関門までたどり着いたのは大抵が日々ゲームばかりしている者や、肉体労働者、スポーツをしている者だった。
よって、半数以上のプレイヤーは問題の意味もわからないまま、勘で答えを選ぶことになった。

(´・ω・`)「ふん・・・歴史教師をなめるなよ!多分答えは1、と」
ξ゚⊿゚)ξ「答えは1ね」
('A`)「・・・2、と」
( ^ω^)「これはずばり・・・3だお」

「答えは1、野菊の墓でした。ただいま問題の正答率、37%」

(;^ω^)「・・・」

254 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 01:04:44.58 ID:nfO8h+3GO
wktk

255 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 01:06:50.61 ID:
その後も国語の問題が続く。
問題が進むにつれて少しずつ難易度が上がっていき、正答者も減っていった。

Q7
【 明白 - 歴然 】と同じ関係の言葉の組み合わせはどれか。
1、勝敗 - 惜敗
2、 勝敗 - 惜敗
3、 沿革 - 変遷
4、安静 - 安全
5、豆腐 - 納豆
6、壮健 - 病弱

( ^ω^)「はいはい、3だお3」

内藤ははやくも問題を見ずに答えを選択していた。
問題どころか答えすら見ていない。
それでも内藤は平均的な点数を維持していた。

「答えは3、沿革-変遷です。ただいまの問題の正答率は15%」

適当に答えても、存外当たるものらしい。

256 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 01:13:59.55 ID:
国語のクイズが終わり、内藤の保有点は5点。
ジャンルの切り替えが行われ、その際の保有点によっては失格となる。
ドームにいるプレイヤーのうち2割ほどが、座っている椅子のしたに空いた落とし穴へと消えていった。

('A`)「おーちーるー・・・2点だって良いじゃんかよチクショー・・・」

国語の次のジャンルは社会。
ここでさらに残ったプレイヤーの3割が減り、早くもプレイヤーの数は半分にまで減ってしまう。
全4ジャンルのクイズ大会は中盤にさしかかった。

(;^ω^)「・・・弟者さんも残ったかお」
(´<_`  )「9点でな・・・いや、まさか落とし穴とは・・・」
( ^ω^)「次のジャンルは・・・お、ゲームクイズかお!ここで点数稼ぐお!」

257 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 01:15:31.47 ID:
「ロマンシングサガ3で、最初の主人公中最もLPが高いのは?」
( ^ω^)「全員同じ」
「グゥエイン(竜)の親で、かつて聖王とともにビューネイを倒した竜の名前は?」
( ^ω^)「ドーラ」
「ワイルドアームズで、破壊されたアーデルハイドの町を復興させるのに必要な寄付金の総額は?」
( ^ω^)「221500ギャラ」

ジャンルがゲームになったとたん、内藤の点数は凄まじい速度で上がっていった。
ゲームが得意なプレイヤーは国語、社会で脱落したのか、内藤ほどの正答率を誇るプレイヤーは他にいない。
中堅よりやや下といった順位にいた内藤は、一気に順位を上げていった。

(´<_`  )「げ、不正解か・・・にしてもお前なんなんだその正答率は・・・」
( ^ω^)「ゲームなら僕のもんだお。伊達にゲームばっかりしてないお!」
(´<_`  )「さすがオタク大国日本・・・流石だな」

258 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 01:33:29.01 ID:wP4nYEnHO
ロマサガキタコレ

260 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 01:38:49.08 ID:
Q10
「クロノクロスで、盗み系の固有エレメントを持つキャラクターは、「キッド」「ファルガ」とあと一人は?」

(´<_`  )「・・・このままではリタイアになってしまう」

弟者は苦渋の決断の末、そっと隣の内藤の席に視線を移した。
内藤は弟者の視線に気付かず、少しだけ考えて答えをかいていく。

261 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 01:39:10.38 ID:
(´<_`  ) (メル、か・・・)

弟者が視線を戻し、答えを書こうとパネルに手を伸ばす。
その瞬間、弟者の足元に、ぽっかり穴が開いた。

(´<_`  )「!?ノォォォォォッ!!」

カンニング対策は万全。
試験官などいなくても、現実世界のたくさんの観衆が弟者のカンニングを目撃していた。

( ´_ゝ`)「おお弟者よ、カンニングとは情けない・・・」
(´<_`  )「む・・・兄者は岩に突っ込んだらしいじゃないか。そりゃリタイアするわ」
( ´_ゝ`)「・・・まぁお互い馬鹿なリタイアをしたと。流石だな、俺ら」
(´<_`  )「ああ、流石だよな俺達」

286 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/17(月) 11:08:18.16 ID:YOc8SxCS0
これおもしろいお

323 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 00:13:30.69 ID:
(;^ω^)「・・・弟者さんが突然落ちていったお?誤作動かお?」

弟者の悲鳴で隣を見たが、すでに床の穴はしまっていた。
周囲を見渡すと随分人が減っている。
現在21点で順位が9の内藤を含め、落とし穴に消えていないのはわずか11人だった。
その11人が挑む最後の問題。ジャンルは数十種類の中からルーレットで決められる。

(;^ω^) (・・・アニメあたりになってくれたら勝ち目はあるけど・・・数学にでもなったら落とし穴確定だお)

ルーレットは勢い良く回転をはじめ、プレイヤー達はじっとルーレットを見つめていた。

(´・ω・`) (さぁ何がでる?無難に雑学にでもなってくれれば良いが)
ξ゚⊿゚)ξ (ここまで残りはしたけど、そろそろ自信ないわ・・・)
(*゚∀゚)  (ギコもしぃもリタイアしちゃったしなぁ・・・保健ならいけそうだけど、もういいかな?)

11人と、現実の会場にいる観衆が見守る中、ルーレットの回転が遅くなっていく。
ルーレットはまるでプレイヤーをじらすようにゆっくり回り、ようやく止まった。
止まった問題は、軍事。

324 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 00:19:12.41 ID:
( ^ω^) (・・・勝った・・・!)
(´・ω・`) (軍事か・・・もう一回ルーレット回らないかな)
ξ゚⊿゚)ξ (このテスト終わったら何時くらいかなぁ・・・)
(*゚∀゚)  (そういえば今日何曜日だっけ?)

最後の10問は早押し形式。
アナウンスが問題を読み上げていく。

「可変であるプロペラピッチをマイナスの位置に設定し、通常推進とは逆方向の推力を得ること。双発以上のターボプロップ機のほぼ全てがこの機構を」

( ^ω^)「・・・リバーサルピッチ!」

「たちかぜ型の後継となる海上自衛隊の第3世代ミサイル護衛艦。RIM-66を同時に2つの目標へ」

( ^ω^)「はたかぜ」

(´・ω・`)「むぅ・・・20億が・・・」
ξ゚⊿゚)ξ「内藤きめぇw」

327 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 00:24:39.54 ID:
内藤は次々に正解していった。
選択なら点がはいるだろうが、早押し形式のため他プレイヤーには点がはいらず、内藤の一人舞台になる。
内藤の点はすでに28点。現在トップのショボンの28点に並んだ。
つまり、次の10問目で勝敗が決する。

「ヘリコプターのテイルローターを、垂直尾翼に内蔵したもの。形状が換気扇に似ていることから、その名が」

ボタンを押した音が鳴り、現実会場にいる全員が内藤に視線をむけた。
だが、内藤の手はボタンを押す直前で止まっている。
驚愕の表情で内藤が見つめる先にカメラが動く。

(´・ω・`)「ふふ・・・わかりません」

328 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 00:27:51.72 ID:H49uQ+S20
wktk

329 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 00:32:26.70 ID:
(;^ω^)「なっ!?ちょwwwおまwwww」
(´・ω・`)「これで内藤の勝ちは消えたな」
(;^ω^)「あーぉ・・・もう言葉もでないお」

問題を打ち消された結果、内藤とショボンの点数は同点のまま。
おそらくは、一問だけ本当に最後の問題が出題されるはず。
得意な軍事の問題が消されたことで、内藤の勝ち目はなくなったといえるだろう。

(´・ω・`)「悪いな、内藤。でも先生どうしても車のローン払いたいんだ」
(;^ω^)「あ、そう・・・ですかお・・・」

ショボンのあまりに大人気ない行動に、会場に来ていた校長及び学校関係者が眉間を揉む。
最後の問題が出題される前に、一応ショボンに注意が下される。
わからないのに答えるなと。
ショボンの了承を確認し、ようやく問題が出題される。

「最後の問題です。耳掻きについているフサフサの部分の名前は?」

332 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 00:40:56.29 ID:
( ^ω^)「・・・僕は綿棒派だお」
(´・ω・`)「あれか、知ってるぞ・・・なんだったか、えーと・・・」

耳掻きについているフサフサの部分。
20億の運命を左右する問題にしては簡単な気がするが、急に言われても思い出せない。

ξ゚⊿゚)ξ「ああ・・・あれね」
(*゚∀゚)「なぜか立派な名前がついてるんだよねぇ」

答えが分かっていても、内藤とショボンのどちらかが答えないと意味がない。
世界中の関係者が見守る中、さきにボタンを押したのはショボンだった。

(´・ω・`)「・・・もふもふ・・・」
「不正解です」
(´・ω・`)「・・・ですよねー?」

333 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 00:44:07.12 ID:+3ELTbwo0
もふもふwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

335 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 00:46:02.90 ID:R+6jKier0
もふもふバロスwwwwwwwww

336 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 00:49:32.24 ID:
( ^ω^)「うーん・・・見当もつかないお」

内藤はとりあえず持ち物を確認してみた。
当たり前だが、耳掻きもない上に答えが書かれていそうな物もない。
そもそも内藤の持ち物の中でまだ使えるものは一つしかない。
どう考えても役に立たないだろう大海の王しか。

( ^ω^)「リヴァイアたんかもーん」
リヴァイアたん「なんじゃい」
( ^ω^)「耳掻きのふさふさって何ていうか知ってるかお?・・・って、聞いたらカンニングになっちゃうかお」
リヴァイアたん「いや、自分のアイテムなら大丈夫。けど、耳掻きのふさふさなんか知らんぞ?もふもふで良いではないか?」
( ^ω^)「それ不正解だお」
リヴァイアたん「・・・ふむ。会場の人間に聞いてみるか?それくらいなら出来るぞ?」

内藤がリヴァイアたんと相談している隙に、またショボンがボタンを押す。
どうやら何度間違っても良いようだ。

(´・ω・`)「あー・・・荒巻?」
「不正解です」
(´・ω・`)「ええ、わかってます」

VIPシステム内でも、クイズの様子はTV放送されている。
ロシアで豪邸を購入しVIP長者番付1位になった荒巻は、買ったばかりの豪邸でショボンの珍回答を見ていた。

( ,' 3 )「・・・んなはずないだろうに。必死だなショボン先生は」

338 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 00:56:57.38 ID:NbWW/MPl0
ショボンと同じ考えとは・・・

339 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 00:58:20.62 ID:
( ^ω^)「で、リヴァイアたん。会場の人に聞くってどうやるんだお?」
リヴァイアたん「テレフォンといってな。フィギアに戻った私を耳に当てれば会場の人間と30秒だけ話せる。やってみる?」
( ^ω^)「・・・お願いするお」
リヴァイアたん「うむ、任せるが良い。これで3回だな。ご利用ありがとうございました☆これからも召喚ドールをごひいきに♪」
(;^ω^)「・・・最後はちゃっかり営業かお」

最後に営業台詞を残し、リヴァイアたんはフィギアに戻った。
ショボンはまだ頭を捻っている。
内藤はすぐにフィギアを耳に当てた。

( ^ω^)「トゥルルルルルル・・・」
リヴァイアたん(F)「阿呆、顔を口のほうにするな!キモイ!!」
(;^ω^)「ご、ごめんだお・・・まだ喋れたのかお」

今度はちゃんとリヴァイアたんの顔を耳に当て、内藤はフィギアの股間の辺りに向けて声をかけた。
現実世界の会場に内藤の声が流れ、観客が思い思いに声を張り上げる。
そんなことなど露も知らないVIPシステム内の人間は、内藤を可哀想な子を見る目で見た。

ξ゚⊿゚)ξ「・・・内藤が壊れた」
(*゚∀゚)「可哀想に・・・」

340 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 01:07:51.41 ID:
「もふもふー!」「まふまふー!」「もこみちー!」
「フサしぃ!」「フサぎこ!」「羽毛布団の中身の羽!」

(;^ω^)「ちょ、まともな奴はいないのかお!?あと10秒しかないお!」

会場では観衆が適当な答えを叫びあい、とんでもない騒ぎになっていた。
中には正解を言っている人もたくさんいるだろうが、とても聞き取れない。
内藤が諦めかけたとき、やけに聞き取りやすい声が聞こえた。

('A`)「あーあー、内藤?今プレイポッド通して話してるんだが、聞こえるかー?」
( ^ω^)「お?ドクオかお?」
('A`)「ちょっとこっちはうるさくてお前の声聞き取りづらいんだが、答え言うぞー」
( ^ω^)「は、はやくしてくれお!あと4秒しかないお!」
('A`)「答えはあれだ、梵天」
( ^ω^)「ぼんてん!?マジかお?ありg」

内藤が返事を返す前に時間が過ぎ、リヴァイアたんは正真正銘ただのパテの塊になる。
ドクオのいっていた言葉が正解かはわからないが、ここはドクオを信じるしかない。

( ^ω^)「ふ・・・先生、残念だけど僕の勝ちだお」
(´・ω・`)「なんだと?答えがわかったのか・・・!?」
( ^ω^)「僕は、ニュー速市の神になるお・・・!」

343 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 01:12:20.92 ID:
( ^ω^)「ずばり。答えは梵天だお」
「・・・」
(;^ω^)「・・・いや、梵天だお?」
「・・・」
(´・ω・`)「・・・間違ってるんじゃないか?」

ξ゚⊿゚)ξ (え?梵天じゃないの?)
(*゚∀゚)(なにこの沈黙?たもさん?)

長い沈黙。
プレイヤー達だけでなく、会場の観客も全員が声を出さずにアナウンスを待っている。
会場にいる担当者ですら故障かと慌てだしたとき、ようやくアナウンスから声が流れた。

「・・・正解!」

344 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 01:13:23.68 ID:R+6jKier0
たもさんだったのかwwwwwwwwwwwwwwww

345 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 01:13:48.80 ID:Q+v28dZn0
タモさんじゃなくてミノさんじゃね?www

347 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 01:20:55.64 ID:
( ^ω^)「フゥーハハァー!僕が優勝者だお!」
(´・ω・`)「・・・負けたよ、内藤。おめでとう」
( ^ω^)「おお。ありがとうだお先生。なんで最後は爽やかなんだお?」
(´・ω・`)「いやなに、一応教育者だからな。で・・・実は先生言い忘れてたんだが、今度学校のほうで大規模な集金があってだな」

( ^ω^)「ツーン、やったお、優勝しちゃったお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。優勝したらどうなるのかしら?」
(´・ω・`)「内藤、集金があってだな・・・」
( ^ω^)「さぁ・・・会場に戻るんじゃないk」

内藤の視界が突然真っ暗にある。
もういい加減慣れてきた。これから会場に戻されるのだろう。
なすがままにしていると意識も消えていく。
目を覚ますと、予想通りプレイポッドの中だった。

( ^ω^)「・・・うん。きっと外に出れば表彰式だお」

349 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 01:30:48.69 ID:
盛大なファンファーレの音と、どこに隠れていたのかわからないほどの人数の聖歌隊。
内藤はプレイポッドから伸びた赤い絨毯の上を担当者の前まで歩いていった。

担当者「優勝おめでとうございます。これが20億の小切手です」
( ^ω^)「どうもですお。これが小切手っていうものかお・・・はじめてみたお」
インタビュアー「内藤さん、優勝おめでとうございます!この20億を何に使われるおつもりですか!」
( ^ω^)「ん・・・そうだおね・・・」
(´・ω・`)「内藤、集金があるんだって。それで少しばかり先生に」
( ^ω^)「半分は恵まれない子供たちに。もう半分はニュー速市に寄付するお」
インタビュアー「本当ですか!?聞きましたかみなさん!」
市長「おぉぉぉぉ!!」

内藤の超善人的な発言で、会場は歓声につつまれる。
市長や市議会役人たちが駆け寄り、内藤は散々もみくちゃにされた。

(´・ω・`)「・・・ローン・・・」
(╬☉д⊙)「ちょっと、ショボン先生?」
(´・ω・`)「おや、校長先生・・・なにやら顔色が優れないご様子ですな」
(╬☉д⊙)「てめぇ何ウチの学校のイメージ下げてるんだよ。記者会見でもされたらどうすんだ?星狐学園の教員生徒に金をせびるってよぉー!?」
教員「校長先生、落ち着いてください!顔が変わってます!!」
FOX「む・・・おほん。失礼。でですね、ショボン先生はとりあえず減俸させていただきますのであしからず」
(´・ω・`)「はい?はっはっは、またまたご冗談を。あれは単なる冗談ですよ」

(╬☉д⊙)「・・・」
(´・ω・`)「いや・・・すいません」

350 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 01:33:36.30 ID:9j5A78m8O
ブーンいい子だお^^

351 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 01:38:16.98 ID:ZX8bHM3UO
ローンぐらい払ってやれよwwwww

352 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 01:47:08.55 ID:
こうして世界最初のVIPシステムの稼動テストは成功し、やがて全世界にVIPシステムが普及していった。
ニュー速市は内藤の優勝賞金寄付などの話題のおかげで観光収入が増え、また日本で最初にVIPシステムの実装機が配備された都市として、一気に日本有数の観光都市になる。

( ,' 3 )「ふーぅ。やはりこの家は良い。現実世界になど戻りたくないねぇ・・・」

後にVIPシステムの弊害として、仮想現実への引きこもり。
通称ヴィッパーと呼ばれる人々が生まれ社会問題になっていったが、それは瑣末なことだろう。

353 : 蕎麦屋 ◆SOBAYAmrcU : 2006/04/18(火) 01:50:33.54 ID:
( ´_ゝ`)「弟者よ、次はどこにいく?」
(´<_`  )「そうだな・・・富士火口へD型耐熱スーツでダイビングなんてどうだ兄者」

なぜなら、世界の人々はVIPシステムを心底楽しんでいたから。
そこには無限の可能性があった。

(´・ω・`)「悪いが、ロイヤルストレートフラッシュだ。これで賞金は俺のものだな?ふふ・・・ローンともこれでおさらば、か」

プレイヤーたちはそれぞれが思い思いに新しい遊びを生み出し、現実とリンクさせ遊びの幅を広げていった。
現実での賞金が出るカジノ、レース、格闘技の大会。
VIPシステム内の危険な洞窟を巡る旅行会社。

( ^ω^)「お、ツン見るお。あれが噂の未確認海洋生物だお」
ξ゚⊿゚)ξ「あれが七色鯨・・・綺麗ね・・・」
( ^ω^)「いやー、VIP親善大使になってよかったおー」

そして、次々に発見される魔境秘境に、神秘的な生物。
人類はVIPシステムによって、また新しい交流の形を獲得した。
各国首脳が偶然VIPシステム内で出会い本音を語り合うなどで、数々の外交問題が解決されたとか。
VIPは、世界を幸せにしたのだ。

( ^ω^)「VIPシステムはみんなを待ってるお。いつか君も僕と一緒に遊ぼうお!」

めでたしめでたし、と。

354 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 01:52:41.97 ID:OvL1SH34O
乙!!楽しかったよ!!!!

356 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 01:55:35.46 ID:WlSz2U1W0
乙でしたー!

359 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 02:05:57.37 ID:R+6jKier0
面白かったお!
最後の終わり方もよかった

361 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 02:07:34.31 ID:qUZpLgR/O
乙!面白がった!

362 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 02:34:57.49 ID:VWO1xK0IO
激しく乙

蕎麦屋には('A`)が主人公の小説をかいてもらいたかったり

375 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/04/18(火) 06:48:27.77 ID:wyCy4FzQ0
今読み終わった
面白かった蕎麦屋乙

同一作者
( ^ω^)ブーンがちょっと昔話をしているようです