1 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:46:27.31 ID:
ザッザッザッザッガサッ
「はぁ・・ はぁッ・・・ はぁっ・・・・」
薄暗い森を走る。
木の小枝が刺さり体中に細かい裂傷が一歩、また一歩と前へ進む度に増える気が
する。
「痛いお・・でもここで止まって捕まる訳にはいかないお。」
そう呟いて彼は薄暗い森の奥に消えて行った。
no title


2 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:47:40.79 ID:
長岡県ホライゾン市は人口数千人の小さな街。
三方を山に囲まれ、南側が海に面していて真夏の避暑地としてかなり好い環境である。
都会からの旅行者も多く観光と僅かな農作物、海産物で島の人間は生活していた。

('A`)「おぉーい、今日は釣りに行く約束だろ~?」
家のブザーを鳴らし近所迷惑も考えず大声で叫ぶ。

(´・ω・`)「ごめん。あぁ、またなんだ。許して貰おうとは思わない。
とりあえず麦茶でも飲んで落ち・・」

('A`)「はいはい分かった。また遅刻かよ。ショボンの寝坊癖はホント治んねーな。」

活発そうな、だがお世辞にもイケメンとは言えなさそうなこの少年の名はドクオ。
(´・ω・`)「まぁまぁ・・そんな怒らずに。すぐ準備するからさ。」
窓からそう言うと申し訳無さそうに準備を急ぐおおらかそうな少年は
どうやらショボンと言うらしい。

3 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:48:52.66 ID:
('A`)「そう言やぁ、昨日山の上の方でサイレンが鳴ってたよなぁ。」
('A`)ノシ「なんかあったのかねぇ。」ドクオはそう言いながら
早く釣りがしたいのか釣り竿を振っている。

(´・ω・`)「そんなの鳴ってたっけ?覚えてないなぁ」
ショボンがそう答えると
('A`)「そう言えばショボンは一回寝たら起きねーもんな。」
とドクオはつまらなさそうに皮肉を返した。
ショボンはそんなドクオを気にもせず黙々と準備を続けている。
どうやらこの二人のやりとりはいつもの事らしい。

(´・ω・`)「随分お待たせしたね。さぁ、行こうか」
('A`)「ホントだよ。さっさと行かなきゃ日が暮れちまう。」
二人は自転車に飛び乗り釣り場へと急いだ。

4 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:49:38.47 ID:
二人がいつも釣りをしている場所はニュー速港の突堤なのだが
どうやら今日は違う場所をドクオが見つけたらしく
初めての釣り場と言うこともあり
ドクオはやたら急かしていたらしい。
('A`)「妹山にうp川ってあるだろ?あそこ前から狙ってたんだけど
流れが急過ぎて良いスポット無かったんだよな。
ところがどっこい昨日学校帰りに川沿い歩いてたら
偶然みっけたんだよ!あそこは釣れるぜぇw」

(´・ω・`)「えっ、でもあの川ってかなり足場が悪いし
大人が一緒じゃなきゃ入っちゃダメらしいよ」

とショボンが少し強ばった表情で返す。
('A`)「いいんだよッ!ったくショボンはホント根性ねーな。
それでもVIPPERかよw」
と睨み付けるように言い放った。
彼の言うVIPPERとは「長岡県立VIP高校」の生徒と
言う意味らしい。

5 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:50:23.56 ID:
ちなみにVIP高校は周りの学校に比べると少しやんちゃな子供が多く
何かと問題も絶えない学校である。
(´・ω・`)「・・・分かったよ。いっぱい釣れるならその方が楽しいしね。」

この少年はどうやらかなりの釣り好きらしく
最近の釣果もイマイチと言うことで
ドクオの見つけたポイントへの期待はまんざらでも無い様子である。

('A`)「だろ?俺は期待は裏切らない男だからまかしとけってw
さぁ。もうそろそろ着くぜ。」とショボンに向かって笑顔で言った。

成程、これは確かに期待出来そうである。

7 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:51:08.25 ID:
川底には大小さまざまな岩が沈み苔の付き具合もかなり良い。
今まで人間の立ち入った形跡は殆んど無く魚からしたら楽園なんだろう。

('A`)「さぁて。ここらへんでいいか。」
ドクオと呼ばれた少年はそう言うと方に引っ掛けていた釣り道具一式を
岩場へ投げ置いた。
どうやら喋り方同様、大雑把な性格らしい。
(´・ω・`)「うん。ここでいいね。準備しようか。」
ショボンと呼ばれた少年も仕掛けの準備に取り掛かる。

('A`)「なぁ、ショボン。餌は何でいく?」
(´・ω・`)「そうだね。まずは川海老でいいんじゃない?食いつき
悪かったら他のも試してみよう。」
('A`)「よしきた。」

どうやらドクオはショボンの釣りの腕は認めているらしく素直に指示に従う。

二人とも準備が終わりポイント探しの為に二手に分かれて水面から飛び出た岩と岩を飛び跳ねる。
('A`)「俺はここだな!よっしショボン。今から勝負だぜ!」
ドクオがショボンにそう叫んでまず第一投を投げ入れる。
狙った所にピンポイントにチャポンと落ちた。彼の腕もなかなかの物である。

(´・ω・`)「ちょ・・・せこいなぁ。まぁいいや。おk。」
そう言うとショボンも第一投を投げる。

9 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:52:26.42 ID:
このショボンと言う少年。三度のメシより釣りが好きと言うことで釣りにおいてはかなりの自信があった。
今まで釣りに出かけると坊主で帰る事も殆んど無く彼の家の夕食は釣りに行った日は
魚メインの様々な料理が並ぶほどである。
今日もこの様子だと大漁に釣って帰るだろう。

(´・ω・`)「ふぅ。ちょくちょく餌は喰ってるね。大物がいる予感。」
ショボンがそう言って餌を付け直しながらドクオをチラッと見る。

('A`)「くっそ。全然喰わねーじゃねーか。」
ドクオはブツブツ呟きながら竿を振っている。
やはりかなりの短気者らしく開始5分ですでに投げやりな感じである。

(´・ω・`)「ドクオ。もうちょっと仕掛けを深めにした方がいいよ。
ここの川は意外と深いみたいだし。」
('A`)「そうか!さすがショボンちゃんwよっし!仕掛け深くしてみっか。」

そう言うとドクオは仕掛け手繰り寄せて作り直す。

11 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:55:01.25 ID:
釣り始めから数十分が経ちショボンのバケツには良い形の川魚が数匹入っていた。
(´・ω・`)「本当に良いスポットだなぁ。毎週でも来たいよ♪」
ショボンはこの釣り場がかなり気に入ったらしく黙々と竿を振る。

一方ドクオを見るとかなり苛立っているのが分かる。
('A`#)「全然釣れねーじゃねぇか!!何が仕掛けだよ。ショボンのせいで
釣れなくなったんじゃねーのか!?」
とドクオは無茶苦茶な事を言いながら雑に竿を振るが一向に釣れる気配は無い。
(´・ω・`)「僕は嘘はついてないよ。ここは深めの仕掛けの方が・・・」
ショボンがそう言い掛けた時、対岸の草葉がガサガサと激しく揺れた。

12 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:55:46.54 ID:
('A`)「今明らかに向こうで何か動いたよな?俺見てくるわ!」
ドクオはもう釣りに来た事など忘れて川沿いの探検に夢中なようだ。
(´・ω・`)「ちょ・・・クマーや狼かもしれないよ。危ないって。」
ショボンがドクオを止めるがドクオは聞く耳を持たない。

ちなみにこの地方にはクマーも狼も生息していない。せいぜい狸かイタチだろう。

ドクオが対岸に渡れる場所を探していると少し上流に大きな丸太が一本、川に掛かってあるのを見つけた。
('A`)「自然に倒れたにしちゃ不自然だなぁ。」そう呟きながら丸太の上を猿の様に
するすると渡っていく。運動神経はかなり良いらしい。

(´・ω・`)「僕はここで釣りするから。すぐ帰って来るんだよ。」
ショボンはドクオにそう叫ぶとまた竿を黙々と振り続けた。
釣りが絡むと友人そっちのけのようである。

('A`)「へいへい。分かりましたって。」
ショボンの言葉を聞き流すとドクオは対岸に辿り着いた。
('A`)「さっきの草葉は、っと・・・あそこらへんか」
ドクオが木々の間をすり抜けて先程音がした所へ近づく。

13 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:56:32.15 ID:
ドクオが先程音がした場所に近づいた瞬間、

ガサッ!

と大きな音がした。
流石のドクオもこれには少し驚いたのか足が一瞬止まる。

('A`;)「こりゃ・・・狸やらイタチじゃないかもな。」

ドクオがそう思った瞬間、人の声がした。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
呻く様な声である。これを聞きドクオは一気にその草むらへ飛び込む。

そこにいたのは黒い作業着というか・・・そう、映画に出てくるような特殊部隊が
着るような格好をした同い年くらいの少年が仰向けに倒れていた。
('A`)「おい!大丈夫か!?怪我でもしてんのか??」
ドクオが少年に駆け寄り辺りや体を見回す。
目立った傷やアザは無いものの、細かい擦り傷が多い。服の汚れ具合を見ても
かなり長い間森に居たのだろう。そこら中泥だらけである。

14 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:56:41.67 ID:Rc9YxdI40
wktk

15 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:57:17.38 ID:
('A`)「おーい!!ショボン!!お前もこっち来て手伝え!」
ドクオがショボンに向かって大声で叫ぶ。

ショボンがびっくりしてドクオの声がした方に叫ぶ。
(´・ω・`)「どうしたのさ。なんかあったの?」
('A`)「怪我人がいる。」

その一言でショボンも慌ててさっきドクオが渡った丸太に走った。

(;´・ω・`)「この人は・・・どうしたの?変な服装だし、釣り人じゃ無さそうだけど・・・」
ショボンが少し心配そうに怪我をしている少年を見つめる。

('A`;)「俺もよく分からないんだけど取り敢えず怪我の手当てしてやらなきゃ・・・」

二人が困惑してると少年の目が少し開いた。

(メ´ω`)「ここは・・・どこだお。」
呟くように呻いた瞬間少年の目がはっきり開いた。
(メ`ω´)「君らは誰だお!?何故ここに居る!」
少年はそう叫んだかと思うとドクオに足払いをかけてマウントポジションを取る

('A`;)「お・・俺達はお前が倒れてるの見つけたから手当てしようと・・・」
(´・ω・`;)「そうだよ!だからドクオに危害を加えるのはやめて欲しい。」

二人がそう話すと少年の顔から険が取れた。

17 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:58:02.45 ID:
(メ´ω`)\「すまなかったお。」

少年はそう言うとドクオに手を差し出す
ヽ('A`;)「ホントだぜ。」
そう言ってドクオは少年の手につかまり立ち上がった。

(´・ω・`;)「あなたは何者なんですか?なんでそんな服を着てるんですか?なんで倒れてたんですか?」
思わずショボンが質問攻めをする

(メ´ω`)「それは・・・答えられないお」
少年は少し困ったようにそう答えた。

('A`)「SATみたいでかっこいいよなぁwまぁ答えられなきゃいいや。せめて名前くらいはいいだろ?」
ドクオがそう答えると少年は少し考えた後

(メ´ω`)「僕の名前は・・・ブーンだお」
と答えた。

('A`)↓「ブーンか。俺はドクオ、んでこいつはショボン。よろしくな!」
(´・ω・`;)「しょ・・ショボンです。よろしく。」

どうやらショボンはまだ警戒しているらしい。

18 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 22:59:22.40 ID:
(メ´ω`)「怪我は無いかお。森には・・山登りが目的で来たんだお。」
ブーンと言う少年はそう答えると辺りを見回す。
('A`)「嘘くせーけどまぁ、信じるよ。俺らとタメくらいだろうし。取り敢えず俺んち来るか?
怪我の手当てもしないとな。それに服もキタネェww」
(´・ω・`;)「い・・家に呼ぶのは・・・」

ショボンがそう言いかけるとブーンが答えた

(メ´ω`)「ここは・・・どこだお?」
('A`)「ここか?ここは長岡県ホライゾン市。んでこの川はうp川だぞ。」
ドクオがそう答えると
(メ´ω`)「結構遠くまで来たつもりだったが・・じゃあせっかくだしお世話になるお。ありがとうだお。」

そう言うとブーンは体に付いた葉っぱや小枝、泥を手で払った。

19 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:00:07.04 ID:
ドクオとショボンが釣りの道具を片付けている間、ブーンは遠くの妹山の方角をしきりに気にしている。

('A`)「よーし。じゃ帰るか。ショボンはどうする?」
(´・ω・`)「僕は家に帰るよ。魚持って帰らなきゃいけないし・・。」
そうショボンが答えるとドクオは少し自分の釣果を思い出し不満そうに
('A`)「あー。そういや釣りに来たんだっけ・・・。」
と今更ながら悔しそうに返した。

('A`)「ブーンはチャリ無いから俺と二人乗りな。」
ドクオがそう言うと
(メ^ω^)「僕は大丈夫。山登りするくらいだから普段から鍛えてるんだお!走るお!」
と答えた。

('A`)「あっそ。じゃ行くぞー。」
(´・ω・`)「おk」

そう言って3人はホライゾン市内へ向かって走り出した。

22 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:02:05.69 ID:
ドクオが家に着く頃にはもう7時を回っていた。

ガラガラッ
('A`)「ただいまー。カーチャン、友達連れてきたぜ。」
ドクオが大声で叫ぶ。
J( 'ー`)し「あんた声でかいわよ!ご近所さんに迷惑じゃないのさ!」
このドクオのお母さんの声も相当でかい。

ブーンが玄関から挨拶をする
(メ^ω^)「どうもだお。夜分に申し訳ないですお。」
するとさっきとは打って変わって優しい声で

J( 'ー`)し「あらあら。お友達ね。こんばんわ、ゆっくりしていって頂戴ね。」
と笑顔で言う。ドクオがおせっかいで声がでかいのはお母さん譲りなんだろう。

(メ^ω^)「ありがとうございますですお。」
('A`)「よっし!じゃあブーンも俺の部屋来いよ!」
そう言ってドクオは階段を駆け上がる

J( 'ー`)し「あら、ブーン君?だっけ。お洋服汚れてるじゃない。洗っててあげるわ。」
( ;^ω^)「それは悪いお・・・」
そう答えると
J( 'ー`)し「子供が遠慮してるんじゃないわよ。さぁさぁ、一人分洗うも二人分洗うも同じなんだから!」
そう言ってブーンの上着を受け取ると洗濯機に放り込んだ。

('A`)「おーい!ブーン。さっさと来いよ!」
二階からドクオが叫ぶ
(メ^ω^)「分かったお。」

そう答えるとブーンも二階へと階段を駆け上がった

23 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:02:17.27 ID:nFatWUhd0
剣心風のブーンもいいな

24 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:02:51.53 ID:
その頃ショボン家では今日の釣果である魚をお母さんがいそいそとさばいていた。
J(´・ω・`)し「一杯釣れたわねぇ。これは料理し甲斐があるわぁ。食費も浮くし♪」
と嬉しそうだ。どうやらこの大らかそうな人がショボンのお母さんらしい。

(´・ω・`)「でしょ?ドクオがいい釣り場見つけてくれたからね。」
そう答えながらショボンはテレビに夢中な様子である。

J(´・ω・`)し「あんまり危ない所まで行っちゃだめよ?」
ショボン母は少し心配そうだ。
(´・ω・`)「大丈夫大丈夫。あ・・・でも今日・・・」

ショボンは今日あった出来事を母親に話した。ブーンの服装や行動は隠して・・・。

J(´・ω・`)し「そう・・・。多分違うだろうけど昨日サイレンがなってたじゃない?
それも妹山の方で。山の向こうの施設では色々あるみたいだから気をつけなさいね。」

ショボン母が真顔で言う
(´・ω・`)「うん・・・分かった。(そっか・・・ドクオが言ってたサイレンって妹山の方だったのか・・)」

ショボンの中で胸騒ぎが少しした

25 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:03:37.27 ID:
('A`)「これでよしっと。」
ドクオがブーンの傷に薬を塗ってガーゼを貼る
( ^ω^)「ありがとうだお。助かったお。ドクオ君はいくつなんだお?」
ブーンが部屋を見渡すと釣り道具だのアイドルだのサッカーボールだのがぐちゃぐちゃに置いてある。
('A`)「俺?俺は16歳。VIP高校の一年だよ。あー、さっき居たショボンもタメだぜ。」
ドクオが釣竿の手入れをしながら答える。
( ^ω^)「じゃあ二人とも同い年だお。」
ブーンが少し嬉しそうに答える

('A`)「やっぱタメかぁ!それにしちゃお前落ち着いてるよな。」
ドクオが少し感心した様に答えると
( ^ω^)「あまり歳の近い人が周りに居なかったからだと思うお。」
そう答えた。

26 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:04:22.17 ID:
普通に考えるとおかしな話である。ドクオと同い年で周りに歳の近い人が居ない?
ドクオもそれに気が付いたが森で出会った時のブーンが詮索されるのを嫌がってたのを
思い出し、喉まで来た言葉を飲み込んだ。

J( 'ー`)し「ご飯出来たから二人とも降りて来なさーい」

その声を聞いてドクオはさっきまでの疑問も忘れて飛び跳ねた
('A`)「メシメシ!さっ、ブーンも行こうぜ!」
(;^ω^)「僕も・・いいのかお?」
('A`)「いいに決まってんじゃん。さ、行こうぜ。」

そう言うとドクオは階段を颯爽と駆け下りた。

( ^ω^) 「友達・・・嬉しいお・・」
小声でそう呟きながらブーンも階段を駆け下りた。

27 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:05:08.53 ID:
ドクオの家もショボンの家も母子家庭である。
ショボンのお父さんはショボンがまだ赤ん坊の頃に病気で無くなり、
ドクオのお父さんはドクオが小学生の時に離婚した。
二人は似た境遇だからか小さな頃から気が合った。性格は全く正反対だが・・・。


J( 'ー`)し「ごめんねブーン君。ドクオが魚釣って来ると思ってあんまりおかずないのw」
ドクオのお母さんが本当に申し訳無さそうに謝る
('A`#)「うっせーな!!魚釣りなんてのは腕以外にも色々必要なんだよ!」
ドクオが少しムッとした顔で野菜炒めを頬張る。
( ^ω^)「あったかいご飯とお味噌汁だけで充分ですお。味付けも最高ですお。」
ブーンが美味しそうに口いっぱいに頬張るのを見てドクオのお母さんも嬉しそうだ。

('A`)「カーチャン、ドクミは?」
J( 'ー`)し「お友達の所でお勉強するからお泊りですって。今日は帰って来ないわよ。」
('A`)「あっそ。どうりで静かだと思ったw」
( ^ω^)「ドクミって兄弟かお?」
ブーンが野菜炒めを頬張りながら質問する

('A`)「あぁ。妹な。俺に似ず可愛くねーんだよな。ごちそーさん!」
ドクオはそう言うとテレビの電源を入れた。

30 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:05:54.98 ID:
「番組の途中ですがニュースをお伝えします。
昨晩妹山の研究施設で爆発があり多数の負傷者が出ている模様です。
原因はまだ不明ですが不信な人物の目撃証言もあり長岡県警が引き続き
捜査を続ける方針です。
なお今晩から雨が降り続く予定なので近隣の住民の方は
土砂災害などにご注意下さい。以上、ホライゾンニュース速報でした。」

ニュース速報が終わると先程までとはうって変わって芸人のバラエティ番組から笑い声が響いていた。

ドクオは思わず目を丸くした。この静かな田舎街では事故や事件が全くと言っていい程起こらない。
起こったとしてもせいぜい迷子や遭難だろう。
その街で爆発事故、それもまだ分からないが第三者の手により爆発事故が起こったとなれば大変な事である。
いつもならかじりつくように見るバラエティ番組もそっちのけである。

('A`)「爆発事故だってよ。すげーy・・・」
と途中まで言いかけた時
( ^ω^)「ごちそう様でしたお。」
ブーンが遮った。

( ^ω^)「ドクオの部屋で少しゆっくりしていいかお?」
ブーンが尋ねると
('A`)「あぁ。いいぜ。カーチャン今日コイツ泊めていいよな?」
J( 'ー`)し「いいわよ。ただし親御さんに連絡だけしなさいね。」
と洗い物をしながら笑顔で答えた
( ^ω^)「泊めてまで頂いて・・・ありがとうございますだお。
わかりましたお。あとで連絡しておきますお。」

そう言うとブーンは二階に上がって行った。

34 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:07:54.85 ID:zHJRZi6n0
wktk

36 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:10:20.79 ID:
prprprprprprpr♪
丁度その時、ドクオの携帯が鳴った

('A`)「おっ、ショボンからじゃん。もしもし。」
(´・ω・`)「もしもしドクオ?テレビ見たかい?2チャンネル。」
('A`)「見た見た!だから言ったろ?昨日サイレン凄かったもんなぁ!」
(´・ω・`)「まぁそれは良いとして。あの事故が起こったのは妹山だよね?」
('A`)「そうそう。」
(´・ω・`)「誰かの犯行による爆破の可能性があるんだよね?」
('A`)「って言ってたなぁ。一体なんなんだよ!めんどっちーなぁ!!」
ドクオが少し苛立った様子で答えるとショボンは自分の一番言いたかった事を話した

(´・ω・`)「あの犯人・・・ブーンかもしれないよね・・・」

('A`)「ッ・・・!!アイツはそんな事しそうにないだろ??第一同い年だぜ?」
(´・ω・`)「歳は教えてくれたのか。でもあまりにも秘密が多すぎやしないかい?」
('A`)「・・・。ちっ、しゃーねーな。今から俺んち来いよ。三人で話せばそんな奴じゃないって分かるさ。」
(´・ω・`)「・・分かった。三十分後くらいにいくよ。」
そう言って電話を切った。

('A`)「とりあえずブーンと話してみっか。」
ドクオも馬鹿じゃない。あのニュースの内容、ブーンと出会った場所、ブーンの服装。
全てがあの事件に繋がってる様に思えてならないのは事実だ。
ただドクオは友達を疑ったり、裏切ったりする位なら死んだ方がマシだと普段から思っている。

『友達を信じる』と言うことはドクオの信念なのである。それを曲げる事はしないしする気は無い。
だからこそブーンと話をしてスッキリさせようと思った。
ドクオの中では話をして相手が善い奴ならもう友達なのである。

37 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:11:08.02 ID:x7izJV91O
ワクワクテカテカ

38 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:11:17.48 ID:
ショボンがドクオの家に来るまではまだ時間がある
ドクオは取り敢えず階段を駆け上がった。
('A`)「おーい。ブーン。」

ドクオが呼びかけるが返事は無い

('A`)「寝てんのか?」
部屋を見渡すが誰も居ない。二階を探して回ったが人がいる気配は無かった。

('A`;)「ッ・・・!アイツ・・・・!」

ドクオは慌てて階段を駆け下りた
('A`)「カーチャン!ブーン知らないか?!」
ドクオが思わず叫ぶ
J( 'ー`)し「ブーン君?一階にはいないわよ?」
ドクオは急いで玄関に向かう、だがブーンの靴は無い

('A`;)「くそっ・・・。アイツ・・・俺があのニュースで疑ってると思って・・・」



窓の外は小雨が降りだしていた

42 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:14:46.94 ID:
自分のせいでブーンが居なくなった、そう思うと自分で自分が嫌になった。

('A`)「・・。ショボン来たらどうすっか。」
そう呟いてベッドに寝転ぶ



何か枕元に違和感を感じた。
('A`)「なんだ?」
ドクオが枕をめくると湿った紙の切れ端に滲んだ文字が書いてあった

「ドクオ君、ショボン君へ

僕は一般人ではないお。だからこれ以上迷惑を掛けないために出て行く事にしたお。
ドクオ君、ドクオ君のお母さんの優しさ嬉しかった、ご飯も美味しかったお。
僕は今まで周りの人間に優しくされた事は無かったから。楽しかったお。

ショボン君、警戒させてごめんお。二人の生活を壊さないためにも出て行くお。
ドクオ君と仲良くするんだお。

友達っていいもんだって分かっただけで満足だお

最後に

ありがとう」

('A`)「・・・」
('A`)「・・・・」
('A`)「馬鹿ヤロウ・・・雨・・・酷いのによ・・・傷だって・・・」

43 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:15:56.53 ID:
ザアアアアアアアアアアッ

雨が酷い

傷薬を塗ったと言うのに雨のせいで全く意味が無くなってしまった
( ^ω^)「寒いお」

今までにこんな事は何度もあった。野営の時、訓練の時、任務の時。
ただ何故か今まで以上に辛く感じた。

雨で足場が悪い。ブーンは妹山の麓まで辿り着いていた。
( ^ω^)「もうしくじる訳にはいかないんだお。ドクオやショボン、この町の人達の為にも・・」
そう言うとブーンは暗く、冷たい山の奥深くに走って行った。

45 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:16:49.26 ID:
ショボンがドクオの家に着いたのはそれから大分経ってからだった

(´・ω・`)「そっか。でも出て行ったって事はやっぱり・・・」
ショボンがそう言いかけると
('A`#)「そんなの関係ねーよ!アイツは俺たちの為に出て行ったんだぜ?」
ドクオが熱くなる。ドクオの中でもうブーンは大切な友達なのだろう。
(´・ω・`)「そんな事言ってももう出て行っちゃったならしょうがないじゃない。手がかりも無いんだし・・・」
('A`)「そりゃそうだけどよ・・・」
不満そうにドクオが答える。
(´・ω・`)「もうこの話は終わりにしようよ。」
('A`)「・・・」
ドクオはどうにかしたい、でもどうすればいいか分からない。そんな顔をしていた。

その時一階からお母さんの声がした

J( 'ー`)し「ドクオー。ブーン君上着忘れていったみたいだから明日返してあげてねー。」
('A`)「!!」
慌ててドクオが階段を駆け下りる。
これは大きな手がかりになるかもしれない。

('A`)「待ってろよ、ブーン・・・」

ドクオはカーチャンから上着を受け取ると大急ぎで二階に駆け戻った

46 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:19:19.47 ID:
妹山の研究施設は公には国の自然保護、観察の為の施設と銘打っている。

が現実には全く違う目的で施設が運営されているらしい。

ブーンの任務は施設の破壊と研究内容の破棄。施設責任者の拘束、最悪の場合口封じである。

内容は教えてもらえなかったがこの研究はホライゾン市住民の命を奪う可能性が高いと聞いた。

それ以上のことはブーンにも知らされていない。

49 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:22:57.53 ID:
その頃ブーンは妹山の中腹まで来ていた

( ^ω^)「前に来た時はこの辺りから警備が厳重になってたお。もうミスはしないお。」
雨は容赦なくブーンの体を打つ。小さな擦り傷とは言え雨が沁み、
全身に鉄条網を巻きつけられた様な痛みが全身を襲う。
ブーンがふと立ち止まり濡れた地面に手を当てる。
( ^ω^)「確か・・・ここらへんだお。」

ブーンが地面の泥を手で掘り進むとビニールに包まれた金属が
顔を出した。
最初の任務の際に回収しきれなかった装備を埋めて隠していたのである。

分解された銃を黙々と組み立てる。
( ^ω^)「ふぅ・・あと少しだお」
ブーンには親は居なかった。兄弟も。友達さえも作れる環境では無かった。
物心つく前から戦闘、潜入の訓練を受けさせられていたからだ。
いかに人より勝るか、足音を消し気配も殺し誰にも気が付かれない様に任務を遂行出来るか、
見つかれば相手を傷つけるのも仕方が無い。
もし自分が失敗しても組織から来た別の人間が任務を遂行する。

それがブーンの存在意義だった。それが世界の全てだと思っていたし教え込まれていた

世の中には正義も悪も無くただ心を殺す日々。

50 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:25:50.25 ID:31T2zuHUO
wktk

54 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:28:31.09 ID:
でも今は違う

自分の任務の成功には自分以外の誰かの人生が懸かっている事を知った。
人間同士は出会ってすぐでも仲良くなれる、優しくなれるんだってドクオ達が教えてくれた。

明るく少し乱暴だけど友達思いのドクオ、ちょっと心配性な感じだけどそれも友達を心配しての事。優しいショボン。
見ず知らずの他人の自分を受け入れてくれたドクオの一家。
「もしこの人達に危害が加わるのなら必ずこの施設を破壊する。任務を遂行する。」

僕にも生きる理由が出来た

そう思えば思うほど今まで以上にブーンの動きが精錬されていく。 傷の痛みも我慢できる。

ブーンは暗視カメラに気を付けながら研究施設が見える位置に着いた。
( ^ω^)「前より警備が厳重になってるお・・・まぁ、当然か。」
前もって頭に叩き込んである地図を思い出す。

( ^ω^)「・・・」
ブーンが考え込んでいると100m程先に恐らく車だろう、明るいライトが2つ動いている。
( ^ω^)「搬入用トラックか・・・使えるかもだお」

ブーンは雨の音に紛れて飛び出すようにトラックへ向かった

55 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:31:41.54 ID:
先程より雨が酷く降りしきっている。さっきまでは小雨だったが今はもうバケツをひっくり返したような雨だ。
その雨が撃つ窓を眺めながら二人の男がコーヒーを飲んでいた。
部屋中にコーヒーの香りが充満する。

( ゚∀゚)「しかしアレだよなぁ。さっさとこんな田舎から都会勤務へ戻りたいぜ。」
白衣を着た上司らしい男が話す。二人とも30代前半くらいだろうか。
( ,,゚Д゚)「ですよね。いくらここが研究にもってこいの土地とは言え何も無さすぎますね。都心に戻りたいですよ。」
もう一人の男が相槌を打つ。
二人はしばし談笑しながらコーヒーを飲み干した。

( ゚∀゚)「さて、そろそろ実験室に戻るか。」

57 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:34:26.38 ID:
上司と思われる男の一言に反応して、もう一人の男も立ち上がると同時に思い出したように口を開く。

( ,,゚Д゚)「そうですね。あ、そう言えばこの前の侵入犯どうなったんですか?」
( ゚∀゚)「例の彼か。まだ捕まっていないようだよ。だけどそこまで気にする事ではないよ。」
男は涼しげな顔で話す。
それ程警備に自信があるんだろうか?全くブーンの事など気にも留めていない感じだ。

( ゚∀゚)「さぁ、休憩終わり終わり。戻るぞ。」
男がそう急かすとドアを開け二人の研究者らしき男達は談話室からそそくさと出て行った。

58 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:35:20.73 ID:
その頃ドクオ達は二人で頭をひねっていた。
('A`)「なぁ、これどうやって使うんだ?」
(´・ω・`)「どうって・・・。僕にも分かるわけないよ。」
ショボンが困った顔で返す。

ブーンの残していった上着を二人で調べた結果色々な事が分かってきた。
まずこの服は物凄い強度で作られていると言う事。
少々の事ではまずこの布は貫通しないだろう。恐らくナイフの刃さえも・・・
(´・ω・`)「これはもしかしたらナイフとかの刃物との戦闘を想定して作ってるのかもしれないね。」
ショボンは自分で言って少しビビっている。
それはそうだ。普通に暮らしている高校生にはナイフで刺される事などまず想像出来ない。

('A`)「そうかもな。そういやアイツ喧嘩もかなり強いぜ。だってこの俺が一瞬で馬乗りだもんな。」
ドクオが納得したように話す。この少年、喧嘩にはかなり自信があるようだ。
この喧嘩っ早そうな性格じゃ喧嘩になることもしょっちゅうなのかもしれない。

二人が頭を捻ったのは右の胸ポケットに入っていた小さな機械である。
携帯ほどのサイズだけど数字のボタンなどないし、画面はあるけど真っ暗だ。

('A`)「雨に濡れて壊れちまったのかねぇ?」
ドクオはそう言いながら乱暴に振り回す。
(´・ω・`)「ちょ・・・。家のリモコンじゃないんだから。壊れちゃうよ。」
ショボンが思わずドクオを止める。
('A`)「じゃあお前動かしてみろよ。」
ドクオがショボンに向かって軽く投げる。
(´・ω・`)「もう、乱暴だなぁ。」
そう言うと機械を凝視しつつ黙り込んだ

62 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:38:07.23 ID:
ショボンは考えていた。

彼がもし特殊な訓練を受けた兵士だとして雨に濡れたくらいで壊れるような機械を果たして使うだろうか?
テレビや映画で見るそういうスパイなんかは大抵雨に濡れたり海に潜ったり平気でしている。
ショボンの中で「洗濯とか雨や少々の衝撃くらいで壊れるはずがない。」と言う考えが強かった。

(´・ω・`)「どこかにロックがかかってる・・かな」
ショボンが機械をいじくりまわす。
('A`)「おっ!なんかいけそうじゃねぇか。さっすがショボン!」
ドクオが尊敬の眼差しで見る。
このショボンと言う少年、けして機械に強いという訳ではない。だがドクオよりかは幾分マシなようである。
(´・ω・`)「わからないけどね。ただ少々じゃ壊れたりしないとは思うよ。」
そう言いながらもショボンは何か怪しい所は無いかと目を丸くして見ながら手探りで探していた

63 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:39:16.72 ID:
「ただいまぁ。勉強はかどらなくって帰って来ちゃった。」

玄関から可愛らしい大きな声がドクオの部屋まで響く。

J( 'ー`)し「あらあら。おかえりなさい。あんまり夜遅くに出歩いちゃだめじゃない。」
ドクオの母が玄関で出迎える。
ξ('A`)ξ「はいはい。ただいま帰りました!あれ、おにーちゃんの友達来てる?」
どうやらこの少女がドクオの妹のようだ。ドクオは似てないと言っていたが良く似ている。
そう言うと少女は二階に駆け上がる

66 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:41:41.25 ID:ASHJ3FR80
妹可愛くねぇな

68 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:42:49.56 ID:
ξ('A`)ξ「こんばんわ~!」

そう言うとドクミは勢い良くドアを開けた
(´・ω・`)「やぁ。こんばんわ。」
ξ('A`)ξ「ショボンさんお久しぶり!元気だった?」
ショボンが話しかける。二人は顔見知りらしい。まぁ子供の頃からドクオと一緒にいるんだから当然か。

(´・ω・`)「うん。まぁまぁだね。ドクミちゃんはどう?」
二人がしばし談笑しているとドクオがその話を遮る。

('A`)「何しに来たんだよドクミ!お前今日泊まりじゃなかったのかよ。勉強出来ないから諦めたのか~?」
ドクオがそう皮肉交じりに言うと
ξ('A`)ξ「他の子の勉強まで見るのめんどいじゃん。皆私にすぐ聞いてくるから勉強になんなくってさぁ。」
そう言うと鞄から取り出した天然水のペットボトルを開けて喉を潤した。
ドクミはドクオと違いかなり頭の出来は良いようだ。

('A`)「へっ。あぁそうかい。ショボン、こんな奴ほっとこうぜ! 俺達にはしなきゃなんない事があるんだもんな!」
ドクオがバツの悪そうな顔でショボンに話しかける。
(´・ω・`)「そうだね。っと、ドクミちゃんって機械に詳しいかい?」
ショボンがドクミに掌の機械を見せる

('A`)「ショボン!こいつに分かるわけねーだろ?」
ドクオが思わずショボンを制止しようとするがそれより早くドクミが食いついてきた。
ξ('A`)ξ「へぇ。何これ?新しいゲーム?」

ドクミが興味津々でショボンから機械を受け取る
(´・ω・`)「ゲームじゃないんだけどね。これの電源かロック見つけられないかな?」
ξ('A`)ξ「うーん。出来ない事は無いかも。ちょっと待ってて。」
ドクミはそう言うと自分の部屋に走った

69 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:44:18.98 ID:7OKtEuhV0
妹殴りたい

70 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:44:29.19 ID:
ドクミの部屋にはパソコンがある。毎年少しづつお金を貯めて自分で買った。
元々裕福とは言えないドクオ家だったがドクオ、ドクミが本当に望む事はやらせて貰って来た。
だからドクオもドクミも母には感謝している。

ξ('A`)ξ「ネットで似たような機械について調べれば分かるかも・・・」
そう言いながらドクミはパソコンの電源を立ち上げた。
(´・ω・`)「パソコンかぁ。良いアイデアだね。」
ショボンが感心したようにドクミを見る
('A`)「そ・・そうだけどよ。ドクミが凄いって言うかありゃパソコンが凄いんだろ。まぁ、期待しようぜ」
ドクオはかなり悔しそうにしていたがドクミなら分かるかも・・・と内心思っているようだ。

ξ('A`)ξ「あった。でもちょっと違うなぁ。」
ドクミがマウスを思わず止める

('A`)「どれだよ!どれ??」
ドクオが思わずパソコンの画面にかじりつく
ξ('A`)ξ「もう!うっとおしいなぁ。これだって。」
ドクミが指差した機械は無線機器の説明やら詳しい解説が載っているHPだった

71 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:45:28.84 ID:
(´・ω・`)「んー。確かにちょっと違うなぁ。」
ショボンも思わず身を乗り出す
ξ('A`)ξ「そうなんだよねぇ。なんだかちょっと違う。」
ドクミとショボンは納得がいってないようだがドクオにはその違いがイマイチ分からない。
('A`)「同じじゃねーの?俺には一緒に見えるぜ。」
ドクオが真顔で言うとショボンとドクミは溜息を吐いた

そもそもこのドクオと言う少年、かなりの機械オンチなのである。
テレビも洗濯機もクーラーも同じモーターみたいなのが動いてて分解したら中には同じ機械が詰まってると思っている。
そんなドクオの意見はショボンもドクミもアテにはしていなかった。

73 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:47:10.48 ID:31T2zuHUO
支援

74 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:47:58.32 ID:
ξ('A`)ξ「どうやって使うのかしら。」
違うと分かりつつもドクミはそのHPを見て回る。
このHPに載っている製品には大体側面にスイッチがあるようだ。
しかしこのブーンの残していった無線機らしい機械にはスイッチのような物は見当たらない。
(´・ω・`)「だめ・・かぁ。」
ショボンは思わず肩を落とす。
ξ('A`)ξ「ダメっぽいね。ごめんね。力になれなくて・・・」
そもそもこの少女には何も関係無かった筈だが・・・本当に残念そうに謝る

('A`)「くそッ、だめか。ってかさー。この右上の絵は何なんだ?」
ドクオが画面の右上を指さす。そこには一般に広告サイトと呼ばれるリンク先が貼ってあった。
ξ('A`)ξ「それはねぇ。他のサイトの人がウチのサイトにも人を呼んでください、って理由で
載せさせてもらってるの!要するに新聞の広告みたいなものね。」
とドクミが自慢げに説明する。
普段あまり自分に質問しない兄が自分を頼りにしてくれているのが嬉しいのだろう。

('A`)「へぇ。でもさ、この広告?だっけ。ミリタリーとかウェポンとか書いてあるって事は
軍事系の広告なんだろ?もしかしたらここにヒントがあるかもしれないぜ。ブーンはきっと傭兵か何かだろ?」

ドクオが何気なく言った。

76 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:50:23.45 ID:
もう夜の11時半をまわっていた。外は雨と風がさっきより酷くなっていて
窓がしきりにガタガタと揺れている。山や川などはかなり足場も悪くなって歩けたものじゃないだろう。
ドクオの中でブーンが今何所にいるかふとよぎった。

('A`)「山・・・アイツもしかしてまた妹山に行ったんじゃないか?!」
ドクオが思わず飛び跳ねる。
(´・ω・`)「そうかもしれない。あの最初に会ったときやけに妹山の方を気にしてたし。」
ショボンはあの時のブーンの視線を見逃さなかった。
('A`)「俺達が会ったのがうp川の下流らへんだろ・・。で、『そんなに遠くまで来てなかった』みたいな事言ってたから・・・」
ドクオが必死に頭の中で思い出しながら計算しているようだ。
(´・ω・`)「やっぱりあの山の上の施設か・・・もしかしたらその向こうに秘密の研究所でもあるのかもね。」
ショボンが答える。
ドクミは突然の話の展開についていけて無いようだ。
ξ('A`)ξ「ちょ・・ちょっと!私はもう良いの?」
ドクミが不満そうに話す。
('A`)「あぁ・・サンキュな!助かった!俺ちょっと出るわ!」
ドクオは今すぐにでも走って行きそうな勢いだ。
(´・ω・`)「今すぐ行くのかい?雨と風が酷いけど・・・しょうがないね。」
ショボンも準備をしようとしたがその時ドクミが言った。
ξ('A`)ξ「さっきの軍事系のHPなんだけどどうやら個人のサイトみたいなのよね。
メルアドもばっちり載ってるしこの機械の画像をデジカメで撮って送れば何か教えてもらえるかも。」
ドクミがそう言うと
('A`)「やるじゃねぇかドクミwじゃショボンと残ってその機械について調べてくれ。 俺は頭使うより体使う方が得意だからな、任せとけって!」
そう言うとドクオは自分の部屋から雨合羽を取り出し羽織る。
('A`)「携帯は持っていくからなんかあったら連絡ヨロシク!」
そう言うとドクオはいつも夜釣りで使う大型ライトを片手に階段を駆け下りて行った。

78 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:54:49.81 ID:
ザァァァァッァァ
( ,'3 )「雨嫌いなんだよなぁ。運転しにくいし。」
真っ暗闇の中、ヘッドライトだけを頼りに大型のトラックを巧く操る。
雨の森、さらに舗装もまともにされて無く街燈も無い。運転する側にとっては
最悪の条件だろう。

( ,'3 )「そろそろ研究所につくなぁ。」

その時だった
フロントガラスいっぱいに泥のような物が飛んできて広がり視界が一瞬遮られた

( ,'3 )「うわッ!!!!」
思わず急ブレーキを踏み車を止める。
( ,'3 )「雨で泥が跳ねたか?」
そう言ってドアを開け外に出ようとした時だった。


( ^ω^)「動くな」

運転手の首筋に雨で濡れた冷たい金属が触れる
( ,'3 )「うわ・・っ!なんだおm」
( ^ω^)「喋っても殺す、目を合わせても殺す、黙って言う事を聞けば危害は加えない」
そう言うと手に握ったナイフに力が入る

運転手にもそれが伝わったのか打って変わって大人しくなった。
( ^ω^)「良い子だお。僕を乗せたまま施設に走るんだお。」
そう言うとブーンは助手席に潜り込んだ。

79 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:57:08.47 ID:
ドクオが妹山への道を自転車で走る。数時間前に通った道だ。
('A`)「うわぁ、くっそ台風でも来るんじゃねーか!」
雨は収まる気配も無くドクオの顔面に打ち付ける。
流石のドクオもこの雨と風には苦労しているようでなかなか前に進まない。
('A`)「ブーンと出会った場所まで・・晴れてりゃ飛ばせば30分でいけるんだけどこの雨じゃ・・・」
珍しく弱音を吐いたドクオの横をヘッドライトを付けた一台の軽自動車が通った。
その車はドクオの近くまで来た瞬間スピードを落とし、窓が開いた。

(`・ω・´)「ドクオ君?ショボンから聞いたよ。乗りなさい。」
車の窓から見えたのはショボンの叔父のシャキンだった。
(`・ω・´)「ショボンから電話があってね。友達が大変なんだろ、乗りなさい。妹山の麓まででいいね?」
そう言うと車から降りトランクを開けドクオの自転車を積み込む。

どうやらドクオが出た後すぐにショボンが電話をしてくれていたらしい。
('A`)「ありがとうな!シャキンさんが来てくれるとは思わなかったぜ!」
ドクオはそう言うと雨合羽を脱いで車の後部座席に乗り込んだ。

(`・ω・´)「いいんだ。それより大丈夫か?ショボンに聞いた限りじゃ面倒な事になってそうだが・・・」
心配そうに甥の友達を見つめながら話す。
('A`) 「大丈夫だってwショボンは大袈裟だからなぁ。」

そう言ったドクオは笑顔だったが何かこみ上げる感情があるように見えた

80 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/29(火) 23:59:40.82 ID:
車の窓から見る外の景色はさっきまでとは別世界のように見えた。
真っ暗な森の中を走る。舗装されているとはいえ地面の状態はそれ程良くは無いようで
シャキンはあまりスピードを出さすに安全運転をしている。

('A`)「雨・・・酷いっすね。」
(`・ω・´)「あぁ。そうだね。土砂崩れ注意の警報が出ていたから気をつけないと。」

このシャキンと言う人はショボンの叔父なのだが、幼くして父親を失ったショボンにとって
父親のような存在だった。普通の家庭で父親が教えるような事は大抵この人に教わった。
ショボンの釣り好きもシャキンに影響されての事だ。
ドクオも「話せる大人」としてシャキンを信頼していた。

('A`)「シャキンさんは妹山の施設について何か知ってますか?」
ドクオが普段とは違う真面目な顔で質問する
(`・ω・´)「いや・・・あまり詳しくはないが・・・。私が子供の頃は自然しか無かったよ。」

ドクオの欲しい答えは返って来なかった。まぁ当然と言えば当然だろう。
そんな怪しな施設が家の近くにあってそこを爆破したかもしれないスパイを探しに行く、
そんな事を知れば町が大パニックになるだろう。ただでさえ静かな町だ。

83 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:04:49.79 ID:
('A`)「そうですか。」
ドクオはそれ以上質問しなかった。
コンビニは夜の12時に閉まるし大した娯楽は無い。ジャンプは毎週水曜に発売だ。
ネット通信もままならなく 休日などはもっぱら山や川、海で走り回るぐらいしかできない。
でもドクオはそんな町が大好きだった。
その町がどうにかなるかもしれない、この自然を壊されるかもしれない。
何も無い町で普段じゃありえないような映画みたいな事件が起こってる。

ドクオも普段じゃこんな事信じないし誰かが話してても笑っただろう。でも今は信じて行動している。
それはきっとブーンに出会ったからだ。ブーンが何をしようとしているかは分からない。
だけど何かが起こっているのは事実なんだ。
今ドクオの中に自分にも何か出来ないか、ブーンを心配すると同時にそう言う感情が生まれていた。
ドクオもブーンと同じ気持ちなのである。

「守りたい」
そういったことを考えてた時だった。
(`・ω・´)「着いたよ」
車が止まる。ショボンと俺が自転車を止めていた所だ。
('A`)「ありがとう。」
そう言うとドクオは雨合羽を着て外に出た。
トランクを開けてもらい自転車を取り出す。
('A`)「帰りは自転車で帰るんで・・。本当に助かりました。」
そう頭を下げて川へと降りようとしたドクオにシャキンが叫ぶ
(`・ω・´)「何かあったらすぐ呼んでくれていい。あと無茶はするなよ。ドクオ、お前は子供なんだ。」
シャキンがそう言うと

('A`)「子供にしかできねー無茶もあったりするんすよw」
そう言ってライトを片手に闇の中に消えて行った

87 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:07:46.89 ID:kXVpOG2w0
ガンバレー

91 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:11:16.44 ID:26pEm0VvO
天才作家がいるのはこのスレですか?

94 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:16:17.64 ID:FNr5idMYO
これはおもしろい

96 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:18:09.50 ID:
フロントガラスに雨粒が当たり、ワイパーがそれを払いのける

( ,'3 )「どこまで行きゃいいんだ?」
トラックの運転手が恐る恐る強張った声で話しかける
( ^ω^)「余計な事は知らなくていいお。このトラックは施設の中に物資を搬入するんだお?中まで連れてって貰うお」

ブーンはそう言うと銃倉に込められた弾を確認する

もうすぐ施設に着くだろう。入り口の守衛を誤魔化せるか?無理なら強攻突破しかない。
この運転手はどうする?殺すか?

そこでブーンに躊躇いが生じた。いつもなら口を封じる為に、証拠を消す為に殺しただろう
しかしこの人も家庭があるかもしれない。妻に子供が居てもおかしくない年齢だ

( ^ω^)「あなたは・・・ あなたには家庭がありますかお?」
思わずありえない質問をしてしまった

運転手は少し驚いた様な顔をした後口を開いた
( ,'3 )「・・・もうすぐ3人目が生まれるところだ。次女が体弱くてよ、心配の種だ」

そう言うと運転手は少し悲しそうな顔をした

98 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:20:03.32 ID:YogT7CrpO
ドクミかわえぇ

102 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:26:32.16 ID:
この仕事が危ない事なのは分かっていた。日当も良く大型免許以外の資格や学歴は必要ない
運んでる先の事は一切教えては貰えなかったし何を運んでるのかも知らない

ただ子供二人と妊娠した妻を養うには少しでも給料が良い仕事をするしかない
それが危ない仕事でもいい、危なくない仕事なんて無いんだから

そう言い聞かせて今日まで仕事をしてきた

しかし今日、刃物に拳銃らしき物を持った男に襲われた
多分自分は死ぬんだろう

そう覚悟した

( ,'3 )「家族に・・・メールだけでもダメかな」
運転手が蚊の鳴くような声でブーンに話しかける

(  ω )「・・・いいお」

いつものブーンなら恫喝しただろう。だが温もりを知った今、それ位なら・・・そんな気持ちがブーンを支配していた

110 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:37:35.09 ID:
殺すのか?殺していいのか?この人にも家族がいるんじゃないのか?
ドクオの家のようなあったかい家庭があるんじゃないのか?

( ^ω^)「・・・・・・」
頭が痛い、吐き気がする。傷が疼く、熱ももってるようだ
ブーンはずっと黙り込んでいた

( ,'3 )「あんちゃんよく見ると若いね。ありがとよ。メールは済んだ。そろそろ入り口だ」
運転手はそう言うとスピードを落とした

(  ω )「・・・」
ブーンは助手席の下に潜り込んで息を潜める

守衛は2人、手にはマグライトを持っているようだ

(=゚ω゚)「はいここで制まれよー」
(゚⊿゚)「おいおい。今日はちょっと遅いじゃねぇか。何やってたんだ?」

そう言いながら近付いてくる

( ,'3 )「い・・いやぁ。この雨だろ?土砂崩れも起きててよ。通っていいかい」
そう言いながら窓から顔を出す

(=゚ω゚)「中を見てから、だ。ま、大丈夫だろうけどよ」

そう言いながらマグライトで積荷を照らす
(=゚ω゚)「後ろは問題ねーな」

115 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:46:25.16 ID:
(=゚ω゚)「前の方はどうだ?雨もヒデェしさっさとしろよ」
そう言うともう一人の守衛が運転席を照らした

(  ω )「・・・」

このままやり過ごせる可能性はかなり低い。そもそもこんな方法で入るつもりでは無かった
このトラックを奪い運転手を殺す
そして入り口付近までトラックを走らせ守衛に突っ込ませて破壊

その方がどうせバレるなら確実に中には入れる、そう思ってトラックに乗り込んだ。はずだった

迷いがこんな無茶な作戦を実行させた。馬鹿げてる。
自分でもそう思いながら祈るように息を殺して隠れる

(゚⊿゚)「異常ないな。行っていいぞ」
守衛はそう言うと道を開けようとしたその時だった

piriririririririririririrririri

運転手の携帯が鳴った

116 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:49:40.89 ID:AfS2zVOQO
とぅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる

117 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:50:44.91 ID:e+TjD6DAO
ジリリリリリリリリリリリ

118 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:51:44.47 ID:c4nBbbRs0
no title


119 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:53:06.62 ID:cKUyZplE0
お前らwwwwwwwwwww

121 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:59:17.20 ID:
(゚⊿゚)「なんだ?携帯か?」
守衛が怪訝そうな顔で運転手をライトで照らす
( ,'3 )「わ・・わりぃ。娘からのメールだ」

そう言って携帯を開こうとした時、震える手から思わず携帯を落としてしまった
携帯は助手席の方に転がり落ちる
(゚⊿゚)「ここに来る時は電源切れっていつも言ってんだろうが。探してやるよ。何処だ?」
そう言って助手席の下をライトで照らして回る

ブーンは手のナイフを持ち替えた

(゚⊿゚)「な、なんか動いたな、なんだ?」
(  ω )「・・・掻い潜れるとは思って無かったお。しょうがないな」

( ^ω^)「会ったばっかりだけどさよならだお」
そう言うやいなやブーンは助手席のドアを蹴り破って外に出た

(=゚ω゚)「な・・・なんだ!何が起こった!!」

積荷を検閲していた守衛も走ってくる

(゚⊿゚)「コイツ!?前の爆破犯か!」
(=゚ω゚)「本部に連絡取れ!あと銃の使用許可も出す。殺せ!」

( ^ω^)「その前にお前らは死ぬんだお」
ブーンは右手に握ったナイフを強く握り締めた

122 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 00:59:39.99 ID:c4nBbbRs0
wktk

125 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 01:09:01.49 ID:
( ,'3 )「お・・俺はどうすりゃいいんだ・・」


ブーンはぬかるんだ地面を左足で思い切り蹴った

左手で牽制しながら右足で回し蹴りを繰り出す
(=゚ω゚)「ぐ・・・」
あまりの速度に守衛は反応出来ず膝から崩れ落ちた
そこでブーンの右手が閃いた

膝から落ちた守衛の首を綺麗に真一文字に切裂く

雨の中に一瞬で血だまりが出来た

(゚⊿゚)「おおお前!!クソ!!死ねええぇぇぇあぁァァ!!!」
そう叫びながら肩のサブマシンガンのセーフティを解除しブーンに銃口を向ける

守衛が引き金を引くと同時にトラックに無数の穴があき水溜りの水が跳ねる

( ^ω^)「そんなんじゃ当たらないお」
そう言ってブーンはトラックの影に隠れる

(゚⊿゚)「おいクソ運転手!!テメーも仲間なんだろ!!!ぶっ殺してやるよ!!」
そう叫ぶと守衛は運転席に銃口を向けた

( ,'3 )「お・・おれはちが・・」
言い終わるより先に銃声が夜の森に鳴り響く

129 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 01:16:11.44 ID:F6UhDPttO
うわあああああああ

130 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 01:18:33.81 ID:
雨が痛い。服が濡れる。なんでだ?さっきまで運転席に居たはずなのに・・・

( ,'3 )「何が・・どうなって?」
混乱する運転手の右手をブーンがしっかりと握っていた

(  ω )「怪我は・・無いですかお?」

さっきの一瞬、ブーンは運転席のドアをこじ開け運転手の手を引きトラックの外に引きずり出したのだった

( ,'3 )「俺は平気だ。それよりあんちゃん大丈夫か?」
( ^ω^)「僕は大丈夫だお!そんなやわじゃないお!」

ブーンは満面の笑みで言った

(゚⊿゚)「どこだぁぁぁ!そっちか!?」
守衛は狂ったようにトラックを殴りつけた

( ^ω^)「ここは危ない。逃げるんだお」
ブーンはそう言うとポケットから小さな筒を出し運転手に渡した
( ^ω^)「これは非常用の発炎筒だお。明日日が昇ったらこれを使えば誰かしら助けてくれるお」
( ,'3 )「あ・・あんちゃんは・・」
( ^ω^)「僕には仕事が残ってるお。さ、時間は稼ぐ。行くんだ」
そう言うとブーンは運転手の背中を軽く押す

131 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 01:18:44.93 ID:tdav2qZ8O
らめぇぇぇぇ!!!!!!!!

132 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 01:20:17.59 ID:efbGK//U0
なかなかいいなw
今似た話書いてるし参考にさせてもらう

137 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 01:27:26.90 ID:
( ,'3 )「な・・なぁ!」

振り返って運転手が叫ぶ

( ,'3 )「アンタ多分うちの子とそう変わらない歳だろう。死んじゃダメだぞ。絶対死んじゃダメだ」
(  ω )「僕は死なないお。だからおじさんも良いお父さんになってくれお!」

( ,'3 )「俺は荒巻、荒巻だ。困ったらうちに来いよ!じゃあな」

そう言うと荒巻は夜の森に消えて行った

( ^ω^)「ふぅ・・・やっと行ったかお。」
ブーンはそう言うと左腕を握り締める

( ^ω^)「これは流石に左手が使えそうにないな。どうするかお」
そう言った瞬間後ろから銃声が響く

( ^ω^)「まだ休めそうにないお。施設にもバレてるだろうし。らしくない事するもんじゃないお」

そう言うと一つ大きな溜息をついてブーンは立ち上がって走り出した

140 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 01:37:59.47 ID:
('A`)「もうここまで来ると雨にもなんも感じねーなァ」
沢沿いに歩いて登る
昼間に釣りをしたあの沢だ
('A`)「あの丸太が流されてなきゃいいんだけどな・・・」
そう呟きながら丸太まで急ぐ

雨が酷く川は大分増水している。地盤も大分緩くなっているようで足場が固まらない

('A`)「やっと着いたぜ」

丸太はあった。増水も丸太までは達してないようだ

('A`)「おっ、良かった!ちゃっちゃっと渡っちまうか」
そう言うとドクオは雨で滑る丸太を気にもせず走り抜けた

('A`)「こっからは森の中・・・か。迷わねーようにしなきゃな」
雨の匂いと泥の音、そして真っ暗な森の中にドクオは一人消えて行った

148 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 01:44:30.76 ID:
( ,'3 )「な・・なぁ!」

振り返って運転手が叫ぶ

( ,'3 )「アンタ多分うちの子とそう変わらない歳だろう。死んじゃダメだぞ。絶対死んじゃダメだ」
(  ω )「僕は死なないお。だからおじさんも良いお父さんになってくれお!」

( ,'3 )「俺は中嶋、中嶋バルケンだ。困ったらうちに来いよ!じゃあな」

そう言うと中嶋は夜の森に消えて行った

( ^ω^)「ふぅ・・・やっと行ったかお。」
ブーンはそう言うと左腕を握り締める

( ^ω^)「これは流石に左手が使えそうにないな。どうするかお」
そう言った瞬間後ろから銃声が響く

( ^ω^)「まだ休めそうにないお。施設にもバレてるだろうし。らしくない事するもんじゃないお」

そう言うと一つ大きな溜息をついてブーンは立ち上がって走り出した

152 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 01:56:10.87 ID:
ブーンとドクオ、ショボンは実は似た者同士だったのかもしれない

明るいドクオ、几帳面なショボン、優しいブーン
別の出会い方があればきっと親友になってただろう
バンド組んでみたり冒険してみたり謎を解き明かしたり
生まれの不幸は誰にだってある。ただ生まれの不幸より親友と出会えない不幸の方が本当は寂しいのかもな

そんな事を考えながらドクオは森の中を歩いていた

衣服が雨を吸って重い。足も張ってる。足場なんて最悪だ

('A`)「キッツいな。ブーンはあんだけの怪我でこんな所歩いてったのか・・?」
愚痴りながらも黙々と山を登る
この森に入ってからドクオは何とも言えない違和感を感じていた

何かが変だ

ただその何かが分からない。一体なんだ?考えながら辺りを見回した

('A`)「普通の木の生え方じゃ・・ない・・か?」

そう、なにかこの森は人工的な感じがするのである。ショボンじゃないから理論的に言えないがおかしいのだ

3 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:14:13.79 ID:
普通の木はまばらに生え苔や虫、キノコなど成長していく過程で色々な生物が共生する
これだけの広大な森の中、それも木々の背はかなり高く、昼間でもそうそう陽の光が届かない場所も多い
だけどこの森の木々には苔やキノコは全くと言っていいほどいない
それ所か虫や鳥、動物の気配も無いのだ

('A`)「薄気味わりぃな。これもこの上の施設が関わってんのか?」
さっきより雨はやや小雨になってきたようですこし足場も定まってきた
('A`)「お・・なんか明かりが見えて来た。そろそろか」

ドクオの前方にやや拓けた平地が見え、自動車らしきヘッドライトが見えた
('A`)「待ってろよブーン。今助けに行くからな」
右手に持った夜釣り用の大型ライトの明かりを消した

覚悟を決めたようにドクオが一気に飛び出す

そこには一台のトラックが止まっていた。トラックのエンジンはかかったままでライトもついているが人の気配は無い
辺りには微かにガソリンらしき匂いと火薬の匂い、それと生臭い匂いが漂っている

('A`;)「こりゃ・・・普通じゃねぇな。」
そう呟いて手に持ったライトの明かりをつけて辺りを散策する

4 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:15:36.09 ID:
トラックの裏側を覗くと人影らしき物が見えた
思わずドクオは身を隠す
('A`;)「(・・・誰かいんのか・・・)」
首筋にひやりとした血液が流れるのが分かる

恐る恐る覗き込んだドクオが見たのは二人の若い男の死体だった

('A`;)「うわぁぁッ!死・・しんでんんのあおkそあsj?」
ドクオは思わず後ろに飛びのいた

そこには警備員のような服装をした死体が二つ転がっていた

('A`)「これも・・・ブーンがやったってのか」
ドクオは事の重大さに少し後悔した。これはもう警察に任すべきだったのかもしれない
普通の高校生であるドクオにはどうする事も出来ない可能性のほうが高いだろう

少なくとも人生で初めて見る死体がここに二つ転がっているのだから・・・

5 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:17:14.69 ID:
ドクオは思わずへたり込んだ。足が痛い。雨に濡れて体も冷えてさっきから寒気が止まらない

雨が辛い

('A`)「・・・」
('A`)「・・・・」
('A`)「ブーン・・お前はただの殺人犯なのかよ・・・」

ドクオがそう呟いた瞬間突然後ろからぬかるみを踏みしめる音がした
('A`;)「だ・・・誰かいんのか!?ブーンか??」

ドクオがそう叫ぶと一旦足音は止んだ

('A`;)「誰か知んねーけど出て来いよ!俺はただのガキだぜ。なにビビってんだ?」
ドクオは精一杯の勇気で声を振り絞った

一瞬置いて足音の主が木の陰から出てきた

( ,'3 )「子供・・・か。なんでこんな所にいるんだ?ここは危ないからさっさと山を降りなさい」
足音の主は中嶋だった

6 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:18:45.65 ID:
('A`)「・・・あんたあの施設の職員かなんかかい?」
ドクオは睨みつけるようにキツイ口調で中嶋に言い放った

( ,'3 )「いや。ただの運転手だ。このトラックのね。それも今日までだが」
中嶋はそう言うとトラックの周りをぐるっと回る。守衛の死体を見つけると大きな溜息を吐き出した
( ,'3 )「守衛は二人とも殺されてるか・・って事はあの子供は生きてるんだな・・・」
どうやら中嶋はブーンが心配で戻ってきたようだった。

('A`#)「あの子供・・?おい!おっさん!あの子供ってまさかブーンの事か!?」
ドクオ思わず詰め寄る

( ,'3 )「ブーン、それは・・彼の名前か?見るところ君と同じ位の歳だったが。」
ブーンがここを通った、そして生きている
('A`)「生きてた・・・生きてたんだな・・・。アイツ。ここで何があったんだ。教えてくれよ」

中嶋を見るドクオの顔から険が取れた

9 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:24:56.30 ID:
( ,'3 )「私が見たのは傭兵みたいな格好をした・・君くらいの歳の少年だったよ。そして私を・・・・救ってくれた。」

「救った」この表現が正しいのか中嶋には分からなかった
元々ブーンは中嶋を殺すつもりだったのだろう、それは運転席で運転していた本人にはひしひしと伝わっていた

だけど殺さなかった

家族の話を聞いた辺りから彼の顔は少年の顔に戻っていた気がする
ただの殺人者ではない、その証拠に自分を救ってくれた

だから救ったという表現をした、自分を殺す気だった殺人犯を。

( ,'3 )「内容は知らないがこの施設は色々やばいモン扱ってる。それを壊しに来たんだろう」
( ,'3 )「守衛の言葉によると前の爆破も彼の仕業みたいだしね」
そう言うと中嶋は一息ついたようにトラックに寄りかかった

('A`)「そっか。良くわかんねーけどブーンは・・・命を助けたんだな・・」

10 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:27:11.48 ID:g7LWUTwpP
wktk

12 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:27:53.68 ID:
ドクオの中で俄然ヤル気が出てきた
人を殺す事は絶対にしてはいけない。ブーンはその一線を越えている
だけど人を救う事もしている、なら信じてやらなきゃならないだろ?

('A`)「おっさん、ありがとうな。俺そろそろ行くわ」

ドクオはそう言うとムクリと立ち上がった

さっきまで辛かった雨が大分止んできているように思った

13 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:29:47.73 ID:
(´・ω・`)「これでいいのかな。」
ショボンはその頃ブーンの残していった機械を弄くり回していた

(´・ω・`)「あのサイトの管理人はこれで動くって言ってたけど・・・」

そう言いながらショボンは機械の裏にある小さな溝にマイナスドライバーをあてがった
ξ('A`)ξ「これで回すのよね?えいっ」

その瞬間黒いボディが跳ね上がり小さなパソコンの様な画面とキーボードが顔を出した
ξ('A`)ξ「すっごい!すっごい!何コレ!?」

ドクミは眠い目を擦りながら機械をマジマジと見つめる
(´・ω・`)「無線機みたいだね。それも衛星を使った位広範囲の」

ショボンは画面を指差しながらそう言った
画面には英語やアルファベットが並ぶ。どうやらこの右下のNGk・Hrz  1×12000
これは長岡県ホライゾン市を表すようだ。地図の等高線のような物が映っている

15 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:30:35.16 ID:
(´・ω・`)「この点はもしかして僕らが居る場所なのかな?でもブツブツ・・・・だけど・・・・」

独り言のように呟きながらショボンが弄くり回していると

ξ('A`)ξ「じゃ開いた事だしそろそろ私寝るね。もう2時前じゃない。おやすみー」
ドクミはそう言うとドクオの部屋を出て自分の部屋に帰って行った

(´・ω・`)「おやすみ。ありがとう」

ショボンはこの機械の使い方が分かればブーンに何か伝えられるかも・・・と期待していた
やはりショボンもブーンが心配なようだ

(´・ω・`)「無線か・・・」

ショボンが改めて時計を見るともうすぐ2時を回る所だった

16 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:32:35.87 ID:
暗闇に二つの影が揺れる

(  ω )「ごめんだお」
ブーンはそう言うと守衛の首に極めている右手を勢い良く捻った 

ゴキン

(゚?゚)「ふはかか・・・がッ・・」
守衛は辛うじて呼吸をしているようだが首の骨を折ったのだ、もう長くないだろう

ブーンは守衛二人をトラックの陰に隠して施設へと急いだ

左手の出血は上腕をきつく縛った事でなんとか止まった

( ^ω^)「もう2時半か。夜が明けるまでに片付けるお」

施設はもう目の前だ。ブーンは再確認するように呟いた

( ^ω^)「施設の破壊、研究内容の破棄。施設責任者の拘束、もしくは殺害」

目の前にそびえる白く巨大な建物。そこに侵入し、任務を果たす
ブーンは力強く地面を蹴りだし裏口に向かって行った

18 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:36:56.94 ID:
建物の内部は到ってシンプルだった。不必要な物は一切排除したような構造、
だが単純だけに侵入経路は敵にも予測しやすいのだろう

( ^ω^)「まず三階のスパコンの破壊、CD-Rの内容をデリート。」
ブーンは足音を殺しながら階段を一歩、また一歩と上っていく

侵入がバレた割にはやけに警備が少ない。それどころか人の気配も無い

( ^ω^)「どうする・・罠か?」

・・・・・・・

( ^ω^)「どうするも何もないか。行くしかない。昨日の今日でコンピューターごと移動は出来ないはずだお」
その瞬間後ろの階段から人の気配がした

ブーンは銃を右手で構え死角に滑り込む
相手はかなり訓練された兵士のようだ。もしかしたらブーン以上の。全くと言って言い程隙が無い

(;^ω^)「待つか・・・行くか・・・」

ブーンが悩んでいると気配の先から声がした

20 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:37:48.84 ID:
川 ゚ -゚)「遅いぞブーン」

( ^ω^)「ク、クー・・訓練官?」
ブーンは身を隠したまま返事を返す

川 ゚ -゚)「あぁそうだ。貴様が遅いから粗方私が片付けてしまったぞ」
川 ゚ -゚)「あとはスパコンの破壊と責任者の確保だ」

クーと呼ばれた女性がそう言うとようやくブーンが壁から身を出した

( ^ω^)「な・・何故ですお?任務には一人のはずじゃ・・・」
ブーンは動揺を隠せないようだ。

それもそのはず、今目の前にいる女性は
ブーンが物心つく前から戦闘のイロハを教えてくれた上官なのだから。
そもそもブーンの組織では一つの任務に一人なのである、ブーンが慌てるのも無理は無い

川 ゚ -゚)「この任務は一人ではクリア出来ないとの上の判断だ。それともなんだ、私じゃ不服か?」
クーは少し皮肉を言い笑う。ブーンに戦闘を教え込んだ割には若く見える。20代半ばくらいだろうか

( ^ω^)「そ・・そんなことh」
川 ゚ -゚)「無駄口はいい。いくぞ。時間も押している」
そう言うとクーは3階への階段を駆け上がる

( ^ω^)「相変わらずマイペースな人だお。でも左手が使えない今、心強いですお」
ブーンはそう言うと勢い良く階段を駆け上がって言った

22 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:42:35.35 ID:
3階に着くとそこは異様な雰囲気だった
ブルーの蛍光灯に照らされた白い壁が一層不気味さを増す

( ^ω^)「僕が先に行きますお」
ブーンはそう言うと摺り足で少しずつ前へ出る

スパコンのある部屋は突き当たりを左に曲がった所のはず
ブーンは壁を背に通路を覗き込んだ
( ^ω^)「ここまでは大丈夫ですお」
ブーンがそう合図するとクーが静かに駆け寄る
川 ゚ -゚)「施設の職員は私が殆んど片付けたからな。だが施設の責任者、ジョルジュは居なかった」

川 ゚ -゚)「まだ見ていないのはあの研究室だけだ」
( ^ω^)「・・・ならあの部屋に居る可能性が高いですお。」
川 ゚ -゚)「そうだな。だが気を付けろよ。職員とはいえ銃の携帯は確実だ」
( ^ω^)「了解。1・2・3で突入しますお」

そう言うとブーンが銃を構え静かに数える


「1」


「2」


「3」


クーとブーンが部屋のドアを勢い良く蹴り上げる

24 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:48:19.02 ID:
( ^ω^)「抵抗しなければ殺さない。大人しくするんだお!」
川 ゚ -゚)「スパコンは何処だ!」
クーはそう叫ぶと部屋中を引っ掻き回す

川 ゚ -゚)「あった。これだな。破壊するぞ」
そう言うとクーは機械に向かって5発発砲した

(;^ω^)「クーさん。それより敵がいるかもしれないのに危ないですお。」
( ^ω^)「コンピューターの破壊なんていつでも出来るじゃないですか」
ブーンはそう言いながらスパコンを眺める。バチバチと音を鳴らしながら画面が切れる所だった

・・・???
川 ゚ -゚) 「どうした」

( ^ω^)「何もないですお。それより任務を遂行しましょう」

部屋の中に人の気配は無い。ただコンピューターだけが動いているだけだ

川 ゚ -゚)「あぁ・・すまないな。人の気配が無い事にすぐ気が付いたんで破壊を優先した」
( ^ω^)「あの一瞬で・・・流石クーさんだお」

ブーンはそう言って部屋を散策する
川 ゚ -゚)「何をしている?」
クーがブーンを怪訝そうな顔で見つめる

26 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:51:11.21 ID:
( ^ω^)「何って・・・スパコンの破壊とCD?Rのデリート、それと責任者の確保が任務じゃないですかお」
ブーンがそう言うと
川 ゚ -゚)「・・そうだったな。しかし研究者がいない今、CD?Rだけでも持ち運んだ可能性も高いぞ」
クーもそう言うと研究内容が詰まったCD?Rを探す


クーの言うとおりCD?Rは見つからなかった
行方不明の研究者が持ち逃げしたんだろうか?

多分そうだろう。研究者や責任者が居ない以上その可能性が極めて高い
川 ゚ -゚)「とりあえずここにCD?Rが無い以上居てもしょうがないな。二人で手分けして責任者を探すぞ」
クーはそう言って部屋を出て行った

( ^ω^)「どこに逃げたお」
ブーンもそう呟くと研究室を後にした

建物内部は探すほどの部屋数でも無い。規模はデカイが前にも言ったように無駄がない分探す範囲もおのずと狭くなる

( ^ω^)「中は・・居ないな。外も見てみるかお」
ブーンは窓の外を見ながら裏口へ向かった

27 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:55:18.46 ID:
('A`)「でっけー施設だな。明かりも点いてねぇや」
ドクオが施設の正面玄関に向かいながら驚いた顔をする
正面のガラス張りのドアはどうやら鍵が閉まってるようだ、押しても引いてもビクともしない

('A`)「研究所だし非常口とかいっぱいあるはずだよな」
施設の周りをぐるりと小走りで走りながら目を凝らす

その時だった

一瞬ドクオの手に持った大型ライトに反射する物が脇の草葉に見えた

('A`)「なんだ・・?カメラかなんかか?それとももしかして秘密の入り口があったりして」
もう一度照らしてみる。やはり何か光が反射するような物が見える

ドクオは静かにその反射した茂みに近付いた

大きく深呼吸する。何があるか分からないこの状況に流石のドクオも緊張しているようだった
すぐ近くまで近付いたが気配は無い。

ドクオは思い切って茂みを足でかき分けた

28 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:57:09.04 ID:
( ゚∀゚)「・・・」
( ,,゚Д゚)「・・・」
('A`;)「うわぁぁぁ。またかよいsdsk」

ドクオは思わず後ろに飛びのく
そこにはさっきの死体より無残に殺されてる男性がいた
どうやら死体は二体のようだ。二人とも白衣を着ている

('A`)「研究員・・か?なんでこんな所で。それもこんなひでぇ殺され方・・・」

ドクオの脳裏にブーンが過ぎった。ブーンがやったのか・・?
でもブーンはここまで酷い殺し方をするだろうか?
まるで拷問にでもあったような・・・酷い殺され方だった

('A`)「ブーンじゃ・・ないよな。お二人さんも成仏してくれよ」

そう言うとドクオは手を合わせ施設の裏口に向かった

29 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:58:25.48 ID:/rxqOb8XO
wktk

30 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 20:59:30.20 ID:
( ^ω^)「雨も大分止んだな・・もうすぐ夜明けだお」
ブーンは裏口を出るとそう呟いた

なんて長い一日なんだろう。今までこんなに一日が長いと思った事は無かった

友達が出来た。いや、勝手に僕がそう思ってるだけかもしれないけど・・・・
手作りの料理を食べさせてもらった
温もりを感じさせてもらった

                   


           戦う理由を貰った



( ^ω^)「この任務が終われば何か変われる気がするお」

ドクオの熱い気持ち、嬉しかったな。ショボンもああ見えて心配してくれてたのが分かった。
自転車を追いかけて走る、友達と遊んだらいつもあんな感じなのかな

そんな事を考えつつブーンは思い出したように気合を入れる

( ^ω^)「もう・・ドクオ達に会う事は無いんだ。だからせめてドクオ達は僕が守るお」

32 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:02:39.38 ID:
そう思った瞬間後ろで気配がした

( ^ω^)「(施設の責任者か・・?)」

一瞬で間合いを詰める。右手に握ったナイフは血と油で大分切れ味が悪くなってしまったが刺す事は出来るだろう
最悪拳銃で射殺も出来る

刹那の瞬間で計算しながら渾身の足払いをかける。相手はその場に倒れ込む
守衛に打ち抜かれた左手で相手の首筋を極め右手のナイフを突きつける


今にも止みそうな雨がブーンの背中に打ちつける


「おいおい。ひでぇな。最初に会った時と同じシチュエーションかよ」

34 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:05:38.19 ID:
(;^ω^)「ど・・・くお。」
気配の主はドクオだった。ゆっくりとブーンは手に込めた力を抜いた
('A`)「お前の力になりたくてさ。俺たちダチだろ?」

(;´ω`)「なんで・・ここにいるんだお。ここまでどれだけ遠いと思ってるんだお」
( ;ω;)「どくおは・・・・ばかやろうだお」

ブーンは初めて人を殺した時以来泣かなかった
でも今は何故か涙が出て止まらなかった

('A`)「途中お前が守ったおっさんに会ったよ。感謝してた。」
そういうとドクオは立とうとする

( ;ω;)「手・・・貸すお」
ブーンがドクオに手を伸ばした瞬間銃声が響いた

川 ゚ -゚)「何者だ?少年。何故ここに居る?」
その銃声の主はクーだった
( ^ω^)「止めて下さい。彼はただの一般人ですお!」
ブーンが止めに入る

さっきの一発は威嚇だったのだろう。ブーンもドクオも無傷だ
川 ゚ -゚)「何を言っている?目撃者は消せと教え込んだだろう」
そう言ってクーは銃口をドクオに向ける

('A`)「あんた・・あんただろ?そこに転がってる白衣のにいちゃん達殺したのは」
ドクオはそう言うと立ち上がってクーを睨みつける

35 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:07:40.84 ID:WfddjAxd0
うおwwww久々にブーン小説見たけどおもすれぇwwwwwwwwwwww

36 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:08:59.65 ID:
( ^ω^)「白衣?まさか・・・」
ブーンもクーを見つめる

川 ゚ -゚)「白衣・・なんの事だ?どうしたブーン。そんな子供の言う事を信じるのか?気でも狂ったか」
クーはブーンを睨みつける

( ^ω^)「クーさん・・。あなたは研究室に飛び込んだ時すでに誰も居ない事が分かっていたんじゃないかお?」
ブーンが険しい顔でナイフを構えながらクーに問う

川 ゚ -゚)「少しの間だ。聞いてやろう」

クーがそう言うとブーンは改めて話し出した

( ^ω^)「あなたはCD-Rを奪い証拠を消すフリをしてスパコンを壊した」
( ^ω^)「あの画面が消える瞬間・・見たんだお。フォルダのコピー完了の画面を」

(  ω )「あなたは・・・組織の任務で来たんじゃない、そうだお?」
ブーンは少し辛そうにそう言い放つ

その時クーが重い口を開いた

37 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:11:27.31 ID:
川 ゚ -゚) 「ふぅ」
力んだ肩の力を抜く

川 ゚ -゚) 「そもそもお前に任務を与えたのは私だ。私の利益の為にな」
( ^ω^)「利益?」

クーが少し笑いながら話す
川 ゚ -゚) 「任務の前にお前に見せた見取り図あったろ?あれは重要な拠点はあえて書かなかったんだよ」
川 ゚ -゚) 「最初の任務でお前には失敗してもらうのが狙いだったんだ」

少しずつ、ゆっくりとクーは語りだした

38 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:13:55.10 ID:
私はここの施設の責任者、ジョルジュと繋がっていたんだよ
「次の任務でここをうちの組織が攻めて来る、だからこことここを固めておけ。」ってね
そして見事にブーン、お前は失敗してくれた。最高だったよ
これでジョルジュは完全に私を信じることになったんだからな

ジョルジュの研究は私たちの組織にとってもこの町の市民にとっても不利益だった
研究の内容は言うなれば細胞の培養、これだけならなんの問題も無いよな?
だがそうじゃなかった。
ここで育った細胞は異常に成長が早く思うように育てられる。
この研究が進めば人間や家畜の培養に困る事はなくなるんだ

( ^ω^)「それが・・なんで不利益に繋がるのか理解できないお」

その時クーが一発発砲した

40 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:18:00.58 ID:WfddjAxd0
いいよぉ~いいよぉ~

41 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:19:11.14 ID:
('A`;)「いてぇ!kすおskjsd」
(;^ω^)「ドクオ!!!!」

クーの放った鉄の塊はドクオの右足を打ち抜いていた

川 ゚ -゚)「お前が五月蝿いからつい撃っちゃったじゃあないか。黙って聞け」
そしてクーはゆっくりと息を吸い込み吐き出した


確かにこれだけじゃなんの問題も無かった。だけどな、この研究実はまだ植物にしか成功してないんだ
これが人間に成功したら・・そう思うとドキドキしないか?
人の命を延ばしたり断ち切ったり・・思うがままだ
莫大な金にもなる。もう危ない任務を安い金で請け負う必要は無くなるんだ

私はお前に任務を言い渡す前にこの施設や実験について独自に調べ上げた
責任者の名前はジョルジュ、助手はギコ

そしてこの実験が何故組織にとって、この市民にとって不利益なのか
理由は簡単だった
一つ得をしたら一つ損をする、それはこの世の中の真理だ。
誰かが死んだらそれを喰い生き、そして恨みにまみれて死ぬ

そんな単純な事なんだよ。なのに組織と来たら・・・
この実験を組織が潰す事になった理由はな・・・


川 ゚ -゚)「この町の人間が全て肺、全身を異常細胞に蝕まれて 死 ぬ か ら だ 」

42 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:21:39.65 ID:
川 ゚ -゚)「これだけがネックなんだよなぁ。たったこれだけ。この植物。異常増殖細胞を胞子に含んでるんだよ」
川 ゚ -゚)「その程度の為にこんな素晴らしい、金になる事業を潰す手はないだろ?」

川 ゚ -゚)「こんな問題もいつかは改善されるだろう。だから私が引き継ぐんだ。組織を抜けてな」

そう言うとクーは少し休憩するようにけのびをした



('A`) 「ふ・・ふざけんじゃねぇぞ!」
ドクオが足を引きずりながらクーに詰め寄る

43 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:22:43.52 ID:
('A`) 「この町はなぁ・・大した娯楽も無いしじーちゃんばーちゃんばっかだ」
('A`) 「でもな、皆この町が大好きなんだよ!」

('A`) 「てめぇに殺す権利なんてねぇし殺される理由もねぇ!」
ドクオの声が雨の止みかけた森に響いた

川 ゚ -゚)「権利ねぇ・・・権利なんてもんはあとからなんぼでもついてくるの?分かる?ボク」
そう言って銃口をドクオに構える



(  ω )「もう・・・やめてくれお」

(  ω )「僕は・・」

( ^ω^)「もう誰も失いたくないんだお!」


ブーンはそう叫ぶと腰に挟んだ拳銃を構え、

クーに向かって撃った

44 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:23:28.01 ID:g7LWUTwpP
wktk

45 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:24:34.47 ID:
二発の銃声が鳴り響く

( ^ω^)「ど・・クオ」
ブーンが倒れ込んだ

川 ゚ -゚)「何が失いたくない、だ。信念も何も持ってないくせに偉そうに」
そう言ってクーがブーンを蹴り飛ばす

('A`)「止めやがれ!このクソ女!!」
ドクオが足をひきずりながらクーに近寄る

( ´ω`)「にげ・・ろ。どく・・お  げほっ」

ブーンは右の胸を撃たれた様で呼吸が出来ないようだ

川 ゚ -゚)「お前も一緒に死ぬんだよ。二人一緒ならちょっとは寂しくないだろ?」

クーが引き金を引いた

ここでドクオの意識は途切れた

ダァァァァァァァン

47 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:29:32.84 ID:
銃声が響く。クーの放った一発だ
しかしそれはドクオには当たらなかった


( ´_ゝ`)「裏切るのは駄目だよな。弟者」

(´<_` )「ああ、駄目だよな。兄者」

二人でクーの腕をつかんで捻り上げている
森の中から一斉に黒の戦闘服に身を包まれた男達がクーを取り囲む
あの初めて会った時ブーンが着ていた服だ

川 #゚ -゚)「お・・お前ら!なんで!!」

( ´∀`)「裏切り者を確保の為に来たんだモナー」

( ・∀・)「最初に聞いた時は信じられなかったけどねー」

川 #゚ -゚)「くそ・・くそ!!なんでだ!!完璧な計画だったはずだ!!どこから漏れた!!」

手を拘束具で拘束されたクーが無念そうにうな垂れる

( ´ω`)「た・・いちょう」
ブーンがそう呼んだ先には一人の男が立っていた



(`・ω・´)「あんまりウチの甥っ子の友達を痛めつけないで欲しいね」

48 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:27:59.68 ID:WfddjAxd0
な、なんだってえええええええええええええええええ

49 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:28:12.55 ID:OlGpn6pm0
おじさあああん

51名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:30:42.84 ID:
(`・ω・´)「クー、もとい素直クール。傭法181条により拘束、組織に帰り尋問する」
シャキンがそう言うと兄者と弟者がクーを連行して行った

(`・ω・´)「よくやったブーン。後は任せてお前も休め」

隊長がそう言って担いでくれた後の記憶は無い

52 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:32:21.80 ID:
空が寒そうに青々としている


('A`)「おーいショボン。釣り行こうぜー釣り!」
ドクオが元気良くショボンの家の前で叫ぶ

(´・ω・`)「ごめん。あぁ、またなんだ。許して貰おうとは思わない。
とりあえず麦茶でも飲んで落ち・」

('A`)「またかよ~!いい加減準備くらいしとけよ!!」

いつものような昼下がりの休日。いつもと変わらない日常。

(´・ω・`)「あ・・そうだ!ドクオ。ブーンからネットレター来てるよ」

54 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:34:38.65 ID:
そう言ってショボンは黒い小さな機械を取り出す

('A`)「アイツ今度は何処の国行ってんだ??チクショウ・・いいなぁ・・」
本当に悔しそうにそう呟いてドクオはショボンからその機械を奪い取る
(´・ω・`)「もう・・乱暴だなぁ」
('A`)「えーっと。ここで開くんだな」

そう言ってマイナスドライバーを凹みにねじ込み勢い良く回した


黒い機械の外蓋が跳ね上がり画面が起動する

画面には懐かしい顔と声が映っている



------ザザザザッ---------

( ^ω^)「久しぶりだお」

-------------------- 

55 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:35:46.31 ID:
('A`)「お!来た来た!」
(´・ω・`)「僕もまだ見てないんだから!ちょ!!せこいなぁ!」
二人は小さな画面に頭をくっつけるように近付けて凝視する



-------------------- 
( ^ω^)「僕は今シベ超国に来てるお。何の任務かは言えないけど」
( ^ω^)「ここは自然がいっぱいでなんだかホライゾン市を思い出すお」
-------------------- 

56 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:36:47.71 ID:
('A`)「シベ超かよー!いいなぁ。俺も行きてぇ」
(´・ω・`)「ちょ・・ドクオ!聞こえないから静かに」
ショボンの声が思わずでかくなる。


-------------------- 
( ^ω^)「もう怪我は治ったかお?僕のせいで二人を巻き込んでしまってからもう3ヶ月も経つお」
( ^ω^)「あの時は本当にごめんだお。」
-------------------- 

57 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:38:03.24 ID:
('A`)「何言ってんだよ。お前に俺たち助けられたんだぜ」 
ドクオは嬉しそうに画面に話しかける。録画なので無論返事は無い 

(´・ω・`)「僕はブーンに酷い事したよね・・。最初は疑っちゃって・・・」 
ショボンは本当に申し訳無さそうだ 
('A`)「そうだよお前ー。もっと人を信じろって!」 
ドクオが勝ち誇ったように言う。 


-------------------- 
( ^ω^)「二人も同時に友達が出来て嬉しかったお。ただドクオはちょっと人を疑ったほうがいいおw」 
--------------------

59 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:41:52.27 ID:
(´・ω・`)「ほら言われてる」
('A`;)「うっせーなぁ・・」

--------------------
( ^ω^)「僕の任務は人に見られちゃいけないんだお。だから・・・・二人に会ったその時に僕は・・」

( ω )「二人と友達になった時に・・・」

( ^ω^)「任務失敗してたんだお」
( ^ω^)「でも任務より大事n・・・・だか・・・・こ・・」
--------------------



(´・ω・`)「ちょ・・どくお・・だめだって・・・」
('A`)「こんくらいで・・・こわ・・・」
(´・ω・`)「・・・」
('A`) 「・・・!!」

・・・ 
・・


今までで一番暑い夏が終わった後の空はイワシ雲が涼しげに泳いでいた



( ^ω^)ブーンが任務失敗したようです  終

62 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:46:09.46 ID:cKUyZplE0
面白かった。乙

60 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:44:05.33 ID:WfddjAxd0
乙~
先生!異常増殖胞子の話は大事に至る前にシャキーンの部隊が潰しにかかったということでいいんでしょうか!?

63 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:46:28.98 ID:
>>60
そうですね。元々実はブーンの所属する組織は国と深い関わりがあって今回の研究内容破棄の依頼をしたのです
非人道的な研究は流石に上層部も許可できなかった、というところでしょう

64 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:49:33.97 ID:hsda99k4O

ドキがムネムネしたZE1!!11!!1!!1!

65 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:51:42.66 ID:U6n4xojGO
結局ショボンは何もせずに終わったのか?

69 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:54:35.87 ID:
>>65
ショボンはこの通信機を開けただけですねwただこうやって最後に通信で終われるのはショボンのおかげだと思いたい
あとショボンのおかげでシャキンの初動が早くなった、とも言えます。結構無茶ですがw

66 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 21:52:36.83 ID:
ブーン作品を初めて書いたのですがこりゃパワーいりますねw
他の作者の方はスゲーって尊敬します( ^ω^)

wktkしてくれた方、そうでない方も読んでくれて本当にありがとう

74 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 22:10:01.98 ID:IeNYfb1a0

短くて結構すっきりしてる様に思える

78 : 名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2006/08/30(水) 22:30:33.32 ID:tN6JRhw0O
おもしろかったお