1 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:10:38.08 ID:
男「・・・ふぅ、ただいま」

女「あ、お、お帰りなさい。お・・・」

女「・・・男、さん」

男「うん、ただいま」

女「お風呂、沸いてるよ」

男「ありがとう」

no title


3 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:12:16.63 ID:
女「ご飯、どうする?食べちゃったけど」

男「ああ、適当に済ますよ」

女「そう・・・」

男「それより女さん、お風呂入ったの?」

女「あ、まだ、だけど・・・」

男「じゃあ、先に入ってきちゃいなよ」

4 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:13:49.80 ID:
女「え、で、でも・・・」

男「寝る前にやっちゃいたい仕事があるんだよ」

女「家でも仕事?」

男「うん、ちょっと企画書をね」ゴソゴソ

女「大変だね」

5 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:14:45.03 ID:kfq4Hp3P0
ニートが企画書とか言うなよ

6 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:15:14.15 ID:
男「お風呂入ると眠くなっちゃうし・・・」

男「女さん、明日も学校でしょ?」

女「うん」

男「じゃあ、尚更だよ」

女「・・・うん、じゃあ」

7 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:16:29.84 ID:
男「はい、いってらっしゃい」

女「あ、お茶碗とか、お水に晒しといて」

男「大丈夫だよ、洗っとく」

女「・・・駄目、仕事の日は私がやるから」

男「あはは、そうだったね」

9 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:18:44.76 ID:
女「もう・・・」

男「了解了解ー」カタカタ

バタン

女「・・・・・・・・・」

女「・・・はぁ~」

女「いつになったら、呼べるんだろ」


女「・・・『お父さん』、って」

10 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:19:58.79 ID:
カポーン

女「ふー・・・」

女(・・・・・・・・・)

女(・・・今年の春で・・・)

女(お母さんが死んでから、もう二年か・・・)

女(・・・・・・・・・)

・・・チャポン

13 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:22:43.37 ID:
女(・・・・・・・・・)

女(お母さんが、選んだ人だから)

女(もちろん私も、好き)

女(お母さんのことも、あんなに大切にしてくれたし)

女(仕事熱心だし、優しいし)

女(・・・きっと、理想の父親って、男さんみたいな人だよね)

15 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:23:58.28 ID:
シャァァァァ・・・

女(・・・すごく、すごくいい人)

女(だけど・・・)

女(・・・・・・・・・)

女(・・・男さんと私は)


女(血の繋がった親子じゃ、無い)

17 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:25:14.83 ID:
女(・・・・・・・・・)

女(・・・私、すごい迷惑だよね)

女(男さん、まだ若いんだから)

女(もっとやりたいこと、いっぱいあるだろうし・・・)

女(それを私は・・・)

・・・キュッ

16 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:24:54.57 ID:WZFwRvCk0
これは
母親が若い男と再婚→母死去→若い男と2人で生活
でおk?

18 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:26:53.94 ID:
>>16
そんな感じです。
一応イメージ元にしたコピペがあったんだけど
出来上がってみたらそうでもなかったぜ。


女(・・・男さん)

女(男さんにとって、私は迷惑でしょ?)

女(どうしてそんなに、笑っていられるの?)

女(お母さんはもう、いないんだよ・・・)

女「・・・・・・・・・」

女「・・・『お父、さん』」

20 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:28:07.46 ID:
バタン

男「おー、結構長かったねー」カタカタ

女「・・・ごめん」

男「なんであやまるの」カタカタタンッ

女「・・・・・・・・・」

男「湯あたりでもしてるのかと、心配してたとこだよ」

女「・・・ううん、大丈夫」

19 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:27:31.19 ID:l7GCNV3IO
個人的に男は水谷豊で

21 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:30:17.38 ID:ARN7sz1p0
男をDAIGOに変えるとアラ不思議

22 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:30:22.03 ID:
男「そ、よかった」

女「あれ?・・・夕飯、食べたの?」

男「はは・・・、実は、まだ」

女「えー、体に悪いよー」

男「いやー、キリが悪くってさ」

24 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:31:39.19 ID:
女「もう・・・。なに作る?」

男「あ、いいっていいって。自分でやる」

女「え、せっかくなら・・・」

男「だーめ。女さんは座ってて」

女「・・・はい」

25 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:33:13.55 ID:
男「よしっと。・・・炒飯のもと、使っていい?」

女「いいよ」

男「はい、炒飯を作ります」

女「・・・・・・・・・」

男「あー、料理久しぶりだなぁ」

27 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:34:29.11 ID:
男「家事は分担!とかいいながら・・・」

男「最近女さんに任せっぱなしだったからねぇ」

女「・・・・・・・・・」

男「ふんふ~ん♪」


女(・・・・・・・・・)

女(チャンスなら、いつでもあるのに・・・)

29 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:35:46.54 ID:
女(スっと、言ってしまえばいいのに)

女(簡単な、こと・・・)

女(・・・そのはずなのに)

女「あの・・・」

男「んーとフライパンを・・・」ガタガタ

女「おと・・・」

男「ん?」

30 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:37:03.10 ID:
女「・・・こさん」

男「はい、なに?」

女「・・・わ、私も食べようかな。炒飯」

男「えー、体に悪いよー」

女「・・・・・・・・・」

男「あはは、太っても知らないよ」

31 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:38:32.16 ID:
女「なっ・・・!だ、大丈夫だもん!」

男「あっはっは、そーかそーか」

女「もう・・・」

男「いいよいいよ、一緒に食べよう」

女「・・・うん」

32 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:39:47.59 ID:
女「・・・・・・・・・」

女(・・・言えない。言えないよ)

女(どんな顔されるか、分からないもの)

女(・・・『お父さん』って読んだ瞬間に)

女(この時間が、この空間が)

女(丸ごと、崩れ去ってしまうみたいで・・・)

女(・・・怖い)

35 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:41:22.08 ID:WZFwRvCk0
おいおいおいおいおい

34 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:41:06.85 ID:
男「卵使っていい?」

女「いいよ、この前安かったから」

男「おーいっぱいある・・・」

女(・・・・・・・・・)

女(怖いよ、男さん・・・)

36 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:42:19.70 ID:
男「・・・うん、中々の出来だ」モグモグ

女「・・・おいしい」モグモグ

男「お、気に入ってくれた?」

女「うん、またこの炒飯のもと、買ってくる」

男「あ、それ褒めてないよね」

女「あはは」

37 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:43:37.29 ID:
男「・・・さて、もう少しかなー」

女「まだ、お仕事?」

男「うーん、すぐ終わるつもりだったんだけど」

女「そういう仕事って、後回しにすると厄介だよね」

男「その通りだよ、まったく面目ない」カタカタ

40 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:44:50.14 ID:
女「じゃあ、寝るね」

男「あ、もうこんな時間か・・・」

女「そうだ。洗い物どうしよう」

男「明日の朝にでもやれば?」

女「・・・うん、そうしようかな」

44 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:46:31.72 ID:
女「じゃあ、おやすみなさい」

男「はい、お休み」

バタン

女「・・・・・・・・・」

女「今日も、言えなかったな・・・」

女「・・・『お父さん』」

45 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:47:51.68 ID:
チュンチュン

女「・・・・・・・・・」

男「あー、おはよう・・・」

女「ちょっと、男さん」

男「はい?」

女「コレ、どういうこと!?」

46 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:49:11.39 ID:
男「コレ、って・・・」

女「昨日のお皿!何で洗ってあるの!?」

男「・・・あー、なんか、気が向いたから・・・」

女「私がやるって言ったでしょ!?」

男「あれ、そうだっけ」

47 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:50:43.59 ID:
女「もう!男さん、仕事で疲れて帰ってきて・・・」

女「それで、家事までされちゃったら私・・・」

女「私・・・!」

男「・・・あはは、ごめんごめん」

女「・・・・・・・・・」

男「忘れてたんだよ。息抜きもしたかったし」

49 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:52:08.59 ID:
女「・・・もう」

男「それよりも女さん、パンを焼いてくださると嬉しいな」

女「・・・もう出来てるよ」コトッ

男「おー流石、気が利くなぁ」

女「あたりまえだって」

男「ありがと」

50 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:53:43.24 ID:
女「・・・・・・・・・」

男「・・・いただきまーす」

女「はい、牛乳」

男「ん、ありがと」モグモグ

女「・・・・・・・・・」モグモグ

男「・・・・・・・・・」ゴクゴク


なんかすげーのんびりだけど、
着いてきてくれたらありがとうです。

52 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:55:07.11 ID:
女「・・・今日も私のほうが出るの早い?」

男「うん、そうだね。俺はもう少し余裕ある」

女「じゃあ、戸締りよろしくね」

男「・・・女さん、いっつもそれ言うんだから」

女「だって男さんそういうとこ抜けてるじゃん」

54 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:56:19.92 ID:
女「・・・じゃ、行って来ます」

男「はい、行ってらっしゃい」

女「洗い物、水に晒しておいてね」

男「了解」

女「帰ってきたら、わ・た・し・が!洗います!」

男「りょ、了解」

・・・バタン

56 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:57:39.67 ID:
男「・・・・・・・・・」

男「・・・洗い物くらい、俺でも出来るのに」

男「そのくらいで・・・」

男「そのくらいで、自分の価値が無くなるとでも思ってるの?」

男「まったく・・・」

男「そういうところ、そっくりだ」

57 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 00:58:57.54 ID:
キーンコーンカーンコーン・・・

女「はぁ・・・」

友「どしたの?悩み事?」

女「んー、まぁ色々・・・」

友「そーだよねー、もうすぐバレンタインデーだもんね」

女「あー・・・、そんなん、あったなぁ・・・」

58 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:00:12.86 ID:
友「うわー興味無しか」

女「どーでもいい・・・、物凄く・・・」

友「誰か渡すひと居ないの?」

女「渡すひと・・・」

友「気になってるひととかさぁ」

61 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:01:33.15 ID:
女「・・・・・・・・・」

友「あんた割とモテるんだから・・・」

女「ね、ねぇ」

友「お、居た?」

女「・・・父親に渡す、ってのはさ、無いのかな?」

友「はぁ?親父にぃ?」

62 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:02:45.82 ID:
女「う、うん。・・・変?」

友「えー、どうだろ?」

女「変かなぁ」

友「変、ってほどじゃないけど・・・」

女「うん」

友「普通、やらないんじゃない?」

63 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:03:59.43 ID:
女「そ、そうなんだ」

友「少なくともあたしはやらないかなぁ」

女「・・・あはは」

友「ま、いいんじゃない?」

女「うーん・・・」

65 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:05:19.24 ID:
友「・・・親父ってそういうの、喜ぶよ」

女「・・・え?」

友「やっぱさぁ、良くわかんないけど・・・」

友「娘には、特別な思い入れがあるんじゃない?」

女「・・・っ」


ガラガラ

教師「あーい、帰りのHRはじめるぞー」

68 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:06:32.73 ID:
友「ヤバっ、もう担任来た」

女「・・・ねぇ」

友「うん?」

女「やっぱり、お父さんにチョコ、あげたほうがいいよ」

友「え?私?」

女「うん。お父さん、きっと喜ぶ」

70 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:07:55.88 ID:
友「そ、そうかなぁ」

女「娘から貰うと、嬉しいんでしょ?」

友「あー、うーん・・・。か、考えとく・・・」

女「うん、そうして」

教師「・・・おら座れっての、そこ!帰れねぇぞー」

73 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:09:13.97 ID:
友「あーはいはい」ガタン

女「・・・・・・・・・」

女(男さんは、どうなんだろ)

女(私から、チョコ貰って・・・)

女(・・・嬉しいの?)

女(私は、男さんの、娘じゃないのに?)

75 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:10:33.31 ID:
教師「・・・じゃ、また明日」

ガヤガヤ

友「ねぇねぇ。このあとチョコ見に行こうと思うんだけど」

女「あー・・・、ごめん。夕飯の買い物行かないと」

友「えー、女、料理上手いから教えてもらおうと思ったのにー」

女「あはは、チョコなんて溶かして固めるだけでしょ」

76 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:11:51.02 ID:
友「ま・・・、仕方ないか」

女「ごめんね」

友「いや、急に言った私が悪いんだって」

友「また今度、遊び行こうね」

女「うん」

友「じゃ、明日!」

女「うん、ばいばい」

79 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:14:01.15 ID:
女(・・・・・・・・・)

女(バレンタイン、か)

女(・・・どうしよう)

女(あげてもいいのかな、チョコ)

女(・・・喜んでくれるのかな、私からのでも)

81 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:15:28.66 ID:
ウィーン

女「・・・はぁ、すっかり日が落ちたなぁ」

女「男さん、今日も遅いのかな」

女「・・・・・・・・・」

女(ジャガイモ安かったから、今日は肉じゃがにしようっと)

女(・・・昨日の炒飯のもとも、買えたしね)

85 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:16:52.22 ID:
女(あ、カップ麺買っといたほうが良かったかな)

女(体に良くないけど、一応ストックとしてあったほうが・・・)

父「・・・よぉ」

女「・・・え」

父「久しぶりだなぁ」

父「『俺の娘』」

87 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:17:33.66 ID:WZFwRvCk0
これは意外な展開
支援

88 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:18:06.49 ID:
女「・・・っ」

女(・・・そん、な)

女(なんで、なんで・・・)

女(・・・コイツがっ・・・!)


父「・・・おいおい、そんな顔ねーんじゃねーのぉ?」

92 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:19:58.76 ID:
女「・・・ど、どうして・・・」

父「ああ?」

女「・・・っ」

父「・・・娘に会いに来ちゃ、いけないわけ?」

女「い、今更・・・!あんたなんか・・・!!」

94 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:21:13.20 ID:
父「はっは、まだ根に持ってるわけぇ?」

女(・・・こんなやつ)

父「お互い、水に流そうやぁ・・・、親子だろ?」

女(こんなやつ、父親なんかじゃないっ!!)

父「なぁ、女?」

女(私の・・・、私の『お父さん』はっ・・・)

96 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:22:55.40 ID:
女「お、お母さんの葬式にも、来なかったくせに・・・!」

父「あー、そうそう」

父「くたばったんだって?あいつ」

女「・・・!!」ギュッ

父「・・・その日さぁ、用事があったんだよ。大事な、さ」

女「・・・・・・・・・」

98 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:24:08.46 ID:
父「・・・だからさぁ」

父「俺が、来てやったんだろう?」

女「・・・は?」

父「わかんないかなぁ・・・」

父「・・・お前を迎えにだよ」

父「俺がな」

100 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:25:25.06 ID:
女「!!」

父「・・・お前今、あいつ再婚相手の男と、二人暮ししてんだって?」

女「・・・なんで」

父「あーあー、なんでも知ってんだよ、俺はよぉ」

女「・・・・・・・・・」

102 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:26:43.43 ID:
父「やめろやめろ、気持ち悪ぃ」

女「・・・!」

父「そんな赤の他人と暮らしてんじゃねーよ」

女「・・・っ」グッ

父「くだらない家族ごっこなんて、辞めちまえ」

103 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:27:56.45 ID:
女「・・・そ、そんな」

父「・・・それにさぁ、その男」

女「・・・・・・・・・」

父「アブネェよな。普通じゃねぇよ」

父「血も繋がんねぇ若い娘と暮らす?アブネェよ、それ」

105 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:29:09.35 ID:
女「・・・・・・・・・」

父「そのうち犯されるんじゃねぇの?」

女「・・・言うな」

父「いい人そうに見えて、実は変態・・・」

女「・・・勝手なことッ、言うなッ!!」

106 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:30:22.07 ID:
父「・・・あ?」

女「あんたが・・・、あんたが言うなッ!」

女「何も知らないくせに・・・!」

女「あの人のこと、何も知らないくせにッ!!」

父「・・・・・・・・・」

107 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:31:35.10 ID:
女「あの人は、お母さんのことを愛してくれてるッ!」

女「あの人は、理由も無く私達を殴ったりなんてしないッ!!」

女「それを、それをあんたが・・・っ」

ダァンッ!!

女「・・・っ!」ビクッ

父「・・・はぁ」

父「そういうこと、言うんだ?」

113 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:32:47.96 ID:
女「・・・ぁ」

父「お前、なに?」

父「いつからそんな偉くなったわけ?」

女「あ、ぁぁ・・・」

父「おい、いつからそんなに、偉くなったんだよ」

女「・・・ぅ」ガクガク

116 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:34:00.68 ID:
>>109
なぜばれたし



父「・・・どうやら鈍っちまったみたいだなぁ」

父「また、躾けねぇといけねぇのか?ああ?」

父「おい、どうなんだよ、こら」

父「・・・おいッ!?」ガン!!

女「・・・きゃっ・・・!!」ビクッ!

120 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:35:13.75 ID:
女(・・・駄目だ・・・、駄目だ)

女(怖い・・・)

女(声が、出ない)

女(怖い、怖い、こんな奴が・・・)

女(お母さんと私を捨てた、こんな奴が怖い・・・)

父「・・・あ?今度はだんまりかよ」

121 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:36:26.64 ID:
女(悔しい・・・、怖い・・・、助けて・・・)

父「・・・てめぇはよぉ」

女(・・・助けて、助けて・・・)

父「黙って、俺の言うことを聞けばッ・・・」

女(助けて・・・、男さん・・・!)

123 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:37:39.70 ID:
友「・・・あれー、女じゃん。奇遇ー」

女「あ・・・」

父「・・・っ」

友「チョコ買いに来たの?」

女「・・・ち、違うけど・・・」

友「このスーパーねー、チョコ安いんだよー」

128 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:38:52.85 ID:
父「・・・・・・・・・」

友「っと?どちら様?」

女「いや・・・、ちょっと・・・」

父「・・・明日だ」ボソッ

女「・・・っ」ビクッ


父「明日、学校に迎えに行く」ボソボソ

129 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:41:18.01 ID:
スタスタ・・・

友「・・・えー、なにあの人、感じ悪い」

女「・・・・・・・・・」ヘタッ

友「ちょ、女!?大丈夫!?」

女「あ、はは・・・、平気平気・・・」

友「ちょっとー、どっか入るー?」

女「大、丈夫・・・、めまいがしただけだから・・・」

131 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:42:12.87 ID:ubI5j3yo0
男は前父がこんな奴と知ってるのだろうか…支援

133 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:42:30.81 ID:
友「ねー、送っていくよ」

女「平気だって、大丈夫だから」

友「ホントにー?」

女「うん、ごめんね。チョコ、買ってきなよ」

友「えー・・・、でも」

女「お願い、大丈夫だからさ」

135 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:43:43.32 ID:
友「・・・うん」

女「じゃあ、ばいばい」

友「うん、気をつけてね」

女「うん、ありがと・・・」ヨロッ

トボトボ


友「・・・・・・・・・」

137 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:44:56.57 ID:
トントントン・・・

女(・・・・・・・・・)


―――明日、学校に迎えに行く。


ザクッ
女「痛っ・・・」

女「・・・・・・・・・」

女(・・・男さんと、私は、血の繋がった親子じゃない)

139 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:46:09.53 ID:
女(男さんの将来に、私は)

女(・・・きっと、きっと邪魔になる)

女(・・・・・・・・・)

女「・・・ぅ」

女「・・・うぅぅぅぅぅ・・・・」

ザー・・・

141 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:47:22.24 ID:
男「・・・ただいまー」

女「お、お帰り」

男「いやー、今日は割りと早く帰れて・・・」

女「・・・・・・・・・」

男「・・・なにか、あった?」

143 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:48:35.71 ID:
女「え?なにが?」

男「いや、なんか・・・」

女「・・・なんにも、ないよ」

男「そう?」

女「うん」

男「・・・そっか」

144 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:50:27.93 ID:
男「お、肉じゃが?」

女「う、うん。いま温めるから」

男「じゃあ、着替えてくるよ」

女「用意しとくね」

男「うん、お願い」

146 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:51:42.85 ID:
男「・・・いやぁ、やっぱりおいしいね」モグモグ

女「・・・・・・・・・」

男「女さん?」

女「え、あ、な、何?」

男「・・・ずっと上の空。調子悪いの?」

女「あー、うん。ちょっと・・・そう、かも」

147 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:53:12.68 ID:
男「・・・今日はもう、寝なよ」

女「うん・・・、そうする」

男「明日は学校、行けそう?」

女「・・・っ」


女「・・・うん大丈夫」

150 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:54:25.32 ID:
男「明日頑張ればもう休みだから」

男「あったかくして、寝な」

女「うん」

男「朝の家事も、俺がやっとくから」

女「・・・・・・・・・」


女「・・・おと・・・、こ、さん」

152 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:55:43.34 ID:
男「うん?」

女「・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・・」


女「・・・お休み、なさい」

男「うん。・・・お休み」

・・・バタン

153 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:56:57.40 ID:
男「・・・・・・・・・」モグモグ

―――あの子ね、泣くとすぐに、目が腫れるの。

男「・・・・・・・・・」ゴクゴク

だから、すぐ分かるのよ。本人、気付いてないんだけど。

男「・・・ふぅ」

面白いでしょう?この子。とってもいい子なの。

男「・・・・・・・・・」

・・・こんな子だけど、よろしくね。


男「・・・理想の父親は、まだ遠いなぁ」

154 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 01:59:18.18 ID:
キーンコーンカーンコーン・・・

教師「・・・はい、じゃあ今日の授業も終了ー」

女「・・・・・・・・・」

教師「そうだ、朝から変な男達がこの辺うろついてるらしいから、気をつけろよ」

女「・・・っ」

友「そーいうのは、もっと早く言ってよねー」

155 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:00:33.73 ID:
教師「るせー、忘れてたんだよ」

友「テキトーだなぁ・・・」

教師「まぁ、そんなわけで特に女子!気をつけろよ」

女「・・・・・・・・・」

教師「親でも何でも呼んで、安全に下校しろー」

156 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:01:24.57 ID:ubI5j3yo0
支援

158 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:01:46.47 ID:
友「小学生かよ」

教師「以上。んじゃ、良い週末をー」

ガヤガヤ

友「・・・あー!終わったぁ!」

女「・・・そうだね」

159 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:02:59.15 ID:
友「・・・今日ずっと考え事してたっぽかったけど、大丈夫?」

女「あ・・・、うん。大丈夫大丈夫」

友「・・・・・・・・・」

女「・・・ほんとに、大丈夫だから」

友「・・・はぁ」

友「そりゃあさ、私に出来ることなんて、限られてるよ」

161 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:04:11.81 ID:
女「え・・・」

友「でもさ、なんか少しでもいいから、頼ってよ」

女「!」

友「ちょっとでも出来ること、あるかもしんないじゃん」

女「・・・・・・・・・」

162 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:04:49.59 ID:y1tVBeG+O
wktk

164 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:05:24.77 ID:
友「分かった?」

女「・・・うん」

友「よし、約束だかんね!」

女「・・・うん、約束」

友「いつでもいいなよー」

166 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:06:37.49 ID:
女「・・・・・・・・・」

友「・・・じゃ、今日はチョコ頑張って作ります!」

女「あ、手作りにしたんだ」

友「うん、そっちのほうが安いし」

女「頑張ってね」

友「うん、頑張る」

167 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:07:50.27 ID:
友「ばいばい!」

女「・・・うん、ばいばい!」

タッタッ

女「・・・・・・・・・」

女「・・・約束・・・」


女「・・・ごめんね」

168 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:09:03.19 ID:
女(・・・やっぱり、私は)

女(男さんの、邪魔になりたくない)

女(足枷になりたくない)

女(その為には・・・)

女(・・・あいつに、ついて行くしかない)

169 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:10:19.82 ID:WZFwRvCk0
ハッピーエンドで頼みますよ・・・^^

170 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:10:27.32 ID:
女(このまま暮らして)

女(男さんに、無理させて)

女(彼のやりたいことを、潰させるよりも・・・)

女(こっちのほうが、ずっといい)

女(私・・・)

女(私、男さんが大好きだから)

171 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:11:21.55 ID:ubI5j3yo0
うわあああ…頼む、男気付いてくれ…支援

172 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:11:40.11 ID:
女(・・・・・・・・・)

女(・・・男さん、今まで、ありがとう)

女(私と暮らしてくれてありがとう)

女(私と笑ってくれてありがとう)

女(・・・お母さんを愛してくれて、ありがとう)


女(私、行くね)

176 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:17:15.49 ID:
女(・・・一度でいいから、呼んでみたかったな)

女(・・・・・・・・・)

女(・・・聞かれないなら、いいよね)

女(誰にも迷惑、かけないよね)

女「・・・おと―――」



男「・・・や。お疲れ様」

女「・・・おと、こさん・・・」

179 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:18:57.65 ID:
男「・・・いやー、ここが学校かぁ」

女「な・・・、なんで」

男「え?あー、なんとなく?」

女「かか、か、会社は!?」

男「有休取っちゃった。えへ」

>>177
いろいろと空気読めなくてゴメンネ

181 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:20:19.59 ID:
女「・・・・・・・・・」

男「お、怒んないで!・・・お腹の、調子がだね・・・」

女「バカッ!!」

男「・・・・・・・・・」

女「・・・なんで、なんで今なの・・・」

女「・・・なんでよ・・・、どうして・・・」

182 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:21:32.81 ID:
男「・・・今だから、だよ」

女「・・・え?」

男「今しかない、と思った」

女「・・・・・・・・・」

男「・・・普段はこんな無茶はしないよ」

184 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:22:59.93 ID:CV5A2jAm0
寝れねぇ…
明日試験あるのに…

でも支援

185 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:24:04.71 ID:
男「でも、ここで動かないと・・・」

男「いけないと、思ったんだ」

女「・・・・・・・・・」

男「女さん、」


父「・・・あ?誰だ、お前」


女「!!」

187 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:27:55.39 ID:
男「・・・・・・・・・」

父「誰だって、聞いてんだよ。ああ?」

女「・・・お、男さん」ビクッ

男「・・・・・・・・・」


男「・・・この子の父親ですが、なにか?」

188 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:29:30.67 ID:
女「!」

父「・・・は?」

男「この子の、父親だと言ったんです」

男「・・・私達親子に、なにか御用でしょうか?」

女「男さんっ・・・」

父「はぁ・・・、お前がかよ」

190 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:30:54.78 ID:
男「・・・・・・・・・」

父「お前があのクソ女の、再婚相手か」

男「!」

女「・・・っ」

父「ははは!お前があの物好きかぁ!!」

父「こらぁ傑作だなぁ!」

女「・・・やめて」

父「『この子の父親』、ときたか」

男「・・・はい」

192 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:32:27.12 ID:
父「残念だがよ、こいつはお前の娘じゃねぇ」

男「・・・・・・・・・」

女「やめて・・・よ・・・」

父「・・・俺だ!俺がこいつの父親だよ!」

父「お前のような父親ごっこじゃねぇ」

父「正真正銘、俺の血の繋がった娘なんだよ!!こいつはなぁ!!」


>>191
あ、俺です。ごめんね

193 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:33:43.55 ID:ubI5j3yo0
眠い…明日まで残ってますように最後に支援

194 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:34:09.00 ID:
男「・・・・・・・・・」

父「なんでこんなとこに居るのか知らねぇけどよぉ・・・」

女「・・・・・・・・・」

父「さっさとそいつ、俺に渡してくれない?」

父「『本当の父親』が向かえに来たんだよぉ!どけっ!」

男「・・・・・・・・・」


男「嫌です」

198 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:35:44.48 ID:
父「てめっ・・・」

女「・・・っ」

男「・・・あなたが誰だか知りません、が・・・」

男「自分の娘を、みすみす渡す親が、どこに居るのでしょう」

父「この野郎・・・!」

男「娘は渡しません」

男「なぜなら」

女「・・・・・・・・・」


男「・・・彼女は俺の、娘だからです」

202 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:38:01.39 ID:
父「ふざっけんなッ!!」

女「・・・っ」ビク

父「なに寝ぼけたこと言ってんだ?ああッ!?」

男「・・・・・・・・・」

父「俺が父親だって言ってんだろ!!その馬鹿娘のッ!!」

204 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:39:22.10 ID:
男「・・・・・・・・・」ピクッ

父「そいつは、あのくたばったクソ女と・・・」

父「俺の娘なんだよ!!」

女「・・・う」

父「血の繋がった親子なんだよ!」

父「お前の家族ごっことは違ってよぉッ!!」

206 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:41:34.11 ID:
男「・・・・・・・・・」

父「そいつは俺の所有物だ!」

父「俺がどうしたって、俺の自由じゃねぇか!」

父「なんで他人のお前が・・・、おいっ!」

女「・・・うッ!?」

父「お前もいつまでもそこに居ないで」グイッ

女「・・・きゃっ」

父「さっさとこっちに来・・・」

パシッ

207 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:42:57.92 ID:
父「・・・お?」

男「・・・それ以上」

男「それ以上、馬鹿にしてみろ」

女「・・・男、さん・・・?」

男「俺の愛する娘を」

男「愛する家族を、馬鹿にしてみろ・・・」

父「・・・っ」

男「・・・容赦しねぇぞっ」

208 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:44:16.00 ID:
女「・・・お、男さんっ・・・」

父「・・・いい度胸じゃねぇか、こらぁッ!?」

女「駄目ッ」

ガツンッ!

男「・・・ぐっ」

女「男さん!男さんッ!!」

男「・・・だ、だだだ大丈夫。殴られただけ」ボタボタ

209 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:45:32.18 ID:
父「おら、さっきまでの威勢はどーした!おらぁ!!」ガスッ

男「―――ッ!」

父「おら、おらぁッ!」ガシッ、ガシィ!

女「駄目ッ、やめてよ!」

父「うるせぇ!」バッ

女「・・・うぁっ!」ドタッ

210 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:45:49.40 ID:1z2Leoj9O
うわあああ
男さんがんばって

212 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:47:15.58 ID:
男「・・・おぃ・・・、やめ、ろ・・・」

父「あぁ!?」

男「・・・娘に・・・、手・・・、出すな・・・」

父「うるせぇっ!俺の娘だッ!!」ガスッ!

女(・・・男さん)

女(男さん・・・、もう、やめて・・・)

213 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:48:50.87 ID:
男「・・・ぐっ」

父「・・・クソがっ!手間取らせやがってっ!」ハァハァ

男「・・・娘は、渡さない・・・」

父「まだ言うかッ!」バシッ

男「うぐっ・・・!・・・渡さない・・・」

父「この野郎っ・・・!」

215 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:50:48.91 ID:
男「・・・娘を・・・」

男「渡す、もんか・・・!」

女「男さん、やめて・・・!」

男「血なんて、関係ない・・・」

男「彼女は俺の、娘だ・・・」

男「正真正銘・・・、俺の娘だっ・・・!」

女「・・・うっ・・・、うぅぅ・・・」

221 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:56:35.94 ID:
父「・・・そんなに死にてぇのかっ!?」

女「・・・・・・・・・」

男「・・・死ぬ、もんか・・・」

父「・・・・・・・・・」

父「・・・あー、そう」ニヤッ

女「・・・!?」


父「お前ら、『○○組』・・・、って知ってる?」

224 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 02:58:03.89 ID:
父「俺、そこの組員やってんだよねぇ」

女「え・・・?」

父「お前らの覚悟は、よぉ~く、分かった」

父「今日のところは、見逃してやるよ」

男「・・・・・・・・・」

父「・・・しかし、だ」

父「また後で、家に寄らせてもらうわ」

226 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:00:17.90 ID:
父「一生かけて、後悔させてやる・・・」

父「組の力、使ってよぉ・・・」

父「お前らが後悔するまで」

父「追い詰めて、追い詰めて・・・」

父「震えあがらせてやる!!」

女「・・・そん、な・・・」

女(私だけじゃなく、男さんまで・・・!)

227 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:01:56.83 ID:
父「ああ・・・、楽しみだなぁ!」

父「お前らが、恐怖する姿が・・・!」

女(そんな、駄目だよ、私のせいで)

女(男さんが・・・)

男「・・・後悔なんか、するか」

父「・・・?」

男「後悔なんか、死んでもしてやるか」

228 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:04:01.69 ID:
女「・・・男さんっ」

父「・・・てめぇ、とことん馬鹿だなぁ!」

父「楽しみにしてろよぉ、これからよ・・・」

父「・・・『○○組』が・・・!」


友「え?うちが、なんだって?」

230 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:05:44.54 ID:MBPTMgLlO
友!

231 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:05:54.27 ID:l93vfJJlO
ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

232 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:05:56.49 ID:
女「!!」

男「!」

父「!?」

友「・・・あれー、女じゃん。奇遇ー」

父「・・・お前、昨日の・・・」

父「お前も、痛い目見たいのか!?」

友「だからさぁ、質問に答えろよ」

女「・・・え?」


友「私の、『○○組』が、なんだって聞いてんのよっ!!」

234 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:06:51.22 ID:1z2Leoj9O
とwwwwwもwwwwww

236 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:07:16.46 ID:
父「・・・は?え?」

友「・・・おい」クイッ

強面A「へぇ」

友「この男、見覚えある?」

強面B「いえ。若い衆の中にもこんな奴おりません」

父「な、なに・・・?」

237 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:08:35.96 ID:MBPTMgLlO
友かこいい(`・ω・´)

238 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:08:46.01 ID:
友「だからさぁ、お前、なんなんだよ」

父「ま、まさか・・・」

友「・・・はぁ。身内の悪ふざけなら、折檻なんだけどさぁ」

女「・・・?」

友「他人が、組の名出すとか、シャレにならないよね?OK?」

父「お前・・・、本物の・・・!」

239 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:10:25.00 ID:
強面A「・・・覚悟はいいかよ、こらぁ」

強面B「・・・分かってるよな、おい」

父「ひぃ・・・!」

友「・・・連れてけ」

強面A&B「へぇ」ガシッ

父「う、うわぁっ・・・!」ズルズル

友「・・・ふぅ。やっと、捕まえた」

女「・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・・」

240 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:12:01.35 ID:
友「最近多いのよね、勝手に組の名を語るやつ」

女「・・・組・・・」

男「・・・組・・・」

友「あの男も、あちこちで好き勝手使ってくれたみたいだから」

友「目、つけてたんだけどさぁ」

友「まさか、こんな関係とはねー」

241 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:12:10.18 ID:k7ZYF1+P0
友すげえwww

243 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:13:21.75 ID:
女「あ、あの・・・」

友「ごめんね、隠してて」

女「・・・え?」

友「私の家が、そういうところだって」

女「そ、そんな・・・。びっくりしたけど・・・」

友「・・・・・・・・・」

244 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:13:31.71 ID:1z2Leoj9O
ごくせん思い出した

245 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:14:51.41 ID:
友「・・・嫌だったんだ。親父が」

女「え?」

友「どこに行っても後ろ指差されてさ・・・、親父のせいで」

女「・・・・・・・・・」

友「・・・任侠を重んじてる、とか言っても・・・」

友「結局は、一緒じゃん」

247 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:16:45.88 ID:
女「・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・・」

友「・・・でも、昨日女に言われてさ」

友「それでも私の、父親なんだなー、って」

友「私のこと、愛してくれてるの分かるからさ。ウザいくらい」

女「・・・友ちゃん・・・」

友「だから、チョコくらいは、あげようかなー、ってさ」

友「・・・そこだけは、ちゃんと分かってるから」

女「・・・うん」

248 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:20:50.70 ID:
男「・・・・・・・・・」

友「あ、大丈夫ですか?」

男「うん。・・・体があちこち痛い」

友「はじめまして。女の友達です」

男「いやー・・・、助けられちゃって」

女「男さん、無茶しすぎ!」

249 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:22:20.32 ID:
男「あんま啖呵切るもんじゃないね」

女「本当だよ・・・」

男「ごめんごめん」

友「・・・・・・・・・」

男「でも、譲れなかったからさ」

女「・・・・・・・・・」

250 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:22:48.33 ID:MBPTMgLlO
組長は娘からチョコもらったら組員全員に自慢しそう(`・ω・´)

251 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:28:38.47 ID:UjUVU/hC0
>>250
ちょwwそれサイドストーリーでみたいかもww

253 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:29:50.36 ID:
強面A「・・・お嬢ー」

強面B「さっきの奴、若ぇのに渡しておきやした」

女「・・・!」

友「おー、ご苦労」

女「・・・あ、あの」

友「ん?」

女「ど、どうなるんですか・・・。あ、あいつ」

友「んー・・・、どうしようかねぇ?」

256 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:32:43.19 ID:
女「・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・・」

強面A「・・・あ。このお嬢さんが決めればいいんじゃねぇですか?」

女「!」

強面B「ああ、それは面白そうだ」

女「・・・え?」

友「女。あいつのこと、どうしたい?」

257 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:34:10.55 ID:
女「あ、あいつは・・・」

男「・・・・・・・・・」

女「・・・許さない、けど・・・」

女「もう私達に近づかなければ、それで・・・」

女「勘弁、してあげなくも・・・」

友「・・・・・・・・・」

女「・・・な、なんて」

258 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:35:33.25 ID:
強面A「・・・うぅぅっ!」

女「!!」

強面B「とても優しい方だ。頭が上がりませんな」

女「え、そ、そんな」

友「・・・さっすが女だ。それでこそ、だね」

女「あ、あの・・・」

男「じゃあ、その方向でお願いします」

259 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:36:57.03 ID:
友「承知ー」

強面A「お嬢さんに免じて・・・、うっ、叱って終わらせる・・・!」

強面B「・・・あなた方に近づかんように、しっかり面倒見ますわ」

友「まー、任せてよ。この後のことはさ」

男「これでいいんだね?女さん」

女「・・・うん」

261 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:41:40.99 ID:MBPTMgLlO
男ちょっぴり情けない(´・ω・`)かな。がんばったけど

262 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:43:11.11 ID:
強面A「さぁ!今日はうちに寄ってってくだせぇ!」

男「え?」

強面A「お嬢の友達ですけぇ、組長も喜びま・・・痛ッ」ガスッ

強面B「・・・空気読め・・・」ボソボソ

女「?」

強面B「・・・私らはこれで失礼します。お気をつけて」

264 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 03:48:52.89 ID:
男「・・・これからも、娘をよろしく頼むよ」

友「・・・こんな育ちの私みたいの、付き合うなって言いますよ。親なら」

男「そうなの?俺、良くわかんないし」

女「・・・男さん」

男「女さんが楽しそうだから、仲良くしてあげてよ」

友「・・・言われなくても、分かってますよー」

266 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 04:00:46.99 ID:
男「じゃあ、今日はありがとう」

友「じゃあね、女」

女「うん、またね」

友「・・・いい父親だよ、この人」ボソボソ

女「え?」

友「なんでもないっ!バイバイ!」タッタッ

女「あ・・・」

女「・・・ばいばい」

267 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 04:03:22.07 ID:
男「じゃあ、帰ろうか」

女「うん」

男「うわー、もうこんなに暗い」

女「・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・・」

269 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 04:04:38.47 ID:
女「・・・傷、大丈夫?」

男「痛いけど、まぁ・・・。対したことないよ」

女「・・・ごめんね」

男「・・・なんであやまるの」

女「さっきの・・・、私のせいで・・・」

270 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 04:07:16.81 ID:
男「どこが、女さんのせいなの」

女「え」

男「娘のピンチじゃん。当然だって」

女「・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・・」

271 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 04:08:34.20 ID:
女「・・・わ、私っ」

男「・・・ん?」

女「私、男さんにとって・・・」

男「・・・・・・・・・」

女「・・・邪魔なだけだと、思う・・・」

272 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 04:10:34.71 ID:
男「・・・・・・・・・」

女「男さんは、まだ若いから・・・」

男「・・・・・・・・・」

女「・・・これからも、まだ、やりたいこと沢山あると思うの・・・」

女「でも・・・」

女「私が居ると、邪魔しちゃう・・・」

274 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 04:12:43.88 ID:
男「そんなこと・・・」

女「聞いてっ!」

男「!」

女「・・・お母さんは、もう居ないの」

男「・・・・・・・・・」

275 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 04:14:39.66 ID:
女「だから、私に構う必要、無いんだよ・・・?」

女「血の繋がらない娘なんて・・・」

女「男さんのことを・・・、いつまでも・・・」

男「・・・・・・・・・」

女「・・・『お父さん』って・・・、呼べない娘なんて・・・!」

276 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 04:16:27.46 ID:
ギュッ

女「・・・!」

男「・・・そこか、気にしてるとこは」

女「・・・だって、だって・・・」

男「・・・・・・・・・」

女「・・・私・・・」

女「私ずっと・・・、言えなくて・・・」

277 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 04:18:00.94 ID:
ギュゥ・・・

男「・・・俺もね、口に出して・・・」

男「女さんを『娘』だって言えなかった。今まで」

女「・・・!」

男「言ったら・・・、なんていうか」

男「この関係がさ、壊れちゃう気がして・・・」

女「・・・・・・・・・」

男「怖かった。女さんと、暮らせなくなっちゃう気がしてた」

284 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 04:51:53.65 ID:KOHDUOrC0
やっと追いついた>>1がんばれ

298 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 07:49:48.99 ID:ELysPE010
追いついた。良スレ。

307 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 08:46:27.30 ID:WPcXBK/a0
追いついた
涙出てきた なんだこれ

322 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 11:33:34.55 ID:
女「・・・・・・・・・」

男「娘だ、って叫んでた」

女「・・・ぅ」

男「全然、夢中だった」

女「・・・・・・・・・」

323 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 11:35:33.23 ID:
男「怖く、無かったよ

女「・・・私」

女「私、その怖い、知ってる・・・」

男「・・・はは」

女「・・・・・・・・・」


男「似てるね、俺たち」

324 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 11:37:48.58 ID:
ああ・・・。

ああ、そうか。

怖かったのは、私だけじゃなかったんだ。

男さんも、怖くて、言えなくて・・・。

悩んでたんだ。私みたいに。

ずっと、悩んでくれていたんだ。

325 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 11:39:50.79 ID:
それでも、言ってくれたんだ。

私を娘だって、言ってくれたんだ。

言えたんだ。怖くなくなったんだ。

大丈夫なんだ。言っても、大丈夫なんだ。


似てるね、私たち。同じ悩み、抱えてさ。

・・・親子みたい。

327 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 11:41:47.30 ID:aAr3CzBjO
>>1がんがれ!

328 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 11:42:06.57 ID:
女「・・・・・・・・・」

男「ん?」

女「・・・さん」

男「なぁに」


女「・・・お父さんっ・・・!」


なんだ、簡単なことじゃないか。

330 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 11:44:48.27 ID:
壊れるはず、ないじゃないか。

崩れるはずが、ないじゃないか。


女「・・・お父さん、お父さんお父さんっ・・・!」

男「よしよし」


私達は、親子なんだから。

正真正銘、親子なんだから。

331 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 11:46:46.23 ID:
お母さん。あなたの選んだひとは、最高の父親でした。

とても優しくて、とても温かくて、

とても楽しくて、とてもまじめで、

喧嘩は弱いけど、とてもいい人で、

とてもとても、私達を愛してくれていました。

抱きしめて、くれました。

332 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 11:48:49.90 ID:
女「・・・・・・・・・」グスッ

男「・・・泣き止んだ?」

女「・・・泣いてない」

男「・・・・・・・・・」

女「・・・泣いて、ないもん」

333 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 11:50:30.72 ID:
男「・・・そう」

女「・・・・・・・・・」

男「目、腫れてるけど・・・」

女「・・・なんのこと?」

男「・・・ぷっ、なんでもない」

334 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 11:50:51.69 ID:DD//cNoH0
SSスレあまり見ないからよくある手法なのかもしれないけど
スレタイの台詞をクライマックスまで温存しとくのはやられたって感じ
特にこういう話でやられるとクる

337 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 12:00:58.66 ID:
男「あははは」

女「・・・あ」

男「ん?どした?」

女「もう、こんな時間だ・・・」

男「あー・・・、ご飯どうする?どこか食べてきちゃおうか」

女「ううん・・・、それより」

338 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 12:02:43.95 ID:
男「どこか寄る?」

女「うん、あそこのスーパー、寄っていい?」

男「えー?家に食材いっぱい無かった?」

女「・・・か、買うものが、あるの」

男「ふーん、いいけど・・・」

339 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 12:06:19.59 ID:
女「・・・お父さんにあげるのは、アリだもんね」ボソッ

男「え?なんか言った?」

女「・・・内緒内緒ー」

男「えー、そう来るかー?」

女「私とお母さんだけの、秘密だもーん」

340 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 12:09:06.93 ID:
男「・・・あはは」

女「・・・ふふ」


顔の似ていないその一組の親子は、

月明かりの下で、同じ笑い声を上げた―――。



すべての、愛し愛されるべき人達へ。

Happy,Valentine.



341 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 12:09:25.43 ID:WZFwRvCk0
乙!!

343 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 12:12:35.76 ID:hFnfW5wjO
>>1乙
良かったよ

356 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 12:50:10.19 ID:1hfrbcri0
終の前の1行が見えないんだけど
なんてかいてあるのあ?

360 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 13:05:31.20 ID:DD//cNoH0
乙、よかった

363 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/02/14(土) 13:27:32.21 ID:VfyqqjvIO
乙!感動した!!