1:2016/11/09(水)01:23:38 ID:
(´・ω・`)「………」

(´・ω・`)「捨てられちゃったのかな…」

(´・ω・`)「そうだよね…僕の家は貧乏で、僕は邪魔でしかなかったからね…」

(´・ω・`)「手紙が置いてある…」

「原住民、本当にごめんなさい。家に残った最後のきうりの種をあなたに託します。」

(´・ω・`)「やっぱり…こんなきうりの種が一個あるだけでどうすればいんだよ」

(´・ω・`)「ここはどこかの橋の下かな。」

「なんだあいつ!おい!ホームレスがいるぞ!」

「クスクス…」

(´・ω・`)「あ…あの…」

(´・ω・`)「…………」

(´;ω;`)「なんで僕がこんな目に…」

2:2016/11/09(水)01:27:28 ID:
(´;ω;`)「うっ…」

(*´・ω・*)「………」

「おーい、原住民ちゃん、何見てるの?」

(´;ω;`)「うぅ…」

「げっ!ホームレスじゃん!ばい菌が移るよ!行こ!」

(*´・ω・*)「う、うん…」

ザーーーーー!

(´;ω;`)「寒いよ…」
5:2016/11/09(水)01:33:01 ID:
~次の日~

(´・ω・`)「結局一睡もできなかった」

(*´・ω・*)「あのー…」

(´・ω・`)「!!」

(*´・ω・*)「そこで何をしてるんですか?」

(´・ω・`)「き、君には関係ないよ!」

(*´・ω・*)「そうですか…」

(´・ω・`)「どうせ僕のこと汚い目で見るんだろ!」

(*´・ω・*)「そのきうりの種、とても綺麗ですね。植えてみたらどうですか?」

(´・ω・`)「僕はなんの取り柄もなくてきうりすらまともに育てられない…だから捨てられたんだ!ほっといてよ!」

(*´・ω・*)「そうですか…でも、すごく綺麗な種だと思います」テクテク

(´・ω・`)「…………」

(´・ω・`)「今までうまく育てられたことないけど…」

ザクッ ザクッ
7:2016/11/09(水)01:37:22 ID:
よろしい続けなさい
8:2016/11/09(水)01:38:51 ID:
ザクッ ザクッ

(´・ω・`;)「土が固い…」

ザクッ ザクッ

(´・ω・`)「こ、こんな感じかな…」

カキーン!

(´・ω・`)「ん?」

彡(^)(^)「オーライ!オーライやでー!」

彡(゚)(゚)「ファ!?」

ズコー!!

(´;ω;`)「あぁ!せっかく耕したのに!一からやり直しだ!」

彡(゚)(゚)「何こんなとこで畑耕してるんや!邪魔やで!」

(´;ω;`)「や、やめて!ごめんなさい!」

彡(゚)(゚)「オラ!フルスイングや!」バキー!

彡(^)(^)「そんなたった一個の種育ててどうするんやって!さ、帰って贔屓の応援するやでー」

(´;ω×`)「うっ…」
10:2016/11/09(水)01:43:09 ID:
ザクッ ザクッ

(´・ω・`;)「やっぱり僕には無理なのかな…」

ザクッ ザクッ

(´・ω・`;)「このまま…野垂れ死ぬんだろうな…」

(*´・ω・*)「………」

(´・ω・`)「また君か…邪魔だよ…」

ザクッ ザクッ

(*´・ω・*)「植える気になったんですね」

(´・ω・`♯)「なんなんだよ!どうせ助ける気もないならあっち行ってよ!」

(*´・ω・*)「そうですね…」テクテク
12:2016/11/09(水)01:49:56 ID:
~次の日~

(´・ω・`)「よ、よし!植えるぞ!」

「待て!」

(´・ω・`)「?」

( ・`ω・´)「そんな耕し方じゃダメだぞ」

(´・ω・`)「だ、誰ですか?」

( ・`ω・´)「真弓だ。名乗るほどの者ではない」

(´・ω・`)「邪魔しないでください!」

( ・`ω・´)「君はどうしてそう人を嫌うんだ?」

(´・ω・`)「だって、あなたも僕のこと面白がってるだけでしょ?」

( ・`ω・´)「………貸せ!」

ザクッ ザクッ

(´・ω・`)「………」
16:2016/11/09(水)01:57:33 ID:
バリバリ名乗ってて草
17:2016/11/09(水)01:58:42 ID:
( ・`ω・´)「よし、植えてみろ!ここからは自分で考えるんだ!じゃあな!」

(´・ω・`)「あ……」

(´・ω・`)「植えてみるか」

ヒョイッ

(´・ω・`)「あ…水」

(´・ω・`)「川はそこにあるけど、汲む物がない」

コロコロ…

(´・ω・`)「ボール?」

(*^◯^*)「お兄さん!そのボール取ってなんだ!」

(´・ω・`)「ボールなんて投げたことないけど…えい!」

ヒュー

(*^◯^*)「うわ!すごいノーコンなんだ!」

(´・ω・`♯)「うるさい!クソガキめ!」

(*^◯^*)「………」

(´・ω・`)「あ……ごめんね…」

(*^◯^*)「いいんだ!それよりお兄さん何してるんだ?」

(´・ω・`)「ここに水をやりたいんだけど汲む物が無くて…」

(*^◯^*)「それならこれ使ってなんだ!お母さんが持たせてくれたペットボトルなんだ!」

「こら!ポジハメ!そんな人に話しかけちゃダメでしょ!」

(*^◯^*)「あ!お母さん!それじゃ、ここ置いとくんだ!」ダッ

(´・ω・`)「あ……」

(´・ω・`)「ありがとう」
18:2016/11/09(水)01:59:50 ID:
切れてて草(素)
19:2016/11/09(水)02:10:59 ID:
~次の日~

チョロチョロチョロ

(´・ω・`)「水はこんなもんでいいのかな」

グーッ

(´・ω・`;)「さすがにお腹が空いたな…」

学生「これ美味いよなー!」

(´・ω・`;)「あ、あの…」

学生「なんだよ!」

(´・ω・`;)「なんでもないです…」

(´・ω・`;)「今まで引きこもってばかりだったから上手く喋れない…」

「これ美味しいなー♪」

(´・ω・`)「?」

(*´・ω・*)「新発売のきうりチキン!美味しいですよ♪」

(´・ω・`)「なんだよ!また僕をバカにしに来たのか?」

(*´・ω・*)「またそうやって怒るんですか?」チラッ

(*´・ω・*)「きうり、ちゃんと育ててるじゃないですか!」

(´・ω・`)「で、でもこれは僕の力でできた訳じゃないし…」

(*´・ω・*)「自分の力できうりすら育てられないことは恥ずかしいことなんですか?」

(´・ω・`)「そりゃそうだろ!」

(*´・ω・*)「そうなんですか…」テクテク

(´・ω・`)「なんなんだよあの子は…そこの裏でおしっこでもしよう」

(´・ω・`)「ん?」

(´・ω・`)「………きうりチキンだ」
21:2016/11/09(水)02:21:30 ID:
~次の日~

チョロチョロチョロ

(´・ω・`)「こんなもんかな…」

( ・`ω・´)「お!ちゃんとやってるな!」

(´・ω・`)「真弓さん」

( ・`ω・´)「うーん…少し水の量を少なくしたほうがいいな」

(´・ω・`)「…………」

( ・`ω・´)「お前今、こんな事してなんになるんだろうって思っただろ」

(´・ω・`)「!!」

( ・`ω・´)「たしかにたった一本のきうりかもしれないが、私にはお前が少したくましくななったように見えるがな」

(´・ω・`)「そんな事ないですよ…現に今も真弓さんに手伝ってもらってるじゃないですか。僕はずっと無能です」

( ・`ω・´)「だがきうりを育てられるようになってきてる…違うか?」

(´・ω・`)「だからそれは…みんなの…」

( ・`ω・´)「よし!メシがあるので私は帰るぞ!」

(´・ω・`)「あ…」
22:2016/11/09(水)02:27:00 ID:
~次の日~

チョロチョロチョロ

(´・ω・`)「こんなもんか」

(*´・ω・*)「うわー!すごい!すっかりプロですね!」

(´・ω・`)「やめてくれよ。きうりのプロってなんの自慢にもならないよ」

(*´・ω・*)「………」

(´・ω・`)「どうしたの?」

(*´・ω・*)「やっと怒らないで話してくれましたね♪」

(´・ω・`)「あ……」

(*´・ω・*)「はい!今日はきうりバーガーです!それじゃ!」テクテク

(´・ω・`)「あ……」

(*´・ω・*)「?」

(´・ω・`)「い、いつもありがとう…」

(*´・ω・*)「…………」

(*´^ω^*)「いいえ♪」
23:2016/11/09(水)02:27:58 ID:
泣けてきた(´;ω;`)
27:2016/11/09(水)02:43:05 ID:
~次の日~

ザーーーーー!!

(´・ω・`)「また雨か…」

(´・ω・`)「このままだときうりが腐っちゃう」

(´・ω・`)「…………」

(*^◯^*)「お母さん!すごい雨なんだー!」

「そうねー」

(*^◯^*)「あ!お兄さん!這いつくばって何やってるんだ!?」

(´・ω・`;)「あ、君は…。きうりが腐っちゃうからね…こうするしか…」

(*^◯^*)「そんなに大事なきうりなんだ?」

(´・ω・`;)「う、うん…これはみんなの…」

(*^◯^*)「これ使ってなんだ!」

(´・ω・`;)「傘…で、でも…」

「こら!相手しちゃダメだって言ったでしょ!」

(*^◯^*)「お母さん!けど…」

(´・ω・`;)「いんだよ…ありがとう」

ザーーーーー!!

(´・ω・`;)「さ、寒い…」

ヒラッ

(´・ω・`;)「え?橋の上から傘が降ってきた…」

(*^◯^*)「…………」ジーッ

タッタッタッ

「お母さーん!傘が風で飛ばされて失くしちゃったんだー!」

「こら!何してんの!今日は白星無しよ!」

「許してなんだー!」
28:2016/11/09(水)02:47:18 ID:
ミリオンダラーベイビーみたいな感じかな

グッときたわ

29:2016/11/09(水)02:48:04 ID:
>>28
ワイも好きやで
31:2016/11/09(水)02:53:11 ID:
~次の日~

(´・ω・`)「芽が出た!」

カキーン!

彡(^)(^)「オーライ!オーライやでー!」

(´・ω・`)「あ!」

彡(゚)(゚)「ファ!?」ズコー

(´・ω・`)「ご、ごめんなさい!」

彡(゚)(゚)「まだおったんかワレ!今日こそはいなくなってもらうで!」

彡(^)(^)「その前にもう一回この畑を破壊させてもらうでー!」

(´・ω・`;)「だめー!」バキィ!

彡(゚)(゚)「……」

(´×ω •`)「うぅ…」

彡(゚)(゚)「なんでそんなにそのきうりを守るんや?」

(´×ω •`)「こ、これはみんなのきうりだから…」

彡(゚)(゚)「たった一本のきうりやで?」

(´×ω •`)「僕にとってはただのきうりじゃないんです」

彡(゚)(゚)「………」

「おーい!やきう!何してるんだよ!」

彡(^)(^)「おー!糞してたわ!今行くでー!」タッタッタッ

(´×ω •`)「あ、あれ?」
32:2016/11/09(水)02:54:40 ID:
あっ・・・
33:2016/11/09(水)02:56:12 ID:
きうりに肥料を与えようとする人間の鑑
34:2016/11/09(水)03:06:25 ID:
~次の日~

(´・ω・`)「起きたらちょっと臭いけど、どんどん芽が大きくなってる!」

( ・`ω・´)「ん?肥料なんてあったのか?」

(´・ω・`)「わからないです!でもすごい!」

( ・`ω・´)「……どうだ?お前は不幸か?」

(´・ω・`)「あ………」

( ・`ω・´)「何不自由なく家にこもっていた時とどっちが楽しいんだ?」

(´・ω・`)「…………」

( ・`ω・´)「たしかにはたから見ればお前は汚いホームレスで、哀れみの目を向けられるかもしれない。お前も辛いかもしれない。だが、目標を持ったお前は誰よりも輝いている。違うか?」

(´・ω・`)「でも、みんなの助けが無ければ…」

( ・`ω・´)「なぜみんなは助けてくれるんだろうな?」

(´・ω・`)「え…?」

( ・`ω・´)「さーて、帰って風呂でも入るかなー」スタスタ

(´・ω・`)「…………」

(´・ω・`)「なんでだろう…」
35:2016/11/09(水)03:09:35 ID:

37:2016/11/09(水)03:16:12 ID:
名将真弓がいますね・・・
これを監督時代に生かせば・・・(小声)
38:2016/11/09(水)03:17:56 ID:
~次の日~

(´・ω・`)「♪」

(*´・ω・*)「ご機嫌ですね♪」

(´・ω・`)「うん!見て!こんなに芽が大きくなったんだ!」

(*´・ω・*)「うわぁ!すごいですね!」

(´・ω・`)「あ、あんまり僕に近づくと…」

ぷーん

(´・ω・`;)「ご、ごめん。お風呂入ってないから…臭いでしょ?」

(*´・ω・*)「………」

(*´・ω・*)「こっち来てください!」ニギッ

(´・ω・`)「あ…」

バチャバチャ!バチャバチャ!

(*´・ω・*)「これ、私の汗拭きタオルですけど汚くないので」

(´・ω・`)「いいよ!汚れちゃうよ!」

(*´・ω・*)「いいからいいから♪」

バチャバチャ!バチャバチャ!

(´・ω・`)「どうしてそんなに優しくしてくれるの?」

(*´・ω・*)「………」

(*´^ω^*)「なんででしょうね♪」
39:2016/11/09(水)03:27:45 ID:
やさしい世界
42:2016/11/09(水)03:30:51 ID:
~次の日~

(´・ω・`)「み、実ができた!」

(*^◯^*)「おめでとうなんだ!」

( ・`ω・´)「やったな!」

彡(゚)(゚)「お!やるやんけ!」

(´・ω・`)「み、みんな…え?」

(´・ω・`)「真弓さんが呼んだんですか?」

(*^◯^*)「お兄ちゃん、誰に話しかけてるんだ?」

(´・ω・`)「え?」

彡(゚)(゚)「頭おかしくなったんか?」

(´・ω・`)「えー?」

( ・`ω・´)「黙ってて悪かったな、私はこのきうりの魂だ」

(´・ω・`)「えー!?」

( ・`ω・´)「ここまで育ててくれてありがとう」
44:2016/11/09(水)03:32:44 ID:
ファッ!?
45:2016/11/09(水)03:32:50 ID:
実(意味深)
46:2016/11/09(水)03:36:26 ID:
48:2016/11/09(水)03:42:01 ID:
(´・ω・`)「じ、じゃあ僕を助けてくれたのも…」

( ・`ω・´)「まあ、正直自分の為でもあった」

(´・ω・`)「やっぱり…」

( ・`ω・´)「だが、他の人達は正真正銘お前が引き寄せた人達だ」

(´・ω・`)「僕が…」

( ・`ω・´)「笑えるよな。たった一本のきうりを育てるお前を見て、人が助けてくれる。」

(´・ω・`)「………」

( ・`ω・´)「まだ…人に助けてもらう自分は恥ずかしいか?」

(´・ω・`)「正直…なぜ僕なんかをと思っています…」

( ・`ω・´)「それは…」

「一生懸命だからですよ」

(´・ω・`)「原住民ちゃん!」

(*´・ω・*)「私は一生懸命なあなたを見て元気づけられました」

(*^◯^*)「僕も一生懸命な横浜の選手が大好きなんだ!」

彡(^)(^)「ワイもお前のきうりみたいに地味な素振りをやるようになったんやで!」
51:2016/11/09(水)03:55:10 ID:
( ・`ω・´)「やれやれ…出る幕がないな…」

(´;ω;`)「み、みんな…」

( ・`ω・´)「気付いたか?何かに一生懸命な人間は必ず人を惹きつける。そして、お前はきうりを育てるという自分が今できることを精一杯やった。人は必ず大きいことを成し遂げなければならないというわけじゃない。きうりを育てることでも精一杯やればそれはもう大きな事なんだ」

(´;ω;`)「真弓さん…」

( ・`ω・´)「人を惹きつけるお前はもう無能なんかじゃないぞ」

(*´・ω・*)「さ、うちでこのきうりを食べましょう♪」

(*^◯^*)「星型に切ってほしいんだ!」

彡(゚)(゚);(ワイの糞がかかってるなんて言えない…)

( ・`ω・´)「では、ごメンドーサ!」

ポトッ…

END
52:2016/11/09(水)03:58:13 ID:
マユミかっこええな
54:2016/11/09(水)04:12:55 ID:
はじめて書いたからまとまりなくてすまんやで
でも、読んでくれてみんなありがとうやで
53:2016/11/09(水)04:02:54 ID:
泣いた