1 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:27:44.55 ID:
ここはスカイツリー。


空に浮かぶとても大きな機械の樹。
いつからあるのか、何故存在しているのか誰も知らない。

ここはスカイツリー。
no title


2 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:28:28.39 ID:
AM6:00 自宅


('A`)「おはよう…」

この一言から僕の一日は始まる。

('A`)「ふぁー」


今日も実に良い天気だ、窓からは青々と何処までも続く空が見える。
僕らは空に住んで居る。スカイツリーに見守られながら。


僕は暖かいコーヒーを入れ、トーストをカリカリに焼く。
この時間が目覚めって感じで好きだ。
窓から心地よい風が吹いている。


おっと出来上がったな。
コーヒーとトーストを持ってソファに身を沈める。

朝食をゆっくりと味わいながら、スカイビジョンを付けニュースをチェックする。

3 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:29:52.69 ID:
ピッ


「みなさん、おはようございます。スカイニュースのお時間です。」

「本日のトップニュース」
「第2地区リーダーのモナー氏が汚職?」

へぇ、あの人の良さそうなおっさんが汚職するなんてなぁ・・・

「この件に関しまして~~~」

事件の詳細を語っているが、大して興味もないのでぼーっと聞き流す事にした。
数分たって次のニュースに切り替わる。

「モララー氏、第4地区リーダー就任へ~~」
「~~藤さんの~~カ~ェスカイVI~~が人気~~」
「今日は大規模な星~~が」


他も大した内容ではなく、スカイツリーの平和を感じられる。
良いことだ。
あぁ、アレがあったか。アレは実に楽しみだ。

4 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:31:19.97 ID:
次のニュースで早朝のは終わりかな。
そう思いながらコーヒーを啜り、トーストの最後の一片を口に入れる。

「最後になりますが、本日未明第7地区で清掃用スカイマシンが3台が機能停止状態で発見されました。」
「心当たりのある周辺住民の方は、ポリスネットまでご連絡ください。」
「それではまた明日~。」


('A`)「んっ?」


清掃用スカイマシンが機能停止状態?
あれは緊急時もしくはシステム管理者以外には実行出来ないはず・・・

('A`)「おっかしぃなぁ」


仕事が増えるのは勘弁だ、と思いながら準備をする。



一日が始まる。

5 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:32:52.97 ID:
AM7:30 仕事場


ここが僕の仕事場。
政府が住人に提供するコンピューター、ロボット、各種システムの管理室
そしてシステムの改良、新型ロボ開発の研究所でもある。


僕はここのシステム管理者兼室長なのだ。
一応ここで一番偉いってことで良いのかな。


('A`)「おはようございます」

そう挨拶するが返事はない。
まぁ、この時間は普通僕とロボぐらいしか居ないのだが・・・

その時奥から人の気配を感じられた。

少しびびる。


どうやら清掃用スカイロボの件で既に何人か来ているようだ。
ロボットを整備する研究室から声が聞こえる。

6 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:34:30.48 ID:
「うーん、ドクオさんが来てくれないとどうしようもないな。」

「それにしても不思議ですね、どうして機能停止に?」

「そんなのわかんないよ、ハァ。もう少し寝たかったのに・・・」


話し声が聞こえる、この声色からして彼らかな。
どうやら第7地区の近くに住む研究員にお声が掛かった様だ。


今日の業務も確か彼らだったな、都合が良い。
そんな事を思いながら僕は奥に進む。


扉を開き、僕は挨拶をする。

7 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:35:32.98 ID:
('A`)「皆さん、おはようございます。」


( ゚д゚ ) 「おはようございます、ドクオさん」

彼はミルナ君、誠実でとても研究熱心だ。
ただ、その眼力が少し怖い。


/ ゚、。 / 「おはようございます、ドクオ室長」

彼は鈴木ダイオード君、背が高いのが特徴で、とても優秀だ。
ただ、たまに何を考えてるのかわからなくて少し戸惑う。


ミセ#゚ー゚)リ「もぉ~、何やってるんですか室長。私達が早起きしてるのにー。」

彼女はミセリちゃん。とてもかわいらしく元気が良い。
ただ、お口がおまり宜しくない。

8 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:37:09.90 ID:
('A`)「ごめんごめん。清掃用ロボの事をよくわからないポリス達が君達に連絡したみたいだ。」

('A`)「後で僕から言っておきます、ロボは僕に任せて君たちは朝の業務を初めてください。」

( ゚д゚ )「はい!」

/ ゚、。 /「わかりました。」

ミセ*゚ー゚)リ「室長後で何か奢ってくださいよー!」


僕に返事を返しながら研究員達は管理室に戻っていく。
ミセリちゃんが何か言ったが、それは天狗の仕業だなと頭の中から消去する。


皆大好きで、僕の友達で頼もしい仲間達だ。。
口に出すのは少し恥ずかしいけどね。


('A`)「今日も平和だなー」




僕はスカイツリーが好きだ。

9 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:38:32.10 ID:
AM11:00 研究室

朝の業務は特に異常なく、何時も通りのスカイツリーだった。
ただ一つだけ違うのがこの清掃用スカイロボの事だ。


再起動してみたらあっさり復帰して、良かった良かったと思いたいところなのだが
システム管理者としては、清掃用ロボが突然停止するなど以ての外である。
原因を突き止めないとなぁ・・・。


ドアの開く音がする、暇を持て余した研究員が来たようだ。
これでお金を貰えるもんだから凄いなぁ。


ミセ*゚ー゚)リノ「室長ちっ~す!」


ミセリちゃんか。
ちっ~すは駄目だよと心の中で突っ込む。

10 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:39:50.70 ID:
ミセ*゚ー゚)リ「清掃用ロボの事何かわかりました~?」


('A`)「いいえ、外部に異常はないし再起動したらあっさり復帰するし」

('A`)「よくわからないですねぇ・・・」


ミセ;゚ー゚)リ「室長それで良いんですか?上から怒られちゃいますよ!」


あまりにもオーバーリアクションで少し笑ってしまう。
これも彼女の魅力の一つだ。


('A`)「ですよねぇ。これから内部のプログラムを見てみます。」

('A`)「集中したいのでミセリちゃんも、ミルナ君とダイオード君の所に戻ってください。」

('A`)「お給料減らしちゃいますよ。」


少し言いすぎたかな・・・。

11 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:41:11.56 ID:
ミセ*゚ー゚)リ「・・・・・・」


ミセ#゚д゚)リ「うー、室長のばか!あほんだら!肉まんやろう!」


ミセ#゚ー゚)リ プンスコプンスコ!


そう怒りながらミセリちゃんは戻っていく。
それにしても肉まんやろうってなぁ・・・。


('A`)「さてと始めましょうか。」


モニタに映る複雑なコード。
これを書くのにも苦労したなぁ、と少し昔を思い出しながら苦笑する。
この清掃用スカイロボ開発にはお笑いエピソードがあるのだが、それはまた別の時にでもお話しよう。

12 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:42:35.76 ID:
「第1~10まで異常なし、これから深層プログラムをチェックします。」


機械音声がそう呟く。


('A`)「目視でも確認したが異常なしと、これで深層プログラムに何もなければ」

('A`)「ただのエラーって事で報告しとくかなぁ・・・。」


ピッー

「深層プログラムに異常コード発見、解析します。」

はぁ。


(;'A`)「めんどうくさくなってきたぁ・・・。」




スカイツリーはただ黙っている。

13 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:44:17.45 ID:
AM11:30 研究室


「解析終了、モニターに表示します。」

やっと解析が終わったようだ。
お腹が減ったのでこの後外に食べに行こうかな・・・。

ピピッ

「異常コード表示します」


「魑魅魍魎」


(;'A`)「んっ?」


(;'A`)「なんじゃこりゃ、文字化けか?」

記憶にない文字なので少し焦る。
が、システム上文字化けは有りえないので僕の知識にない言語だと理解する。

14 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:45:40.83 ID:
('A`)「うーん、何の言語かよくわからないですねぇ・・・。困ったもんだぁ。」


そうぼやく、僕の悪い癖だなぁ。
頭を掻きながら苦笑する。

「失礼します。」

扉が開く、この声はダイオード君か。


/ ゚、。 /「お疲れ様です、午前の通常業務は異常なしです。」

('A`)「うん、ご苦労様です。この後3人とも休憩入って良いですよ。」

/ ゚、。 /「わかりました。室長、ロボの不具合わかりました?」

('A`)「その事なんですけど、皆さんをここに呼んでください。少し聞きたい事があるので。」

/ ゚、。 /「はい。」

15 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:47:16.68 ID:
短く返事をするとダイオード君はすぐに管理室へ向かった。


それから直ぐに3人が研究室に訪れる。

/ ゚、。 /「呼んできました。」

('A`)「ありがとう。」

( ゚д゚ )「ドクオさん何ですか?」

ミセ*゚ー゚)リ「室長~、これからランチ行こうと思ってたのにー!」


('A`)「すみません、お時間は取らせませんよ。少し見てもらいたいものがあります。」

そう言ってモニタに映る文字を皆に見せる。


「魑魅魍魎」

ミセ*゚ー゚)リ「なにこれ?」

( ゚д゚ )「文字ですか?それにしても気味悪いなぁ・・・」

16 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:48:16.39 ID:
('A`)「うん、そうなんです。これがロボの深層プログラムに書き足されてました。」

('A`)「あいにく、僕じゃわからないので、君達の知恵を拝借しようと思いましてね。」


どうですか?僕は皆に問いかける。


( ゚д゚ )「うーん」

ミセ*゚ー゚)リ「うーん(ランチが・・・)」


どうやら皆わからないみたいです、後で言語省に行きますかね。
運動不足解消のために歩いて行こうかなぁ・・・。

そう思っていたところに、ダイオード君の声が僕の耳に入る。

17 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:49:54.32 ID:
/ ゚、。 /「室長、これはジャパニア語です。」

('A`)「ジャパニア語・・・、あぁ旧言語のですか。」

/ ゚、。 /「前に言語省で見かけたのを覚えていて良かったです。似た言語があるので少し不安でしたが。」

('A`)「君の記憶力は相変わらず凄いですね。ありがとうございますダイオード君、みなさん。」


本当に彼は優秀だ。よく出来ていると思う。

( ゚д゚ )「旧言語なら確か内藤さんが詳しかったですよね?カフェスカイVIPの」


ミセ*゚ー゚)リ「あそこのパフェ凄く美味しいよ!」


(;'A`)(;゚д゚ )/ ゚、。 /(・・・)

18 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:52:02.85 ID:
('A`)「ごほん。・・・僕はこの後内藤さんのカフェで食事してきます。」

('A`)「何かわかったら皆さんに伝えますので、皆さんは休憩してください。」

/ ゚、。 /「わかりました。」

( ゚д゚ )「はい!」

ミセ*゚ー゚)リ「は~い(ランチ!)」


そういってドタドタ駆けて行く、元気が有り余ってるようだ。
そんなににランチってのは良いものなのか、男の僕にはよくわからない。


皆さん外食のようです、さて僕も行きますかねぇ。


歩いて行くか・・・。

19 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:53:58.30 ID:
AM12:40 カフェスカイVIP


おっおー♪

おっおっお♪

お!


( ^ω^)「いらっしゃませだおー!」


ここはカフェスカイVIP、内藤夫妻が経営するカフェだ。
老若男女に人気があり、料理も美味しい。
内藤のモットーは「誰にでも優しく」らしい


僕はそんな彼が好きである。
僕の心休まる場所のひとつだ、ここは。

20 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:55:28.25 ID:
('A`)「内藤さん、こんにちは。」

( ^ω^)「おっお、ドクオ君こんにちはですお。お席はいつものとこですかお?」

('A`)「ええ、いつもの場所で。」

( ^ω^)「おっ、じゃあ注文が決まったら呼んでくださいおー。」


内藤さんがそう言い、僕は席へかける。
何にしようかな、と数分悩みハンバーグにする事にした。


そこ、子供っぽいとか言わないでください。


注文したハンバーグが来た、相変わらず美味しそうだ。
出来立てほやほや。めしうまである。


僕はそれを口に入れ、ゆっくり咀嚼する。
うん、美味い。

21 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:56:56.93 ID:
夢中になって食べ、気付くと完食していた。
頃合を見計らって、内藤さんが声をかけてる。

( ^ω^)「おっお、どうでしたお?

('A`)「相変わらず凄く良いですよ、毎日食べられたら死んでも良いくらいです。」

( ^ω^)「それは嬉しいお!作った女房も料理人冥利に尽きるお!」

('A`)「ツンさんの料理は本当絶品ですからねぇ。」

内藤さんの奥さん、ツンさんの料理の腕前は
スカイツリーでも有名で、実際とても美味しい。

( *^ω^)「今頃顔真っ赤にして喜んでるお。」


奥から声が聞こえる。

ξ#⊿)ξ「内藤・・・」


( 。ω゜)「す、すみませんでした。許して許して許して・・・」


奥から何やら怖い音がする・・・。
ツンさんは極度の恥ずかしがり屋だ、僕も数回しか話したことがない。
だから厨房で料理を作っているんだろう、と毎回思っている。

ツンさんも、僕の大切な友人の一人だ。

22 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 20:59:01.02 ID:
(;'A`)「大変でしたね・・・」

( ^ω^)「スカイツリーじゃよくある事だお・・・、さてドクオ君何か聞きたい事があるんだおね?」

('A`)「わかりますか・・・。」

( ^ω^)「おっ、顔に書いてあるお。」

僕は内藤さんに、これまでの事を簡潔に説明する


( ^ω^)「そういう事かおー。」

('A`)「本当は禁止なんですけどね、内藤さん他言無用でお願いしますよ。」

( ^ω^)「わかってるお、でその文字見せてくれお!」

('A`)「これです。」

僕は携帯用の液晶モニタを内藤さんに見せる。

「魑魅魍魎」

( ^ω^)「おっ、これは・・・」

( ^ω^)「ふむ、ジャパニア語。一瞬シナー語と間違えそうになったお。」

やはりこの人は凄いなぁと心から思う。
内藤さんがが何故旧言語に詳しいのかは謎だ。
でも、何時かは聞きたいなぁ。

23 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:00:36.57 ID:
( ^ω^)「これには見覚えがあるお、少し待っててくださいお」

そう言い、奥に行く。その間店は放置プレイだ。
ツンさんも絶対奥から出てこない。良いのかこんなんで・・・

まぁ、こんな店だから好きなのかもしれない。

( ^ω^)「おっお、待たせたお。」

('A`)「いえ、大丈夫ですよ。それでどうですか?」

( ^ω^)「これは(ちみもうりょう)と発音するお。」

('A`)「ちみもうりょう・・・、意味は何なのですか?」

( ^ω^)「山の怪物や川の怪物、さまざまの怪物って事らしいお。山や川ってのがわからないけど、怪物ならわかるお?」


(;'A`)「怪物ですか・・・」


店内に少し重い空気が漂う。
そんな空気に耐えられなくて時計を見る。

24 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:02:54.03 ID:
気が付けばこんな時間だ。

('A`)「すみません、ありがとうございます。そろそろ午後の業務が始まりますのでおいとまします。」

( ^ω^)「おっお、こんな僕だけど何時でも頼ってくださいお。」

('A`)「はい。ご馳走様でした。」


( ^ω^)「それと今日のアレは覚えてるお?」

('A`)「ははっ大丈夫ですよ、ちゃんと覚えてます。」

( ^ω^)「おっお、じゃあ夜にまた。」


会計を済まし外に出る。


('A`)「怪物か・・・」



スカイツリーはいつものスカイツリーだった。

25 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:04:06.18 ID:
PM1:50 管理室

少し遅れてしまった、皆怒っているだろうか。
どうやら皆業務を開始している、えらいえらい。

ミセ*゚ー゚)リ「室長遅いですー!」


('A`)「すみません、時間が掛かりすぎてしまいました。」

( ゚д゚ )「で、何かわかりました?」

('A`)「はい、今お話しますよ。」


内藤さんの説明を皆に話す。

26 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:05:16.95 ID:
( ゚д゚ )「ちみもうりょう・・・」

/ ゚、。 /「うーん、意味はわかったけど結局どうにもなりませんね。」

ミセ*>ー<)リ「怪物こわ~い」

ミセリちゃんが怖がってるふりをする。
元気があるなぁ・・・。

確かにダイオード君の言う事はもっともだ。
上にはただのエラーとして報告しておくかなぁ・・・


('A`)「まぁ、そうですよね。どうにもなりません。」

('A`)「現状としてはこのコードを削除して再起動させます。その後一時間ほどテストして再配置という事で。」

('A`)「手続きは僕が済ませておきます。皆さんは研究と業務に戻ってください。」


( ゚д゚ )ミセ*゚ー゚)リ/ ゚、。 /「はい。」

27 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:07:41.39 ID:
('A`)「僕は書類作成とテストしますので奥に行きます。」

('A`)「用があったら尋ねて下さい。」


僕がそう言うと彼らは業務を再開した。


3台分の書類作成は時間がかかるなぁ。
そう愚痴をこぼす。


気晴らしに窓を見ると、そこには何時もと変わらない空がある。




この風景が好きだ。

28 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:08:51.58 ID:
PM6:00 管理室

午後の業務終了時間になりました、皆さん今日もお疲れ様でした。
機械音声が僕らを労う。

この後の夜間作業はロボ達がこなす。
彼らも私の友達で好きだ。ここを支える大事な仲間達。


ミセ*゚ー゚)リ「うーん。今日は疲れたなー。」

('A`)「えぇ。少し刺激がありましたね。」

/ ゚、。 /「たまには悪くないですね。」

( ゚д゚ )「僕はもっと刺激が欲しいです!」

ミセ*゚ー゚)リ「私も楽しい事が好きだなー」

29 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:10:24.77 ID:
('A`)「ははっ。楽しい事ですか、今日は星流れの日ですよ。」

('A`)「皆さんは見に行きますか?」


/ ゚、。 /「私は帰って寝ます。」

( ゚д゚ )「僕は自宅で研究したいので!」


随分前から告知されていたのになぁ、ミルナ君とダイオード君は行かないのか。
まぁ、個人の自由ですね。

('A`)「そうですか。ミセリちゃんはどうします?」

ミセ*゚ー゚)リ「私は友達と見に行きますよー!室長はどうですか?」

('A`)「僕も見に行きますよ。」

ミセ*゚∀゚)リ「もしかして一人ですか~?ニヤニヤ」

('A`)「失礼ですね、内藤さんとですよ。久々の星流れですからね、僕も楽しみです。」

ミセ*゚⊿゚)リ「うー、ごめんなさい」

('A`)「良いですよ。」

少し傷ついたのも事実だ。

30 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:12:02.34 ID:
その後少し雑談し、解散。
帰り際に皆に伝えておく。

('A`)「明日の出勤の研究員の方には各自連絡お願いしますね。」

('A`)「ミセリちゃんは明日も出勤あるの忘れてないですよね。」


ミセ*>ー<)リ「星流れー、星流れー!」

あっ、聞いてない・・・、まぁ、いいか。


('A`)「それでは、皆さん気を付けて。」


/ ゚、。 /「はい。」

( ゚д゚ )「室長もお気を付けて!!」

ミセ*゚ー゚)リノ「ばいぶー!」

31 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:13:07.74 ID:
そう言いながらミセリちゃんが駆けていき
他の研究員も帰路に着く。


外は薄暗くなっている。


もう「魑魅魍魎」という言葉は、僕の頭の中になかった。




ここにあるのは何時ものスカイツリー。
スカイツリーはここにある。

32 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:15:33.04 ID:
PM7:30 ドクオ宅前

星流れ前の空はぼんやり明るい。
僕はこの空がお気に入りだ。
夜空をぼんやりと見ていると彼が来た。


( ^ω^)「おっお、待たせたおー!」

('A`)「あ、内藤さんお疲れ様です。」

( ^ω^)「おっお。僕達業務終わってるので堅苦しいのは、なしだお。」

('A`)「はい。」

( ^ω^)「それと今日は何とツンがいるお!」

(;'A`)「えっ、何処に?」


珍しいなツンさんが来るなんて
それにしても何処に居るのかわからない。

33 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:20:24.09 ID:
( *^ω^)「おっお、僕の後ろだお。本当に恥ずかしがり屋だお。」

内藤さんの後ろにはもじもじしているツンが居た。
だけどその顔には怒りの表情が。

ξ#゚⊿゚)ξ「内藤・・・」

(;^ω^)「ご、ごめんお・・・」

('A`)「ハハッ。じゃあ、行きましょうか。」

( ^ω^)「そうだおね。スカイパラソルまで行けば綺麗に見られるお。」

( ^ω^)「ツンも楽しみだお?」

ξ//⊿//)ξ「う、うん・・・」

( ^ω^)「おっお」

僕達はスカイパラソルに向かって歩いていく。
多くの人がスカイパラソルに向かっており、今回の規模は凄まじいものだと感じる。

34 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:22:46.32 ID:
おっ、あれはミセリちゃんだろうか。
友達と話しながらスカイパラソルに向かっている。


ミセ*゚ー゚)リ「~~~~~」

ζ(゚ー゚*ζ「~~~~」

あの子は友達かな、かわいらしい子だ。
姉妹みたいで微笑ましい。

その後人混みに紛れ見失った。
外でも元気そうで何よりだ。


気付くと、もうパラソル直前。
開始はPM9:00からだったかなぁ。


一時間半で到着、徒歩でこの距離は少々辛い。
だが喋りながらなのでそこまで苦痛でもなかった。

スカイネットのおかげでだいぶ距離が短縮されているのが幸いだ。
技術の進歩は凄い。

35 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:25:58.20 ID:
かなりの人が居るなぁ、少し驚く。
それにしても足が痛かった、これだから運動不足は良くない。

( ^ω^)「おっお、着いたお」

('A`)「案外早いですね。まぁ、スカイネットのおかげですか。」

( ^ω^)「おっ、ここも随分便利になったお。」

('A`)「僕達頑張ってますからね。」

( ^ω^)「まったく、その通りだお。」

('A`)「いえいえ。」


ξ*゚⊿゚)ξ「ワクテカワクテカ」

ツンさんのテンションも高い。

雑談をして星流れを待つ僕達。
実に平和だ。


もうすぐ始まる星流れ。
スカイツリーはここにある。

36 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:27:11.22 ID:
PM9:00 スカイパラソル 星流れ



とうとう、始まった星流れ。
スカイパラソルからは数多の星の流れが見える。
それは見る人の心を惹き付け、祝福されているような気持ちになる。

心の充足。

それが星流れ。

37 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:28:29.17 ID:
ミセ*゚ー゚)リ「凄いね!デレちゃん」

ζ(゚ー゚*「うん、ミセリちゃん。こんな大規模なの初めてだよ!」

ミセ*゚⊿゚)リ「本当に凄いや(室長も見てるかなー・・・)」


星が流れる、まるで雨の様に。
でも静かに・・・優しく降り注いでいる。

僕達はそれを見る、もし神様が居るのならこの奇跡に感謝したい。
心が潤っていく。


スカイツリー全住人へ届く祝福。

38 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:31:04.28 ID:
( ^ω^)「おっー、凄いお」

('A`)「今回は規模が大きいと聞いてましたがこれほどとは。」

この星流れは過去最高の規模だと思う。
そのぐらい凄く、心を癒していく。

( ^ω^)「だおだお、空が笑ってるみたいだお。ツン楽しいかお?」

ξ*゚⊿゚)ξ「うん・・・、凄く綺麗で落ち着く。」

('A`)「何故かは不明ですけど、僕らは星流れを見ると落ち着くみたいですね。」

( ^ω^)「不思議だお。」

('A`)「まったく。」

39 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:32:12.64 ID:
ふとカメラが目に入る。
マスコミも来ているようだ、この規模だとマスコミも取り上げるのだろう。
明日のトップニュースはこれで決まりだろうな、と心の中で呟く。


周りを見渡すと皆一心に星流れを見ている。
彼らの嬉々とした目はキラキラと輝いていた。


僕は好きなんだスカイツリーが、皆が。



スカイツリーは星流れを見守る。

40 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:33:54.86 ID:
PM10:05 スカイパラソル 星流れ

星流れももうすぐ終わり僕達は平穏な日常へ帰って行く。
少なくとも僕はそう思っていたんだ。
皆もそう思ってたのだろうか。


( ^ω^)「もうすぐ終わりだおね・・・」

('A`)「ええ。」

ξ゚⊿゚)ξ「寂しいなぁ・・・」

( ^ω^)「また次も見れるお、どうやら近い内にあるみたいだお。」


('A`)「観測局によるとそうらしいですね。楽しみです。」

ξ゚⊿゚)ξ「どくお、本当ですかそれは?」


ツンさんが話しかけてきて僕は驚いた。
だけど表情に出さず答える。

41 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:34:58.73 ID:
('A`)「間違いなしですよ。」

\ξ*゚⊿゚)ξ/「やった」


おぅふ。
喜ぶツンさん、こんなの滅多に見られない。
素直にかわいかった。


(* ^ω^)「ツンもご機嫌だお。どうだお、この後飲むかお?」

('A`)「良いですね、是非。場所はスカイバーボンですか?」

( ^ω^)「おっ、そうだお。こんな日ぐらいお酒を飲んでも罰当たらないお。」


内藤さんはそう言いながらツンさんを見守る。
ツンさんは穏やかな目で星流れを見ている。

42 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:36:19.12 ID:
良い雰囲気だなぁ・・・、流石の僕も退散する事にした。


('A`)「内藤さん、少しトイレに行ってきますね。」

( ^ω^)ノ「おっお、わかったお。気をつけるんだおー!」



僕も二人の空気を邪魔するほど野暮ではない。
これでツンさんの恥ずかしがりが軽減してると良いなぁ。


空を見上げる、勢いがなくなってきた星流れが見える。
星流れもそろそろ終わり・・・か。



スカイツリーはただ待っている。

43 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:37:42.59 ID:
PM10:25 スカイパラソル 始まり


嘘をついて離れて良かったのかなと少し思う。
まぁ、二人の時間を邪魔するのも野暮なんでしょうと納得させる。


ダイオード君もミルナ君も星流れを見ているのでしょうか。
この規模だと自宅からでも見えるだろうなぁ。


僕もしっかり眼に焼き付けておかないと・・・


少し離れた位置から星流れを見る。
本当に美しく荘厳で、優しい。
神々の祝福と呼ぶ学者もいるがあながち間違ってはいない。


44 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:40:12.05 ID:
ふと気付くと、一際大きいのが見える。
それは力強く、ゆっくりと流れている。


(*'A`)「凄いなぁ・・・。」


僕は思わず感嘆する。
それは星の中では一際輝いており、とても美しい
しかし、少し恐怖を感じる。



(;'A`)「ん?」

何かおかしい、このままだと・・・
こっちに───








轟音、轟音、轟音。

45 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:42:14.89 ID:
PM10:30  スカイパラソル 

目を開き、耳を澄ます。
スピーカーから音が聞こえる。


「第3地区のスカイパラソルに星流れが衝突しました。」
「慌てずポリスの指示に従って避難してください。」


また繰り返しに


「第3地区のスカイパラソルに星流れが衝突しました。」
「慌てずポリスの指示に従って避難してください。」

ハッとして我にかえる。


なんて事だ!
星流れがぶつかるのは昔は珍しくなかったが今じゃ話が違う。

46 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:44:56.46 ID:
現在でこんな事故が起きるなんてまず有り得ない。
防護壁が解除されていた?でも誰が?

周りを見渡す、天井が一部破損した程度で大した被害はなさそうだ。
このスカイツリーも頑丈だ、並大抵の衝撃では壊れない。


近くを見渡す。
内藤夫妻やミセリちゃんたちの姿を確認出来た。


(; ^ω^)ξ;゚⊿゚)ξ  

ミセ;゚ー゚)リζ(゚ー゚;ζ


良かった、本当に良かった・・・

彼らも現状を把握できないようだ。

周りの声から、幸いにも死傷者はないらしいとわかった。
ポリス達も続々集まってきている。これで大丈夫だろう。

47 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:46:42.36 ID:
僕はほっと安堵する。

しかし、その瞬間僕は見た見てしまったのだ。
星流れの光に照らされたそれを・・・


彼?彼女を────


从゚×ナ从


それを見た瞬間に、あの言葉が甦った。
そこに居るのは元凶だ。

僕は平穏が好きだった。



('A`)「魑魅魍魎・・・」



スカイツリーは微笑んだ。
まるで娘を迎える母の様に。  

48 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:47:54.96 ID:
えーと、ここで終わりです。
付き合ってくれた皆さんありがとうございました。

51 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:50:01.08 ID:+JGGYHg80
続くの?

52 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:51:13.09 ID:KXt7HKnoO

続きwktk

53 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:54:40.90 ID:
>>51
>>52 
この話はこれで終わりかもしれません。
続きを書くかはまだわからないです。
でも、また機会があればスカイツリーのお話を書いてみたいです。

54 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 22:04:19.62 ID:
初めてブーン系小説なるものを書いて
お見苦しいところもあったと思います。

最後まで見てくれて本当にありがとうございました。

49 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/07/22(水) 21:48:37.90 ID:+vr3LgA80