1:2013/09/20(金) 00:28:58.43 ID:
俺「やり直したい」

俺「何を」

俺「何をってあれだよ」

俺「あれってなんだよ」

俺「あれはあれだよ」

俺「分かんないよ」

俺「お前なら分かるはずだ」

俺「・・・」

俺「・・・」

俺「分からん」

俺「ハァ」


俺「疲れた」俺「俺も」
俺「眠い」俺「俺も」
俺「腹減った」俺「俺も」


4:2013/09/20(金) 00:30:32.99 ID:
俺「今もずっと悔やんでることがあるんだよ」

俺「あぁ」

俺「昔に帰って、やり直したいんだよ」

俺「なるほど」

俺「・・・」

俺「・・・夢の中でさ」

俺「おう」

俺「町のはずれの空き地に切れ目を見つけたんだ」

俺「うん」
6:2013/09/20(金) 00:31:13.88 ID:
俺「そこに行けば何かがありそうな気がするんだ」

俺「うん」

俺「行ってみないか」

俺「・・・」

俺「まぁいいんじゃないか」

俺「ありがとう」

俺「じゃあ今夜に」

俺「今夜に」
7:2013/09/20(金) 00:31:46.11 ID:


俺「」チラッ  チラッ

俺「」ソーッ

俺「」カチャ

俺「」ソーッ

俺「」パタン

俺「・・・」

俺「・・・」

俺「・・・」

俺「大丈夫そうだな」

俺「でも、朝になる前には帰ろう」

俺「バレる前にな」

俺「おう」

俺「ああ」タッ
8:2013/09/20(金) 00:32:46.69 ID:
俺「空き地だ」

俺「空き地だな」

俺「切れ目ってのはどこだ」

俺「どこだっけな」

俺「夢の中ではどこにあったんだ」

俺「確かこの空き地の」

俺「このドカンの中かな」

俺「へぇ」

俺「・・・」

俺「入ってみるか」スッ

俺「入ってみよう」スッ
10:2013/09/20(金) 00:33:16.51 ID:
俺「」ズリッズリッズリッ

俺「」ズリッズリッズリッ

俺「狭いな」

俺「狭いな」

俺「進みづらい」

俺「ドカンだからな」

俺「這って進むのって結構疲れるな」

俺「体が小さければ楽なのかもしれないが」

俺「そろそろ出るぞ」

俺「そろそろ出口か」

俺「あとちょっとだ」

俺「あとちょっと」
11:2013/09/20(金) 00:34:04.36 ID:
俺「ふー」ガバァ

俺「着いた―」ガバァ

俺「・・・」

俺「・・・」

俺「・・・ん?」

俺「・・・ん?」

俺「なんか違う」

俺「なんか違うな」

俺「なんだろう」

俺「なんだろうな」

俺「どこか違うな」

俺「なんとなく違う」
12:2013/09/20(金) 00:34:36.28 ID:
ブロロロロロロ・・・  チリンチリーン

俺「・・・え?」

俺「・・・」

俺「・・・この風景」

俺「・・・」

俺「マジかよ」

俺「まさか」

俺「・・・」

俺「戻ってる・・・?」

俺「昔に・・・?!」
13:2013/09/20(金) 00:35:38.44 ID:
俺「うそだろおい」

俺「マジかよおい」

俺「どうしよう」

俺「どうしよう」

俺「っ・・・戻るぞ」

俺「おっおう」ザッ
14:2013/09/20(金) 00:35:52.77 ID:
またお前か
15:2013/09/20(金) 00:36:13.06 ID:
俺「」ザッザッザッ

俺「」ザッザッザッ

俺「」ザッザッザッ

俺「」ザッザッザッ

俺「」ザッザッザッ

俺「ふー」ガバッ

俺「これで大丈夫だ」
16:2013/09/20(金) 00:36:54.86 ID:
ブロロロロロロ・・・ チリンチリーン

俺「えええぇぇぇぇぇ・・・・」

俺「なんでぇぇ・・・」

俺「帰れねえ・・」

俺「どうしよう」

俺「どうしよう」

俺「やばいな」

俺「やばい」

俺「まずいな」

俺「まずい」

俺「・・とりあえず家に行ってみるか」

俺「おう」
17:2013/09/20(金) 00:37:57.61 ID:
俺「家に着いたな」

俺「あぁ」

俺「でも」

俺「表札が違うよ」

俺「違うな」

俺「ってことは」

俺「ここに引っ越してくる前だから・・・」

俺「10年前か」

俺「そうだな」
18:2013/09/20(金) 00:38:31.53 ID:
俺「この時代に戻って来たってことは理由があるだろ」

俺「理由か」

俺「もう、あれしかないだろ」

俺「あれってなんだよ」

俺「あれはあれだよ」

俺「だからなんだよ」

俺「・・・ほら、昔に帰ってやり直したいって言ってただろ」

俺「・・・あ」

俺「・・・」

俺「・・・それなの?」

俺「・・・それ以外ないだろう」

俺「・・・」

俺「だよなぁ」
19:2013/09/20(金) 00:39:08.44 ID:
俺「やり直したい事ってなんだよ」

俺「分かるだろ」

俺「えーわかんなーい(棒)」

俺「・・・じゃあいい」

俺「ごめんごめん嘘だよ」

俺「なんだったっけ」

俺「だから・・・」

俺「引っ越す前に、あの子に好きだって言えなかったのが心残りだったんだよ」

俺「あぁ・・・それねぇ」
20:2013/09/20(金) 00:39:48.25 ID:
俺「今になって後悔してるんだよ」

俺「なんであの時に言えなかったんだろう」

俺「なんで余計な意地を張っちゃったんだろうってさ」

俺「・・・」

俺「あれからしばらくして連絡を取ろうとしたけど音信不通になってよ」

俺「だからあの頃に帰ればなんとかなるかなと思ったんだよ」

俺「・・・」

俺「・・・そういうことか」

俺「・・・あぁ」
21:2013/09/20(金) 00:40:20.34 ID:
俺「じゃあどうするんだよ」

俺「えっ」

俺「好きって言う方法だよ」

俺「あぁ」

俺「お前がこの時代のその子に言ったら、不審者発生事案になるぞ」

俺「・・・」

俺「そうなったら元も子もないだろ?」

俺「だから、お前がこの時代のお前を説得してけしかけるしかないだろ」

俺「・・・」

俺「それしかないぞ」

俺「・・・」

俺「・・・」

俺「そうだよなぁ・・・」
22:2013/09/20(金) 00:41:30.11 ID:
俺「でもこれからどうする?」

俺「この時住んでたのって○県だよな」

俺「金は持ってきてるけど、今だと電車動いてないしな」

俺「歩いていくのか?」

俺「・・・いや」

俺「今夜はここで泊まろう」

俺「え」

俺「幸いにも、ここには雨をしのげるカプセルホテルがある」

俺「・・・ドカンな」

俺「そうとも言う」

俺「ここで金を得る術は盗みしかないだろ」

俺「だったら必要最小限で押さえるのが得策だろう」

俺「そうだな」
23:2013/09/20(金) 00:42:17.01 ID:
俺「うわぁ冷てぇ」ゴロン

俺「毛布が欲しいな」

俺「でも贅沢は言えないよ」

俺「雨じゃなくて良かったけどさぁ」

俺「・・・あ、あそこに新聞紙がある」

俺「・・・え、マジかよ」

俺「使うの?ホントに?」

俺「風邪引くよりはましだろ」ガバッ

俺「やめろっ」ドサッ
24:2013/09/20(金) 00:42:59.92 ID:
俺「ヤダー新聞紙引くー」ガバッ

俺「駄目だっ」ドサッ

俺「寒いよー」ガバッ

俺「でも駄目だっ」ドサッ

俺「もうさ、じゃんけんで決めようよ」

俺「いいよ」

俺「・・・あ」

俺「お前とジャンケンってなったら右手と左手じゃんけんになるな」

俺「・・・」

俺「・・・」

俺「・・・」

俺「じゃあ靴飛ばしの飛距離で決めよう」ガバッ

俺「よしいいだろう」
25:2013/09/20(金) 00:43:42.85 ID:
俺「へっへっへ~」

俺「・・・」

俺「俺の勝ちー」フフン

俺「と言うわけでおやすみー」ドサッ ガサッ

俺「やだよーホームレスみたいだよー」ガクガク

俺「でも案外あったかいぞ新聞紙」ヌクヌク

俺「・・・」

俺「・・・」

俺「・・・」

俺「・・・けっこう」

俺「いいよな」

俺「」クスッ

俺「」クスッ
26:2013/09/20(金) 00:44:31.42 ID:
チュンチュン

俺「ふあ~ぁ」ノビー

俺「おはよう」

俺「おはよう」

俺「本日は晴天です」

俺「いいですね」

俺「早速、行きましょうか」ガバッ

俺「おう」カポッ トントン スタスタスタ
27:2013/09/20(金) 00:45:07.21 ID:
「白河ー、白河ー、お出口はー左側ーです」

俺「もうすぐだな」

俺「そうだな」

俺「引っ越して以来だな」

俺「10年来の帰郷か」


ガタンゴトン ガッタンゴットン ドッドン ドッドン ドッッドン    フィー プシュー ウィーン
28:2013/09/20(金) 00:45:52.76 ID:
俺「うぁー」

俺「帰って来たー」

俺「じゃあ行こうか」

俺「早目にな」


俺「今何時だ」

俺「10時だな」

俺「じゃあ学校は始まってるな」

俺「どれくらいで着くかな」

俺「バスで1時間くらいか」

俺「そうか」
29:2013/09/20(金) 00:46:38.50 ID:
俺「えーと」

俺「・・・」

俺「うわ・・・」

俺「40分後かよ・・・バス」

俺「どうする」

俺「どうするってお前」

俺「待つっきゃないだろ」

俺「だよなー」
30:2013/09/20(金) 00:47:16.95 ID:
俺「ふぅー」バタン ピピーッ ブロロロロロロロ・・・・

俺「久しぶりだなー」

俺「わが母校」

俺「おっ」

俺「体育は野球か」


ヒュゥッ カキーン タッタッタッタッタッ ズサーッ アウトー

俺「おー」

俺「いいねいいね」パチパチ

俺「」ニコニコ
31:2013/09/20(金) 00:48:15.28 ID:
♪♪~~♪~♪♪~~~♪~~~♪~~


俺「あのさ」

俺「ん?」

俺「なんかこういうのいいよな」

俺「?」

俺「校庭からは活気のある掛け声、校舎からはピアノの伴奏と歌声」

俺「あぁ。そうだなぁ」

俺「ノスタルジックって言うかなんというか」

俺「うんうん」

俺「若いって、いいね~」
33:2013/09/20(金) 00:48:52.60 ID:
警備「・・・おい」

俺「!?」

警備「そこで何してる」


俺「やべっ」ダッ

警備「!・・待てー!!」ダッ
34:2013/09/20(金) 00:49:43.42 ID:
最近流行ってんの?自分と話すss
35:2013/09/20(金) 00:49:54.11 ID:
俺「あっぶねー」ハァハァ

俺「校庭、外から見てたらそれだけで不審者になるのかー」ハァハァ

俺「もうそういう歳になっちゃったんだなぁ」ハァ

俺「悲しいねぇまったく」フゥ

「あの・・・」

俺「あっ!?はい」

「大丈夫ですか?はぁはぁ言ってますけど…」

俺「あぁえぇ、大丈夫ですよ」
36:2013/09/20(金) 00:50:39.01 ID:
俺「おい・・・」

俺「ん?」

俺「ひょっとしてと思うんだけどさ・・・」

俺「あぁ」

俺「もしかしたらこの人さ・・・」

俺「・・・やっぱりそう思う?」

俺「・・・」

俺「・・・」
38:2013/09/20(金) 00:51:10.63 ID:
俺「どうもすいませんね」

「大丈夫ですよ」

俺「急に走って疲れちゃって」

「あ、そうなんですか・・・」

俺「あぁ、申し遅れました」

俺「俺、1って言います」

僕「え!?・・・僕も、1って言います」

俺「・・・」

俺「・・・やっぱりな」

俺「・・・だろうと思ったよ」

俺「若い時の」

俺「俺だな」

俺「お前だな」
39:2013/09/20(金) 00:52:02.62 ID:
僕「奇遇ですね、同じ名前なんて」

俺「あー・・・そうですね」ポリポリ

僕「」

俺「」

俺「これから学校?」

僕「いや、今日はもう終わりです」

僕「6年生はもう授業ないんで」
40:2013/09/20(金) 00:52:28.30 ID:
頭おかちぃ
41:2013/09/20(金) 00:52:39.29 ID:
俺「そうか」

俺「そうだったな」

俺「小学校の卒業と同時に引っ越したから」

俺「・・・」

俺「ねえ1くん」

僕「はい?」

俺「今日何日だっけ」

僕「1…8日です」

俺「3月18日か」

俺「引っ越す3日前か」

俺「・・・」
42:2013/09/20(金) 00:53:32.28 ID:
俺「あのさ」

僕「?」

俺「この近くに泊まれるような場所あるかな」

俺「久しぶりに来たんだけど見つからなくてさ」

僕「この近くには旅館とかないから・・・」

俺「そっか・・・」

僕「・・・」

俺「・・・」
43:2013/09/20(金) 00:54:03.35 ID:
僕「・・・あ、じゃあ、僕の家に来る?」

俺「えっ」

僕「僕の家、部屋余ってるから!」

僕「それに、同じ名前ってのがなんか不思議な感じだし」

俺「・・・いいのかい?」

僕「うん!でも、2日だけだけど、それでもいい・・・?」

俺「・・・あぁ、いいよ」

僕「わかった!じゃあ一緒に帰ろう!」テクテク

俺「あぁ」テクテク
44:2013/09/20(金) 00:54:48.60 ID:
僕「ただいまー!!」ガラガラッ

母「おかえりー」

母「あら?」

俺「あ…どうも」

母「どうも…どちらさまですか・・・?」

僕「あのねお母さん、この人、1って言うんだって!」

母「えっ」

僕「なんかね、旅行に来たみたいなんだけど、泊まるところがなくて困ってたから」

僕「じゃあうちはどう?って聞いて、連れてきたの」

俺「すいません」

母「あぁいえいえ」
45:2013/09/20(金) 00:55:18.32 ID:
僕「・・・だめ・・・?」

母「いえ、いいのよ」

母「わざわざこんな遠いところまで」

母「散らかってますけど、どうぞ」

俺「あっすいません」ヌギヌギ

僕「おかーさーん!おやつはー!?」ヌギヌギ ポイッ タタタ

母「あぁはいはいおやつね・・・」

俺「・・・」
46:2013/09/20(金) 00:56:28.61 ID:
俺「・・・随分若いな」

俺「10年ってのはでかいな」

俺「そうだな」

俺「・・・なんだか、家が狭く感じるな」

俺「前はもっと広い感じがしてたのに」

俺「そりゃそうだろ、背も伸びて体でかくなってんだから」

俺「はは、そうだな」スタスタ
47:2013/09/20(金) 00:57:18.41 ID:
母「お兄さんは、お昼はもう召し上がったんですか?」

俺「あぁ、まだですよお母さん」

母「お、お母さん?」

俺「あっ!ごめんなさい・・・つい」

俺「何だか、実家に帰って来たみたいで…私のお母さんにそっくりだったものですから…」

母「・・・」
48:2013/09/20(金) 00:57:52.58 ID:
母「・・・」クスッ

母「じゃあ、うちにいる間だけ、お母さんだと思って接していただいてもいいんですよ?」

俺「・・・じゃあ、お願いします」

俺「・・・お母さん」テレッ

母「あら」テレッ

僕「おかーさんは僕のだよー!」プクー

母「はいはい、お母さんは1くんのだよ」クスッ

俺「仲がいいんですね」

母「・・・えぇ」ニコッ

母「じゃあお昼にしましょうか」
49:2013/09/20(金) 00:58:37.13 ID:
俺「ごちそうさまでしたー」ゲフッ

僕「兄ちゃんきたなーい!!」キャッキャ

俺「すいません、おいしかったものでつい食べ過ぎちゃって」

母「いいんですよ全然」

母「何だかこうしてると、本当にお兄ちゃんが増えたみたいね」クスッ

僕「だって同じ名前だもんねー」

俺「ねー」

母「あらあら」ニコッ
50:2013/09/20(金) 00:59:16.42 ID:
僕「じゃあ兄ちゃんはこの部屋使ってよ!」

俺「おー」

僕「僕の部屋はとなりだから!ゆっくりしてってね!」ピシャ

俺「ありがとー」

俺「・・・」

俺「・・・」ゴロン

俺「なつかしいな」

俺「・・・そうだなぁ」

俺「・・・この柱の傷もな」

俺「俺がやったんだっけな」

俺「ミニカーぶん投げてな」フフッ

俺「・・・」
51:2013/09/20(金) 00:59:52.04 ID:
俺「・・・帰って来たんだな」

俺「・・・ホントにな」

俺「・・・やり直すんだよな」

俺「でも、それはお前じゃなくて昔のお前だろ」

俺「うん・・・」

俺「・・・」
52:2013/09/20(金) 01:00:28.49 ID:
僕「」ガラッ

僕「」ペラッ

僕「・・・」

僕「・・・」ハァ

僕「あやのちゃん・・・」

俺「よう」

僕「」ビクッ ガラガラ ザッ ガラガラダァン

僕「なっなに・・・?」

俺「今何見てたんだよ~」

僕「なんでもないよ・・・」
53:2013/09/20(金) 01:01:12.19 ID:
俺「へぇ~」

俺「」ガラガラァ!! バッ!!

僕「!!!」

俺「ほっほ~ん」ペラペラ

僕「ちょっ!!かえしてよ!!」ピョンピョン ブンッブンッ

俺「この子好きなのかー?んー?」ニヤニヤ

僕「そんなこと関係ないだろ!!」ピョンピョン

俺「言わないと・・・」

俺「この写真、破っちゃうぞ~~」スッ

僕「ちょちょちょちょちょ!!」

僕「言うから言うから!」

僕「好きだよ!好きだからやめてー!!」ピョンピョン

俺「分かったよ、ほら」ペラッ

僕「もうー・・・」ウルウル
54:2013/09/20(金) 01:01:12.69 ID:
もう一人の僕!
55:2013/09/20(金) 01:02:03.02 ID:
俺「その子、彼氏はいるの?」

僕「いない・・・と思う」

俺「あやのちゃんだっけ」

僕「・・・うん」

俺「告白はしてないの?」

僕「・・・」

僕「・・・」

俺「・・・そっか」

僕「・・・うん」

俺「でも」

俺「引っ越すんでしょ」

僕「!」
56:2013/09/20(金) 01:02:37.12 ID:
俺「言わなくていいの?」

僕「・・・」

俺「3日後、引っ越すんでしょ?」

俺「言わないままお別れしてもいいの?」

僕「・・・」

僕「言えるわけないよ・・・」

俺「どうして?」

僕「・・・だって、恥ずかしいもん・・・」

俺「・・・」

俺「そうだよなぁ」

俺「恥ずかしいよなぁ」

僕「」コク
57:2013/09/20(金) 01:03:17.60 ID:
俺「でもね」

俺「言わないで引っ越したら、この先ずっと後悔すると思うんだ」

僕「・・・」

俺「俺もね、進学する時に離れ離れになっちゃった子がいるんだよ」

僕「・・・」

俺「・・・ずっとずっと好きだったんだけどさ」

俺「周りの目もあるし、振られたらどうしようって怖くなっちゃって」

俺「言えないまま・・・さよならしちゃったんだ」

僕「・・・」

俺「あとになって、あの時ちゃんと好きって言えばよかったって後悔したんだ」

俺「もう一度あの子に会えたら言おうと思ってたんだけど、・・・今日まで会えなくて」

俺「電話もしたんだけど、引っ越しちゃったのかつながらなくなって・・・」

僕「・・・」

俺「・・・ふふっ、何言ってるんだろうな俺」
58:2013/09/20(金) 01:04:24.25 ID:
俺「とにかく、後悔するようなことしちゃだめだよ」

俺「言わないで後悔するのに比べたら、言って後悔した方がいい」

俺「だって・・・好きなんでしょ」

俺「全力を出し切る前に負けを認めるなんて、男らしくない」

俺「どうせなら、思いっきりぶち当たってみればいいじゃん」

僕「・・・」

俺「・・・」

俺「俺が手伝うから」

俺「俺が1くんの告白、サポートする」

僕「・・・」

俺「・・・ね?」

僕「・・・」
59:2013/09/20(金) 01:05:15.21 ID:
僕「・・・わかった」

俺「!」

僕「・・・言うよ」

僕「不安だけど、言う」

俺「・・・そうか」

僕「どうせふられても、引っ越しちゃうんだからどうってことないし」

俺「そうだ、当たって砕けろってやつだ!」

俺「男ならドーンと!」

俺「な!」バシバシ

僕「う、うん」
60:2013/09/20(金) 01:06:28.65 ID:
俺「そうと決まったら」

俺「よくある手で行くぞ」

僕「よくある手って?」

俺「登校中、一人で歩いてるあやのちゃんに、俺が絡む」

俺「そして1くんが俺に絡まれてるあやのちゃんを助ける」

僕「うんうん」

俺「恐怖に怯えていたあやのちゃんのもとに現れたヒーロー1くん!」

俺「あやのちゃんは、悪者から助けてくれた1くんにべた惚れ!」

俺「って作戦だ」キリッ

僕「うんうん!!」

俺「これなら一発でハートゲット出来るぜ!」

僕「いいね!!」

俺「よし、この手で行くぞ」ガシッ

僕「うん!」ガシッ
61:2013/09/20(金) 01:07:16.80 ID:
俺「」スー ハー

俺「行くぞ」

僕「うん」

俺「」スタスタ

あやの「」テクテク

俺「」スタスタスタスタスタスタ

あやの「」ビクッ

俺「ねぇお嬢ちゃん、これからちょっと時間あるかなぁ~?」

あやの「・・・」グイッ


ビービービービービービービービービービー!!!!!!!!!!!!!!!!!!


俺「!!!!!!!」


ナンダナンダ フシンシャカ アイツダアイツ ツカマエローーー

俺「クソッ!!」ダダッ
62:2013/09/20(金) 01:07:51.15 ID:
俺「結婚しよう!」

俺「キャッ嬉しい!」

俺「えんだあああああああああ

俺「いやああああああああああああ」
63:2013/09/20(金) 01:08:01.73 ID:
俺「」ゼーハーゼーハー

僕「何やってんのー?」

俺「まさか・・・ハァ 防犯ベル鳴らされるとは ハァ 思わなかったから ハァ」

僕「作戦失敗だね」シュン

俺「ごめん・・・」

僕「ううん」

僕「じゃあ・・・そろそろ僕学校行くから」

俺「あぁ・・・気を付けて行けよ」

僕「うん」
64:2013/09/20(金) 01:09:01.27 ID:
俺「しっかしこれからどうすっかなぁ・・・」テクテク

俺「・・・」

俺「おっ」

俺「懐かしいなぁ」

俺「駄菓子屋」ガラガラッ

老婆「いらっしゃい」

俺「お、こんちわ」

俺「へぇ」

俺「やっぱりあの時のままだな」

俺「あっ」

俺「これこれ」

俺「お母さんに必死になって頼み込んだ8連装リボルバー」スッ

俺「」チラッ

俺「この年にもなったら余裕で買えちゃうけど・・・」

俺「今の俺には必要ないな」コトッ
65:2013/09/20(金) 01:09:57.94 ID:
俺「おばちゃん、ラムネ頂戴」

老婆「はいよ!」

俺「」チラッ

俺「・・・」

俺「おばちゃん」

俺「あとこれも」

老婆「まいどあり!」

俺「どうも~」ガラガラッ パタン
66:2013/09/20(金) 01:10:34.28 ID:
俺「」ペリペリ

俺「」グッ ・・・・・・プシュ!!

俺「」ゴクゴクゴク カランコロン

俺「・・・やっぱこれだよな」

俺「・・・」

俺「でもやっぱりラムネは、夏飲んだ方がうまいよな」

俺「」ゴクゴクゴクゴク

俺「」プハー
67:2013/09/20(金) 01:11:17.97 ID:
学校

あやの「あれぇ・・・?」

友子「どうしたの?」

あやの「体操着が見つからないの」

友子「誰かー、あやのちゃんの体操着知らなーい?」

シラナーイ シラナイ オレジャナイヨ ミテナイ オレモ ウン ミテナイ


友子「どっかに忘れてきたんじゃない?」

あやの「そうかなぁ・・・」

友子「じゃああたしも一緒に探してあげるよ!」

あやの「ごめんね」

友子「いいよいいよ!じゃあ更衣室からいこ!」

あやの「うん!」


男子「・・・」
68:2013/09/20(金) 01:12:30.17 ID:
空き教室前


僕「」テクテク

僕「」テクテク

僕「・・・?」

僕「」チラッ

男子「・・・」ゴソゴソ

男子「」クンクン

僕「・・・!!!」

男子「」スーハースーハースーハースーハー

僕「・・・・・っ・・・!!!!」
69:2013/09/20(金) 01:13:39.83 ID:
僕「」ガッ

僕「・・・っ」

僕「・・・・っ!!!」プルプル

僕「・・・!」

僕「・・・」パッ

僕「・・・っ」

僕「」ダッ
70:2013/09/20(金) 01:14:26.86 ID:
友子「見つかんなかったね」

友子「・・・でも、体育の授業もうないし、いいんじゃない?」

あやの「・・・・・・うん・・・」

友子「気分転換しよ!」

あやの「え?」

友子「大富豪やろうよ!」

あやの「・・・分かった」

友子「じゃ行こ! ねーねー大富豪やろー!!」タタタ
71:2013/09/20(金) 01:15:19.55 ID:
友子2「9のペアー」ピシ

友子「・・・パス」

友子2「流して、8切りで、7で、あがりー!!」

友子「わぁーん!!また大貧民だよぉ~!!」

あやの「大富豪は渡さないよ~」

友子「よーし、次は勝つぞぉ~!!」

男子「おいおいおーい!」ガァン!!

バラバラバラバラ
72:2013/09/20(金) 01:16:00.11 ID:
あや 友子1 2「あっ!!!!」

男子「学校にトランプ持ってきたら行けないんだぞーー」

友子「ちょっと!危ないでしょ!」

男子「学校に持ち込んじゃいけないもの持ってきてる方が悪いんだよぉぉぉお~~」

あやの「・・・ごめんなさい・・・」

男子「へっへ~」ニヤニヤ
73:2013/09/20(金) 01:16:48.68 ID:
友子2「あんた!いつもいつもあやのに嫌がらせして!」

友子「もう許さない!」ダッ

男子「悔しかったら捕まえてみろーー!!」ヘラヘラ タッタッタ

友子「待てー!!」ダッ

僕「わっ」ドカッ バターン

友子「あっ!ごめん!・・・・・・待てー!!!」タッタッタ

僕「痛ぁ・・・」スック

あやの「大丈夫?1くん・・・」

僕「あ・・・うん・・・大丈夫、だ、よ」
74:2013/09/20(金) 01:17:35.64 ID:
キーンコーンカーンコーン

ジャーネーバイバーイ スタタタタ タッタッタ


俺「よっ」

僕「あ」

俺「迎えに来たよ」

僕「来てくれたんだ」

僕「でもあやのちゃんに見つかったらまずいんじゃ・・・」

俺「通学路はこっちじゃないから大丈夫だろ?」

僕「なんで知ってるの?」

俺「へっ!?」ギクッ

俺「あー、んー、昨日、一人で帰ってきてたろ、だから」

僕「ふーん・・・

僕「まぁいいや、帰ろ」

俺「おう」フゥ
75:2013/09/20(金) 01:18:39.19 ID:
僕「・・・ってことがあってね」

俺「あぁ~…だからあの時あやのちゃん落ち込んでたのか」

僕「えっ?」

俺「んンっ?!いやァなんでもないよ」

僕「それで、男子くんに結局何も言えなかったんだ・・・」

俺「」コホン

俺「・・・1くんよ」

僕「?」

俺「それはな」

僕「うん」

俺「ひっくるめると・・・照れ隠しから来るちょっかいだ」

僕「え?」
76:2013/09/20(金) 01:19:51.48 ID:
俺「小学生の男子に多く見られることでね」

俺「好きな子に関わりたいあまりに、ついついちょっかいを出してしまうんだ」

僕「うん」

俺「好きな子と話したいけど、共通の話題がないと、何を話していいのか分からない」

俺「だから、仕方なくわざとちょっかいを出して、その子の注意をこっちに向けさせたいってことだ」

俺「好きな人のものが欲しくなって、リコーダーをなめたり、体操服を盗んだり・・・」

僕「・・・」

俺「そんなことしたら逆に嫌われるって決まってるのにねぇ」ハァ

僕「そうなんだ~・・・」
77:2013/09/20(金) 01:20:34.08 ID:
俺「1くんとしては、あやのちゃんを守ってあげたいよね?」

僕「う・・・うん!!」

俺「嫌がらせられて困ってるあやのちゃんを、助けてあげたいよね」

僕「うん!!!」

俺「じゃあ、やることは一つだよね!」

僕「僕が・・・」

俺 僕「男子からあやのちゃんを守る!!」

俺「・・・」コクッ

僕「」コクッ
78:2013/09/20(金) 01:21:16.03 ID:
俺「・・・とは言ったものの」ゴロゴロ

俺「どうしたものかね」ゴロゴロ

俺「何か案はあるのか?」

俺「ねえから困ってんだろ」

俺「はぁ・・・」

俺「何かないかね」

俺「何かないかねぇ」ゴロッ

俺「・・・」

俺「・・・」

僕「兄ちゃーん」ガラッ

僕「夕飯できたってー」

俺「おう、わかった」ムクッ
79:2013/09/20(金) 01:21:26.66 ID:
このスレッド怖い
80:2013/09/20(金) 01:21:56.26 ID:
母「さぁさ、どんどん食べてくださいね」

俺「いただきまーす」パンッ

僕「いただきまーす!」パンッ

俺「」パクッ

僕「」パクッ

俺「・・・」

僕「・・・」

俺 僕「うめー!!」

母「あらぁよかった~」
82:2013/09/20(金) 01:22:48.77 ID:
俺「いやあホントうまいっすよお母さん」

母「あらやだもう~」ポッ

僕「なんかすごい豪華だね!」パクパクモグモグ

母「お兄さんが1くんの送り迎えしてくれるし、庭の草むしりもしてくれちゃったから」

俺「いやいや泊めてもらってるんですからそのくらいは」

母「とっても助かっちゃいました~」
83:2013/09/20(金) 01:23:58.60 ID:
俺「あ・・そういえば、あさって引っ越しするんでしたよね」

母「・・・」

母「・・・えぇ」

俺「あの、荷造り手伝いますよ」

母「いや、いいのよ?そこまでしてもらわなくても」

俺「一宿一飯、ひとっ風呂の恩義ですよ」ニコッ

母「じゃあ・・・、少しお願いしちゃおうかしら」

俺「いいですよ!お母さん」

母「頼もしいわぁ~ほんとに」
84:2013/09/20(金) 01:24:46.57 ID:
俺「なぁ1くん」

僕「なにー?」

俺「君にプレゼントがある」

僕「えっ?」

俺「はい、どうぞ」スッ

僕「ありがと・・・何、これ?」

俺「開けてみ」チョンチョン

僕「うん!」ペリッ ペリッ ガサゴソガサゴソ ベリベリベリ

僕「・・・」
85:2013/09/20(金) 01:25:22.88 ID:
僕「・・・これ・・・8連装リボルバー・・・!」

俺「欲しかっただろ?それ」

僕「うん!・・・うん・・!!」

僕「いいの?ほんとに!もらっていいの!?」

俺「おう、お母さんにお願いして、泊めてもらったお礼だ」

僕「」パァァ

僕「やったーーーー!!!やったやったー!!」キャッキャキャッキャ

俺「・・・」ニコニコ
86:2013/09/20(金) 01:25:53.58 ID:
僕「いってきまーす!!」

母「いってらっしゃーい」バタン

俺「・・・」


俺「なあ」

俺「ん?」

俺「あのプレゼント」

俺「単なるプレゼントじゃねえんだろ?」

俺「・・・」

俺「どういう意図があるんだよ」

俺「それはな・・・」
87:2013/09/20(金) 01:26:48.52 ID:
俺「・・・」

俺「もったいぶってねえで教えろよ」

俺「まぁまぁ」

俺「・・・もともと欲しがってたからあげたってのはもちろんある」

俺「昔、俺自身があれを喉から手が出るほど欲しかったしな」

俺「で、で?」

俺「もう一つは、昨日の俺との話にヒントが隠されてる」

俺「え?」

俺「まぁ、気長に待とうぜ」

俺「・・・しょうがねーなー」

俺「・・・そろそろ荷造り手伝いに行くか」

俺「おう」

俺「よいしょっと」スック
88:2013/09/20(金) 01:27:30.47 ID:
オハヨー オハヨー ハヤイネー ザワザワ


あやの「おやよう」

友子「おはよ~」

あやの「おはよう」

僕「! おはよう」

あやの「」ニコ スタスタ

僕「」

男子「・・・」
89:2013/09/20(金) 01:28:13.63 ID:
僕「あっ」ポトッ

あやの「落としたよ」スッ

僕「あっ・・・ありがと」

あやの「」ニコ

僕「」

男子「・・・」
90:2013/09/20(金) 01:28:48.56 ID:
友子「ここどうやるのー?」

僕「えっとね・・・」スラスラ

友子「あー!!あーあーあー!!!」

あやの「すごいね~1くん!」

僕「いやいや」テレ

男子「・・・」
91:2013/09/20(金) 01:29:53.36 ID:
僕「」テクテク

男子「おい」

僕「!」

僕「・・・なに?」

男子「お前、あやのとイチャイチャしてるけどさ」

男子「ホントは」

男子「好きなんじゃねーのー?」

僕「え!?」

男子「前から思ってたんだけど、お前あやの好きだろー」

僕「ちっ違うよ!」

男子「嘘ォだぁ~~~」ニヤニヤ

僕「違うってば!全然そんなことないもん!!」

僕「全然好きじゃないもん!」
92:2013/09/20(金) 01:30:56.53 ID:
バサッ

僕「・・・!」

あやの「・・・1くん・・・」

僕「・・・!!」

あやの「・・・・・・っ」タタッ

僕「や、違うんだ!あやのちゃん!!!」

僕「・・・」

僕「・・・」ウルッ

男子「あーあー」

男子「女子泣かせたーーー」

男子「いーけないんだーいけないんだぁぁーー」

僕「うるさい!!!!」ダッ
93:2013/09/20(金) 01:32:18.76 ID:
キーンコーンカーンコーン

先生「明日は卒業式です」

先生「いつもより登校が早いので、遅れないようにしましょう」

ハーイ

生徒「起立、気を付け、礼」

サヨーナラ

ザワザワザワ ダッダッダ

あやの「・・・」

僕「」

友子「あやの、帰ろ!」

あやの「・・・うん」スタスタ

僕「・・・」

僕「・・・」ガタッ
94:2013/09/20(金) 01:33:11.79 ID:
僕「」テクテク

僕「」テクテク

僕「・・・」

俺「・・・」

俺「よっ」

僕「・・・」
95:2013/09/20(金) 01:33:56.41 ID:
僕「・・・っ」

僕「・・・・ヒック」

僕「・・・・・・ヒック」

俺「・・・」

僕「ウッ・・・・ウッ・・・ウウウウウウウッッッッッ・・・・・」

俺「・・・」

俺「」トンッ

僕「」

俺「・・・」

僕「ウッッッッウウッッゥウッッゥゥッウウゥウウ・・・・・・・・・・!!!!!!!」

俺「・・・」ナデナデ

俺「・・・」

俺「・・・」ナデナデ
97:2013/09/20(金) 01:34:49.56 ID:
俺「・・・」

俺「・・・」

俺「どうしよう」

俺「・・・」

俺「・・・絶望的だな」ドサッ

俺「・・・」

俺「・・・」

俺「・・・あと1日だよ」ゴロン

俺「・・・」

俺「・・・もうだめかなぁ」

俺「・・・」

俺「・・・」

俺「・・・かもな」
98:2013/09/20(金) 01:35:55.90 ID:
母「これと、これは」

母「こっちで」ゴトン

母「衣類は・・・」

母「こっちか」ギュ

俺「皿は全部しまっていいですかー?」

母「お願ーい」

俺「」クルクル スッ クルクル スッ

僕「・・・」

母「あぁちょうどよかった、ちょっと手伝ってくれる?」

僕「・・・」

僕「うん」
99:2013/09/20(金) 01:36:16.09 ID:
見てるぞ
100:2013/09/20(金) 01:36:54.14 ID:
母「これをこっちに入れて・・・っと」ガサッ

母「よし、これで終わりっと」

僕「」フー

母「今日は出前のおうどんでいい?」

俺「いいですね~」

僕「・・・」

俺「それでいいかい?」

僕「・・・うん」
101:2013/09/20(金) 01:38:51.61 ID:
母「」ツルツルツルルッ

俺「」ズルズルズルッズゾゾゾゾゾゾゾ

僕「」チュル チュル チュル

僕「」コトッ

僕「・・・ごちそうさま」スッ

母「もう食べないのー?1くーん?」

僕「」トットットッ・・・・・・・・・

俺「・・・そっとしておいてあげてください」

母「・・・」
103:2013/09/20(金) 01:39:42.31 ID:
俺「隣の部屋ですし」

俺「何かあれば言いますから」

母「・・・分かりました」

俺「じゃあ風呂に入ってきますけど、出たらお湯抜いて洗っておきますね」

母「いいかしら?」

俺「はい。今夜で最後ですから」

母「ちょっと名残惜しくなるわね」

俺「・・・そうですねぇ」
104:2013/09/20(金) 01:40:26.77 ID:
僕「」カチャカチャ

僕「」

僕「」チャキッ

僕「・・・」

僕「・・・はぁ・・・」コト

僕「」

僕「」

僕「おやすみ・・・」パチッ
105:2013/09/20(金) 01:41:27.96 ID:
チュンチュン チュンチュン

俺「お母さん、今日までありがとうございました」

母「い~え~」

俺「おかげさまで楽しい旅行になりましたよ」

母「こちらこそとても楽しかったです~」

俺「料理もとてもおいしかったです!」

母「あらあら、嬉しいわぁ」

俺「あははは・・・」
107:2013/09/20(金) 01:42:10.27 ID:
俺「じゃあ、1くん送ってから帰りますので」

母「はい、お願いしますね」

俺「ホント、助かりました」

母「・・・またいらしてね」

俺「・・・」

俺「・・・いつか、必ずまた来ますよ」ニコッ

俺「じゃあ」ガラッ

俺「行こうか」

僕「・・・うん」

俺「」ペコリ

母「気を付けてくださいね」

俺「はい。ありがとうございました」ニコ
108:2013/09/20(金) 01:42:59.38 ID:
俺「」テクテク

僕「」テクテク

俺「卒業式だな」

僕「・・・」

僕「うん」

俺「・・・」

僕「・・・」

俺「・・・雲一つない青空だな」

僕「・・・」

僕「うん」

俺「・・・」
109:2013/09/20(金) 01:43:57.90 ID:
俺「この3日間、とても楽しかったよ」

僕「・・・」

俺「1くんは、俺と過ごしてどうだった?」

僕「・・・」

僕「楽しかった」

俺「・・・そか」

俺「・・・」
110:2013/09/20(金) 01:44:29.95 ID:
俺「・・・大事にしてくれよな」

僕「・・・もちろん」

僕「ずっと欲しかったんだもん」

僕「・・・兄ちゃんにもらったんだから、なおさら」

俺「・・・」

僕「宝物にするよ」

俺「・・・」

俺「おう」ワシワシ

僕「」テレ
111:2013/09/20(金) 01:45:14.08 ID:
トモダーチハイイモンダー イイタイコトガイエルンダー
カナシイートキハ ハゲマシアオウ ココロハー ヒトツサー
オトナニー ナーッテモー ワスレハシーナーイー
ユメヲーダイジニー キミートーススモウー
ミンナハヒトリノターメニー ヒトリハミンナノターメニー
ミンナハヒトリノターメニー ヒトリノターメーニー

教頭「以上を持ちまして、第28回山中小学校卒業式を終了致します」

教頭「卒業生が退場いたします 盛大な拍手をお願いいたします」

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

僕「」テクテク

あやの「」テクテク

友子「」テクテク

男子「」テクテク
112:2013/09/20(金) 01:46:20.47 ID:
ザワザワザワ

ハイミンナヨッテー ハイ チーズ カチャ

コレカラミンナドウスルー アソビイコウヨー イイナー オレモー


僕「・・・」

俺「よっ」

僕「・・・帰ったんじゃなかったの」

俺「いやいや、晴れ姿を見届けずには帰れないだろ」

僕「・・・」

俺「かっこよかったよ」

僕「・・・そうかな」

俺「うん」

俺「かっこよかった」

僕「・・・うん」ニコッ
113:2013/09/20(金) 01:47:14.92 ID:
俺「これからどうする」

僕「どうしようかな」

俺「じゃあこれから隣町まで行って、おいしいものでも食うか」

僕「え!いいの!?」

俺「おう、お祝いだからな」

僕「やーったー」キャッキャッ


あやの「―――――」

男子「―――――――」


僕「・・・ちょっと待って」

俺「ん?」

僕「・・・」
114:2013/09/20(金) 01:48:06.53 ID:
僕「・・・」

僕「・・・行ってきていい?」

俺「・・・」

俺「おう」

俺「行って来い」トンッ

僕「」コク タッタッタッタ
115:2013/09/20(金) 01:48:46.02 ID:
あやの「・・・」

男子「・・・」

あやの「何?こんなところに呼び出して・・・」

男子「あ・・・・・・・・・あの・・・・・・さ」

あやの「うん・・・・・・」
116:2013/09/20(金) 01:49:31.12 ID:
男子「俺、・・・お前のこと好きなんだ!!」

あやの「・・・・・・・・・えっ!?」

男子「俺と・・・付き合ってくれ!!!」スッ!

あやの「・・・・・・・・・・・・」

あやの「・・・・・・・・・ごめんなさい」

男子「・・・・・・えっ?」

あやの「私、男子君の事、好きじゃない・・・・・・」

男子「なんで・・・・・・?」
117:2013/09/20(金) 01:50:08.54 ID:
あやの「だって男子君、・・・私たちにさんざん嫌がらせしてきたでしょ!」

あやの「友子ちゃんだって・・・何度も泣いてたの、覚えてるでしょ!」

男子「いや、それはお前が好きだったかr」

あやの「そんな言い訳聞きたくない!!」

男子「聞いてくれよ!俺はずっと前から」ガシッ

あやの「いやっ!離して!」ドンッ

男子「」ドタッ!!!
119:2013/09/20(金) 01:56:38.74 ID:
はよ
120:2013/09/20(金) 01:58:53.17 ID:
さるさんです。
しばらくお待ちください.....
121:2013/09/20(金) 02:00:32.06 ID:
男子「・・・・痛った・・・・・!」

男子「・・・・・・・・・もう許さない」

男子「ずっと好きだったのに・・・・・・」

男子「こんなに好きだったのに・・・・・・・・・」

男子「叶わないんだったら・・・・・・」ムクッ

男子「こうしてやる・・・・・・!!!!!!」ガシッ!!!!!

あやの「いやっ!やめて!やだっ!!!」

男子「うるせえな!!!フッたのはお前だろ!!!!」

男子「どうせ付き合えないんだったら・・・・・・」

男子「こうなったらもう・・・フフフ・・・・・・!!」

あやの「いや!離して!いやだ!!やめて!!!誰か―!!」

男子「大きい声出すんじゃねえよ!!!!」


パァァァァァン!!!!!!!!!
123:2013/09/20(金) 02:01:36.29 ID:
男子「痛ってぇぇぇぇぇぇぇえぇ!!!!」

あやの「!?」

あやの「・・・」

僕「・・・」

あやの「1くん!?」

僕「・・・」
124:2013/09/20(金) 02:02:32.71 ID:
男子「なんなんだよォ・・・・・・・・・」

男子「いっつもいっつも邪魔しやがってよォ・・・・・・・・・!!!!」

僕「それ以上、あやのちゃんに悪いことするな」チャキ

男子「なんだよ・・・・・・」

僕「・・・」コッキン

男子「・・・・・・」

僕「・・・」

僕「またあやのちゃんにいじわるしたら、撃つよ」スッ

男子「・・・・・・・・・」

男子「・・・・・・・・・っ!!」ダッ

タッタッタッタッタ・・・・・・・・・・
125:2013/09/20(金) 02:03:31.41 ID:
僕「・・・・・・」

僕「・・・・・・」

僕「・・・はぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・」ズルッ ドタッ

あやの「1くん!!!!」ガバッ
126:2013/09/20(金) 02:03:47.90 ID:
支援
127:2013/09/20(金) 02:04:17.81 ID:
僕「・・・怖かったぁ・・・」ハァハァ

あやの「1くん・・・・助けに来てくれたの・・・?」

僕「・・・・・・・・・うん」

あやの「・・・」

僕「・・・」

あやの「ありがとう」

あやの「・・・」

あやの「私・・・・・・・・・すごい怖かった」

僕「・・・・・・・・・ごめん」
128:2013/09/20(金) 02:05:10.71 ID:
あやの「いいの、助けに来てくれただけで、もう十ぶ・・・」

僕「違うんだ」

あやの「・・・?」

僕「謝りたいのは、それじゃない・・・」

僕「・・・」

僕「この前僕、あやのちゃんの事、全然好きじゃないって言ってたでしょ・・・?」

あやの「・・・」
129:2013/09/20(金) 02:05:57.30 ID:
僕「あれ・・・嘘なんだ」

あやの「!!」

僕「僕・・・僕・・・」

僕「・・・・・・・・・あやのちゃんが好きなんだ!!!!」

あやの「・・・・・・!!!」

僕「好きってあやのちゃんにバレたら・・・嫌われちゃうんじゃないかと思って・・・」

僕「だから・・・」

あやの「・・・」
130:2013/09/20(金) 02:06:50.54 ID:
僕「・・・」

僕「・・・」

僕「・・・僕、今日、引っ越すんだ」

あやの「!!!!」

僕「最後の最後になっちゃったけど」

僕「ずっとずっと前から、あやのちゃんのことが好きでした!」

僕「よかったら・・・」ペラ

僕「・・・」

僕「引っ越しても、電話してくれませんか・・・?!」スッ!!

あやの「・・・」
131:2013/09/20(金) 02:07:36.36 ID:
見てるぞい
132:2013/09/20(金) 02:07:51.43 ID:
僕「・・・」

あやの「・・・」

僕「・・・」

あやの「・・・・・・よろこんで」ポロッ

僕「!!」

あやの「・・・・・・」ウルウル

僕「・・・」ウルッ

あやの「わたしも、1くんのことが・・・・・・好きだよ」ニコッ

僕「・・・」

僕「・・・」ニコッ ポロッ
134:2013/09/20(金) 02:08:57.18 ID:
俺「・・・」

俺「・・・ここまででいいか」

僕「うん、もう大丈夫」

俺「そうか」

俺「・・・でもお前、学校にまでピストル持ってくことないだろ」

僕「だって、・・・兄ちゃんにもらった宝物だもん」

僕「ずっと肌身離さず持ってたいもん」ギュ

俺「・・・でも、やたら人に向けてで撃つなよ、BB弾でもめっちゃ痛いから」

僕「うん、男子君、めっちゃ痛がってた」

俺「・・・」

僕「・・・」

俺「」プッ

僕「」プッ

俺 僕「あっはっはっはっはっは・・・・・・・・・!!!!」
135:2013/09/20(金) 02:11:48.03 ID:
僕「また会えるかな」

俺「・・・どうだろうな」ニコッ

僕「・・・」

僕「僕、いつでも待ってるから!」

僕「もしまたこっちに来た時はぜひうちに泊まっていってよ!」

僕「そしたら、また一緒に遊ぼ!ね!」

俺「・・・あぁ」
136:2013/09/20(金) 02:14:23.01 ID:
1バンセンニ ノボリレッシャ キュウコウガ マイリマス
ハクセンノ ウチガワニサガッテ オマチクダサイ

俺「・・・そろそろ行くよ」

僕「・・・うん」

俺「これから、大事にしてくれよ」

僕「うん!」ギュ

俺「・・・」

俺「・・・それもだけど」

僕「?」
137:2013/09/20(金) 02:15:41.20 ID:
しえ
138:2013/09/20(金) 02:17:20.72 ID:
俺「・・・あやのちゃんの事もね」

僕「」ボッ///

俺「大事にしてくれよ?」

僕「・・・もちろん!」

俺「・・・じゃ、頑張れよ」

僕「・・・うん」コク


ドアガ シマリマス ゴチュウイクダサイ

プシュー ドゥン ドン ガッタンゴットン ガッタンゴットン ガタンゴトン ガタンゴトン ガタンゴトン・・・・・・・・・
139:2013/09/20(金) 02:18:57.96 ID:
俺「・・・」

俺「・・・」

俺「・・・これで終わったな」

俺「・・・全部終わったな」

俺「どうだ、今の気分は」

俺「・・・すっきりしたような感じがするよ」

俺「だな」

俺「これからはまっすぐ帰るだけだな」

俺「あのドカンに戻ったら、帰れるのかな」

俺「・・・」
140:2013/09/20(金) 02:20:08.05 ID:
俺「・・・」

俺「帰れるさ」

俺「・・・」

俺「・・・」

俺「きっと」

俺「・・・」

タタン タタン タタン タタン タタン・・・・・・・・・
141:2013/09/20(金) 02:20:36.55 ID:
現代――――


夫「ただいまー」

幼女「パパーおかえぃー」

夫「ただいまー」チュッ

幼女「えへへ///」

幼女「ねぇ~パパぁ~」

夫「お~どうしたの~」

幼女「なぁに~これ~」

夫「あっ!だめだよ~こんなの出してきたら~」

幼女「なぁに~ねぇ~ぇ~なぁに~これ~」ブンブン
143:2013/09/20(金) 02:26:15.36 ID:
妻「なに~?どうしたの~」パタパタ

夫「いやいや、幼女ちゃんがさ、これ出してきちゃって」カチャ

妻「あら!」

夫「ずいぶん懐かしいものを見つけてきたな~」ハハハ

妻「これねぇ~・・・」カチャ


夫「・・・・・・・・・これのおかげで、一緒になれたんだよな」

妻「ふふ、そうね」ニコッ
144:2013/09/20(金) 02:27:09.54 ID:
夫「・・・」

夫「なあ、妻」

妻「なぁに?」

夫「・・・・・・今度さ、行きたい場所があるんだ」

妻「・・・私も」

夫「えっ?」

妻「私も、あなたと行きたい場所、あるんだ」ニコッ

                                                ―完―
145:2013/09/20(金) 02:30:43.91 ID:
おつかれ
146:2013/09/20(金) 02:31:21.03 ID:
どうも。作者のオレオです。
突然のさるさんに見舞われましたが、何とか書き終えることが出来ました。
本当に安心しました。ご迷惑をおかけしました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

以下作品リスト

俺「疲れた」俺「俺も」
http://www.2monkeys.jp/archives/46921225.html

俺「眠い」俺「俺も」

http://www.2monkeys.jp/archives/47242910.html

俺「腹減った」俺「俺も」

http://www.2monkeys.jp/archives/48005569.html 

俺「憎い」俺「俺も」

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1379518111/

147:2013/09/20(金) 02:36:17.46 ID:

148:2013/09/20(金) 02:39:23.49 ID:
おつ!
元スレ: