1:2013/12/21(土) 19:55:22.84 ID:



女「今日のお昼よかったら一緒にご飯食べない?」

男「ぼ、ぼくと……?」

女「キミ以外にいるわけないでしょ?」

女(んん!?  わ、わたしはなにを急に口走ってるの!?)

男「い、いいの?  ボクなんかとお昼ご飯食べて……」

女(いやいや! 絶対イヤだ。
  小太りだしニキビ面だしボソボソした喋り方がなんか気持ち悪いし……)

女「なに?  わたしとお昼食べるのがいやなの?」

女(次から次へと思ってないことが口から出てくる。なんじゃこりゃ……)

2:2013/12/21(土) 20:00:40.43 ID:




男「ぁ、ああ……じゃあ、その……おねがいしま……っす」

女「うん、約束だからね!  絶対だよ!」


女(ていうかなんでこんな大きな声でわたし話してるの!? )

女(これじゃあクラスメイトに聞いてくれって言ってるようなもんじゃん!)


「アツアツだなあいつら」

「ていうかなんであんなインキャラとメシ食おうと思うのかね」

「趣味わる……」

「あの二人昔からの知り合いらしいよ」

「幼馴染ってやつかあ。おアツいねえヒューヒュー」


女(クラスの連中の目線がイタイ……これじゃあわたしがこの人のこと好きみたいじゃん!
  ぜんっぜん好きじゃないし!)



3:2013/12/21(土) 20:08:40.51 ID:








女(なんで急にあんなセリフがポンポン出てきたかなあ。意味がわからないぞー)

委員長「ねえねえ」

女「んー、なに?」

委員長「あの人とデキてるの?」

女「な、なんで急にそんなこと言うわけ!?」

女(って、そりゃああの会話聞いたあとじゃあそう思うわな)

委員長「もしかしてあれで誰も聞いてないと思った?  アンタの声大きすぎてみんな聞いてたよ」

女「いや、あれは……」



4:2013/12/21(土) 20:11:14.37 ID:




委員長「そういえば彼って編入生だけど昔からの友達とかそんな感じなの?」

女「保育園からなのね。そうは言っても小学六年生のときに転校してどっか行っちゃって、この春に再開したってだけの話」

女(そう、本当にそれだけ。たしかに昔はわりと仲良かった気がするけど。
  転校してからは会うのはもちろん連絡すらとったことがない)

委員長「ふーん」

女「……そのニヤニヤ笑いはなに?」

委員長「いやあ、そのわりには今日お昼のお誘いをするなんて……ねえ?」

女「ち、ちがうの! あれはなんていうか……」

委員長「なにがちがうのよ?」

女(はたから見たらわたしが猛烈なアプローチを仕掛けているようにしか見えないよなあ)

委員長「まあ、なんか意外と変わった趣味してるなあとは思うけど応援するよ」

女「あはは……ありがと」


5:2013/12/21(土) 20:15:43.86 ID:





♪授業中



女(とにかくお昼休みになったら全力で前言撤回しよう)

女(きっとさっきのわたしはトチ狂ってたんだ)

女(だいたいわたしはああいうニキビ面が嫌いだし、どっちかって言うと引張てくれる人が好きだし……)

女(きっとさっきのはタチの悪い冗談かなにかだったにちがいない)

女(高校生活で一番楽しい時期にきっとわたしも舞い上がってそれでなんかもう色々おかしくなっちゃったのだ)

女(うん、そうだ。絶対にそう)



6:2013/12/21(土) 20:18:48.52 ID:



お昼休み




女「あーお腹空いちゃったー!」

委員長「さっきお腹の音聞こえてきたよ」

女「今日寝坊しちゃって朝食べられなかったからね。早く食べよ」

委員長「なに言ってんの?  わたしと食べてどうするの?」

女「え?」

委員長「彼と食べるんでしょ、お昼」

女(ぐっ……あの人に断りに行くのも気まずいから、このまま委員長とお昼ご飯を食べてしまおうとしたのに!)

委員長「わたしのことは気にしなくていいから。いってらっしゃーい」

女(いつの間にかクラスメイトの連中がみんなわたしを見てるし!)

女(いや、こうなったら一回トイレ行ってそのまま休み時間は図書室にでも引きこもってようかな)

女(そうすれば……)




7:2013/12/21(土) 20:19:59.49 ID:
きたい
8:2013/12/21(土) 20:21:58.70 ID:



男「あ、あの……」

女「はうわぁ!?」

男「ご、ごめん……! きゅ、きゅ急に話しかけて、ご、ごごごめん……」

女「……」

女(いや、もうこうなったら『さっきのは嘘でしたー! 誰がアンタなんかとお昼ご飯食うか!』とか言ってやろ)

女(すぅー……よし、言うぞ)

女「ううん、わたしのほうこそ待たせちゃってごめんね! それじゃいこっか」

女(あっれれれえぇ!?  なんで思ったことと正反対のことを言ってんだわたし!?)


10:2013/12/21(土) 20:30:23.88 ID:



女「ほーら、なにポカンとしてんの?」

女(いやいやこの差し出してる手はなんだ!?  これはあれか?  手をつなごうってヤツか!?)

男「え、えっと……」

女「もーう、早くしないとご飯食べる時間なくなっちゃうでしょ?  ほらいくよ」

女(結局最終的に困惑してる彼の手を自分かとりにいって引っ張るという……なに、なんなの!?  積極的なのわたし!?)



「やべーな」

「ああ見てるこっちがキュンキュンしちゃうな」

「ていうかあの男がまあまあカワイイ女と……」

「すごいねあの娘」

「いろんな意味でね」



12:2013/12/21(土) 20:36:16.10 ID:




女(し、信じられない!  どういうわけか、このわたし……自分の思ってることと真逆なことしてるぞ!)

男「ど、どこでご飯……食べるの?」

女「うーん、そうだね。どこにしよっか」

女(中庭なら食事するのには困らないけど)

女(いや、待てよ。今ここで猛ダッシュでわたしが逃げてしまえば、この話はなかったことにできるかも)

女「中庭にいこっか」

男「……うん」

女(走り出そうと思ったけどやっぱり無理みたい。本当になにがどうなってんだろ)




13:2013/12/21(土) 20:38:41.50 ID:
女カワイソス……
14:2013/12/21(土) 20:39:12.71 ID:








女「今日は人があんまりいないしラッキーだね。ベンチも空いてるし座って食べよ」

男「……うん」

女「あーもう、わたしお腹ぺこぺこ。今日のご飯はなにかなあ?」


女(うーん、なんか自分の思い通りにしゃべれるときとそうじゃないときがあるな)


男「あ、あ……」

女「ん? どしたの?」

女(ていうかコイツどもりすぎでしょ。もうちょっとしっかりしゃべってほしいわ)

男「い、いや……お、女の子の、お、おおお弁当って小さいな、と思って……」

女「そうかな? まあ言われてみるとちっちゃいかも」


女(うわあ、すさまじくどうでもいい)



15:2013/12/21(土) 20:42:48.56 ID:



男「……もぐ、んっ……」

女「……」

男「……」

女(わたしがなにか言わないと今度は沈黙か……どうせ自分の思い通りにしゃべることができないなら黙ってたほうがいいかも)

女(そうすれば次からは気まずくてご飯を食べようなんて思わなくなるかもしれないし)



ブス女「あれー、こんなとこでなにしてるのー?」



女「げっ……」

女(わたしの前に現れたのはブスだった。ちなみにブスというのはあだ名だ)



16:2013/12/21(土) 20:46:06.31 ID:



女(見た目がブスであるというのが、そう呼ばれる理由のひとつ)

女(そして、もうひとつ理由がある)


女(本名が毒島美麗(ブスジマ ミレイ)で『ブス』の部分をとってみんなが影でそう呼んでる)


ブス「しかも転校生くんと一緒じゃん。えーふたりってそういう関係なわけー?」

女「ち、ちがうよ!  彼とは……そう、ただの幼馴染だよ!」

女(……あ、あれ?  適当に流そうと思ったのになんだこの思わせぶりなリアクションは?)

男「……」

ブス「へえ、なんかいがーい。こういうのがタイプなんだあ」


17:2013/12/21(土) 20:51:03.81 ID:



女(この女は顔もさることながら、性格まで腐りきったハイパーブス)

女(わたしもべつに性格がいいほうだとは思わないけど、少なくともコイツよりはマシな自信がある)

女「だからちがうって!  ねっ?」

男「え?  あ、うん……ちがいます」

ブス「じゃあなんで二人でご飯たべてるのー?  しかも中庭なんて場所でさ」

女「そ、それよりミレイちゃんは今学校に来たんでしょ?  どうして?」

ブス「だってミレイったら今日病院行っててー……もう大変だったのー」

女「……それはご愁傷様だね」

女(うざっ!  ていうかその養豚場から出てきたみたいなルックスで自分のこと自分の名前で言うな!)


18:2013/12/21(土) 20:57:29.76 ID:



男「……」

女(コイツはコイツで黙々とご飯を食べてるだけだし……)

ブス「あーそういえばあたしもご飯まだ食べてなかったなあ。一緒に食べていい?」

女「……」

ブス「どうしたの?」

女「彼と二人でご飯食べたいから、その……」

女(今のは本音だったのかそれとも……まあ、どちらにしようこのブスと食べるとご飯がまずくなるし)

ブス「…………ふーん、まあいいけど」

女「ほんとにごめんね」


19:2013/12/21(土) 21:00:00.21 ID:
面白い
しかし女口悪いな
呪いでもかけられたか?
20:2013/12/21(土) 21:05:38.28 ID:



ブス「いえいえ、いいわよーべつに」

男「す、すみません……」

ブス「まあせっかくだしふたりの時間をたのしんでねえ」

女(そう言ってブスは去っていった)

女「あっ、今のはその……気にしなくていいからね?」

男「え? な、なにが?」

女「あ、いや……ごめんなんにも」

女(もはや自分でもどういう意図で話しているかわからなくなってきた……)


21:2013/12/21(土) 21:06:04.69 ID:
これぐらい普通だと思うけどな
SSの中の女って、みんな性格良すぎなんだよ
22:2013/12/21(土) 21:08:38.07 ID:





女(沈黙をおかずにお昼ご飯を食べ終えたわたしと彼は、そのあとすぐに教室に戻った)

女(彼はトイレへ行くといったのでわたしは先に教室に戻ることにした)

女「……ん?」

女(なんかクラスの視線がみんな私に来てるような……)



「あれ? 一人じゃん、あのネクラは?」

「なんだよー手つないで帰ってくるのに賭けてたのによお」



女「な、なんの話してるの!?」

委員長「アンタが彼と一緒にご飯行ったでしょ?  それで男子とか一部の女子がその話をしてたの」


23:2013/12/21(土) 21:14:23.53 ID:



女「いや、ほんとにそういうのじゃないから」


「え?  でもブスちゃん言ってたよ。二人でメシ食いたいからって断わられたって」

「あついねー!!」


女(あ、あの女ぁ……!)

ブス「あっ、戻ってきたんだあ」


「噂をしたらちょうどきたじゃん、ミレイちゃん」

「おかえりーミレイちゃん」


女「ちょっ、ちょっとミレイちゃん!」

ブス「なによ?」


24:2013/12/21(土) 21:16:50.45 ID:




女「さっきのことみんなに話したでしょ?」

ブス「うん。なんか問題あった?」

女(この女……ひやかしついでにわたしの評価をサラっと下げようとする気だ)

ブス「ただ仲睦まじいふたりが羨ましいなあって話をみんなにしただけだよ?」

女「……あっそ」


女(豚肉喉に詰まらせてしね!)


ブス「あっ、ちょうど彼帰ってきたよ」

男「……へ? え、ええ……?」


25:2013/12/21(土) 21:24:47.53 ID:



「あ、今世界で一番アツい男が戻ってきたじゃん」

「まだ夏じゃないのにアツすぎじゃね?」

「まったく、春と夏が同時に来たみたいな感じ?」


委員長「みんな、あんまりからかいすぎちゃダメだよ?」

ブス「はーい」

男「あ、あの……い、いったいなにが……」

女「……」

女(コイツらおぼえてろよお……)


26:2013/12/21(土) 21:28:22.30 ID:








女(授業中だってのにまったく集中できない)

女(ほんとにわたしどうなってんだろ?  このままじゃあいずれクラス公認のカップルにされるぞ)

女(冗談じゃない!  このクラスの連中は知らないだろうけど、わたしは未だに彼氏なんてできたことがない!)

女(恋と呼べるものを経験したことなんてほぼない……それなのに!)

女(あんなヤツの彼女になる!? )

女(しかもこんな意味不明な状況に引きずられてだなんて……いや、でも待てよ)

女(実はわたしは彼のことが本心では好きだけど、それを自覚してなくて……それであんなふうな態度になってしまう……)

女(……って、ありえない。絶対にありえない。だいたいどこに惚れる要素があるんだっつーの)

女(わたしはB’zの稲葉さんみたいな人が好きなの!  あんなのは好みとか以前の問題!)



27:2013/12/21(土) 21:33:21.32 ID:



キンコーンカンコーン





女(とか考えてたら授業が終わっちゃった)

女(全然話聞いてなかったしノートもとれてないし。まあいいや、今から委員長に見せてもらおう)


女「ねえ、わるいんだけどノート見せてくれない?」

委員長「珍しいね。もしかして……」

女「なに?」

委員長「彼のこと考えてたの?」

女「だ、だからちがうって! ていうかなんでみんなそういう風に考えちゃうの」

委員長「ごめんごめん。はいノート」

女(まあ彼女の場合はあのブスとちがって全然許せるんだけど。でもやっぱりイヤだな)




28:2013/12/21(土) 21:38:08.52 ID:



委員長「でも嫌いだったらお昼に一緒にご飯食べようなんて言わないと思うんだけど、実際どうなの?」

女「どうなのってべつに……ていうか委員長も恋バナ好きだよね」

委員長「そ、そうかな?」

女「なに顔赤くしてんの」


女(まあ委員長は恋バナ好きだけど初心なので、この手の話題になるとすぐに赤くなる)

女(そこがなかなか野郎の気をひきそうなもんだけど、付き合ったことはないらしい)


女「今日のわたしはちょっとおかしいんだよ」

委員長「どういうこと?」

女「えっと……そこらへんはうまく説明できないんだけどさ」



29:2013/12/21(土) 21:44:06.98 ID:



委員長「なにそれ。だいたい勘ぐるなっていうほうが無理な話でしょ」

女「どうして?」

委員長「だってねえ?  前までも彼とはしゃべることはあったけどさ。今日みたいにお昼に誘ったりはしなかったじゃない?」

女「それは……」

委員長「まあ相談ならいくらでものるから任せて」

女「……ありがと」

女(やばい。わたしの気持ちとかそういうの無視して勝手に周りが話を進めていってしまう)

女(いや、でも待てよ)

女(彼が近くにいないかぎりは特に思ってもないことが口に出たりはしないな。ということは……)




30:2013/12/21(土) 21:51:15.54 ID:







女「よし。超特急で帰るぞ」

女(あいつと話をしたりしないかぎり、わたしはトチ狂って奇妙な言動をすることはない……と思う!)

女(ダッシュで帰ってしまえば……)



ブス「ねえねえちょっとまってよー」



女「なっ……」

女(なに手をつかんでんだよブス!?)

女「え……ちょ、なに?」

ブス「え、いやなんかメチャクチャ急いで帰ろうとしてるみたいだから止めただけ」

女「はあ?」



32:2013/12/21(土) 21:57:56.57 ID:




ブス「というか愛しのダーリン待ってあげなきゃ。ねー」

女(しまった、やられた!)

男「え? ぼ、ボク?」

女「あ……」

ブス「それじゃあおふたりとも、楽しい時間を」



33:2013/12/21(土) 22:00:07.47 ID:



男「……」

女「……」

男「……あの」

女「ごめんごめん、ちょっとボーッとしちゃってた」

男「う、うん」


女(今度はまさか『一緒に帰ろっか』とか言い出すんじゃないだろうな、わたし)

女(いや、負けてたまるか。自分の意思をつらぬくんだわたし!  一人で帰れわたし!)


女「えっと……それじゃあまた明日ね」

男「うん……」

女「バイバイ……あっ!」



34:2013/12/21(土) 22:07:17.08 ID:



男「な、なに?」

女「明日も一緒にご飯食べてくれる?」

男「……え?  ぼ、ボクと?」

女「キミしかいないでしょ?」

男「わ、わかった……」

女「ほんと?」

男「ぼ、ぼくでよければ……」

女「うん、じゃあまた明日ね!」



35:2013/12/21(土) 22:14:56.89 ID:









女「ただいまー」

女(一緒に帰るのこそ免れたけど意味ないじゃん、これじゃあ)

女(また口が勝手に動き出すんだもんなあ。まいっちゃう)

女(実はわたしは本当は彼が好き、っていうのはまずないしありえない)

女(誰かかがわたしを操っている……ってどうやってそんなことをするんだって話だよな)

女(とにかく直接関わらないかぎりは大丈夫……であるはず。明日からはできるかぎり避けよう)


女「って、またお兄ちゃんからライン来てるし……返事は後でいっか」


女(カレンダーを見て、今日という最悪な日をわたしは胸に刻みつけた)



36:2013/12/21(土) 22:22:38.00 ID:









女「さてと、気合入れて登校するぞ!」


女(とにかく今日は彼とはなるべく関わらないようにする。それでオールオッケーのはず)


女「……ん?」

男「……ぁ」


女(う、ウソでしょ! なんでコイツがここにいるの!?)


女「なんでここにいるのー!?」


女(また勝手に口が動いた! 朝っぱらからなんて近所迷惑な大声なんだろ……)


男「あ、ぁぁぁお、お、おはよ……」


女(さて、どうしよう。挨拶した手前、無視はできない)



37:2013/12/21(土) 22:30:40.97 ID:



女「もしかしてここらへんに住んでるのかな?」

男「う、うん……。しょ、小学校……のころの家に住んでる……」

女「なるほどね。昔の家に戻ったんだね」

男「う、うん……」

女(これはわたしの意思通りにしゃべれてるな。思い通りに話せる場合とそうじゃない場合があるみたい)

女(くそっ……とりあえず適当な話題でお茶を濁すしかない)

女「そういえば小学校のころは帰る方向一緒だからってふたりで帰ったりしたよね」

男「な、なつかしいね……」

女(って、この話題じゃあダメだ! なにちょっとそれっぽい雰囲気になるようなこと言ってんだ)



39:2013/12/21(土) 22:34:22.39 ID:
気になるSSだな

しかし本人いないとき、みんなの前で罵れば終わるよな
40:2013/12/21(土) 22:36:26.22 ID:




男「小学校のころか……」

女「そうそう、小学校のころっていえばよくドッジボールとかしたよね」

男「……」

女「わたしが一回キミの顔当てちゃって、覚えてる? キミ泣いちゃったんだよ」

男「そ、そうだっけ?」

女「そうだよ」

女(懐かしいなあ。たしかコイツ運動神経すごい悪かったけど、そのわりによく外で遊ぶ活発なヤツだったなあ。それにもっと細かったような)

女(なんでこんな根暗で気持ち悪い人になっちゃったんだろ)




41:2013/12/21(土) 22:41:15.28 ID:








女(登校後。あいつと一緒に登校してきたわたしを見たクラスメイトたちは、ほぼ昨日と同じような冷やかしをしてきた)

女(ああ……やってられないとはまさにこのこと)

女(ちなみに現在はお昼をまたこの男と食べている。言うまでもなく誘ったのはこのわたし)

女「……」ポリポリ

男「……」

女(あまり漬かってない浅漬けを噛む音がむなしいなあ……トホホ)

女(なお、お昼ご飯を食べ始めてからわたしは今回、まだ一度も口を開いてない)

男「あ、あの……」

女「……なあに?」

男「……そ、その、ですね、ぶ、部活とか……やってますか?」



42:2013/12/21(土) 22:47:24.22 ID:




女「週一だけテニス部に参加はしてるよ。そんなにうまくないけどね」

男「……そう、なんですか?」

女「そういうキミは部活入ってるの?」

男「ぅ、ううん。なんにも。ぁ、でも……」

女「うん」

男「い、委員会には、は、入ってる……」

女「へえ、なに入ってるの?  あ、待って。当ててあげる……美化委員、かな?」

男「ぁ、ち、ちがう……」

女「はずしちゃったかあ。答えはなに?」


43:2013/12/21(土) 22:51:03.95 ID:



男「と……図書委員…………な、なななんだ」

女「そうなんだ。言われてみるとしっくりくるかもね」

男「そ、そう……?」


女(すさまじくどうでもいい会話。でもこういうどうでもいい会話だと、普通にしゃべれからなあ)

女(ていうか、結局こんなやつにさえ気をつかってしゃべっちゃうぐらい気が小さいからダメなんだよな)


女「……情けないなわたし」

男「な、なにか……言った?」

女「ううん、なんにも」



44:2013/12/21(土) 22:56:53.24 ID:








女(わたしがおかしくなって好きでもない男子に猛烈アタックしまくるようになってから三日が経過した)

女(とりあえずわたしがおかしなままということも含めて、状況は特に変わってない)

女(そして現在わたしは図書室)

女(わたしは恋愛経験がほぼ皆無なため、恋愛小説でも読んで破局の仕方を勉強することにした)

女(なんで付き合ったこともないのにそんなの学ばにゃならんのかなあ)

女「……で、なにを読んだらいいのかわからないっていうね」

女(恋愛小説なんてほとんど読んだことないしなあ……)

女(『ご家庭でできる手軽な殺人』って面白そうだな……ってこれは明らかに恋愛小説じゃない!)



45:2013/12/21(土) 23:03:55.06 ID:




本娘「なにか本をお探しですか?」

女「え?」

本娘「あ、ごめんなさい。急に話しかけて」

女「い、いえ、こちらこそすみません」

本娘「わたし、図書委員で今日はたまたま当番なんです。
   すごく熱心に本を探してる人がいるなあと思って、思わず声をかけちゃいました」

女「わざわざすみません。あ、じゃあちょうど聞きたかったんですけど、おすすめの恋愛小説とかってありますか?」

本娘「恋愛小説ですか?」

女「あ、はい。急に恋愛小説が読みたくなっちゃったんですよ」



46:2013/12/21(土) 23:09:42.77 ID:




女(『恋空』とか『みずたま』みたいなケータイ小説がいいなあ。読むのらくだし)

本娘「恋愛小説ですか。この図書室にあるのでおすすめだと、そうですね……これなんてどうですか?」

女「……『天使の卵』ですか?」

本娘「ええ。とっても素敵な恋愛小説ですよ」

女「あ、じゃあこれ借ります。ありがとうございます」

本娘「いえ、図書委員として当然の行いをしただけですから」


女(……図書委員?)

女(ヤバっ! あいつも図書委員じゃん! さっさと手続きして帰らないと鉢合わせになるかも!)


女「あの! 用事を思い出したんで超特急で借りる手続きをしてもらってもいいですか?」

本娘「お急ぎならこちらで処理しておきますから、もう持って行ってもらって大丈夫です」

女「お手数かけてすみません。ありがとうございます!」



47:2013/12/21(土) 23:16:19.54 ID:








女(あいつとバッタリ会わないうちにさっさと帰らなきゃね……って、担任だ)

女「せんせーさようなら」

担任「……ちょっと待ってもらってもいいですか?」

女「はあ、なんですか?」

女(まさか先生に足止めをくらうなんて。なんか用事でもあるのかな?)

担任「引き止めちゃってごめんね。キミがもってる本は『村山由佳』さんの『天使の卵』ですよね? 
   それはとても素晴らしい本だということを伝えたかったのです」

女「ええ、図書委員の人にオススメされたから借りてみたんです。先生までオススメするんだから本当に面白いんでしょうね」



48:2013/12/21(土) 23:19:33.29 ID:



担任「ええ、素晴らしい恋愛小説です」

女「帰ってから読むのが楽しみですね」

担任「そうそう、恋愛といえば最近キミのうわさを他の子たちから聞きましたよ」

女(先生にまで伝わってるって……どんだけー)

女「先生までからかわないでくださいよ」

担任「ごめんね。ここ何日間か二人のことをよく耳にするものだから」

女「彼とはべつにそういう関係じゃないです。ただ幼馴染なだけですから」

担任「ええ、でしょうね」

女「え?」



49:2013/12/21(土) 23:27:37.50 ID:



担任「キミは本心ではその生徒のことなんてどうでもいいって思っている」

女「……先生?」

担任「しかし困ったことに自分の意識とは無関係に勝手に言葉が出たりしてしまう。そうですね?」

女「……先生はなにか知ってるんですか!?」

担任「近々ホームルームの時間を使って二者面談を行います。そのときにこの話の続きをしましょう」

女「ちょ、ちょっと待ってください……!」

担任「待ちません。ぼくも仕事があるんで」

女「……図書室にいっちゃった」


女(……えーと、つまりこれはどういうこと?)



52:2013/12/22(日) 00:02:10.07 ID:
これは年末に向けての良作になる予感
53:2013/12/22(日) 00:02:32.72 ID:
嫌いなら幼馴染じゃなくて知り合いとか言っておけばいいのに
仲良かったわけじゃなさそうだし
54:2013/12/22(日) 00:26:09.98 ID:
どこまで女の言動の自由が奪われてるかだよな
ブスじまの前では幼馴染だと否定したのは言葉が勝手に出ただけみたいだし
57:2013/12/22(日) 20:10:03.95 ID:








女(今日はついに二者面談の日である)

女(このお昼休みが終われば二者面談。もしかしたらこの意味不明な現象の謎が解けるかもしれない)

男「……そ、その……テニスってた、たのしいの……?」

女「うーん、どうなんだろうね」

男「……楽しく、ないの……?」

女「わたし、中学時代は軟式やってたから。高校に入ってからなんだよね、硬式に切り替えたの」

男「……うん」

女「いまだにバックハンドが上手く打てなくてさ。最近そこばかり狙われてなんかなあ、って」



58:2013/12/22(日) 20:17:11.98 ID:




女(ここ数日、わたしは様々な方法で彼とのコミュニケーションを避ける試みをしてきた)

女(けれど周りの余計なアシストや信じがたい不運によって、今日も仲良くお昼ご飯を食べている)

女(まあこれといってなんの発展もないからいいんだけど……いや、よくないよくない!)

女(なんで貴重な高校生活を好きでもない男子と過ごしているんだわたし!)



男「きょ、今日は……パン、なんだね」

女「ああこれ? 爆熱ゴッドカレーパンって購買の名物のパンなんだけど、今日は珍しく部活の朝練に参加してね」

男「……」

女「それで朝早かったから、お母さんにお弁当を作ってもらうのが申し訳なくて」

男「そうなんだ……あ、ぁぁあのさ……」

女「うん、なあに?」



59:2013/12/22(日) 20:25:55.89 ID:



男「りょ、料理とか……する…………?」

女「料理?うーん、まあまあするかなあ。お母さんが仕事で帰ってこれないときとかは、焼きそばとかチャーハンとか簡単なものなら作るよ」

男「そ、そうなんだ」

女「あ、もしかして料理なんかしないって疑ってる?」

女(……ま、また勝手に口が動き出した。いや、でもこの内容なら問題はないよね?)

男「そ、そそそそんなことないよっ!」

女「ふーん。じゃあさ、今度わたしがお弁当作ってきてあげる」



60:2013/12/22(日) 20:33:17.26 ID:



男「……へ?」

女(……はあ?)

女「わたしがお弁当を作ってきたら、今の話も少しは信じられるでしょ?」

男「だっ、だだだだれに……?」

女「いや、キミしかいないでしょ? ほかに誰かいるの?」

男「い、い、いない……です」

女「ふふっ、楽しみにしててね」


女(完全に油断してた。まさかこんなことになるなんて。トホホ……)



61:2013/12/22(日) 20:40:19.64 ID:







女「なんか二者面談って少し緊張するね」

委員長「そう?」

女「わたしだけかもしれないけどさ」

委員長「ひょっとして彼とのこと聞かれたりしたらどうしよう、みたいな?」

女「ち、ちがうよ」



女(すっかりクラスでもわたしとあの男が一緒にいる光景が日常的なものみたいになってるのが気に入らない)

女(でもなあ。はたから見たら、わたしからアプローチしてるようにしか見えないだろうし)

女(一回あいつがいないときに、クラスのヤツらに弁明しようかと思ったけど、どう考えてもわたしのイメージが悪くなるようにしか思えないし)


62:2013/12/22(日) 20:49:03.99 ID:



委員長「あ、ブスジマさんが帰ってきたから次はわたしだね。いってくるね」

女「うん」

女(そういえばまだ借りた本読んでなかったな。読むか……)

ブス「ねえねえ聞いてよお」

女(なぜこの女はわたしが読書を開始しようとするタイミングで話しかけてくるかなあ)

女「ん? どうしたのミレイちゃん?」

ブス「なんかミレイのときだけ妙に早く面談終わったとおもわなーい?」

女「そうかな?」


63:2013/12/22(日) 20:52:50.07 ID:




女(いや、知らないし……ったく、友達少ないからっていちいちわたしに話しかけてこないでほしいなあ)



女『うるせーんだよこのクソブスが!!』



女(……とか言えたらさぞ気分がいいんだろうけど、わたしにはそんな度胸はない)

ブス「ていうかあの担任の先生ってよく見るとけっこうイケメンじゃない?」

女「そうかな?  あんまりきちんと顔見てないからよくわかんないや」

ブス「えーたしかめてみなよ。絶対にあなたの彼氏よりはカッコイイから」

女「ちょ、ちょっと……」

女(うなずこうとしたらまた勝手にからだが……まあいいや)



64:2013/12/22(日) 20:54:58.81 ID:







委員長「思いのほかあっさり終わっちゃった」

女「おつかれ。なに話したの?」

委員長「学級委員としてクラスの状況はどうとか、何人かのクラスの人について聞かれたぐらいかな」

女「ふーん……って、次はわたしか」

委員長「彼とのことについて聞かれたりしてねー」

女「まさか、先生がそんなこと聞くわけないよ」

女(むしろわたしから聞くんだけどね)



67:2013/12/22(日) 20:57:41.30 ID:
世間体を気にするタイプなのか
それともそこも制限されてるのか
いずれにしてもかなり面食いみたいだからつらそうだな
まぁ男も自分を嫌ってるヤツがそばにいるのは可哀想たが
68:2013/12/22(日) 20:59:49.45 ID:








担任「いやあ、キミとふたりで話せるのを楽しみにしていましたよ」

女「……おねがいします」

担任「しかし変わった名字をしてますね。弓に削るなんて、結構読めない人多いでしょ?  ぼくは最初から読めましたけどね」

女「あの、そんなことより教えてもらってもいいですか?  アレについて」

担任「ああ、ごめんね。そうだそうだ。キミとはあのことについて話そうと思っていたんだ」

女「先生はなにを知ってるんですか?」

担任「とりあえず、キミが本当はキミの幼馴染を好きでないということかな」

女「……」

担任「そして、好きじゃないのにまるで本当に好きかのような振る舞いを見せている」


69:2013/12/22(日) 21:04:59.16 ID:



女「先生はこのことについてなにか知ってるんですよね?  教えてください」

担任「うーん、べつにそのことについて教えるのはやぶさかではないんだけど」

女「なんですか?」

担任「約束してくれますか。これから話すことに対して絶対に怒らないって」

女「よくわからないですけど……怒りませんから話してください、おねがいします」

担任「おーけー。じゃあ先に結論から話しましょうか」

担任「今キミがそんな状態になってしまった根本的な原因はぼくにあるんだ」



70:2013/12/22(日) 21:07:04.66 ID:
ミレイちゃんが真ヒロイン
71:2013/12/22(日) 21:09:43.12 ID:




女「…………ど、どういうことですか?」

担任「とりあえずここから話すことは信じられないような内容だから、一旦ぼくが話を終えるまで黙って聞いてほしい」

女「わかりました」



担任「このカードを見て欲しい。トランプのように見えます」

担任「このカードには上下に二つの枠がありますね。上の枠には……そう、キミの幼馴染の名前が書いてあります」

担任「そしてもう片方の枠には……そうです、キミの名前です」

担任「このカードはね。下枠に書いてある名前の人を上枠の名前の人に無理やり惚れさせる、というカードなんです」



女「すみません。さすがに黙って聞いていられないんですけど。
  えっと……どういうことですか?  わたしをからかってるんですか?」

担任「おやおや、ぼくが冗談でこんなことを言うと思ってるんですか?」




72:2013/12/22(日) 21:15:44.02 ID:



女「当たり前でしょう。なにを言ってるんですか?」

担任「まあたしかに、普通の人が聞いたら相手にもしないような話でしょう」

女「わたしもそんな話、信じられません」

担任「じゃあ聞きますけど、どうやってぼくはキミが今現在おちいっている状況を知ったのでしょうか?」

女「それは……」

担任「そもそもキミに起きている不思議な現象、それだって赤の他人が聞けば鼻で笑うような内容でしょう?」

女「……」


73:2013/12/22(日) 21:16:54.43 ID:
担任が右京さんで再生される
74:2013/12/22(日) 21:18:51.03 ID:



担任「話を進めましょう」

担任「そしてこのカードをね、ぼくが渡したんですよ。ある生徒に」

担任「今キミに話した説明をした上でね」


女「だ、誰に?」

担任「……」

女(なんかメチャクチャすぎてついていけないけど……もしそのカードの効果が本物だとして得するのは?)

女「……彼にそのカードを渡したんですね?」

担任「……さあ?」


75:2013/12/22(日) 21:24:42.20 ID:



女「しらばっくれなくてもいいですよ。
  今の状況から考えたら彼がそのカードを使ったとしか思えません」

担任「ほう……それで、キミはどうしますか?」

女「どうするって……」

担任「このままではキミたちはいずれ、本当のカップルになるでしょうね。でもキミはそんなことを望んでいない」

女「当たり前です。こんなの絶対にイヤです」



担任「では、そうですね。まだ今の段階ではぼくの話を信じる気にはならないでしょう?」

担任「このカードをキミに差し上げます。
   ためしに使ってみて、そのカードの効果が本物であることを確かめてください」



女(先生はわたしにカードを渡してきた。カードの上枠には彼の名前が書いてあって、下の枠は……空白)

担任「その下枠に彼に惚れさせたい人の名前を書いてください」


76:2013/12/22(日) 21:29:00.37 ID:



女「……わかりました。ためしにやってみます」

担任「……ふぅむ」

女「なんですか?」

担任「てっきりもっと怒り狂ったりするかなとビクビクしてたんですけど、けっこう冷静ですね」

女「話がぶっ飛びすぎてますからね。けど……わたしの身にも信じがたいことが起きてるから……」

担任「まあとりあえず試してみてくださいよ。
   あと、ひとつだけ注意しておくことがありますけど……まあ今はいいか」

女「ほかに話は?」

担任「なにも。もう話すことはありません」

女「……そうですか。失礼します」



77:2013/12/22(日) 21:34:51.05 ID:









女(いや、もう疑問があふれすぎてなにからツッコんだらいいんだ状態だ)



委員長「ずいぶん長かったね。なにを話してたの?」

女「あ、いや、ちょっと本の話で盛り上がっただけだよ。ほら」

委員長「『天使の卵』?」

女「そう、その本のことでちょっと盛り上がっただけであとはなにも聞かれなかった」

委員長「ふうん。この本、ジャンルはなんなの?」

女「恋愛だよ」

委員長「恋愛?  これで恋愛のなんたるかを学ぼう的な?」

女「あながち間違ってないかな」


78:2013/12/22(日) 21:37:46.06 ID:



女(さて、先生から渡されたカード。誰の名前を書こうかな)


委員長「ちょっとこの本読んでもいい?」

女「どうぞどうぞ」


女(委員長の名前を書くのは……ダメダメ!  委員長には一年の頃からお世話になってるし、もっとイイ人と付き合ってほしいしね)

女(なんかこんなことを真剣に考えるのもアホらしい気がするけどなあ。でも本当だったら困るし)

女(……いーや、決めた)


委員長「あ、今度は彼が呼ばれたね」

女「うん? ああ、そうだね」カキカキ


女(これでよし、と)



79:2013/12/22(日) 21:45:07.56 ID:








女(名前は書いた。もし先生の言うとおりだとしたら、いずれその反応を見ることができる)

女(……とは言ってもやっぱりちょっと信じられない)


男「……」

女(あいつが戻ってきた……)


「二者面談どうだったー!?」

男「え、え!?」

「なんでそんなにビックリしてるのよ!? ただ聞いただけでしょ?」


女(う、うそ……まさか本当に……!?)


80:2013/12/22(日) 21:48:41.96 ID:



男「べ、べべべべつに…………な、なんにも……」

「まあそれもそうだよねー。しょせんは面談だしねえ」


女(まさかこんなあっさりこのカードの効果が本当だってわかるなんて)


「あ、でもさでもさ!  なんかちょっとぐらいあっち方面の会話ってなかったの?」

男「ぁ……あ、あっち方面……?」


女(ちなみにわたしがカードに書いた名前は『ブスジマ ミレイ』、通称ブス)


ブス「もーう、とぼけちゃってえ!」


女(わたし以上に露骨にわかりやすいな、反応が。でも内心では戸惑ってるはず)


81:2013/12/22(日) 21:50:46.47 ID:
ミレイちゃんマジでヒロインなっちゃうのか
82:2013/12/22(日) 21:54:40.78 ID:
お似合いでいいと思うんだ。ミレイちゃん、きっと心は綺麗だよ(棒)
83:2013/12/22(日) 21:55:40.84 ID:



女(って、もしこれでブスとあの男が結ばれれば、わたしは解放されたも同然なんじゃないの?)

女(しかもブスはわたし以上に猛烈なアタックを仕掛けてるし!)


女「ふっふっふ……」

委員長「どうしたの、急に変な笑い方しちゃって?」

女「べつに。なんにもだよー」

委員長「なんだか気分よさそうだけど、いいの?」

女「なにが?」

委員長「ブスジマさんが彼に絡んでるのに気にならないの?」


84:2013/12/22(日) 21:59:31.04 ID:



女「いいんじゃない。好きにさせておけば」

委員長「アンタがいいって言うならべつにいいけど」


女(むしろもっとヤレって感じですし)

女(とりあえず二者面談が終われば今日の授業も終わり)

女(今日は部活もあるし、とりあえずは気をぬいても大丈夫かな)


ブス「もっとミレイの話を聞いてよ!」

男「え……ぁ、ああ…………」


女(この調子ならブスがあの男にずっとまとわりついてそうだしね)




85:2013/12/22(日) 22:05:25.62 ID:








女「はあー練習つかれたあ……ただいまー」

母「おかえりー。今日は珍しく遅いね」

女「今日は部活だよ」

母「朝練もあったのに放課後も練習あったんだ?」

女「まあね」

母「なんか顔色があんまりよくないけど大丈夫?」

女「言われてみるとダルイかも。とりあえずお風呂入るね」



86:2013/12/22(日) 22:12:59.28 ID:









女(熱を測ったら見事に三八度オーバーしていて、わたしは入浴後そのままベッドに潜り込んだ)

女(これは明日学校に行けないかも。でもそのほうが色々とらくか)

女(どうせ明日は金曜日だし)



母「明日はお休みかな」

女「そうかも……」

母「風邪薬と湿布買ってきたから。湿布をワキの下と股関節のとこに貼って寝なよ」

女「うん……ごめんねお母さん。明日も朝早いのに」

母「謝んなくていいって。早く治しなよ……おやすみ」

女「うん、おやすみ」


女(わたしはお母さんに言われたとおりのことをしてから眠った)

女(夢の中で小学生のころのあの男が出てきたけど、すぐにべつの夢にかわった)





87:2013/12/22(日) 22:20:43.04 ID:








女(結局三日間休んでようやくわたしは風邪から立ち直った)

女(まだ心なしかからだがダルイけど勉強ついていけないと困るしね)

女(そういえばブスとあの男はどうなったんだろ)



ブス「あら、おはよう」

女(うわっ、いきなり遭遇した。まあいいか、それとなく彼とのことについて聞いてみよう)

女「おはよ。あの……」

ブス「ちょっと待ってもらっていい? ミレイ、言っておきたいことがあるの」

女「はあ……」

ブス「ミレイ、どうやら彼に惚れちゃったみたいなの」


88:2013/12/22(日) 22:28:24.09 ID:




女「……え?  惚れちゃったの?」

ブス「ええ、どうやらホールインマイハートにフォーリンラブしちゃったみたい」

女「全然意味がわからないけど、彼のことが好きになったの?」

ブス「自分でも不思議なんだけど、彼を見てたら勝手に口が愛の言葉を紡ぎ出しちゃうの」

女「……」

ブス「自分ではまるで思っていないことがもうポンポン出ちゃって……たぶんこれこそが恋なのよね」

女「そ、そう……」


女(おかしな症状の自覚はあるのに……恋と勘違いしちゃったんだ)


89:2013/12/22(日) 22:32:48.28 ID:




女(こっちからしたら願ったり叶ったりだからいいけどね)


女「わ、わたしだって……!」


女(って、また勝手に!)

女(どうもあのカードの効果は彼のそばだけに限定されてないみたい)


ブス「なによ?」

女「な、なんにも……わ、わたしは応援するからがんばってよ!」

ブス「え? ……あ、そういうことね。そう言ってミレイを油断させる気ね!」


女(もはや言動がチグハグすぎてよくわからないけど、とりあえずミレイちゃん)

女(わたしのためにもできるかぎりがんばってよ)


90:2013/12/22(日) 22:38:51.76 ID:







「今度はミレイちゃんがあいつにアタックしだしたぞ」

「俗に言うモテ期か?」

「でもまだブスとのほうがお似合いじゃね、あいつには」

「たしかに~」



委員長「どうしたんだろうね、ブスジマさん。急に彼と交流するようになったけど」

女「交流っていうか、なんだろうねあれは」



ブス「ねえねえ、この髪型似合うかなあ?  髪あげるとちょっと顔立ちキツイみたいなあ?」

男「え?  あ、うぅ……えっと、に、にに似合う?」

ブス「やっぱしーだよねえ!」




91:2013/12/22(日) 22:43:51.00 ID:



女「……」

委員長「ねえ、いいの? なんだかわたしには……」

女「……そうだね、うん」


女(ブスが猛烈アタックを仕掛けて最終的にふたりが結ばれればそれでいいと思った)

女(でもよくよく考えたら、ブスはブスなのだ)


ブス「サービスサービスうぅ」

男「ぁ、ぁあああわわわわ……」


女(一目でわかる。明らかに彼はブスの絡みに対してイヤがっていた)

女(そりゃあそうだよね。男の子は誰だってカワイイ女の子が好きだもんね)


92:2013/12/22(日) 22:45:57.20 ID:
不思議とミレイちゃんを応援してる俺がいる
93:2013/12/22(日) 22:52:17.85 ID:



ブス「ねえ、今日はミレイとご飯食べるよね!?」

男「ええぇ!? ええ!? ほげええっ!?」



女「ちょっと待ってもらっていい?」

ブス「……ちょっと、なんであなたが急にミレイたちの間に割って入ってくるのよ?」

女「お昼はもともとわたしと彼とで食べることになってるの」

ブス「はあ?  そんなの知らないし!」



「や、やべーぞ!」

「リアル修羅場だ……!」

「なんであんな男をとりあって修羅場が起きるの?」

「恋ってすごいなあ」


94:2013/12/22(日) 22:58:12.29 ID:



女「じゃあ聞いてみようか。ねえ?」

男「ぼ、ぼ、ぼぼぼぼく……!?」

女「うん。今日のお昼、わたしとミレイちゃんとどっちと食べるの?」

ブス「当然ミレイだよねえ?」

男「そ、そそそ、そそそそんなっ……あひっ、そんなのぉ……はぁはぁ…………」

女「落ち着いて。ほら、深呼吸して」

男「ぁ、うん……すぅ……はぁ」

女「大丈夫?」

男「う、うん……」

ブス「で、結局どっちとお昼はすごすのよ?」

男「……ぼ、ぼくは……」


95:2013/12/22(日) 23:02:48.84 ID:







女(ブスと口論したときの言葉は最初こそ勝手にからだが動き出したけど、途中からはよくわからなくなっちゃったんだよね)

女(半分はブスに対してムカついたのもあるし、もう半分は……)


男「……」

女「……」


女(まあ結局コイツが『先に約束していた』ということで、わたしがランチタイムに選ばれた)

女(しかしやらかしたなあ。いろんな意味で)

女(なにより、あのカードはせっかくのチャンスだったのに……)

女(ブスじゃあダメだってことになんでもっと早く気づかなかったんだろ……)

女(どうしよう。そうだ……とりあえず今後のためにもこのことを聞いておこうかな)


96:2013/12/22(日) 23:09:37.95 ID:



女「あのさ、キミって好きなタイプの人っている?」

男「……へ? え、えっと……」

女「なんでそんなにテンパるの?  ただどういう人が好みなのか聞いてみただけなのに」


女(この質問も冷静に考えると思わせぶりでマズイかもしれないけど、そんなことは言ってられない)


男「こ、ここここ、ここ好み……ぁぁ……わ、わかんない、よ……」

女「ほんとに? じゃあミレイちゃんみたいな人は?」

男「ぇ、えっと……」

女「うん」


97:2013/12/22(日) 23:14:18.59 ID:



男「わ、わわわ悪い……ひっ、ひ人ではないと、思う……けど…………」

女「けど?」

男「つ、つつつ、疲れる……かな……?」

女「そっか」


女(もっとバッサリ切り捨ててくるかと思ったら、意外な評価だ)

女(でもこれじゃあ好みがわからないし……そうだ)

女(自分が趣味が合う人は、ある意味好みと言えるかもしれない)


女「ねえ、趣味とかってある?」

男「しゅ、趣味?」


98:2013/12/22(日) 23:19:35.20 ID:




女「うん、なんでもいいんだけどさ」

男「ぼ、ぼぼぼく……しゅっ、趣味と呼べるものぉ……ななな、ない、かな?」

女「本当に?  読書とかでもいいんだよ?」

男「……そ、そそそういうのも、あり……?」

女「読書は立派な趣味だよ。わたしはそんなに本読んだりしないけどさ」

男「じゃ、じゃあ……どく、しょ……」

女「ちなみになにを読むの? 『東野圭吾』とか?  あ、もしかして『乙一』?」

男「……」


100:2013/12/22(日) 23:25:04.38 ID:



女「……ちがうのかな?」

男「そ、その……ぼ、ぼくが、読む、のは……ら、ライトノベル……だから」

女「あーそっちかあ。あれでしょ?  魔法少女……まどまぎ、だっけ?」

男「それはちがう」

女「あ、ごめんなさい」

男「あ、ぁぁ……ち、ちちがうんだ……!」

女「ううん、わたしってばライトノベルのこと知らないのに知ったようなこと言っちゃたから……ごめんね」

男「ぃ、いや……」


101:2013/12/22(日) 23:26:54.92 ID:
男「それはちがう」
クソワロタwwwwwww
102:2013/12/22(日) 23:29:30.15 ID:
流暢に喋れるじゃねーかwwww
103:2013/12/22(日) 23:31:17.69 ID:



女「なにかオススメとかってある?」

男「え……?」

女「最近ちょっと本にハマってて。なんかオススメあるなら読んでみたいなって」

男「そ、そそそそうだね……えっと、『涼宮ハルヒシリーズ』とか、か、角川から出てるやつなんだけど……」

女「あっ、それ聞いたことがある!  なんか踊ってるやつだよね?」

男「そ、そうだね。で、でもSF作品としてもクオリティが、高くて……『消失』と『驚愕』なんかはおすすめだよ……」

女「へえ、ほかには?」

男「あ、あと……お、同じ角川だったら『トリニティ・ブラッド』かな?
  ちょ、長編とた、た短編とあってじ、じじ時系列がちがうんだけど、これがとても面白くて」

女「時系列……?」



104:2013/12/22(日) 23:39:27.96 ID:



男「さ、作者が亡くなって、し、ししまったから続きが読めない、けど……」

女「そっか。できればきちんと完結してるのがいいかな」

男「だ、だだだったら『フルメタ』かな……あ、あれはすごいよ。
  ASっていうロボットの設定が凝ってるし、そ、それに四足歩行じゃないことの理由付けまで、し、ししっかりされてる……」

女「えっと……」

男「特に『燃えるワンマンフォース』は、くく、クロスボウに乗るしゅ、主人公がかかかかっこよくて……って、ごごごめん」

女「……なんで謝るの?」

男「こ、こ、ここんなこと……は、話しても、面白く、ないよね……」

女「そうかな?」

男「え……?」

女「……」


105:2013/12/22(日) 23:49:11.79 ID:






女(ライトノベルのことについて喋ってるときのあいつ、少しだけ小学生のころのあいつに似てたな)

女(まあだからなんだって話だけど)

女(ていうか状況悪化してるよね……)

女(なんとかしないと……だいたい、あの男はあんなインチキカードを使ってわたしを篭絡しようとしたんだから)

女(絶対に許せない……そして、もうひとり許せないヤツが前からやってきた)



担任「おや、これはこれは。そういえば今日初めてしゃべりますね」

女「……」



106:2013/12/22(日) 23:54:31.25 ID:



担任「あのカードの効果は本物だったでしょ?」

女「はい、先生の言ったことは本当でした」

担任「そんなに睨まないでくださいよ。コワイなあ」

女(コイツ……)

担任「しかしキミは人選をミスしましたね。なんでしたっけ……そうそう、ブスジマさん。彼女ではダメでしょ」

女「……そうみたいですね」

担任「彼女は言ってしまえばドラえもんでいう、『のび太』に対する『ジャイ子』であり」

担任「ちびまる子ちゃんでいう、『花輪和彦』に対する『みぎわ花子』ですからね」

女(『ミギワハナコ』が誰かわからない……)


107:2013/12/23(月) 00:03:30.77 ID:




担任「さて、これからキミはどうするんですか?
   もう諦めて彼とくっついてしまいますか?」

女「……」

担任「もう一度チャンスをあげましょうか?」

女「え?」

担任「ですから、もう一度キミに彼から逃れるチャンスをあげましょうか?」

女「あ、あるんですか?」

担任「はい。それはこれです」

女「カード……今度は前とちがって一枚じゃない」

担任「はい。ぼくは一枚しかカードを持っていないとは一言も言ってないはずですよ」



108:2013/12/23(月) 00:07:09.79 ID:



女「……このカードでどうすればいいんですか?」

担任「簡単です。ブスジマさんのときのようにあなたと同じ立場の人間を作ればいいんです」

女「でも、彼女のときみたいに失敗したら意味ないじゃないですか」


担任「だから今度はもっとよく考えて。失敗しないように慎重にやってください」

担任「そして彼のためにもっと多くのヒロインを用意してあげてください」


女「多くのヒロイン?」

担任「そうです。彼に言い寄る女子をほかにも作ればいいんですよ」


109:2013/12/23(月) 00:08:42.74 ID:
何故か鳥肌立った
110:2013/12/23(月) 00:09:52.00 ID:



担任「そうすればキミがその状態のままだとしても、ほかの女子が彼と結ばれてキミは自由の身となる」

担任「そう、彼のためのハーレムをあなたが作るんですよ」

担任「そのカードでね」


女「わたしが、あいつのために?」

担任「ええ。そうすればキミは好きでもない男と結ばれる確率を減らせますし。
   彼は彼で甘い蜜を吸うことができる」

女「……先生はいったいなにを考えてるんですか?」

担任「ぼくは小説家になりたいんですよ」

女「はい?」

担任「おっと、このことは話す必要はないですね」


111:2013/12/23(月) 00:12:09.15 ID:



女「いや、メチャクチャ気になるんですけど……」


担任「ああそうそう、前回ひとつだけあえて言わなかったことがあるんですよ。そのカードに関してね」

担任「そのカード、実はある人間には効果が発揮されないんです」

担任「ヒントは『経験』」

担任「それじゃあ、ぼくはこれで」


女「ちょ、ちょっとまって……」

担任「待ちませんよ。それに六限の授業がもう始まってますよ」

女「あっ……」

女「…………」


女(こうしてわたしは、好きじゃない男と結ばれないために、あいつのハーレムを作ることになった……なんだこの展開)


112:2013/12/23(月) 00:12:42.04 ID:



つづく



113:2013/12/23(月) 00:21:17.20 ID:

マジでなんだこの展開
115:2013/12/23(月) 01:23:40.12 ID:
おい…これもしかしたらさぁ…
117:2013/12/23(月) 02:18:23.56 ID:
すまない
俺はもうここから先が怖くて見れない
後は頼んだ……
121:2013/12/23(月) 06:26:08.42 ID:
面白いな
124:2013/12/23(月) 21:58:37.21 ID:








女「もしもし、お兄ちゃん?」

兄『めっずらしいなあ。いつも用があってもラインでしか連絡よこさないのに』

女「ちょっとお兄ちゃんに相談したいことがあって。
  ラインだとかえってめんどくさそうだったから」

兄『ふむふむ。まあ世界で一番頼りになるお兄ちゃんがお前の悩みに答えてやろう』

女「お兄ちゃんっていわゆるオタクさんじゃん?」

兄『今さらだなあ。お前が生まれるときにはもうお兄ちゃんオタクだったぜ?
  ていうかなんでお前はオレのオタク魂を受け継いでいないんだよ』

女「知らないし今はそんなことはどうでもいいの」

兄『へいへい、で、まじめな話どうしたんだよ?
  お前が電話かけてくるなんて、ちょっとだけお兄ちゃん心配しちゃうぞ』

女「あ、いや、べつにそんなシリアスな相談でもないから大丈夫」



125:2013/12/23(月) 22:01:10.26 ID:



兄『そうなのか。だったらいいけど』

女「聞きたいことって、その……オタクの人がどういう女の子が好きなのかってことなんだよね」

兄『は?』

女「だから、オタクの人はどういう女子を彼女にしたいのかなって」

兄『あのな。まずオタクでひとくくりにするなよ』

女「いやあ、一番わかりやすいかなあと思って」

兄『つか、なんでそんなこと聞くんだよ?』

女「……特に理由はないけど」

兄『お前がどうでもいい質問のためにオレに電話してくるとは思えないんだが。お前まさか……』

女「なに?」

兄『お前まさかオタクが好きになったのか?  ついに恋の味を知ってしまったのか!?』



126:2013/12/23(月) 22:09:53.16 ID:



女「恋の味ってなんだよ、気持ちわるいなあ」

兄『言え。お前が惚れたオタクはいったいどんなヤツなんだ?』

女「だーかーら、ちがうって!  わたしは絶対にお兄ちゃんみたいなオタクの人とは付き合わないから!」

兄『最近は巷じゃあ、女子の中でオタク男子が人気なの知らないのかよ』

女「どこ情報?」

兄『ネット』

女「はあ……お兄ちゃん。B’zの『おでかけしましょ』の歌詞の内容を思い出してごらん」

兄『B’zのよさを教えたのはこのオレだし、お前をシスターからブラザーにしたのもオレなんだぞ。
  それぐらいはわかるわい』


127:2013/12/23(月) 22:15:15.36 ID:




女「はいはい。で、お兄ちゃんは人気なわけ?」

兄『ぼちぼちでんなあ』

女「うそつけ。ていうか話が進まないじゃん」

兄『なんの話してたっけ。そうだ。お前、 マジでオタクに惚れたのか?』

女「……えっと、わたしじゃない。わたしの友達」

兄『友達?  お前の友達がオタクに惚れたのか?』

女「うん。友達もその惚れられた男子も同じクラスメイトなんだけどね」

兄『さっきからオタクの好みとか言ってるけど、そのオタクはどんな感じのヤツなのよ?』

女「なんていうか、すっごく大人しくて……うーん、それぐらいしかよくわかんない」

兄『全然わかってねえじゃん』



128:2013/12/23(月) 22:24:51.18 ID:



女「あとしゃべるときにおそろしいぐらいどもる」

兄『…………。
  なんか聞いてると典型的なオタクみたいな感じだな』

女「そうそう、そんな感じ。まあ悪い人ではないんだけどね」

兄『兄ちゃんよりイケメンなの?』

女「お兄ちゃんの方がまだイケメン」

兄『ふーん。なんでその友達はそのオタクに惚れたの?』

女「知らない。じゃあこうしよう、一般的なオタクの人はどんな女の子が好きなの?」

兄『えるたそみたいな女の子かな』

女「わかんないし。アニメキャラなんだろうけど、たとえるなら芸能人にして」

兄『中森明菜みたいな……ごめん超適当なこと言った。そうだなあ、清楚な感じの女の子かな』


129:2013/12/23(月) 22:31:15.16 ID:



女「出た、清楚だって。なんなの清楚って」

兄『清楚は清楚だろ。まあもうちょっとわかりやすく言うなら、おとなしくて純朴でかわいくて、性格もよくて……』

女「言ってろバカ兄」

兄『オレたちのわかりやすい理想の女子を言ってるんだぜ。
  ていうか情報が少なすぎるだろ。アドバイスのしようがないぞ』

女「たしかに。うーん、あとはライトノベルが好きってことぐらいかな」

兄『おっ、なにげにそれは重要な情報じゃね? そいつなにが好きなの?』

女「なんだったかなあ。『涼宮ハヒル』とかだったかな?」

兄『お前、その間違いはアウトだ』

女「なにが?」

兄『……正しくは『ハルヒ』だからな。ふーん、もしかしたらそいつは趣味を読書とか言っちゃうタイプのヤツか』


131:2013/12/23(月) 22:39:50.32 ID:



女「うん、そう言ってたよ」

兄『だったら読書系女子とかが好みかもな』

女「ドクショケイジョシ? 本を読むのが好きな女ってこと?」

兄『そうそう。特におとなしくてメガネかけていて、そんでもって年齢に関係なく敬語使ってたら完璧だな』

女「そういうのが好きなのお兄ちゃんは?」

兄『いやオレは『哀川潤』さんみたいな人が好きだから。
  もしくは『狼と香辛料』の『ホロ』とかみたいなのでもいいな』

女「だからわからないっつーの」

兄『オレどっちかって言うとMだから、女の尻にしかれたい、ていうかひかれたいみたいな』

女「アホ」

兄『あ、でもアニメ版初期のルリルリみたいなのもいいな。『バカばっか』とか言われたい』

女「きるね」


132:2013/12/23(月) 22:45:49.49 ID:



兄『待て。お前に一番重要なことを言ってなかった』

女「一番重要なこと……なに?」

兄『最も重要な要素、それは一途であることだ』

女「ああ、それは言えてるかもね」

兄『そしてさらに大前提として『処女』であること』

女「……」

兄『初体験のときなんかには『わたし初めてだから優しくしてね』なんて……すでに経験のある女なんかじゃあ萎えるからな』

女「うっさいバカ」


ぶちっ


133:2013/12/23(月) 22:50:07.23 ID:



女「お兄ちゃんに相談したわたしがアホだった。って、今度はライン来てるし」



兄『お前が相談した内容だけど、本当にお前のことじゃないんだよな?』

兄『本当に困ってるならまた電話してこいよ』

兄『あと今年の夏休みも兄ちゃんの家にこいよ』

兄『やべー兄ちゃんイケメン(●´ω`●)ゞてへぺろ』



女「……」ポチポチ

女『ありがと』




134:2013/12/23(月) 22:55:44.92 ID:








女(昨日一晩考えた結果、ひとりだけ候補が浮かんだ)

女(ていうか、根本的な問題って実はこのカードにあるよなあ)

女(このカードはいったいなんなんだろ。実はこれ、とんでもないカードだよね)

女(それにあの先生。ふざけんなって感じ。なんであいつにこのカードを渡したのか)

女(そしてあいつもどうしてわたしなんかを選んだんだろ?)

女(とにかく行動しなきゃ)

女(絶対に……ぜっっったいにあいつの思い通りになんかさせない)


135:2013/12/23(月) 22:58:27.28 ID:








女(さてさて、毎度お馴染みのランチタイム)

男「……」

女「……」

ブス「ねえねえ、そのちっちゃいオムレツたべたーい」

女「……どうぞ」

ブス「うん、うまあい」

女「それ冷凍食品だけどね」


女(なんか豚が一匹混じってないかとか思った人。正解)



136:2013/12/23(月) 23:04:43.72 ID:








女(ブスジマミレイという名の養豚場から抜け出した豚が、わたしと彼のランチタイムに加わった)


ブス「ねえねえ、これ食べる?  ミレイ特性のおにぎりなんだけど?」

男「え、えっと……はい」

女「なんか妙にでかいけど、そのおにぎりの中身なんなの?」

ブス「おにぎり」

女「……どういうこと?」

ブス「おにぎりの中にすごくちっちゃいおにぎりが入ってるのお。ミレイ特性のマトショリカおにぎり」

女(それって結局大きいのと小さいのが一体化するから意味ないじゃん)



137:2013/12/23(月) 23:09:48.76 ID:




ブス「はい、あーん」

男「ほ、ほえええぇ!?」

女「ちょ、ちょっとなにやろうとしてんのミレイちゃん!?」



女(ブスにこんなふうに質問してるけど、なにをしようとしてるかは見りゃわかる)

女(このオタク男に『あーん』とマトショリカおにぎりを食べさせる気なのだ)

女(ちなみに今の質問はからだが勝手に動き出しただけで、正直勝手にやってろと思ってる)



ブス「悪いことしてないじゃん。ただおにぎりを食べさせようとしただけだしー。文句あるわけ?」

女「べ、べつにないけど……」

ブス「だいたいあなたの彼に対する愛って本物なのかしらね?」

女「なっ……あ、愛って……べつにこの人とはそういう関係じゃないって……」

ブス「ふーん。まあそうよね。
   あなたはミレイみたいにお弁当を作ってきたりもしてないしねー」

女「きょ、今日は時間がなくて……明日は必ず作ってくるよ!」

男「え……」



138:2013/12/23(月) 23:15:24.64 ID:



女「うん。明日こそ絶対に作ってくるから」

ブス「はあ?  なんであなた、彼のことなんでもないとか言いながらお弁当作ろうとか言ってるわけ?」

女「そ、それは……それとこれはべつなの!」

ブス「はあ?」

男「はわわわわわわ」



女(せっかくお弁当の件をスルーできそうだったのに、蒸し返された……)

女(その後似たようなやりとりをお昼休みが終わるまで、わたしとブスは繰り返した)


139:2013/12/23(月) 23:21:26.24 ID:







女(うちの図書室ってボロいよなあ……っと、例の人はどこかな?)

女(いない。困ったな、名前を確認したいのに)

女(図書委員だから図書室に必ずいるだろというのは考え足らずだったかも)



 「ぅん……ぅー」


女(ちっちゃい女の子だ。一年生かな?  本をとろうとしてるけど手が届かない、ってとこかな)

 「むぅ……」

女「本取ろうとしてるんでしょ。どれをとろうとしてるの?」

 「あ、すみません。その本棚の一番上の『クビキリサイクル』って本……そう、それです」

女「これね。はい、どうぞ」




140:2013/12/23(月) 23:24:59.31 ID:




 「ありがとうございます。この図書室って踏み台とかないから、毎回図書委員の人に本をとってもらうんですよね」

女「わたしは図書委員じゃないけどね」

 「あ、そうなんですか? ほんとにありがとうございます。どうしてもこの本が読みたくて……」

女「アニメみたいな絵が表紙に書かれてるけど、それってライトノベル?」

 「はい、そうなんです。わたしオタクさんなんです」

女「へー」

女(こんなカワイイ女の子にもオタクっているんだ)

 「えっと……たぶん先輩、ですよね?」

女「わたしは二年だけど」

 「わたし一年です」


141:2013/12/23(月) 23:28:08.96 ID:




女「じゃあ後輩だね。あ、今の話だと図書室によく来てるみたいだけど」

後輩「わりと来てますけど、まだ入学してからそんなにたってないので言うほどここには来てないですよ」

女「そっか。じゃあここの図書委員の人のことは知らないよね?、」

後輩「誰かお探しなんですか?  図書委員の先輩で仲いい人なら少しいますけど」

女「ほんと?  背丈はわたしと同じぐらいで、かなりかわいくて……」

後輩「あ、『図書室の華』ですね?」

女「え?」

後輩「あ、わたしが勝手にそうやって二つ名をつけてるだけなんですけど」

女(なんとなくうちのお兄ちゃんが好きそうだな、この子)

後輩「たぶんですけど、その先輩ならわかりますよ。今日もそのうち来るんじゃないですかね?」

女「そっか、今日もその人来てくれるんだね」


142:2013/12/23(月) 23:31:34.08 ID:




後輩「あの人三年生だから、いつも図書室で勉強してるんですよ」

女「なるへそ。言われてみると図書室って勉強してる人ばっかだね」

後輩「先輩は図書室で勉強しないんですか?」

女「わたしは勉強するときは、空いている教室使うから。もしくは家でやっちゃうし」

後輩「さては先輩、マジメですね」

女「まあ、校則破って先生に怒られるとかそういうのは今んとこないかな」

後輩「華さんもまじめな人ですよ」

女「ハナさん?」

後輩「先輩が探してる図書委員の人です。『図書室の華』、略して華さんです」

女「はあ……でも、それって本名ではないでしょう?」

後輩「はい、本名は……」



女(……こうしてわたしは予定した形とはちがう形で図書室の華さんの名前を知った)

女(これでカードに名前を書くことはできる。でも……)



143:2013/12/23(月) 23:40:03.28 ID:







女(オタクの後輩とわかれて十分後、図書室に図書委員の先輩がやってきた)

女「こんにちは、先輩」

本娘「あ、この前の……」

女「はい。先輩に本を選んでもらったものです。この前の本、とっても面白かったです」

本娘「それはよかったです。よかったら続きがありますのでそちらも借りていきますか?」

女「そうですね、せっかくだしそうしようかな」

本娘「図書室にはよく来るんですか?」

女「いえ、普段はあんまり。今日はどうしても先輩にお礼を言いたくて」



144:2013/12/23(月) 23:50:03.77 ID:



本娘「お礼?」

女「はい。こんな素敵な本を紹介してくれた先輩にお礼を言いたかったんです」

本娘「それは……ご丁寧に」

女「あと、わたし後輩ですので敬語を使わなくていいですよ」

本娘「あ、いえ。これはクセみたいなものなので、気にしないでください」

女(年齢に関係なく敬語を使う……この人だ。
  美人だしおとなしそうだし、メガネこそかけてないけど、イケる!)

本娘「どうかなさいました?」

女「いえ、すごく礼儀正しいんだなと思って。そうだ、よかったら先輩の名前を教えてもらってもいいですか?」

本娘「構いませんよ」



女(わたしたちは互いに名前を教えあった。あの女の子の言った名字は当たり前だけど、間違ってなかった)



145:2013/12/23(月) 23:55:53.21 ID:




女「かっこいい名字してますね。こんな名字があるなんて初めて知りました」

本娘「あなたも変わった名字してますよね」

女「そうですね。入学した当初は先生とかクラスメイトからよく名前を聞かれました」

本娘「漢字は『弓』に『削除』の『削』であってますか?」

女「ええ。よくわかりましたね。やっぱり本とか読んでるとこういう名前も出てくるんですか?」

本娘「いえ、これはある推理漫画であなたと同じ名字の人がたまたま出てきて、それで覚えたんです」

女「へえ。漫画も馬鹿にできないですね」

本娘「ええ」

女「っと、わたしもせっかく図書室に来たんで勉強してきますね。どうもありがとうございました」

本娘「いえ、またよかったらお話しましょう」

女「是非おねがいします」


146:2013/12/23(月) 23:59:03.62 ID:



女(さて、これで準備はできた。
  昼休みに聞いて、あいつが今日図書委員の当番であることはわかってるから、たぶんそのうち来るはず)

女(うまくいけばカードの効果をすぐに確かめることができるはず)

女(でも。このカードを使えば……)

女(いや、今になってためらってどうするのわたし!)

女「……」カキカキ

女『 シモテンマ フミ 』

女(……さあ、どうなる?)


男「……」


女(あいつが来た。ていうか猫背すぎる、もっとシャキッと歩けばいいのに)



147:2013/12/24(火) 00:06:43.67 ID:


男『ぁ、あ、こ、こんにちは』

本娘『こんにちは』



女(たぶん会話はこんな感じかな。図書室だから二人とも話し声が小さくて正確にはわからないけど)

女(……けど、困ったな。なんか見てるかぎりだと、ブスのときみたいな反応があるようには見えない)

女(図書館だし仕方ないのかな?)

女(そういえば今日お母さんから荷物の受け取りしろって言われてたな。今すぐ帰らないと受け取り時間に間に合わない)

女(このカードを使えば間違いなく効果が出る)

女(明日にでもあいつに先輩の反応を聞けば、それでわかるよね)


149:2013/12/24(火) 00:12:47.03 ID:







女(あー眠い……結局昨日は図書委員の人のことが気になって全然眠れなかったなあ)

女(しかもけっこう早起きしちゃったし……)

女(お母さんは夜勤でまだ帰ってないし、今日のお昼どうしよう)



『明日は必ず作ってくるよ』



女(そういえばあいつに、昨日お弁当作ってくるとか言ったな……)

女(誰が作るかっつーの)

女(いや、でもこれをうまく利用して……そう、たとえばすごくマズイ料理を作って二度とわたしが作ったお弁当なんか食べたくないっていうふうにさせれば)

女(しかも追い打ちかけるように『これからは毎日お弁当作るね』とか言ったら、わたしを避けるようになるかもしれない)

女「ふっふっふ、我ながら天才。よし、さっそくお弁当作りにとりかかろう」

女(せっかくだし夜ご飯の準備もしておこっかな)


150:2013/12/24(火) 00:16:31.53 ID:








女「……すごいうまい料理を作るより、すごいまずい料理を作るって難しい気がする」

女(そもそもまずい料理ってどんなのだろ?)

女(火の通しを甘くするとか、塩と砂糖を間違えるとかやろうと思えばできるだろうけど)

女(たとえば今煮てる肉じゃがに、わたしは鷹の爪を絶対に入れてるけど、これの量を尋常じゃないぐらい増やすとか)

女(もしくは全く煮ないで、ついでにじゃがいもの芽をとらないとか……それはさすがにシャレにならないか)

女(ていうかまずい料理をわざわざ作るって、お金を無駄にするのと同じなような……)

女「……お弁当を作るのはやめよ。今日も購買でいいや」

女(あいつの前なら、どうせわたしの口は勝手に言い訳を話し出すだろう)


151:2013/12/24(火) 00:22:02.21 ID:








女(それにしても眠いと足も重く感じるな。今日は部活もあるしダルイなあ)

女「おはようございまーす」

先生「はい、おはよー」

女(っと、スカート短くしてる連中がつかまってる……寝ぼけててもわたしはそこらへんぬかりないからね)



本娘「おはようございます」

女「わあぁ!?」

本娘「ご、ごめんなさい。そんなにビックリされるとは思ってませんでした」

女「あ、ああ……先輩ですか。
  こちらこそ大声出してすみません。ちょっとボーッとしてて」


152:2013/12/24(火) 00:27:15.54 ID:



本娘「お疲れですか?」

女「単なる寝不足ですから、大丈夫ですよ」

女(先輩の顔を直視できない。
  こんなイイ人そうな先輩をおとしいれるようなことをしてしまって……あ、そうだ)

女「そういえば、先輩。昨日なにか変わったことはありませんでしたか?」

本娘「変わったこと?

女「たとえば、思ってもないことが急に口から出ちゃったりとか。なかったですか?」

本娘「……」

女「……」


154:2013/12/24(火) 00:29:24.47 ID:


本娘「……ふふっ」

女「え?」

本娘「ごめんなさい、なんだか想像したら面白そうな状況だったもので」

女(いや、実際に体験したら笑えないぞ)

本娘「残念ですけど昨日はそんな不思議な体験はしてないですね」

女「……そうですか」

本娘「あ、よかったらお弁当いりませんか?」

女「お弁当?」

本娘「実は作りすぎちゃって。もしよかったらどうぞ」

女「え? いいんですか?」

155:2013/12/24(火) 00:32:50.22 ID:



本娘「ええ。本当はクラスの子にでもあげようと思ったんですけど、せっかくこうして出会ったわけですし」

女「じゃあすみません。お言葉に甘えて……」

本娘「いえいえ、気にしないでください。そんな大したものでもないので」

女(ウソでしょ。この先輩、いい人すぎるよ。今さら罪悪感が……)

本娘「大丈夫ですか?  顔色が悪くなった気がしますけど」

女「……すみません」

本娘「え?」

女(わたしってサイテーだ……)



156:2013/12/24(火) 00:34:02.43 ID:



つづく
158:2013/12/24(火) 00:59:46.98 ID:
なんか女が可哀想・・・
160:2013/12/24(火) 09:38:32.45 ID:
だんだん女がいいヤツになってきてるが、それが心配
161:2013/12/24(火) 10:34:16.32 ID:
女はもともと悪い人ではないと思うが
163:2013/12/24(火) 13:28:46.22 ID:
「自分がされて嫌なことを人にしちゃいけません」
164:2013/12/24(火) 19:31:39.02 ID:
いや、女は性格最悪だと思う
ただ性格が悪いってだけで、じゃあ女は悪人かと言うとそれはまた別問題
166:2013/12/24(火) 21:22:35.73 ID:








女「じゃあお昼いこっか」

男「……うん」

女「そういえばミレイちゃんがいないけど、どっか行っちゃったの?」

男「きょ、今日は……な、なんか購買……で、げげ限定のパンが、あるんだって……」

女「月に一度のゴールデンチョコパンの販売の日だったかな、今日」

男「ご、ゴールデン……チョコパン?」

女「そういう限定のパンが月一で購買で販売されるの。それが今日だったんじゃないかな」

女(たぶん、ミレイはそれを買いにいったんだろうな、ちょうどいいや)

女「ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

男「……?」



167:2013/12/24(火) 21:28:24.82 ID:




女「図書委員の先輩ですごい美人な人いるよね?」

男「ぇ……あ、うん……」

女「その人とお話したことある?」

男「わ、わりと……」

女「じゃあ昨日だけ様子がおかしかったとかそういうことはない?」

男「……たぶん。よ、よくわからないけど……ない」

女(どうなってる?  まさかこいつがウソをつくとは思えないし)

女(先輩も特になんともないって言ってた)

女(ま、まさか……ぎ、偽名!?)



168:2013/12/24(火) 21:34:50.52 ID:



男「ど、どうしたの?」

女「ううん、なんにも」



女(冷静になってわたし。そもそも偽名なわけないじゃん)

女(じゃあこれはいったい……)

女(カードの効果があったのはわたしとブス。効果がないのは先輩……わたしたちと先輩のちがいは……)



兄『大前提として『処女』であること』

担任『ヒントは経験』



女(そういうこと?  わたしには……そういう経験はない。そしてブスにもそんな経験なんてあるわけがない)

女(先輩は美人だし、図書委員だし……お、『オトナ』だったとしても、お、おかしくない……かも)


169:2013/12/24(火) 21:41:24.90 ID:



兄「……か、顔……ぁ、あああ赤いよ? だ、だだ大丈夫?」

女「あ、うん……ちょっとのぼせそうになっただけ」


女(まだ確定したわけじゃない。
  でもわたしたちと先輩のちがいって言ったらあとは年齢ぐらいしかない)


女「……まあいいや、とりあえずお昼食べよっか?」

男「ぅ、うん……」


女(さてと、先輩からもらったお弁当を食べようかな……うん?)


男「……」

女「ん?  どうしたの?」

男「え? あ、い、いいいや、そそ、そそその……」


女(……お弁当のことね)


170:2013/12/24(火) 21:48:45.07 ID:




女(すっかり先輩のことで頭いっぱいになってたけど、なにげにこっちも重要だったな)

女(まあ結局わたしはお弁当なんて作ってないし、今もってるものは先輩がくれたもの。ざーんねんでした)


女「あ、あのね……このお弁当作ってきたんだ」


女(わ、わたしってばなんで先輩からもらったお弁当をこいつに……)


女「そ、そのうまく作れたか自信ないし、もしかしたら口に合わないかもしれないけど」

男「……ほ、ほ、ほんとにつ、つくってきて……くれたんだね」


女(ちがう。このお弁当はわたしが作ったんじゃない)


男「……」

女「どうしたの?  そんな穴が開くほどみつめちゃって。なにか変?」


女(先輩のお弁当、すごい丁寧に作ってある。
  彩もきれいだし人造バランでしっかりおかずが区切られてる……変なとこはどこにもない)


171:2013/12/24(火) 21:57:44.45 ID:



男「ぁ……そ、その…………す、すすすごくお、おいしそうだなって……ほ、ほんとに、い、いただいて……いいの?」

女「当たり前だよ。むしろ食べてくれなかったら怒るからね」

男「は、はい……い、いただきます」

女「どうぞー」

女(どうぞ、じゃないし!  なんか人の手柄を自分のものにしたみたいで気分悪いなあ)

女(しかも、手柄にしたところで嬉しくないっていう)

男「あ、あの……」

女「んー? なに?」


172:2013/12/24(火) 22:02:00.38 ID:




男「じ、自分の分は?」

女「……ホンマやん」

男「い……いっしょ……いっしょに、た、たべ……食べましぇんか?」

女「ごめんね。わたしったら自分の分作り忘れちゃって。お言葉に甘えさせてもらうね」

男「ぃ、いえ……」



女(先輩からお弁当を受け取ったせいでこんなことに……!)

女(っていうのはさすがに責任転嫁だけどそれでも恨みます、先輩)


173:2013/12/24(火) 22:04:39.26 ID:








女「先輩、お待たせしました」

本娘「わざわざ呼び出してすみません」

女「いえ、わたしも先輩に会いに行こうと思ってたのでちょうどよかったです」

本娘「そうですか」

女「お昼の礼がいいたくて。あ、もちろんお弁当箱は洗って返します」

本娘「実はわたしがあなたを呼び出したのは、そのお弁当箱を返してもらおうと思ったんですけど。
   それじゃあお願いしてもいいですか?」

女「はい、全然オッケーです。あと実は一つ聞きたいことがあって」

本娘「はあ、なんですか?」

女「先輩って彼氏とかいたことってありますか?」

本娘「へ……な、なんでそんなこと聞くんですか……!?」


174:2013/12/24(火) 22:05:56.07 ID:



女(先輩は持っていた本で顔を隠してしまった。って、『金田一少年の事件簿』じゃん)


本娘「ひ、ひみつです」

女「じゃ、じゃあそのしたかだけでも……」


女(そのあと、先輩にわたしは少々怒られた)

女(先輩が本当に経験があるかどうかはわからないけど、あってもおかしくないという結論にわたしは至った)


女「……すみませんでした」

本娘「いいですけどね。ただ場所を考えてくださいね、そういう話をするときは」

女「はい、気をつけます。今度体育館裏で話しましょう」

本娘「本当に反省してますか?」

女「そりゃあもちろん、ええ」


175:2013/12/24(火) 22:13:14.96 ID:




本娘「そのわりにさっきから視線がわたしの本の方に行ってる気が……漫画、興味あるんですか?」

女「そんなに詳しくないんですけど、ちっちゃいころはアニメとかで見てたんで」

本娘「じゃあ貸してあげましょうか?」

女(前借りた『天使の梯子』が読めてないし、この漫画、一七巻って超中途半端じゃん)

女(まあ漫画だし、いっか)

女「せっかくなんでお借りします」


「おい」


女(うわ、なんだこの見るからに怖そうな女は?  目つきワルっ!  こりゃあ間違いなく不良だ)


176:2013/12/24(火) 22:19:25.06 ID:



不良「あ?  なにジロジロみてんだよ?」

女「す、すみません……!」

女(ちょっと顔見ただけじゃん……なにこの人?)

本娘「すみません。少し外してもらってもいいですか?」

女「あ、はい……」

本娘「また今度図書室に来てください」

女「は、はい……」


女(このヤンキー女と先輩は知り合いなのかな……先輩、脅されてたりしないよね?)


177:2013/12/24(火) 22:25:30.78 ID:







女「あ~びっくりしたー」

女(この学校にあんなコワイ人がいるなんて……あの人は先輩だったのかな?)

担任「これはこれは。お帰りですか?」

女(出た……わたしの宿敵)

女「そーですけど」

担任「おや、今回キミがもってる本は……『金田一少年の事件簿』ですか。
   しかもその巻は『仏蘭西銀貨殺人』の話ですね。なかなか面白い話ですよ」

女「ネタバレしないでくださいね。まだ読んでないんで」

担任「そんな無粋なことはしませんよ。で、順調ですか?」

女「……なんの話ですか?」

担任「決まってるでしょ。キミの幼馴染のためのハーレム作りですよ」



178:2013/12/24(火) 22:31:14.38 ID:



女「ええ、おかげさまで大変順調ですね」

担任「へえ、それはすごいですねえ。ならキミがヒロイン候補から脱落するのも時間の問題ってとこですか?」

女「もちろん」

女(なんでわたし、見栄張ってんだろ……)

担任「そうそうそれから委員長の……名前なんでしたっけ?」

女「自分のクラスの生徒の名前、覚えてないんですか?」

担任「いやあ、正直あんまり生徒には興味ないんですよ。
   おかげで名前とかっていつまでたっても覚えられないんですよね」

女「……委員長がどうかしたんですか?」

担任「大したことではありませんよ。ただ、キミを探していたようでした」

女「わかりました、ありがとうございます」


179:2013/12/24(火) 22:36:33.10 ID:







兄『それはいわゆる清楚系尻軽女だな』

女「またわけのわからない単語を……」

兄『一見、男を知らないといった風貌なのに実際には男を食い物にする魔性の女、それが『清楚系ビッチ』だ』

女「なんか矛盾が発生してるような……」

兄『まあ、とは言っても普通に彼氏がいたりするだけなんだろ?』

女「たぶん」

女(そもそも本人とはそういう類の話をしてない。
  ただカードの効果が効いてないっぽいってだけだから、ホントのところはなにもわかってないんだよね)

兄『ていうかその図書委員の先輩よりも、オレは例の男のほうが気になるぜ』

女「なんで?」


180:2013/12/24(火) 22:44:37.21 ID:



兄『だってお前のクラスメイトの女の子はお昼を一緒に食べるどころか、その男にお弁当を作るまでになってるんでしょ?』

女「そうだよ」

兄『イマイチお前はピンと来てないみたいだけど、好きな男子にお弁当を作って持っていくって告白よりすごいと思うぞ』

女「告白よりすごい!?」

兄『お前高校でカップル見たことあるか?』

女「あるよ。クラスでもいるし」

兄『じゃあ彼女のほうがお弁当をもってきてる光景を見たことある?』

女「わかんないけど、見たこと……ないかな」


181:2013/12/24(火) 22:50:49.93 ID:



兄『ていうかお前、人のことばかり話してるけど自分はどうなんだ?』

女「……わたしはべつにいいの」

兄『出た。自分棚上げ』

女「棚上げなんかしてない」

女(そう、棚上げなんかしてない。これはわたし自身の問題なんだから)

兄『恋愛について難しく考えすぎなんじゃね?』

女「誰が?」

兄『お前しかいないだろ』

女「……」

兄『恋愛なんて適当に考えりゃいいんじゃね?
   どうせ付きあったところでたいていのカップルはわかれるんだぜ』



182:2013/12/24(火) 22:58:59.71 ID:



兄『かもな。でもさ、マジであんまり悩みすぎるなよ』

女「……」

兄『あと、父さんがお前に会いたがってるんだけどさ……』

女「その話はしないで。わたし、お父さんに会うつもりはないから」

兄『ば、バッサリだな』

女「…………長電話しちゃってごめん。宿題やるから電話きるね」

兄『おう、おやすみ』

女(お兄ちゃんとの電話を終えると、今度はお兄ちゃんの言うところの清楚系ビッチの先輩からメールがきた)


183:2013/12/24(火) 23:01:45.63 ID:



本娘『お弁当箱忘れないでくださいね』

女『はーい(^○^)』

本娘『話は変わるんですけど、例の後輩があなたに会いたいって行ってましたよ』

女『彼女も図書室によくいたりしますか?』

後輩『はい。オタッキーな子ですけどいい子なんでよかったら構ってあげてください』

女(オタクねえ……)



184:2013/12/24(火) 23:10:31.08 ID:







女(状況は悪化した。あいつのハーレムメンツは今んところ、わたしとミレイだけ)

女(なのにお兄ちゃんの言い分では、わたしとアイツの『親密度』はあがっている)

女(このままだとくっつくのも時間の問題、マジで恋する五秒前)



兄『恋愛なんて適当に考えりゃいいんじゃね?』



女(そうだよ。べつにあいつと誰かが付き合おうが、イヤになったらわかれるだろうし)

女(みんなとっかえひっかえしてる。お父さんとお母さんだって……)


女「やってやるんだから……」

女「わたしがアイツのハーレムを作って、わたしとアイツがくっつく未来を回避する!」



185:2013/12/24(火) 23:17:19.00 ID:







女(アイツのハーレム加入メンバーの次の候補はもう決まった)

女(……てか、最近わたし図書室にかなりの割合でいるなあ)

女(ここにいれば例の女の子に会えるって先輩に言われたけど、いつになったら現れることやら)

女(宿題はもうやっちゃったし、借りた本は家に置いてきちゃったしなあ)

女(ヒマだわ)



男「……」



女(やることがないからアイツを眺めるぐらいしか暇つぶしの手段がない)

女(それにしても、意外とアイツは図書委員の仕事をやってるときはそんなにオドオドしてないし、けっこうしっかりしてる……気がする)

女(相変わらず猫背だけど)

女(……ん?  なんだろ、誰かの視線を感じたような……)


186:2013/12/24(火) 23:24:30.43 ID:



女「あっ……いた」

女(わたしの今回のターゲット)


後輩「ぅう~、またまた本棚に手が届かない……」


女「とってあげましょうか?」

後輩「わおっ! 先輩じゃないですか。こんなにも早く再開できるなんてわたし、感激です!」

女「ちょっと声が大きいかな」

後輩「感動のあまりここが図書館だってこと忘れてました」

女「そんなに感動されちゃうとわたしも照れちゃうな。そういえばまだ名前聞いてなかったね」

後輩「これはわたしとしたことが失礼しました。わたしの名前は――」



187:2013/12/24(火) 23:30:35.27 ID:







後輩「というわけでわたしは今うたプリにハマってるんですよ」

女「へえ。乙女ゲーねえ。あんまりそういうのよくわかんないから勉強になるね」

後輩「ちなみにわたしの推しはレン様なんです。もうホントにステキなんですよ」

女「なんかさっきから聞いてるとアニメとかの話ばっかだけど、この『歌プリ』ってアイドルものなんでしょ?」

後輩「はい、そーですよ」

女「沢田研二とか嵐とかには興味ないの?」

後輩「三次元には今のところ興味ないんです、わたし」


188:2013/12/24(火) 23:36:22.95 ID:



女「三次元には興味がない……それほんと?」

後輩「はい。二次元の中ではいろんなものに浮気してきましたけど、まだ三次元には恋すらしたことはないですね」

女「ほほう、それはすばらしい」

後輩「いやあ、それほどでも」

女(わたしのお兄ちゃんと同じ匂いがする……この子、イケる!)

女(おそらくアイツと趣味も合うはず。ライトノベルも読んでたし、今回は成功する)

女「ちょっと待っててもらっていい?」

後輩「どうしたんですか?」

女「カワイイ後輩の名前を忘れないようにメモしにようと思って」


女(ごめんね。でも、もしかしたら三次元の魅力に気づくかもしれないから……)


189:2013/12/24(火) 23:42:05.84 ID:







女(よし、名前はきちんと書けた。あとは反応を見てカードの効果をたしかめるだけ)

女「待たせちゃったね」

後輩「いえいえ、でも名前だったらケータイとかに打てばよかったと思いますよ」

女「あはは、浮かばなかったなあ。さては頭良いね?」

後輩「えへへ、実のところけっこう成績はいいほうなんですよ」

女「そうだ、本借りるんでしょ? わたしも借りたい本あるから一緒に手続きしに行こ」

後輩「了解です」

男「や、やあ……」

女「本を借りに来ました」



190:2013/12/24(火) 23:47:28.76 ID:



男「……はい」

女「それとキミにね。紹介したい女の子がいるの」


女(うん、普通に問題なく話せてる)


男「しょ、しょしょ紹介した、い……お、女の子……?」

女「たぶん趣味が似てるし、気が合うんじゃないかな。ジャジャン! この子です」

後輩「はじめまして!  こんにちは!」

男「ぁ……え、ええっと…………」

後輩「趣味が合うって先輩が言ってましたけど、そうなんですか?
  アニメ好きなんですか? ラノベ好きなんですか?」

男「あ、う……うんっ…………」


191:2013/12/24(火) 23:52:16.68 ID:



後輩「じゃあなにが好きなんですか?」

男「あっ、あ、あの……ぉ、落ち着いて……」

後輩「……また図書館であることを忘れてました。わたしったらダメですね、ついテンションあがっちゃって」


女(どうやらうまくいったかな)

女(でもわたしと接しているときと、あんまり変わってない気がするしこれだけだと判断できないな)

女(まあ帰りにでも本人に状態を聞けばすぐわかるから今は眺めて……)

女(うん? ……まただ。また誰かに見られてたような、気のせいかな?)

女(……わたしのこと見てる人なんて、いるわけないか)


192:2013/12/24(火) 23:55:26.72 ID:







女(さて、現在帰宅中。もちろんひとりじゃない)


後輩「先輩、さっきのわたしを見てどう思いました?」

女「どう思いましたって、どういうこと?」

後輩「いえ、信じてもらえないかもしれないんですけど、なんだかいつも以上に妙に舌が回ったんですよね」

女「へえー」

後輩「しかも言葉が止まりませんでしたし、思ってもないようなことまで言ってた気がします」

女「そんなまさかー」

後輩「わたしもそんなことはないと思うんですけどね」


女(どうやら完全にカードの効果は出てるみたいだね。よかった)


193:2013/12/24(火) 23:56:22.64 ID:



女「あの人についてはどう思った?」

後輩「ああ、まあわりとオタクさんだなって。わたしよりはまだまだレベルは低いですけどね」

女「ほかにはなんか感想ない?」

後輩「ほかにですか?
   あとは見た目で一発でオタクってわかるとか、それからよくどもってましたね」

女「ああいう男の人見てどう思う?」

後輩「うーん、わりとああいう人たちと接する機会があるんで特になんとも思わないですね」

女「そっか」

後輩「あの先輩はよくどもってましたけど、人によっては趣味の話になるとすごい早口になったりするんですよ。
   なにを話しるのか全然聞き取れなかったりするんです」

女「どんな感じか想像つくね」


194:2013/12/24(火) 23:57:49.97 ID:





後輩「だからまだ先輩はマシな方でしたよ。それよりもですよ」

女「うん?」

後輩「今、自分が思ってないことを口走りまくってたって言ったじゃないですか?」

女「言ったね」

後輩「これってひょっとしたら幽霊とかだったり、謎のミエナイチカラが働いてたりしてる可能性ないですかね?」

女「……さあ?」

後輩「実はあの先輩がすごい不思議なチカラを持ってたりして、わたしを操っているとかだったら面白そうじゃないですか?」

女「もし本当にそうだとしたら、わたしはどっちかって言うとコワいかな」

後輩「ええーそうですかー?」

女(ほんとに変な子だな。でも悲壮感たっぷりになったりとかそういうのじゃなくてよかった)


女(とりあえず、新たなハーレムメンバーがひとり加わった)


195:2013/12/24(火) 23:58:54.44 ID:










女(今思えば、わたしはハーレム作りになんか頭を使っている場合ではなかった)

女(もしわたしがこの時点で気づいていれば、この物語はそう時間をかけないであっさりと終わることができたのかもしれない)

女(それに委員長やほかの人も巻き込まずにすんだかもしれない)









200:2013/12/25(水) 12:53:49.14 ID:
この時点で終わらせれたみたいなこと書いてあるがいったい
ハッピーエンドが想像できない
201:2013/12/26(木) 00:21:45.82 ID:
委員長はハーレムに入らないのか
203:2013/12/26(木) 21:09:26.79 ID:








後輩「先輩、よかったらこのタコさんウインナー食べませんか?  ほら、あーん」

男「ふえぇえぇえぇ!?」

後輩「ビックリしすぎですよ先輩。ただのあーんですよ?」

男「ぃ、い、いやいや!  あ、ああんっは……そ、その……や、やばいよぉ!」

後輩「あはは、先輩ったら動揺しすぎですってば」



ブス「ねえ、あの女子誰よ?」

女「最近知り合ったわたしの後輩」

ブス「……なんかメチャクチャ仲よさげなんですけど」

女「そうかもね」



204:2013/12/26(木) 21:12:59.94 ID:



ブス「あんなポッと出の女が彼と仲良くしてるのを見て、なんとも思わないの?」

女「べ、べつに……わたしとあいつはただの幼馴染で、再開したのは今年に入ってからだし……」



女(はい出ました。もはや恒例の恥じらいながら幼馴染だから云々という否定)

女(カードの効果のせいでこうなってるとは言え、なんで毎回似たようなこと言っちゃうんだろ)

女(でもそっか。あのオタクちゃんがわたしと話した内容だって、全部本音とはかぎらないよね)

女(今だってあんなことしながら、心の中では毒づいてたりするかもしれないんだよね)



女(最初はふたりっきりのランチタイムが今では四人になった)

ブス「うぅームカつく。ミレイの将来のフィアンセをとるなんて」

女「なら彼女に文句言ってこれば?
  ミレイちゃんのほうが年上なんだし、ガツンと言ってきなよ」

ブス「いや、ほら、ミレイってば人見知りとかしちゃうタイプじゃん。だからちょっとそういうのは……」



205:2013/12/26(木) 21:16:33.13 ID:



女(この女も基本的には肝っ玉が小さい)

女(初めてしゃべったときも、わたしから話しかけてるし最初は全然口きいてくれなかったもんな)


女「……ミレイちゃんの愛って案外小さいのかもね」

ブス「な、なんですって?」

女「だって本当に好きだったら普通、割り込むべきでしょ?」

ブス「くっ……いいよ。言ってやろうじゃない。
   見てなさいよ。ミレイが先輩として、彼の将来の妻としてガツンと説教してやるんだから」

女「……」

女(最近気づいたけど、思ってもない言葉が出てくるとか急にわけのわからない行動をし始めるとか以外にも、カードの効果はあるみたい)

女(ときどき話そうとすることが口から出てこないことがある)

女(これもあのカードのせいなのかな)



206:2013/12/26(木) 21:19:22.54 ID:




ブス「あのぉ、ちょっといいですかねえ……?」

女(ガツンと説教してやるとか言ってたくせに腰引けてるし、両手をすり合わしてるしで全然迫力がない)

後輩「はあ……なんですか?  たしか先輩のお友達でしたよね?」

ブス「そ、そうでげす」

後輩「名前はブスさんでしたっけ?」

ブス「あぁ!?   今なんつった!?」


女(今度は豹変した)


ブス「ミレイの名前は、ブスジマミレイ。あなた後輩でしょ?
   しっかり先輩の名前ぐらい覚えなさいよ」

後輩「さっき先輩から紹介されただけなのに覚えられるわけないじゃないですか。だいたいなんの用なんですか?」

ブス「あーん、とかやってるからでしょ?
   その人はミレイのフィアンセなの。勝手にそういうことするのはやめてくんない?」

後輩「フィアンセ?  そうなんですか?」

男「え……そ、そのぉ……たぶん、ち、ちが……」


207:2013/12/26(木) 21:22:21.32 ID:




ブス「ああもう!  いちいち細かいことはどうでもいいのよ!  とにかく彼からはなれなさいよ!」

後輩「イヤです。わたしと先輩は好みの漫画についてお話中です、ジャマしないでください」

ブス「はあ?  あなたこそミレイのランチタイムをジャマしないでちょうだい」

後輩「ていうか自分の名前を一人称にしてる人ってイタすぎですし、ブスジマさんには似合ってませんし」

ブス「はあああぁ!?」

男「あ、ああぁ…………け、ケンカはあ、あんま……り、し、しないほうが……」

女「二人ともそれぐらいにしたら?  さっきからいろんな人がふたりのこと見てるよ」



208:2013/12/26(木) 21:26:13.42 ID:



後輩「だってこの人が、わたしの「あーん」をジャマしようとするから……」

ブス「それはミレイだけがやっていいことで、ただの後輩であるあなたがやっていいことではないでしょ!」

女「わかったわかった。じゃあこうしましょ?」

ブス「なんかいい案でもあんの?」

女「あいだをとってふたりの代わりにわたしが「あーん」する」


女(うわっ、なに言ってんだわたし。そしてふたりの目線がちょっと痛い)


ブス「はあ?  それ結局あなたが得してるだけじゃない!」

女「べ、べつに得はしてないでしょ」

後輩「さすがにわたしも先輩の提案には納得できないです」



209:2013/12/26(木) 21:30:03.99 ID:



男「あ、あああ、あの……」

女「……なに?」

男「……け、ケンカは…………やっ、やめま、せんか……?」



委員長「そうね。彼の言うとおり。そこらへんにしておいたら?」

女「委員長、いつの間に……」

委員長「少し前からいたよ。なんだか一触即発の雰囲気だったから見に来ちゃった」

後輩「あっ、先輩のクラスメイトさんですか?」

女「うん、うちの学級委員だよ」

委員長「っと、わたし先生に呼ばれてるからいくね」

女「うん、じゃあまたあとでね」

委員長「みんなケンカはしちゃダメだからね。彼も困ってるみたいだし」

男「……ぁ、はい」

女(注意だけすると委員長は行ってしまった)


210:2013/12/26(木) 21:33:11.67 ID:


後輩「ブスジマさん、どうもすみませんでした」

ブス「……べつに。ミレイも少し大人げなかったしお互い様ね」

男「ホッ……」

後輩「どうでもいいですけど、ブスジマさん声だけはメチャクチャかわいいですね」

ブス「え?  ほ、ほんと?」

女(たしかに言われてみると、ルックスのインパクトが強すぎて全然声のことなんて考えたことないけど)

女(なんかピカチュウみたいな声しててカワイイかも)

女(けど、どうでもいい)



211:2013/12/26(木) 21:54:44.40 ID:








女(今現在ハーレムメンバーは三人)

女(アイツのまわりの女子を増やして、わたしをあいつの彼女候補から引きずり落とす)

女(けどまだ全然人数が足りない。でもカードは残り……あのときのミスが痛かったな)

女(まあとりあえず今日は部活)

女(モヤモヤした気持ちはボールにぶつけちゃお)


212:2013/12/26(木) 21:57:13.17 ID:



男「あっ、きょ、今日はぶ、部活……ですか?」

女「うん。キミは帰りかな?」

男「あ、い、いや……と、図書室でべ、勉強……かな」

女「そっか。図書館大好きだね」

男「そ、そうかな……そうかも」

女(最近コイツのどもりが減ってる気がする。私の前でだけかもしれないけど)

女(もちろんそれはわたしにとってイイことじゃない)

女(部活終わったらなにか対策考えなきゃなあ)



213:2013/12/26(木) 21:59:40.27 ID:


男「じゃ、じゃあ……」

女「うん。バイバイ」


女(さてと、それじゃあ部活に……)

委員長「これから部活?」

女「ひゃっ!?
  ……な、なんで急に抱きついてくんの!?」

委員長「なんとなく。ここのところよくムズかしい顔してるしね」

女「そうかな?」

委員長「うん。ずっと数学の授業受けてるみたい」

女「それはかなり深刻かも」

委員長「基本的に成績優秀なのに数学だけはからっきしダメだもんね」


214:2013/12/26(木) 22:03:07.81 ID:



女「中三あたりから数学苦手になっちゃって……去年の期末も数学のせいで委員長に勝てなかったからね」

委員長「英語と現国はわたしのほうが負けてたけどね」

女「そういえばその紙はなんなの?」

委員長「これ?  年間行事予定表。掲示板に貼っといてって、さっき先生から渡されたの」

女「見せて見せて……前から思ってたけどなんかうちの学校って前期にイベントが固まってない?」

委員長「そう?」

女「春のオリエンテーションとか、球技大会、それに体育祭と水泳大会とかさ。
  逆に後期は文化祭と卒業式ぐらいしかないし」

委員長「三年の修学旅行も前期だね」


女(あの意味不明現象が起きた日はなんかイベントがあったり……しないか)

女(前日に委員会説明会があるけど、もちろんこんなのは関係あるわけがない)


215:2013/12/26(木) 22:05:09.62 ID:



委員長「ちょっと」

女「うん?  どしたの?」

委員長「またムズかしい顔してる。ほら、眉間にすごい力入ってるよ?」

女「いや、眉毛撫でられても……くすぐったいし」

委員長「でもこれで眉間のシワとれたよ」

女「自分じゃわかんないよ」

委員長「海外のドラマとか見てるとね、デート前の男の人とかは必ず眉毛を指で整えてたりするの」

女「へえ。眉毛で印象ってかなり変わるもんね」

委員長「というわけで、明日駅のそばのクレープ屋さんに寄ってかない?」

女「全然話つながってないけど、そうだね。食べに行こっか。あ、でも……」

委員長「どうしたの?
     ……ひょっとしてちょっと太った?」

女「いや、顔とかお腹とかじゃないんだけど最近太ももが……太くなった気がするんだよね」



216:2013/12/26(木) 22:06:37.26 ID:



委員長「じゃあ今日のテニスで明日取る分のカロリーを減らさないとね」

女「ちぇっ、委員長はムダにスラッとしてんだから」

女(ホント、委員長は気遣いができるし優しいし……委員長がアイツのこと好きになってくれたらなあ……って、それは絶対にダメ!)

委員長「ところでひとつ聞いていい?」

女「どうぞどうぞ」

委員長「アンタの悩みのタネはやっぱり彼?」

女「……」



女(今の一言でまた眉間のシワが深くなっただろうな……)


217:2013/12/26(木) 22:09:27.80 ID:







先輩「今日絶好調だったね」

女「はい、風がなくてフォアがすごくいい感じに打てました」

先輩「バックに打ったヤツもほとんど回り込んで打ち返してきたし、今日みたいな調子ならイイ線イケるかもね」

女「ありがとうございます。けど、おかげでだいぶ疲れちゃいました」

先輩「おつかれ。あそこの自販機でなんか買ってあげるね」

女「ほんとですか?  ありがとうございます」


女(モヤモヤした気持ちをテニスで発散できたし、今日はいい感じに眠れそうだな……あっ)

女(あそこにいるの、図書委員の先輩とアイツ)


218:2013/12/26(木) 22:12:18.22 ID:



男「 」

本娘「 」


女(……あとは知らない女子がひとりいる。三人で帰ってるのかな?)

女(図書委員メンバーで帰ってるってとこかな)

女(それにしてもわたしのカードとまったく関係ない人たちと帰ってるって……)

女(わたしが用意したハーレムメンバーに全く関係ない人とアイツがくっついたら、なんかすごい虚しい気持ちになりそう……)

女(まあそれならそれでいいんだけど)



219:2013/12/26(木) 22:16:12.83 ID:







女(今日中に先輩から借りた小説読んじゃおうと思ったけど、ダメだ)

女(やっぱり今日は疲れちゃったみたい)

女(漫画も借りてるのになあ。まあでも面白いし休日に消化しちゃえばいいかな)

女(……明日はどうしよう)

女(またハーレムメンバー増やす?  でも人選を間違えればカードをムダにするだけ)

女(それにアイツのハーレムメンツの中で、わたしはまだ候補から外れてないと考えて間違いない)

女(言い寄る女子を増やすってやり方は本当に正しいのかな。なんかもっとイイ方法が……そうだ!)

女(わたしの今のところの経験が正しかったらこの方法ならいけるはず! )

女(そうなると誰が適任かな……なんて考える必要はないね、この場合は)

女「ちょっと電話するには遅いけど、しょうがないね」



プルルル


220:2013/12/26(木) 22:19:17.40 ID:


後輩『はい、もしもし!』

女「もしもし。夜遅くにごめんね」

後輩『いえいえとんでもないですよ。
   まさかこんなに早く先輩からお電話をいただけるなんてカンシャカンゲキアメアラレです』

女(テンション高いなあ。鬱陶しがられるより全然いいけど。眠いしさっさと終わらせよ)

女「実は相談があってね、彼のことで……」

後輩『ど、どうしたんですか?  なにかヤバイことでもあったんですか?』

女「ううん、そうじゃないの。正確には相談っていうかお願い、なんだけど。明日の放課後は時間ある?」

後輩『はい、大丈夫ですよ。
   満喫に行く予定がありましたけどモチのロンで今この瞬間になくなっちゃいました』


221:2013/12/26(木) 22:24:49.86 ID:




女「あ、無理だったら言ってね」

後輩『いえ、先輩たちのためですからドンとこいです』

女「そっか、本当にありがとね」

後輩『それで、ご要件はなんですか?』

女「彼と一緒にどこかに遊びに行ってくれないかな?」

後輩『んん?  どういうことですか?』

女「彼っていつもオドオドしてるでしょ? それが幼馴染として心配でね」

後輩『ふむふむ』

女「友達も少ないし、あんまり外で友達と遊ぶってこともあんまりないと思うんだ。
  だからそういう経験を積んでほしくて」

後輩『そこでわたしの出番ってわけですね!  わかりましたよー!』


222:2013/12/26(木) 22:27:18.15 ID:



女「うん。カワイイ後輩と一緒にどこかに出かければ、少しは彼にも自信みたいなものがつくと思うんだ。
  おねがいできるかな?」

後輩『はい。むしろ喜んで行っちゃいます』


女(予想通り。今までのわたしは気づくとアイツと関わるようになっていて、ほぼそれを避けることができなかった)

女(だから彼女にアイツと接触するように仕向ければ、わたしの場合と同じで十中八九成功するってわけ)


後輩『あっ』

女「どうしたの?」

後輩『いえ、わたしそんな男の人とふたりっきりでどこかへ行くって経験がなくて……』

女「そっか。じゃあ駅の近くのクレープ屋さんにでも行ってきたら?
  あそこけっこうカップルとかも行くみたいだし」

後輩『おおっ。それはいいですね。
   はい、では先輩のアドバイス通り明日の放課後はそこに行ってまいりますね』

女「あの人のこと頼んだよ」

後輩『アイマム!』


223:2013/12/26(木) 22:29:22.08 ID:



女(それから少し話をしてわたしは電話を切った)

女(電話してる途中から、眠くてしかたがなかった)

女(思いついた勢いで電話しちゃったけど……今さら前言撤回と、もう一度あの子に電話したところでたぶんカードの効果にジャマされる)

女(……はずだから、罪悪感とかそういうのを中途半端に背負うのはやめよう)


女(ところどころ、わたしの言葉は意図したモノとちがうモノになっていた)

女(カードの効果のせいなんだろうけど、今回は特に支障はなさそうなので気にしなくて大丈夫でしょう)

女(おやすみ)



224:2013/12/26(木) 22:57:55.92 ID:







女『なにをそんなに悩んでるの?』

男『明日のハロウィンパーティーの仮装どうしようかなって考えてたんだ』

女『わたしは魔女の格好していくよ』

男『いいね、魔女。ぼくも魔女にしよっかな』

女『えー、へんだよそれ』

男『女の子が魔女の仮装するのはフツーでしょ?
  だから男のぼくが魔女やったら面白いと思ったんだけどなあ』

女『絶対におかしいよ』

男『みんなを驚かせたいのになあ。なんかないかなあ……』

女『なんでそんなに考えるの?  テキトーじゃダメなの?』


225:2013/12/26(木) 22:58:56.05 ID:



男『でもせっかく先生が授業の時間を使ってパーティーしてくれるんだよ?
  みんなが楽しまなきゃ先生悲しんじゃうよ』

女『なんか優しいね』

男『そうかな?』

女『先生のこととか考えないよ、ふつう』

男『とにかく明日、絶対にビックリさせてあげるからね!』

女『楽しみにしてるね』

男『そうだ、ひとつ聞きたいんだけどいい?』

女『なあに?』


226:2013/12/26(木) 23:00:09.24 ID:








女「んっ…………朝、か……?」

女(小学生のころのハロウィンパーティの夢か。懐かしいなあ)

女(たしか当日、アイツったら指に絆創膏貼りまくって登校してたなあ)

女(仮装、どんなのしたんだっけ?)

女(クラスで一番ウケがよかったんだよね。たしか……)



女「…………って、もうこんな時間!  お母さん起こさなきゃ」


227:2013/12/26(木) 23:01:24.61 ID:







女『ここはいったいどこ?』

男『目が覚めたかい?』

女『……えっと、ここは?』

男『場所なんてどうでもいいだろ。それよりキスしないかい?』

女『は?』

ブス『ええーミレイにもチューしてよー』

後輩『ずるいです、先輩方だけ』

女『いやいや、いったいなんの話をしてるわけ? ていうか意味わかんないし』

男『意味がわからないのか。
  なら、ためしにぼくが今からキスしようとしたらどうなるだろうね?』


228:2013/12/26(木) 23:02:54.60 ID:



女『普通に逃げるよ。わたしはべつにキミの彼女じゃないし』

男『よくわかってないみたいだね。たしかに普通の人間だったら逃げられるかもしれないよ』

女『わたしは普通の人間だよ』

男『忘れたの?  キミはカードの効果で行動を縛られてるんだよ』

女『……つまり?』

男『ぼくがキスをしようとして、はたしてキミは拒めるのかな?』

女『な、なにを言ってるの?  ていうかちょっとだんだん近づいてこないでよっ!』


229:2013/12/26(木) 23:04:40.14 ID:



男『ふふっ、つかまえた』

女『……!』


女(うそ……! からだが動かない……っ!)

女(な、なんで……カードの効果のせい!?)


後輩『ムダですよ、先輩』

ブス『そうそう。ミレイたちは彼のもので、彼には逆らえないんだから』

男『そういうことだよ。さあ、おとなしくぼくに唇を奪われるんだね』

女『いっ……イヤああああぁっ!』



230:2013/12/26(木) 23:07:03.85 ID:







女「……っ!」


女(……げ、げ、げ、現実じゃない、よね……)

女(ビックリしたああぁっ! まさかあんな夢を見るなんて)

女(ヨダレがノートに垂れてたりは……しないね)

女(授業中に寝るなんて、普段はあんまりないんだけどな……)

女(まあおかげで眠気が吹っ飛んだけど)

女(アイツが仮に積極的だったらああいうことが本当に起きる……?)

女(冗談じゃない!)

女(今の夢が現実にならないようにしなきゃね)


231:2013/12/26(木) 23:09:03.61 ID:






女「あいしぬけ~るぽいんとーがーひとつありゃいいのに~♪」

委員長「すごい上機嫌だけどどうしちゃったの?」

女「なんでだろうね。クレープ食べられるからかな?」

委員長「あそこのはそこそこ値がはるかわりにうまいもんね」

女「はやくいこーよ」


女(本当は気分は最悪だけど、なんかここでどんよりすると負けた気がするから)

女(……なににかって?  あの夢に決まってる)


委員長「そういえば彼はいないんだね」

女「彼?」


232:2013/12/26(木) 23:12:40.80 ID:


委員長「またまた。トボケなくていいってば。せっかくだから誘おうと思ったのに」

女「べつにトボけてなんかないし」

委員長「そう?」

女「どっかの後輩と遊びにでも行ったんじゃない?」

委員長「そうなの?」

女「うーん、よくわかんない。それより今はクレープクレープ」

委員長「はいはい」


233:2013/12/26(木) 23:15:49.23 ID:







女「うっまい!  うん、やっぱりクレープにはアイスが入ってなきゃね」

委員長「今回はなににしたの?」

女「マスカルポーネチーズとアイスのクレープにした。
  ちょっと高いけどね。せっかくだから写メしとけばよかったな」

委員長「チーズすきだね、ほんとに」

女「まあね」

女(今ごろアイツはどっかでデートしてるはずだし、今日はもうハラハラするようなことは起こ……)


後輩「あれ?  先輩じゃないですか?」



女(……るんかい!  ていうかなんでここにふたりがいるの!?)


234:2013/12/26(木) 23:17:30.56 ID:



男「ど、どうも……」

委員長「あら、こんにちは」

後輩「先輩方もここに来たんですか?」

女「え、あ、うん……」

女(彼女も明らかに戸惑ってる。わたし昨日なんて言ったんだっけ?)



後輩『いえ、わたしそんな男の人とふたりっきりでどこかへ行くって経験がなくて……』



女(って言われたから……)



女『そっか。じゃあ駅の近くのクレープ屋さんにでも行ってきたら?  あそこけっこうカップルとかも行くみたいだし』



女(……あのとき眠くて曖昧だったけど、これだ。この言葉はカードのせいで出たんだ)


235:2013/12/26(木) 23:21:19.67 ID:



女(そうだよ、なんで自分のことを棚上げしてたんだろ)

女(わたしだってカードの影響は受けるんだから……)


委員長「早く注文しないと迷惑になるから、とりあえず注文したら?」

後輩「そうですね。メニューは……うわあ、いっぱいありますね。先輩はどれにします?」

男「え、あ……ま、マスカルポーネ、チーズ……にしよっかな」

後輩「じゃあわたしも同じのにしちゃいます!」



委員長「おーい?  固まっちゃてるけど大丈夫?」

女「う、うん……」

委員長「食べ物はできてすぐに食べるのが一番なんだから、早く食べないともったいないと思うな。
    あ、これって恋愛にも当てはまるかも……とか言ってみたりしてね」

女「……」


236:2013/12/26(木) 23:39:28.14 ID:





後輩「じゃあわたしは道がちがうので失礼します」

委員長「うん、おつかれ」


女(偶然にもわたしたちは帰る方向が全員一致したため、ファミレスに寄ってから一緒に帰ることにした)

女(本当は『ふたりでどこかに行ってきなよ』っとクレープを食べ終えたときに言うつもりだったけど、その言葉は言えなかった)


後輩「ひとつ言っておきたいことがあります、先輩」

女「わ、わたし?」

後輩「はい、そうです」

女「なに?」


237:2013/12/26(木) 23:42:42.50 ID:


後輩「わたし、負けませんから。それじゃあみなさん、お疲れ様です」

女「……」

男「ば、バイバイ……」

女(宣戦布告、か。その言葉は本物なのかな)

委員長「いいの?」

女「へ?」

委員長「アレっていわゆる宣戦布告ってやつでしょ?」

女「わたしはべつに……」

委員長「ねえねえ」

男「は、はい!?
  ……な、なななんでしょうか?」



238:2013/12/26(木) 23:45:10.74 ID:


委員長「最近モテモテで、ウワサはわたしの耳にも入ってくるけど本命はひとりにしなきゃダメだよ?」

男「ほ、ほほほっ本命!?  ぼぼぼくはそそそそそのっ……」

委員長「勝手なことを言わせてもらうなら、わたしはこの子はオススメするけどね」

女「ちょっ……ちょっとなに言って……!」

委員長「時々とは言え自分でお弁当を作る子だし、それにふたりは幼馴染なんでしょ?  お似合いだと思うなあ」

男「へ!?  あ、あいや、そそそそっ、それは……!」

委員長「あくまでわたし個人の意見だから、参考ぐらいにとどめておいてね」

女(委員長はおせっかい焼きで優しい)

女(きっと見事に勘違いしてわたしとコイツをくっつけようとしてるんだろうけど)

女(勘弁してよ。なお、例のごとくわたしは弁解の言葉を口にすることはできなかった)


239:2013/12/26(木) 23:47:31.48 ID:




女(そして委員長ともわかれてふたりっきり)

女(適当な会話でわたしはお茶を濁した。なんとか核心につながるような会話にならないように、必死に頭をしぼって)


女(ところがどっこい)


男「じゃ、じゃあ……ぼくは……こ、ここで……」

女「うん」


女(彼が立ち止まるのに合わせて、わたしも足を止めようとしたらなぜか足がもつれて……でもわたしが転ぶことはなかった)


男「だ、だだ大丈夫……あっ、ああああぁ!?」

女「あっ……」


女(なんとかこの男が受け止めてくれてセーフ。いや、セーフじゃない!)

女(メチャクチャ顔が近いし!)


240:2013/12/26(木) 23:49:25.62 ID:




女「ご、ごめんなさい!  足がもつれちゃって……!」

男「ぼ、ぼぼぼぼぼぼぼくのほうこそすみませんほんとにすみませんんんっ!」

女「……あ、ありがと」

女(けど、受け止めてくれなかったらこけてたのか、わたし……って、自分から親密になるようなことしてどうするの!?)

女「その……」

女(なんか適当な言葉で終わらせなきゃ)

女「そういえばもうすぐ球技大会があるね」

男「う、うん……」

女「お互いにがんばろうね」

男「……は、はい!」



女(ひとりで帰ってる途中、また視線を感じたけどあえてわたしは無視した)


241:2013/12/26(木) 23:52:27.43 ID:







女「お弁当箱返すの遅れてしまってすみません!  すっかり忘れてて」

本娘「いえいえ、こうしてきちんと返してくれたんですから大丈夫ですよ。
   むしろこちらこそ、忙しい放課後に無理に来てもらってすみません」

女「全然そんなことないですよ。むしろ先輩のほうが色々忙しいと思いますし。
  あ、お弁当とってもおいしかったです、ごちそうさまでした」

本娘「……そうですか」

女(なんだろ?  なんかガッカリしてるように見えるけど……って、そんなわけないか)

女「先輩、本もってますけどなに読んでるんですか?」

本娘「『名探偵コナン』……です」

女「へえ、コナンですか。ちょっと見せてもらってもいいですか?」

本娘「はい、どうぞ」


242:2013/12/26(木) 23:54:31.77 ID:



女「ここの図書室ってメジャーな漫画はけっこう置いてありますよね。
  金田一も読んでましたよね、先輩。推理漫画が好きなんですか?」

本娘「いえ、そういうわけではないです。わたし、コナンとか金田一は少女漫画感覚で読んでるんです」

女「少女漫画……?」

本娘「ヒロインとどうくっつくのかな、みたいな……」

女「なるほど。ちょっとわかるかも」

本娘「両方の漫画とも幼馴染がヒロインでしょ? わたし、幼馴染の恋人に憧れてるの」

女「…………そうなんですか?」

本娘「うん、とてもステキだと思う……って、ごめんなさい。
   図書委員のわたしが図書室で大きい声を出してちゃしめしがつきませんね」

女「まあ、そうですね。でもなんだか先輩の意外な一面を知ったような気がします」



243:2013/12/26(木) 23:55:32.73 ID:



 「あの……」

本娘「ごめんなさい。あなたもそういえばこの時間帯に来てって頼んでましたね」

女「……どなたですか?」

 「……」

本娘「わたしの後輩です。ちょっと人見知りで、あんまりしゃべらないんですけど」

女(これはお兄ちゃんが言ってた無口キャラってヤツ……?)


244:2013/12/26(木) 23:58:28.73 ID:



兄『無口キャラっていうのは、かなりの割合でオタクに人気なんだぜ』

女『なんで?』

兄『まあ、ロマンがあるからな』

女『あの、そういう文化に疎いわたしにもわかるように説明してくれる?』

兄『自分でググれよ。『綾波レイ』とか『長門ユキ』。
  あとは『ゼロ魔』の『タバサ』とか、『桐生萌郁』とかかな?』

女『とりあえずオタクさんは無口キャラが好きなの?』

兄『わりと高い確率でな。あっ、兄ちゃんはちがうぞ。オレは……』

女『切るね』


245:2013/12/26(木) 23:59:37.95 ID:



女(アイツもオタクだし、もしかしてこういう子が好みかも)

女(それに、色白で鼻筋も通っててカワイイ……)

女(それにしても先輩の周りにはカワイイ人がいっぱいいるなあ)

女(これがいわゆる類友ってヤツなのかな?)


無口「……」

本娘「あっ!」

女「……どうしました?」

本娘「その……職員室に来るように言われてたこと思い出して……ちょっと行ってきていいですか?」

女「あ、はい……わたしはべつに大丈夫ですよ」

本娘「ごめんなさい。あなたも、待っててもらっていいですか?」

無口「……はい」

本娘「じゃあなるべく早く戻ってくるので」



246:2013/12/27(金) 00:01:07.62 ID:



女(無口さんとふたりっきりになってしまった。いや、でも探りを入れるには都合いいかな)


女「……」

無口「……」

女(しゃべろうとしたけど、なんだろうこの人のフインキ。すごく話づらい)

女(ここだけ空気が重くなったみたい。いやいや、負けるなわたし!)


女「あ、あの……」

無口「……」

女「その、同じ学年ですよね?」

無口「……二年?」

女「はいそうです。先輩とは仲がいいんですか?」

無口「……べつに」


247:2013/12/27(金) 00:10:44.53 ID:



女「べつにって……じゃあ、今日はなんで図書室に?」

無口「あの人に呼ばれたから」

女「なんで呼ばれたんですか?」

無口「知らない」

女(この人、無口っていうか単純に愛想がないだけなんじゃ……気まずい)

女(ダメだ。こんな人相手にアイツがなびくとは思えない)

女(先輩の漫画、わたしが持ったままだし逃げちゃお)

女「わたし、先輩にこの漫画を返しに行くんで失礼しますね」

無口「……」

女(なにか一言ぐらい言えよ)


248:2013/12/27(金) 00:19:14.01 ID:







女「あんなに無愛想な人初めてだったな……」

担任「へえ、そうなんですか」

女「うわっ!  出たっ!」

担任「曲がり角からこんにちは。最近ホントによく出会いますね」

女「……」

担任「おや、今度は『コナン』ですか。
   それは……ああ、ボートを重しにするトリックとかの話が入ってた巻ですね」

女「あの、急いでるんですけど」

担任「まあまあ、待ってくださいよ。実は気になることがありましてね」

女「……なんですか?」

担任「ハーレムのメンバーは増えたのか、気になりましてね」

女「べつに。順調ですよ」


249:2013/12/27(金) 00:20:56.07 ID:



担任「本当に?  今のところメンバーのひとりは、ブスジマミレイさん。
   『パワポケ』でいう『荒井紀香』的なポジションの外れヒロイン」

女「外れヒロインって……失礼ですよ、先生」

担任「思ってもないことをいいますね」

女「……」

担任「で?  ほかには増えたんですか?」

女「ええ。前も言ったとおりです、順調そのものです」

担任「どうだか。実はハーレムのメンツはひとりぐらいしか増やせてないんじゃないですか?」

女「……!」

担任「図星みたいですね。困りますねえ、もうちょっと頑張ってもらわないと。危機感が足りないのかな?」

女「危機感は十分ありますよ」


250:2013/12/27(金) 00:22:30.21 ID:



担任「ではもっと煽ってあげましょうか、その危機感を」

女「どういうことですか?」

担任「ぼくは例のカードを残り六枚持っています。あとはあなたが持ってる分だけ」

女(わたしがもってるカードの枚数は……残り三枚)

担任「さて、このカード。キミがもってるカードと決定的なちがいがひとつあります」

女「決定的なちがい?」

担任「ええ、そうなんですよ。ほら、見てください」

女「……まだなにも書かれてない」

担任「そうです。このカードは上下に二つ枠があり、上に書かれた名前の人に下に書かれた名前の人が惚れるというものです」

女「わたしの全部のカードにはあらかじめアイツの名前が書かれてますね」



251:2013/12/27(金) 00:25:45.48 ID:



担任「そうです。では仮にですよ。このカードの上の枠にあなたの名前を書きます。
   そして下の枠には彼の名前を書く……そうするとどうなりますかね?」

女「……それは、アイツがわたしと同じようになるってことだから……」

担任「はい、ふたりはあっという間に結ばれしまうと思うんですよ」

女(う、ウソでしょ……?)

担任「言ってしまえば、ぼくはキミの命運を握ってると行ってもいい状態なんですよ」

女「ま、まさか、この場で書くつもりですか……?」

担任「いいえ、まだ書きませんよ。それでは面白くない。そうですね、期限を決めてしまいしょうか。
   決めた期限をすぎたら、ぼくはこのカードに名前を書きます」

女「……」

担任「ぼくはね、漫画にしろ小説にしろ短くまとまってるのがいいんですよ。ダラダラしてるのは嫌いなんです」

女「知りませんよ、そんなこと」


252:2013/12/27(金) 00:31:10.38 ID:




担任「七月一日。この日までにぼくを楽しませて満足させてください」

女「お、おっしゃってる意味がわかんないです! どういうことですか……!」

担任「コワイなあ。今にも掴みかかってきそうな感じですね」

女「当たり前です、こんなことが許されると思ってるんですか……!」

担任「誰かに言いますか?  そういうことをしようものなら、ぼくは迷わずこのカードに名前を書きますよ?」

女「…………わかりました」

担任「まだ期限は一ヶ月半あるんです。どうにかしようと思えばどうとでもできるでしょう?
   ようは今までやっていたことを、さらにハリきってやればいいんですよ」

女(そんな、あと一ヶ月半でなにができるっていうの!?  わたしとアイツが恋人になるぐらいしか予想できない!)


253:2013/12/27(金) 00:32:32.71 ID:



担任「ぼくを親のカタキみたいに睨むのはやめてくださいよ。悪いのはぼくだけじゃないんですし」

女(アイツ……)

担任「あ、しないとは思いますけど、間違っても彼を殺すとかそういうバカな選択肢はとらないでくださいね」

女「……するわけないでしょ、そんなこと」

担任「よかった、安心しましたよ。それではぼくはこれで」

女「待ってください……! なんで……なんでこんなことするんですか!? なにかわたしに恨みでもあるんですか?」

担任「断言します、そんなものは一切ありません」

女「じゃあなんで……」

担任「さあ? 自分で考えてみてください。では今度こそ失礼しますよ」



女(わたしはどうすればいいの……?)


254:2013/12/27(金) 00:33:06.98 ID:



つづく
256:2013/12/27(金) 01:28:13.41 ID:

後輩可愛い
257:2013/12/27(金) 01:33:09.03 ID:

なんて素晴らしいカードなんだ
俺にくれ
258:2013/12/27(金) 09:58:53.52 ID:
続きが気になる
260:2013/12/27(金) 16:39:43.49 ID:
女と男…むかしは仲良かったのか?
今は嫌悪感しかないみたいだが…
261:2013/12/27(金) 21:20:59.28 ID:
>>260
>>4に仲良かったみたいなことが書かれてるな
263:2013/12/27(金) 22:41:09.59 ID:







母「えらく今日は早いね、部活の朝練?」

女「ううん。今日は球技大会で、隣町まで行かなきゃならないから」

母「そういや言ってたね。ふあぁ~……」

女「お母さん、夜勤明けで疲れてるでしょ?  ゆっくり休んでね」

母「アンタを見送ったら寝るから大丈夫。
  それよりケガしないようにね。ここんとこ寝不足が続いてるっぽいし」

女「……そう?」

母「今もちょっと目、赤いよ」

女「今日はちょっと寝不足なだけだよ。それじゃいってきます」

母「いってらー」


264:2013/12/27(金) 22:43:22.39 ID:







委員長「男子の種目はドッジボールとバスケ。
    女子の種目はバトミントンとバレー。わたしはバレーで……」

女「わたしはバトミントンだよ」

委員長「バトミントンは全員ダブルスで団体戦だけど、誰とペア組んでるの?」

女「ミレイちゃん」

委員長「ブスジマさんと出るんだ。がんばってね」

女「……うん」

委員長「大丈夫?」

女「ん?  大丈夫って、べつになんともないよ?」

委員長「そう?  ここのところなんだか暗い気がするけど?」

女「そんなことないって」



265:2013/12/27(金) 22:46:42.71 ID:



委員長「ほんと?  今も少し目が充血してるよ?」

女「これは寝不足。昨日は夜更かししちゃったし、今日は早起きしなきゃならなかったし」

委員長「二年と三年は学校でやれなくて、わざわざ遠出しなきゃならないから少し面倒よね」

女「三年生の会場なら、もう少し近かったのになあ」

委員長「うちの学校って生徒の人数のわりに校舎が小さいものね」

女「しかもボロいしね……っと、ミレイちゃんからメールだ」



『ぇきヵゝら会場まτ〃σは〃UょヵゞゎヵゝωTょレヽヵゝらむヵゝぇレニきτヽ(`Д´)ノ』



女「ぎゃ、ギャル文字……読めない」

委員長「どれどれ?  うわ、これはなかなか。
    ……駅から会場の道までがわかんないから迎えに来てほしいんだって」



266:2013/12/27(金) 22:49:22.33 ID:



女「よく読めたね。わたしにはさっぱりだよ」

委員長「そう?  これぐらいなら雰囲気でわかるよ」

女「そんなに難しい道じゃないはずなのに……とりあえず、迎えに行ってくるね」

委員長「体調悪そうだし、わたしが代わりに行こうか?」

女「大丈夫だよ。それに委員長が来たらミレイちゃん、たぶん萎縮しちゃうから」

委員長「そうなの?」

女「うん。開会式までには戻って来れると思うから」

委員長「おっけい」



267:2013/12/27(金) 22:52:11.63 ID:






ブス「なんで球技大会なんてしなきゃならないかなあ」

女「いいじゃん。授業つぶれるし、運動できるし」

ブス「ええー。油浮くし、ミレイってば普段運動しないから筋肉痛になっちゃうからイヤー」

女(油のカタマリみたいな体型してるくせになに言ってんだか)

ブス「スポーツなんかじゃダーリンにミレイのいいところを見せられないし、かえりたーい」

女「まあまあそう言わずに、ね?
  それにミレイちゃんに帰られるとダブルスができなくなっちゃうし」

ブス「じゃあミレイの分までガンバってよね」

女「がんばります……」

女(これはひょっとすると、かなりがんばらなきゃいけないかもしれない……)


268:2013/12/27(金) 22:55:46.54 ID:



ブス「ていうか思いのほかあっさり早く着いちゃった。
   これならあなたに迎えに来てもらわなくてよかったかもね」

女「まあ、そんなに複雑な道のりではなかったね」

ブス「荷物とかってどこに置けばいいの?」

女「会場に入ると先生が案内してくれるよ。わたし、飲み物買いに行ってくるから先入っててくれる?」

ブス「……買ってあげようか?」

女「え?」

ブス「だから、お礼にドリンク買ってあげようかって。ミレイがおごるなんてかなりレアよ?」

女(この女がわたしにおごるとか言うなんて……でも後々めんどくさそうだし、遠慮しとこ)

女「べつに大したことしたわけでもないし、気持ちだけ受け取っておくね」

ブス「ふーん、あっそ」


269:2013/12/27(金) 22:57:32.35 ID:







女「自販機は……あったあった」

女(うわ、ここの自販機、普通のより全部五十円ずつ高い)

女(これならブスを迎えに行くときにでも、コンビニに寄っておくんだったな)

女「……?」

女(なんか誰かに見られてるような、というか人の気配がするような……)

女(なんとなくの思いつきで自販機の側面側を見てみると、ヤンキー座りした女子生徒がいた)

女(見つけた瞬間に、すごい目つきで睨まれた)

女「あ、どうも……」

女(って、この人って……)

不良「あ?  なにあたしのことジロジロ見てんだ?」


270:2013/12/27(金) 23:00:57.71 ID:



女「あっ……いや、なんだか見られているような気がしたんで……」

女(たしかこの人って……)




本娘『実はあなたにひとつ言っておこうと思って』

女『なんですか?』

本娘『いつか図書館で会ったちょっとガラの悪い女の子のこと覚えていますか?』

女『ええ、あのヤンキーみたいな人のことですよね?』

本娘『そうです』

女『うちの学校にもああいう人っているんですね。驚いちゃいました』

本娘『千人を軽く超えてますからね、うちの生徒人数』

女『そのヤンキーさんがどうかしたんですか?』

本娘『いえ……ただ、あなたのために言っておこうと思って。彼女とはあまり関わらないほうがいいです』

女『問題児とかなんですか?』

本娘『彼女の沽券にも関わることだからあまり詳しくは言えません。
   けれど、あなたにとってプラスになることはないと思うから』

女『そうなんですか……わかりました、気をつけます』


271:2013/12/27(金) 23:03:44.97 ID:



女(……みたいなやりとりを先週、コナンの漫画を返したときにしたんだよな)

女(具体的な理由は教えてもらわなかったけど)

女(でも変だな。たしかこの人って先輩と同じ学年のはずじゃあ……)



女「三年生ですよね、先輩って?」

不良「……あ?  だったらなんだ、文句あんのか?」

女「いえいえ!  全然文句なんかはないですよ!
  ただどうして三年生の方が二年の会場にいるのかと気になったんです」

女(急に立ち上がって迫られたので、わたしはめちゃくちゃ仰け反るはめに……この人背がでかいから迫力がすごい)

不良「……お前、どっかで見たことあるな?」


272:2013/12/27(金) 23:06:33.43 ID:



女「は、はい。以前に図書館で会ってます」

不良「ああ、お前アレか。シモテンマの後輩か」

女「はい、そうです」

不良「…………んだよ」

女「はい?」

不良「だから、会場を間違えたんだよ」

女「つまり三年生の会場と二年生の会場を間違えて、ここに来ちゃったってことですか?」

不良「……おう」

女(そう言ってそっぽを向く先輩。顔が赤く見えるのは気のせいかな?)


273:2013/12/27(金) 23:08:49.14 ID:



女「三年生の会場に行かなくていいんですか?」

不良「めんどくせえ。だいたい会場を間違えた時点でもう負けたようなもんだろ」

女(なにに負けたんだろ、この人)

不良「というわけで今日一日は、二年として過ごすことにしたんだよ」

女「でもジャージの色でわかっちゃいますよね、三年生だって」

不良「……マジじゃねえかよ。やらかしたわ、そこまで考えてなかった」

女(脱げば解決すると思うけど)

不良「おい」

女「は、はい……?」


274:2013/12/27(金) 23:11:10.85 ID:




不良「今お前、あたしのことバカにしたろ?」

女「ええっ!?  いやいや、全然してないですよ!?」

不良「あたしにはわかるんだよ、そういうのがな」

女(なにもわかってないじゃん!  ていうか女でもあんなに指をパキパキ鳴らせるんだ……)

女「あ、あの!  ジャージを脱げば、とりあえずは学年をごまかせると思います!」

不良「……たしかに」

女「それではわたし失礼しますさようなら!」

不良「おい、待ちやがれ!」

女(わたしは人生最速のスピードでその場から立ち去った)


275:2013/12/27(金) 23:38:39.23 ID:









女「ふぅ……なんとか勝ちを拾った」

委員長「お疲れ。すごいがんばってたね」

女「ミレイちゃんが全然動いてくれないんだもん。おかげですごい汗かいちゃった」

委員長「あはは、でもアンタがあんなにバトミントンがうまいなんて思わなかったな」

女「まあテニスに似てるとこあるしね。そういう委員長もバレーで大活躍だったんでしょ?」

委員長「大活躍かどうかは知らないけど、ここまでは順調に勝ってるね」

女「総合優勝も夢じゃないかもね」

委員長「まだまだこれからだけどね。
    けど男子も今のところ負けてないみたいだし、三位にまでは食い込める可能性が高いね」



276:2013/12/27(金) 23:39:36.66 ID:




女「次もがんばらなきゃね」

委員長「そうだ、男子で思い出したんだけどドッジボール見に行かない?」

女「ドッジ?」

委員長「彼、ドッジの方に出てるでしょ?」

女「……」

委員長「ほら、行こうよ」

女「……うん」


277:2013/12/27(金) 23:42:04.56 ID:



女(あの先生の宣告から一週間)

女(状況は全く変化していなかった)

女(アイツとわたしの中は進展こそはしていないけど、それでも少しずつ親しくなっている)

女(さらにハーレム候補は見つからない)

女(ほかのふたりをけしかけてもイマイチ効果があるかわからないし、たいてい自分も巻き込んでしまう)

女(最近ではアイツと付き合うときのことなんか考える始末)

女(はっきり言えば、アイツは悪い人ではない。人間性という点においては)

女(いや、それでもアイツはカードにわたしの名前を書いたのだから許せない)

女(好きとか嫌いとかは置いといて、そういう姑息なことをするのが許せない)

女(だいたい、五年近く会ってなかったわたしをどうして選んだのかもわかんないし)


278:2013/12/27(金) 23:46:00.39 ID:



委員長「内野の人全然いないね?」

女「……ほんとだね。わたしたちのクラスもあっちのクラスも内野がほとんどいないね」

委員長「あっ……またひとり当てられちゃった。あれ?  残ってるのって彼じゃない?」

女「……そうみたいだね。しかもひとりだけ」

委員長「彼、必死に逃げてるね」

女「男なんだから逃げてないでキャッチすればいいのに」

委員長「そういう言い方はよくないよ。
    それに、相手クラスの投げてる人、あの人ってドッジボールで全国大会行ったことある人よ」

女「ドッジに全国大会とかってあるの?」

委員長「もちろん。今やってるルールと大会の公式ルールじゃあ形もちがうしね」



279:2013/12/27(金) 23:47:55.71 ID:



女「へえ。たしかにボールの勢いがほかの人とはちがうね」

委員長「あれを取るのは至難の業だと思う」



男「ひっ……ひいいぃ!? うわあぁっ!」



委員長「な、なんか気の毒だね」

女「ほんとにね。情けなくて見てらんない」

委員長「……機嫌悪そうだけどどうしたの?」

女「べつに。ただ一回ぐらい顔面にボールぶつけられてもいいんじゃない、と思っただけ」


女(そうだよ。顔面にでも当たっちゃえばいい。ついでに鼻血でも出せばいい)


280:2013/12/27(金) 23:50:04.80 ID:



「アイツ、よけるたびに声出すなよな」

「キモイったらありゃしないよな」

「あのクラス確実に負けだろ」

「よりによって使えない小太りが残っちゃったからな」

「でも紙一重でなんとかよけてるよな。ある意味すげえわ」



男「ぬわあぁっ!?」



委員長「あんなふうに言わなくてもいいのに」

女「……」


281:2013/12/28(土) 00:01:16.43 ID:


委員長「彼だってキャッチできないかわりに一生懸命よけてるんだから」

女「……そうかな?  わたしもあの人たちと同じ意見だけど」

委員長「本当にどうしちゃったの?  彼とケンカでもしたの?」

女「……」

女(なんでこんなにイライラしちゃうんだろ。アイツが原因なのはわかるんだけど)

女(ていうかあの連中、アイツのことボロクソに言って……)

女(ううん、わたしもほとんど同じ意見)

女(本当に情けない。見てるだけでイライラしてくる)

女(だけど……)


282:2013/12/28(土) 00:03:30.10 ID:



委員長「どこ行くの!?」

女「下の階!  上からじゃあ声が届かないでしょ!」


女(気づいたときには、二階席から選手の人の待機ゾーンにいた)


女「おいっ!」

女(たぶん、試合中にこういうことをするのは禁止なんだと思う)

女(けどそんなことを言われても困る)

女(だってからだが勝手に動いてしまったんだもん)












女「おとこだろっっ!  しっかりしろよっ!!」



283:2013/12/28(土) 00:05:17.35 ID:
なにこの胸熱展開
284:2013/12/28(土) 00:25:58.87 ID:



女(たぶんこの大声がいけなかったんだと思う)

女(今まさに投げようとした例の全国の人のボールはわたしの怒鳴り声のせいで、あさっての方向に飛んでいった)

女(あさっての方向っていうのは、正確に言うとわたしの顔に目がけて)

女(迫ってくるボールはすごい速いっていうのがわかった)

女(なのに妙にゆっくり見えた)

女(こんなの受け止められるわけがない)

女(そう思ったときには目をつぶっていた)


女「……っ!」


285:2013/12/28(土) 00:27:37.88 ID:


女「…………あれ?」

女(ボールが、来ない?)



「ま、まじかよ」

「あいつ……かばったのか」

「つうか、あのボール顔面に受けるってヤバくね?」



女(え……?)

女「あっ……」

男「……」

女(目を開いた先には、振り返ったアイツがいた)

女(顔を真っ赤にして鼻血を出して涙目になってる情けない顔のアイツが)

女「あ、あぁ……」

男「だ、だ……だい、じょうぶ?」

女(しかもわたしを庇うためにラインから豪快に飛び出ていた)

女(わたしはなぜか唐突に小学生のころのことを思い出した)


286:2013/12/28(土) 00:34:33.56 ID:








女『これで当てればわたしたちの勝ち……!』


女(休み時間にやっていたドッジボール)

女(相手は男子が残りふたり。そしてたまたま内野のわたしがボールを取った)

女(しかも絶好のチャンスだった。ひとりがよける際に尻餅をついてしまっていた)

女(しかもわたしとの距離はほとんどない)

女(一瞬だけ迷ったけど、わたしは思いっきり投げた)


女『あっ……』

女(ボールは当たった。尻餅をついたほうではなく、もうひとりの方へと)


287:2013/12/28(土) 00:45:23.30 ID:




男『が、顔面だからセーフだよね!?』


女(残ったもうひとりはアイツだった)


女(驚いたことにアイツは割って入ってきただけでなく、顔面で受け止めてしまったのだ)

女『えっと……なんで顔で受け止めたの?』

男『だって、こんな至近距離で当たったら絶対痛いし……ぐすっ……それに顔で受け止めたら、セーフ……うぅっ』

女(そのあとアイツは大号泣した)

女(至近距離で顔に当たったとはいえ、女のわたしのボールに当たったぐらいで泣きすぎだろ)

女(当時はそう思ったけど、今考えれば友達を庇ってそこまでできるっていうのはすごいことなのかもしれない)


288:2013/12/28(土) 00:59:47.14 ID:






女(その後。審判の人がわたしをかばったことを考慮して彼はセーフになった)

女(それがよかったのかもしれない。チームの士気はいっきにあがって見事に逆転した)



 「すげえぞ! あの状況から逆転したぞ!」

 「準決勝キター!!」

 「ていうかナイス顔面!」

 「いや、マジあの場面だけお前が異様にカッコよく見えたわ」

 「今日からお前のあだ名は顔面な!」

男「え? あ、うん……」


289:2013/12/28(土) 01:03:40.90 ID:



女(アイツはクラスの男子に囲まれて、もみくちゃにされていた)

女「……」

ブス「ちょっと、こんなとこにいたの?」

女「ミレイちゃん、どうしたの?」

ブス「どうしたのじゃないって。次の試合、呼ばれてるって」

女「あっ、うん、そうだね……」

ブス「早く行くわよ」

女「うん」


290:2013/12/28(土) 01:11:47.34 ID:



女(そしてわたしたちのバトミントンの試合はボロボロだった)

女(ブスはもともと動くつもりがないし動いたところで、ことごとくわたしと同じ直線ラインに立ったりするし)

女(そしてポイントの主導権になっていたわたしまでもがどうしてか、まったく動けなかった)

ブス「あちゃーこりゃ負けたわ、間違いなく。マッチポイントってやつでしょ、今ので」

女「今のわたしたちのポイントは三点……」

女(たしかにここまでかな。今のところ一勝一敗だからこれに負けたら、わたしたちのクラスは敗退)



女(相手のサーブが打たれる)

女(しばらくラリーが続いたけど、わたしの返したシャトルが浮いたのがいけなかった)

女(見事にシャトルの芯をとらえたスマッシュがブスのもとへ)



ブス「ダーリンじゃん!」

女「え……?」

男「……」


291:2013/12/28(土) 01:14:57.62 ID:



女(なんでここに?)

男「が、がっ……」

女「え……?」



男「が…………ガンバって!」



女「……!」


292:2013/12/28(土) 01:18:11.40 ID:



ブス「ダーリン、応援に来てくれたのね! さすがミレイのフィアンセ!」

女「でも……」

女(気を取られてシャトルを見てなかったけど、今のスマッシュは決まっちゃったんじゃあ……)

ブス「しかもさすがダーリン!  ダーリンが来てくれたおかげで羽はアウトになったよ!」

女「ほんとだ……」

ブス「なんかよくわかんないけどやる気になっちゃったわ。バトミントンとか正直キライだけどさ」

女「……」

ブス「なによ?  ミレイが本気出してあげるって言ってんだからあなたもやる気出しなさいよ」


293:2013/12/28(土) 01:25:19.34 ID:



女「大丈夫だよ」

ブス「え?」

女「……なんかよくわかんないけど妙にやる気出てきたから」

ブス「そう来なくっちゃ」

女「こっから逆転するよ、ミレイちゃん」


294:2013/12/28(土) 01:29:40.18 ID:



女(そして、わたしたちは一度もポイントを落とさずマッチポイントまでなんとかこぎついた)

女(試合の進行をスムーズにするためにデュースはない)

女(つまりこのポイントで決まる)

女(予想外に長く続くラリー。でも相手の方が一枚だけ上手だった)

女(わたしとミレイ、両方が後衛に回ってしまった瞬間、相手は見事なドロップショットを決めてきた)


女「しまっ……!」

女(足が……追いつけないっ!)


295:2013/12/28(土) 01:39:15.20 ID:



ブス「んっ、ちょっと……もう少し優しく立ち上がらせてよ」

女「はいはい。もう、世話が焼けるなあ」

ブス「なによその言いぐさは? 誰のおかげで勝てたと思ってるの?
   ミレイの最期のダイビングキャッチがなきゃ勝てなかったんだからね」

女「そうだね。ナイスキャッチだったよ」

女(あと……)

男「や、やったね」

ブス「ダーリン見ててくれた!?」

男「う、うん……す、すごかった」

女「……」

男「その…………おつかれ」



女(わたしはなにか言おうとしたけど、言葉が思いつかなかったから彼に向かってピースした)



296:2013/12/28(土) 02:01:51.96 ID:







女(結局わたしたちはあの試合で体力を使い切ったのか、そのあとの試合であっさりと敗北した)

女(その代わりに男子ドッジボールと委員長が率いる女子バレーは優勝するという好成績を収め、クラス成績でも学年トップになった)

女(わたし、ミレイ、委員長、彼とでファミレスに行った帰り)

女(わたしと彼のふたりで帰っていた)



男「……」

女「……」

男「……きょ、今日は楽しかった……ね?」

女「わたしは疲れちゃった」


297:2013/12/28(土) 02:04:37.06 ID:



男「そ、そっか……」

女「あと……あのときは、ごめんね」

男「……な、なんのこと?」

女「ドッジボールのとき。わたしがあそこで大きい声出したりしたから……。
  というかあの場にいなかったら、キミがそんなふうになることはなかったでしょ?」

男「あ、ああ……この、は、鼻血?」

女「うん」

男「で、でも……あ、当ててきた人は謝ってくれたし。そ、それに……よ、よかったよ……」

女「え?」

男「あ、そ、その……き、き、キミが…………ケガ、し、しししなくて……」

女「……ほんとにもう。キミってさ……」


298:2013/12/28(土) 02:10:12.98 ID:



男「は、はい!」

女「昔と比べるとずいぶんと変わったと思ってた」

男「……」

女「けど……」

男「な、なんですか?」

女「…………んー、やっぱりなんでも」

男「そ、そうですか」

女「あともうひとつ。今日は本当にありがとう」

男「い、いや……そ、その……あ、あれはしょ、正直か、かっこ悪かっただけだし……えっと…………」

女「そっちじゃないよ。ううん、そっちもそうだけど」


299:2013/12/28(土) 02:13:48.67 ID:



男「ご、ごめん……よく、わかんない」

女「まあいいや、今日はここで解散ね」

男「あ、はい」

女「なんか無性に走りたい気分になっちゃった」

男「つ、疲れてないの?」

女「疲れてるけどいいの。じゃあね、また明日!」

男「あ、ま、また明日!」



300:2013/12/28(土) 02:21:39.89 ID:







女「ただいまお母さん」

母「おかえり……って、そんな汗いっぱいかいてどうしちゃったの?」

女「走って帰ってきたの」

母「なんで?」

女「なんとなく。あ、お風呂入るね。それと今日の夜ご飯はなあに?」

母「まだ決めてないけど……ファミレス行ってきたんじゃないの?」

女「うん、行ってきたよ。でもまたお腹すいてきちゃった」

母「なんか朝とは別人みたい」

女「そんなことないよ。あ、でも」

母「ん?」

女「やっぱりそんなことあるかも」



301:2013/12/28(土) 02:24:49.36 ID:


『次回予告』



担任『新たな候補を作るべきでしょう?』


女『な、なんで……カードに名前が……』


男『ど、どうして……ぼくを、にらむの?』


委員長『ど、どうしよう。これって……これが恋なのかな?』


後輩『わたし、最近動画取るのにハマちゃったんですよー』


女『あのとき、あの状況でカードに名前を書けた人間は……』




――次回、またひとりの少女がヒロインに身を堕とす。




つづく

303:2013/12/28(土) 03:39:25.63 ID:
ミレイちゃんが意外と良キャラでしかもミサミサで再生される
304:2013/12/28(土) 10:23:09.73 ID:
あんまりブスのイメージないな…
ケバいけど可愛いけりゃいいが
女は面食いみたいだからありか?
305:2013/12/28(土) 13:03:48.53 ID:
>>304
クラスでブスって言われたり女が養豚場から出てきたみたいなこと言ってるで

今回普通にこのまま男と女が付き合いそうな回だったな

※続き→女「強制的にヒロインにされてしまった」【2】
元スレ: