1:2008/10/04(土) 22:58:24.96 ID:
原作との違い、ストーリーの矛盾などは目を瞑っていただけるとありがたいです

物語の一番最初からの話の修正版から投下していきますのでご了承ください

2:2008/10/04(土) 23:00:25.50 ID:
?「ドラミ、21世紀の例の時代で、小規模な亜空間の発生が観測された」

ドラミ「ということは、遂にあの時代に……」

?「ああ、多分そういうことだ。ものがものだ、大事になるぞ、そして」

?「お前はあいつに報告、計画を実行に移すことを伝えろ、実行期間は明日より一週間、いいな」

ドラミ「……わかりました」
3:2008/10/04(土) 23:01:56.94 ID:
野比家

のびた「いい加減にしろ!さっさと僕の見たい番組見せてくれよ!」

ドラえもん「いいじゃないか!ワールドキャットショーなんて最高の番組、一年に一回しかないんだぞ!君は僕に見せるべきだ!」

のびた「なんだと!僕は毎週欠かさずつばさちゃん主演のドラマを見てるんだぞ!

今週なんて一番盛り上がってるところだ!君こそ僕に見せるべきだよ!」

ドラえもん「僕はひかないぞ!ほら見ろよ!

今出てる猫なんて最高にかわいいじゃないか……あぁ、いい……!君は宿題でもしてろ!」

のびた「宿題が終わったからテレビ見ようとしてるんだぞ!おい、いい加減にしろよ……!」




のびた「ドラえもーん!!!!」

4:2008/10/04(土) 23:02:54.42 ID:
 
   ドラえもん長編  のびた中学生編
5:2008/10/04(土) 23:03:56.53 ID:
待ってたよ
6:2008/10/04(土) 23:04:15.31 ID:
ジャイアン「もうすぐ夏休みだね、スネオ君」

スネオ「そうだね、もうすぐ夏休みだねえ、ジャイアン」

のびた「……なんで二人ともこっちを見るのさ」

ジャイアン「いやぁ別に?ただのびた君は今年の夏は楽しいことになりそうだと思ってね

スネオ「のびた君にはどこでも連れて行ってくれるやさしいロボットがいるからうらやましいなぁと思ってね」

ニヤニヤ笑いの二人、こんな時、二人がどんなことを言ってくるのかは僕は大抵知っている。
7:2008/10/04(土) 23:04:36.73 ID:
なあなあこの映画おもしろいん?
8:2008/10/04(土) 23:05:39.72 ID:
のびた「……スネオの別荘にでもいけばいいじゃないか」

スネオ「ああ、それもいい」

ジャイアン「しかし僕らは健全な男子だ」

ジャイアン・スネオ「「女の子と楽しい夏休みを過ごしたい!」」

のびた「出たよ……」

最近ジャイアン達はやたらと女の子のことを話題にだす。考えてみれば無理もない、

僕らは中学二年生、青春ど真ん中、思春期まっしぐらなのだから。

のびた「それはいいとしてなんで僕に言うのさ?」

ジャイアン「いい質問だな!」
9:2008/10/04(土) 23:07:21.25 ID:
スネオ「しかしわかりきったことだろのびた!」


ジャイアン・スネオ「「ドラえもんの道具で女の子と仲良くなりたい!」」

出たよ、二人ともこういうことに関してはドラえもんを頼るんだから

のびた「二人ともちょっとは自分で努力しなよ」

ジャイアン「おめーに言われたくねーぜのびた!いつも、どらちゃーん!!とか言って泣きついてるくせに!」

のびた「いつの話だよ……」

小学校のころの話だ、あのころはよく二人に泣かされてたっけ……

スネオ「そんなこと言ったってのびただって青春したいだろ?」

その言葉に、僕の気持ちが揺らいだ。
10:2008/10/04(土) 23:08:27.26 ID:
確かに僕にはしずかちゃんという未来の結婚相手がいる。それでも、だ。浮気というわけでもなく、しずかちゃんが嫌いというわけでは全然なく、僕はもう少しいろんな女の子と仲良くなってみたい、とは常々考えていた。


のびた「……たぶん怒られるけど一応言ってみるよ」

ジャイアン「おお、心の友よ!ドゥフフ……」
スネオ「さすがのびちゃん!ぬふふ……」
のびた「そりゃ僕だって彼女ほしいし。フヒヒ……」

しずか「なんの話?」
11:2008/10/04(土) 23:10:03.61 ID:
ジャイアン「げえっ!しずかちゃん!いつの間に!?」

なんてこった、しずかちゃんの登場だ、

このままでは僕らの計画が破綻することになる!それはなんとしても避けたい!

のびた「こここ、これはねしずかちゃん!」
しずか「あ、わかった」

しずか「毎年恒例の夏休みの旅行計画ね!?」

のび・すね・じゃい(終わった……)
12:2008/10/04(土) 23:10:44.47 ID:
期待age
13:2008/10/04(土) 23:11:17.61 ID:
しずか「これからドラちゃんと相談して本格的な計画立てるんでしょ?私も手伝うわ!」

のび・すね・じゃい(グッバイ、俺たちの性春の夏……)

しずか「あ、今年はちょっと人数増やしてみない?」


のび「……え?」

スネオ「それって……?」

しずか「私の友達も誘ってみていいかしら?」

ジャイアン「……つまり?」

しずか「だから、女の子もちょっと誘っていいかなって」

のびた・スネオ・ジャイアン「……」

しずか「ダメかな、やっぱり」

のびた・スネオ・ジャイアン(来たぜ俺たちの性春の夏!!!!)
14:2008/10/04(土) 23:13:18.95 ID:
のびた「全然いいよ!?」
ジャイアン「むしろウェルダンだぜ!」
スネオ「ジャイアン、ウェルカムだよ!僕も構わないよ!?」

しずか「よかった!」
しずか「じゃあ出木杉さんも誘いましょ!」

のびた(……でき……すぎ?)
ジャイアン(成績優秀、スポーツ万能)
スネオ(廊下ですれ違うたびキャーキャー言われる人気ナンバーワンの出木杉?)

のび・すね・じゃい(グッバイ、俺たちの性春の夏……)

出木杉に女の子は全員とられる、あぁ、悲しきかな、僕らの計画は失敗に終わりそうだった。
15:2008/10/04(土) 23:14:24.00 ID:
野比家 のび太の部屋

のびた「聞いてるかいドラえもん」
ドラえもん「何回も聞いたよ、みんなで夏休みに遊びたいんだろ?夏休みくらい好きな道具貸すし、なんとかしてやるよ」
のびた「うん……悪いな……でも」
ドラえもん「?」

のびた「出木杉も誘うってことはしずかちゃん、やっぱりあいつのこと好きなのかな?」

ドラえもん「……」

のびた「僕は本当にしずかちゃんと結婚できるのかな……」

ドラえもん「……弱気になるなよ、ほらもう寝ようよ。電気消すぞ」

のびた「……うん」

パチッ
16:2008/10/04(土) 23:15:29.99 ID:
ドラえもん「のびた君、明日は家にあんまり早く帰ってこないでね」
のびた「どうして?」
ドラえもん「察してくれよ、僕も男だぜ」
のびた「ミーちゃんと遊ぶのか……生意気だぞロボットのくせに」
ドラえもん「中学生に生意気呼ばわりされたくないな」
のびた「年は大して変わらないぞ!」
ドラえもん「精神年齢的にぼくの方が上さ!」
のびた「なんだよエロ猫のくせに!」
ドラえもん「黙れこの思春期まっしぐら!」

「このデブ!」「なんだとメガネ!」「なんだと!?君は今全世界のメガネを敵に回したぞ!」「かかってこいよ!そのレンズ叩き割ってやる!」「タヌキのくせにセリフが物騒だぞ!」「た、タヌキ!?それを言っちゃあおしまいだよ!」


このとき僕はまだ思っていたんだ。

いつも通りの楽しい夏休みが来る。

根拠なんてなかったのに。
17:2008/10/04(土) 23:17:09.08 ID:
次の日 のび太の部屋

ガララ……バタン

ドラえもん「やあ」
ドラミ「お久しぶりです。お元気そうでなによりです」
ドラえもん「……で、用件は?」
ドラミ「……そっけないですね……ついに奴らの活動が確認されました」
ドラえもん「……そうか、遂に……来たか」
ドラミ「あなたには任務を次の段階に進めてもらいます」
ドラえもん「……どうしても、か?」
ドラミ「……はい」
18:2008/10/04(土) 23:18:09.63 ID:
ドラえもん「いつまでだい?」
ドラミ「遅くとも一週間以内……」
ドラえもん「はは、ずいぶん早いんだな……」
ドラミ「すみません……」
ドラえもん「君が謝ることじゃないし、謝ったところでどうにもならない」
ドラミ「……」
ドラえもん「僕はこのためにこの時代に来たんだ。そうさ、むしろ『おめでとう』って言ってほしいな」
ドラミ「……よろしくお願いします」
ドラえもん「ああ、ヘマはしないさ」
ドラミ「……ではまた来ます」
ドラえもん「……ああ」

ガララ……バタン

ドラえもん「うれしく思うはずなのに、なんで涙が出るのかね、おかしいなあ、僕はロボットなのに」


ドラミ「ごめんね……お兄ちゃん……ほんとに……」
19:2008/10/04(土) 23:19:32.02 ID:
数時間後、居間

テレビ『……警察官二名が何者かに襲われ意識不明の重体になっており、警察では現在……』

のびた「うわ、この近くじゃないか……なんか怖いねえ」
ドラえもん「……!」
のびた「ドラえもん?」
ドラえもん「……ん?どうしたの?」
のびた「どうしたのじゃないよ、なんか変だよ?さっきからぼーっとして」
ドラえもん「……風邪でも引いたのかな」
のびた「ロボットなのにか?」
ドラえもん「僕くらい高性能になると風邪も引くのさ」
のびた「ははっ変なロボットだな」
ドラえもん「変人の君に言われたくないよ……先に寝るよ」
のびた「うん、おやすみ……って変人とか言うなよ人聞きの悪い!」

とことことこ

ドラえもん(本当、変なロボットだな僕は……)
20:2008/10/04(土) 23:21:28.15 ID:
次の日 学校

キーンコーンカーンコーン

今日の授業が終わった

ジャイアン「あー終わった終わった!明日は終業式だから授業少ないし、今日は遊べるな!」

のびた「よく言うよ、毎日がホリデイみたいなことしてるくせに」

ジャイアンは一年生の頃野球部に入っていたが、二年になってからは辞めてしまい、

それ以来放課後は僕やスネオと遊びまくっている。

でも野球自体は辞めていないようで、休みには草野球をしていることもある。
21:2008/10/04(土) 23:23:00.23 ID:
ジャイアン「俺はお前と違って店番あんの!」
スネオ「なんだよ・・・昨日僕にやらせて再放送ドラマみてたくせに・・・ブタゴリラめ」
ジャイアン「なにか言ったかねスネオ君?」
スネオ「何も言ってないよ」
ジャイアン「このキツネ野郎!!」
スネオ「聞こえてるじゃないか……!ぎゃああ!!間接!決まってる!!そっちには曲がらないいいぃ!!」

はる夫「でたーー!ジャイアンの四十八の関節技の一つ!ストレートアームバーだー!」
安雄「スネオー!肘を返させるなーっ!」

安雄とはる夫も同じ中学だ、ジャイアン達程ではないけど、気軽に話せる友達だ。

ジャイアン「いいやっ限界だ!返すね!!」
スネオ「ぎゃあああああぁぁ!!」
やす・はる・のび「す、スネオォォー!!」

スネオだってジャイアンだって本気じゃない。これが僕らの日常なんだ。

騒がしいようでささやかな、退屈なようで楽しい。そんな毎日が僕らの日常なんだ。
23:2008/10/04(土) 23:24:52.86 ID:
放課後 美術室

のびた「よう」
出木杉「やあのびた君、今日は部活に出るんだね!よかったよ」
のびた「僕だってそんなに来てないわけじゃないぞ」
出木杉「うん、わかってるよ。ただ今日はミーティングがあるからさ」

僕は中学校で美術部に入っている。小学校のころは絵が下手糞であんまり好きじゃなかったけど、

中学校に入ってからなんだかわからないけど少し絵が上手くなって好きになってきた。父さんに似たのだろうか。

のびた「しかし出木杉は真面目だな、毎日部活に出てるんだから……火曜と木曜だけでればいいじゃないか」
出木杉「はは……なんだかさ、絵描いてるのが好きなんだよ、落ち着くんだ。のびた君もそうだろ?」
のびた「……まあ嫌いじゃないさ」

出木杉も一緒の美術部だ。

同じ小学校で美術部にはいっているのは僕と出木杉だけだ。だから必然的に小学校の時よりも仲良くなった。
24:2008/10/04(土) 23:26:26.57 ID:
のびた「ところでさぁ」
出木杉「なんだい?」

のびた「今年の夏休みみんなで旅行でも行かないか?」

出木杉「へえ!嬉しいな!誰が来るんだい?」

のびた「僕にジャイアンにスネオだろ?それにしずかちゃんとその友達……だれかはわかんないんだけどさ」
出木杉「楽しそうじゃないか!是非僕も行かせてくれよ!」
のびた「あぁ、いいよ。……しずかちゃんが来てほしいって言ってたし」
出木杉「しずかちゃんが……?」
のびた「どうしたんだ?」
出木杉「……いや、なんでもないよ」
25:2008/10/04(土) 23:27:34.04 ID:
一瞬出木杉が不思議そうな顔をしていた気がする。

出木杉「そう言えばさ……のびた君」
のびた「?」

出木杉「昨日の魔女っ子メロンちゃん観たかい!?凄く面白くてさ!!」
のびた「……悪い、見てない」
出木杉「そう……面白いんだよ!今度観てみなって!」
のびた「あ、あぁ」

出木杉がアニメ好きだってことも、仲良くならなければわからなかったことだ。アニメについて話すときの出木杉の目は普段見たことがないくらい輝いている。

26:2008/10/04(土) 23:28:10.71 ID:
支援
27:2008/10/04(土) 23:29:01.51 ID:
帰り道 本屋

僕は本屋に立ち寄っていた。僕もドラえもんも大好きなフニャコフニャオ先生の最新作の発売日なんだ、買わないわけがない。

?「おい野比?野比じゃないか?」

のびた「あれ……先生じゃないですか!お久しぶりです!」

声をかけてきたのは小学校の時の恩師だ。懐かしい。最近は会っていなかった。

先生「いやぁ大きくなったな!見違えたぞ!」
のびた「ははは、そんなことないですよ、先生はおかわりないですね」
先生「ははは!……そうだ野比、これから私の家で少しお茶でもどうかね?ちょうどもらったお菓子があるんだ」
のびた「お菓子!?はい、じゃあ寄らせてもらいます!」
先生「ふふ、……君はかわっとらんな」
28:2008/10/04(土) 23:30:15.20 ID:
先生の家

僕は中学生活のことを話した。同じ小学校のみんなのこと、絵が好きになって部活をしていること。勉強のこと……先生は笑って聞いてくれていた。

先生「……なあ、野比。少し話があるんだ」
のびた「なんです?」
先生「私のクラスの子にな、いつも一人でいる子がいてな。その子に理由を聞いてみても教えてくれないんだが……一つ質問されたんだよ」

先生「なんで人は生きるんですか?……ってな」

先生「最近の小学生は難しいことを考えるんだなぁ、とつい思ってしまってなぁ……野比、君ならどう答える?」
のびた「うーん……」
先生「あんまり考えなくてもいいんだぞ」
29:2008/10/04(土) 23:31:29.99 ID:
のびた「……わかりません、そんなの」
のびた「そんなこと、真面目に考えたことありませんでした」

先生「……」
のびた「あ、やっぱり……駄目ですか?」
先生「ふふふ……いいや、野比。それが正解だ」 
のびた「え?」
先生「考えても仕方がないんだよそんなことは。考えても答えは出ない。そんなことを考えるのは時間の無駄だ……野比、私が昔君に話した『目はなぜ前についているのか』というのを覚えているのか?」

のびた「もちろんですよ!前を向いて前へ前へと進むためです。くだらない失敗などで落ち込まずに!」

この言葉は僕の大好きな言葉になっていた。先生の言葉で一番感動した言葉でもある。忘れるはずがない。
30:2008/10/04(土) 23:32:41.62 ID:
先生「つまりはそういうことさ、なぜ生きるのかなんて死んだ時にでもわかる、その時まではわからない。だから野比、前へ前へと進みなさい。少年時代はそれが正しい」

のびた「……なんで先生はその話を僕に?」

先生「……その子の目が昔の君に似ていてな……つい話してしまった」

のびた「僕はそんなひねた子どもじゃないですよ」

先生「遅刻と居眠りの常習犯が良く言えたな」

のびた「うっ……それは……」

先生「ははは!」

のびた「今度は、剛田たちも連れて来ますよ」

先生「おお、そりゃあ楽しみにしとるよ!」
31:2008/10/04(土) 23:34:30.52 ID:
野比家 

のびた「ドラえもん、まだ寝ないのか?」
ドラえもん「今度ミーちゃんとデートなんだ。その準備さ」
のびた「やれやれ、さっさと結婚しちゃえよ。何年間の付き合いなんだよ」
ドラえもん「中学生に結婚については言われたくないな。早く寝ろよ」
のびた「わかったよ……なんか最近君ピリピリしてないか?」
ドラえもん「……そんなことないさ、お休み」

カチッ

どうしたんだろドラえもんのやつ、何やってんだろう。

まあ僕には関係ない。暖かい布団で寝る!ああ、なんと素晴らしいことか!
32:2008/10/04(土) 23:35:44.88 ID:
次の日 学校

ジャイアン「のびた!お前昨日のつばさちゃんの歌番組みたか!?」
のびた「……あ、忘れてた!」

ジャイアンは小学校の頃からアイドル、伊藤翼ちゃんの大ファンだ、もちろん僕も大好きだ。

スネオ「馬鹿野郎!お前それでも男か!」

ジャイアン「ああ、のびたよ、俺は今がっかりしているぞ、実にがっかりだ。つばさちゃんの可憐さについて存分に語ろうと思ったのに、そして一緒に出ていたあのデスメタルバンドについても語ろうと思っていたのに……」

のびた「しょうがないだろ、漫画買ったんだから……あとクラッシャー大岩さんのトーク番組があったんだよ、それ観てたな」
33:2008/10/04(土) 23:37:13.57 ID:
スネオ「クラッシャー大岩!?誰だよそれ!おいのびた!つばさちゃんのほうがそんなのより何倍もいいだろうが!このフナムシ野郎!」

ジャイアン「……フナムシ野郎はてめえだスネオ!クラッシャー大岩さんの悪口を言うやつは俺が許さねええぇ!!」

スネオ「え!?ジャイアンも知ってるの!?っていうか間接!間接!!イタイイタイ!」

はる夫「でたー!ジャイアンの四十八の関節技の一つ!脇固めだー!」
安雄「スネオー!支点をずらせーっ!腕を持っていかれるぞーっ!」

ジャイアン「メッタメタにしてやるぅ!!オラァ!」

ギシッ!メキメキ……

スネオ「あばばばばばばば!!!」

のび・はる・やす「「「す、スネオォォォー!!!」」」
34:2008/10/04(土) 23:38:38.25 ID:
野比家

のびた「ただいまー……ドラえもん、どうしたんだ?どら焼きとお茶を用意して僕を待ってるなんて……頭でも打ったのか?」
ドラえもん「失礼な奴だな君は……なあのびた君、少し真面目な話をしたいんだけど」
のびた「……どうした改まって。言ってみろよ」

ドラえもん「君は今の日常が大切か?」

のびた「……どうした急に」

ドラえもん「真面目な話、と言ったはずだぜ、答えてくれよ」

のびた「……聞かなくてもわかるだろ、大切だよ。あたりまえだ、誰だってそう答える」
ドラえもん「その日常に僕は入っているかい?」
のびた「当たり前だろ、わかりきったこと聞くなよ」

ドラえもん「僕はいつか22世紀に帰るんだぜ?それでも僕といる日常が大事だってのか?」

のびた「……それでも、だ。……僕の部屋は狭く感じるくらいでちょうどいいのさ」
35:2008/10/04(土) 23:40:48.78 ID:
ドラえもん「……君に一つだけ言っておく、今の君なら大丈夫だろう」

のびた「……」


ドラえもん「当たり前を、当たり前と思っちゃだめだ」


ドラえもん「当たり前、そんなものいつまでも続かない。そんなもの、すぐに崩れてしまうものさ、

もし僕がいない当たり前じゃない日が来ても……君はそれを当り前に変えるんだ。」

ドラえもん「のびた君、君は本当に成長した、昔と比べるととても成長したよ。もう僕が居なくても大丈夫だと思う」

のびた「……そんなこと言うなよ!まるで……ドラえもんが居なくなるみたいじゃないか!そんなの!僕は認めないぞ!認めるもんか!」
36:2008/10/04(土) 23:42:23.92 ID:
ドラえもん「……もう、子どもじゃあないだろ君はっ!僕がいなくなるなんて昔から決まっていたことだろう!」

のびた「いきなりすぎだよそんなの!こんなときだけ大人扱いするなよ……っ!」

ドラえもん「成長しろのびた……ッ!君は立派に成長してきただろう!これからは僕がいなくても成長するんだ!

いいかい、成長っていうのは自分の当たり前を壊すことなんだ!

『ドラえもんがいる』、そんな当たり前は壊すんだ!成長しろ!君なら難しいことじゃあないだろう!」

のびた「そんなっ……そんなのって……!」
グラッ……
のびた(あれ?なんだ……急に眠く……)
ドラえもん「元気で暮らせよのびた君、また会える日を楽しみにしている」
のびた(畜生……秘密道具か……?)
37:2008/10/04(土) 23:43:22.54 ID:
ドラえもん「しずかちゃんと仲良くしろよ!あと友達も大切にしろよ!」

のびた(ドラえもん……)

ドラえもん「風邪引くなよ!ぱ、パパとママは大事に……しろよ!」

のびた(なんで君……泣いてるんだよ)

ドラえもん「き、君は運が、ないん、だから賭けごとは、やめとけよ!あ、あとその……」

のびた(これじゃあまるで……)

のびた(本当にお別れみたいじゃないか……)

バタンッ
38:2008/10/04(土) 23:44:59.14 ID:
のびた「……朝?」

ガバッ!

のびた「ドラえもん!おい居ないのか!?ドラえもん!!」

どたどたどた

のびた「母さん!ドラえもん見なかったかい!?」
のび母「あらのびた、あなたもう体調はいいの?」
のびた「……え?何のこと?」
のび母「昨日帰ってきたらいきなりのびたが倒れたっていってドラちゃんが言っててね、それであなたのこと看病してくれてたのよ、ドラちゃん」
39:2008/10/04(土) 23:46:10.29 ID:
のびた(どういうことだ?)

のび母「そうそう、ドラちゃんなら友達と遊びに行くって言って朝早くに出かけたわよ、何か用事でもあったの?」

のびた「……」

のび母「のびた?」

のびた「あ、あぁ、なんでもないよ、大丈夫。本当になんでもないから……」

のび母「……そう?それよりも早く顔洗って朝ごはん食べなさい」

のびた「うん……」

のびた(ミーちゃんとデートに出かけた?昨日のことは夢……だったのか?)
41:2008/10/04(土) 23:47:48.53 ID:
学校

終業式が終わって、下校の時間になった。

スネオ「終業式も終わって、明日から夏休みだー!のびた、明日おまえんちで夏休みの旅行の計画たてようぜ!」

のびた「うん、それいいね」

ジャイアン「明日からは毎日がエブリデイだぜ!」
スネオ「意味がわからないよジャイアン……」

ジャイアン「時にのびたよ、聞いてくれ」

ジャイアン「俺は本格的にバンドを組もうと思う……」

42:2008/10/04(土) 23:49:32.30 ID:
僕はスネオをジャイアンから離れた教室の隅へと連れていった。

のびた「おい、どういうことだよ!冗談抜きで死人がでるぞ!」

スネオ「ジャイアンのやつこの前歌番組に出てたデトロイトなんとかってデスメタルバンドにハマっちまったんだよ!

それでバンドをやりたいって……僕だって止めたいさ!

でもああなったジャイアンを止めるのは無理だってのびただってわかってるだろ!?」

のびた「そりゃあそうだけど……」

出木杉「やあ、二人とも!どうしたんだい真剣な顔して?」

スネオ「出木杉君!いいところに来た!知恵を貸してくれ!」
43:2008/10/04(土) 23:52:19.04 ID:
出木杉「なるほどね……冷静に考えて、死人がでるね」

のびた「だよね、ライブハウスなんて狭いところでやったら洒落にならない被害が出るよ」

スネオ「あいつがマイクを持って本気で歌うとガラスが割れることもあるんだぜ?一体どうしたら……」


しずか「あらどうしたの、皆真剣な顔して?」


のびた「しずかちゃん……驚かないで聞いてくれ、ジャイアンが……」
しずか「武さんがどうしたの?」

のびた「……相談にのってくれるかい?」

しずか「当たり前じゃない!なんでも言ってよ!」

のびた「ジャイアンがバンドを始めたいらしい……」


しずか「……用事を思い出したわ。皆、さよなら、うふふ」
45:2008/10/04(土) 23:55:22.70 ID:
のびた「あぁ!しずかちゃん!?」

スネオ「逃げたな……うふふ、じゃないよまったく……」

出木杉「とりあえず時間稼ぎだけはしてみよう、ドラえもんならなんとかしてくれるんじゃないかな?」

のびた「そうだね、ドラえもんなら……」

スネオ「……のびた?」

のびた「……」

出木杉「どうしたの?」

のびた「……なんでも、ないよ」


安雄「おーい、お前らなんの話しているんだ?」

はる夫「俺も話にいれてくれよ!」
47:2008/10/04(土) 23:58:31.07 ID:
その時、僕とスネオと出木杉は一瞬のアイコンタクトを交わした

スネオ「いやあ、実はみんなで今度野球をやろうって話をしていてね!」

のびた「そうそう!」

安雄「おっ!?なんだよ懐かしいじゃないか!俺たちも仲間に入れてくれよ!」

スネオ「お!?そうかい!やってくれるか!

それじゃあジャイアンに『スネオから話は聞かせてもらった、俺たちがやるぜ!』っていってくれ!」

はる夫「わかったよ!へへっ!皆で野球か!久しぶりだな!!」
48:2008/10/05(日) 00:00:17.93 ID:
支援
49:2008/10/05(日) 00:01:33.05 ID:
そして安雄とはる夫はジャイアンの方へ歩いていった。

スネオ「君達の犠牲は忘れないよ……」

のびた「安らかに眠れ……」

出木杉「アーメン……」

その後、安雄たちが泣きそうな顔で僕たちを見てきたが、僕らはそれに気付かないふりをして帰った。
51:2008/10/05(日) 00:03:52.87 ID:
野比家

のびた「ただいまー……ってドラえもんのやつ……まだ帰って来てないのか」

のびた「まいったなー、ジャイアンのことで相談があるってのに」

のびた「夏休みの旅行計画だってまだ話してないこともあるし……」

のびた「そうそう、昨日買った漫画だってあいつ読みたいだろうに、いつもなら『まだ読み終わらないのかい!?早く貸してくれ!』なんて急かすくせに……」

夕食

のび母「……ドラちゃん、今日はお泊りかしらね」
53:2008/10/05(日) 00:05:32.05 ID:
のび父「はは、ドラえもんだって友達とそういう時もあるさ、のびた、なんでそんな暗い顔をしてるんだい?」

のびた「……なんでもないよ」

カチャ……

のび母「あらもういらないの?」

のびた「……ごちそうさま」

のびた「あいつ……早く帰ってこいよ、ロボットの分際で朝帰りなんて……許さないんだからな……」


ちゅんちゅん……

のびた「……朝……ドラえもん?居るか?」

のびた「……起きるか」
54:2008/10/05(日) 00:06:34.44 ID:
ジャイアンの声「こんにちはー!おばさん、のびた君いますか?」

のび母の声「あら皆していらっしゃい、二階に居るわよ、どうぞ上がって」

皆の声「おじゃましまーす!!」

スネオの声「のびた君のお母さんっていつ見てもお若いですね!」

のび母の声「あら、スネオ君たらお上手なんだから……」

スネオの声「僕は本心を言ったまでですよ!」

のびた「あいつらもう来たな……どうしよう、ドラえもんが居ないぞ……」


ザザッ

ジャイアン「おっす!のびたー!」
スネオ「出木杉君としずかちゃんも来たぞ!」
出木杉「お邪魔するよ」
しずか「あら?ところでドラちゃんは……?」

のびた「それが……」
55:2008/10/05(日) 00:07:27.24 ID:
ガララ……

のびた「ドラえもん!?……って」
ドラミ「皆、久しぶりね」
のびた「……ドラミちゃんか」


ドラミ「話があるの、……本当はのびたさんだけが良かったんだけど……」
ジャイアン「なんだよドラミちゃん、俺たちには言えない話なのか?」

ドラミ「……聞かないほうがいいかもしれないわね」

スネオ「……はは、なんだよドラミちゃん、冗談きついよ、なんでそんな真剣な顔してるんだよ……」
ドラミ「悪いけど、スネオさん。これは今までで一番重大な話なの。聞かない方がいいと言うのは本当よ」
スネオ「……な、なにそんなマジになってんだよ……」
のびた「ドラミちゃん」

のびた「それはドラえもんの失踪と関係があるのか……?」
57:2008/10/05(日) 00:08:59.57 ID:
ジャイアン「ドラえもんが!」
しずか「失踪したですって!?」
スネオ「えぇ?」
出木杉「どういうことだいのびた君!」

のびた「あいつ……帰ってこないんだよ、なんか変なこと言ってから」


ドラミ「……もちろん関係しているわ、それだけじゃない、もっと大きな話になるの」

のびた「ならもったいぶらず話してくれよ!早く!」
ドラミ「……きっとあなたは後悔するわよ、聞いたことに……」
のびた「それでもいいさ、教えてくれよ!」

ドラミ「……あなた達は?」

ジャイアン「わかりきったことだぜドラミちゃん、ドラえもんが居なくなった、その事実をしって何もしないやつは男じゃないぜ!なあ、スネオ!」
スネオ「え?お、俺は……」
しずか「私は聞くわよ、教えて、ドラミちゃん」
出木杉「僕も聞くよ、どうやらただ事じゃなさそうだ、聞かせてくれ」
スネオ「……」

スネオ「わかったよ!俺もきくよ!聞けばいんだろ!」
67:2008/10/05(日) 00:19:27.95 ID:
スネオ「わかったよ!俺もきくよ!聞けばいんだろ!」

脳内で「ママー!」が再生されたwwwww
58:2008/10/05(日) 00:10:27.59 ID:
ドラミ「少し長くて難しい話になるわよ……まず皆に質問、タイムパトロール隊の役割は知ってる?」

スネオ「えーっと……簡単に言えばタイムマシンを使って法律違反をするやつをとりしまる人たちだろ?」

出木杉「航時法って言ったかな。前にドラえもんから聞いたよ、過去に影響を与えてはいけない、過去のものを今に持ってきたりしても違反になるんだよね?」

ドラミ「簡単に言えばそういうことになるわね。じゃあのびたさん、あなたの所にドラえもんさんが来た理由はなに?」

のびた「なんでいつもみたいに『お兄ちゃん』、って呼ばないのさ?」
ドラミ「後で話すわ、質問に答えて」

のびた「……僕の子孫のセワシが、僕のせいで借金が大変なことになってるってことでドラえもんに今の僕を変えさせようとしたんだろ?」

ドラミ「……何か気付かない?」
60:2008/10/05(日) 00:11:47.57 ID:
しずか「……!おかしいわ!それだと航時法に違反することになる!過去に干渉して未来を変えてしまうんですもの!」

のびた「……あ!」

ジャイアン「なあ、スネオ、どういうことだ?」
スネオ「ちょっと黙っててね」

ドラミ「そう、その通りよ、ドラえもんさんがこの時代でセワシさんの命令に従うのは航時法違反なの。

でもね、簡単なことでは未来が変わったりタイムパラドックスが起きたりはしないのよ」

スネオ「どうして?」
61:2008/10/05(日) 00:13:03.80 ID:
ドラミ「過去に影響を及ぼしても大抵は効果が無くなるの、

それは世界が強制力を使って世界をあるべき姿に保ってるとしか言いようがないほどの現象なの」

ジャイアン「さっぱりわかんねえよ」
出木杉「つまり、武君が電車で目的地に行くか車で目的地に行くか選択しても、行き着く先は同じってことさ。

それを世界に当てはめてみればいい。どんな道を選択しても本来の目的地に辿りつく仕組みになってるのさ」

しずか「でも私たちは過去へ行ってタイムパラドックスを起こしたこともあるわよ?」
62:2008/10/05(日) 00:14:01.17 ID:
どうしたんだろドラえもんのやつ、何やってんだろう。

のびたなりにかんづいてんのか
63:2008/10/05(日) 00:14:47.01 ID:
ジャイアン「なぁ、タイムパラダイスってなんだ?」

スネオ「パラドックス。例えば過去に行ってジャイアンの母ちゃんを殺したとする、そうすると

今いるジャイアンは生まれないじゃないかってことで今いるジャイアンの存在が消えてしまうってことさ」

ジャイアン「母ちゃんを殺すなんてゆるさねぇ!!」

スネオ「なんなんだよ君は!?」



ドラミ「鉄人兵団のことね、報告を受けているわ。あの詳細は私たちもわからない……

本来そのような大きな影響を与える行為をしてもそれはパラレルワールドのこととして処理されて今いる世界の現実は変わらないはずなのに……二十二世紀と言えども謎は多いのよ」
65:2008/10/05(日) 00:18:08.86 ID:
ジャイアン「パラレルワールド?」

のびた「限りなく似ているけど僕たちの住んでいる世界とは異なった世界のことさ、

その世界は現実の僕らの居る世界とは関係が無くなる。『もしもボックス』なんかがそうだって前ドラえもんが言ってたよ」

スネオ「だめだ、それじゃジャイアンに理解できない……テレビゲームがあるだろ?あれにはセーブデータが何個か作れるじゃないか、

どれも内容は同じゲームだけど進み具合が違ったりするだろ、そしてお互いのデータには影響しない。そういうことさ」

ジャイアン「いや、別にのびたの説明で理解できたぞ。なに言ってんだお前」

スネオ「……」


出木杉「話を戻そう、どうして航時法違反になるんだい?」
66:2008/10/05(日) 00:19:26.28 ID:
ドラミ「例え強制力が働いたとしても、パラレルワールドとして処理されるとしても、まだ世界の謎が解明されない以上そういう行為をしてはいけないことになってるの」

のびた「……じゃあなんでドラえもんは法律違反してまでこの時代に来ていたんだ?」

ドラミ「ドラえもんさんは……タイムパトロール隊の隊員なの、それも特A級のね」


一同「!!!」

ドラミ「タイムパトロール隊は時空犯罪者を捕まえるために、過去に介入している時空犯罪者を捕まえにその時代に干渉されることが許されるの」

ドラミ「でも干渉といっても大規模な介入はできない……そこで考えだされたのがその時代の人間と協力して犯罪者を捕まえる方法……」

しずか「まさかその協力するタイムパトロール隊の役目が……?」

ドラミ「そう、ドラえもんさんよ」
68:2008/10/05(日) 00:20:42.87 ID:
スネオ「信じられないな……」

ドラミ「あなた不思議に思わなかったの?ドラえもんさんが持ってる秘密道具には

簡単にパラレルワールドを作ってしまったり、危険な道具があったりしたでしょう?あれを未来人全員が持ってたら世界が崩壊するわよ?」

のびた「そういえばドラえもんのやつ昔ねずみ殺すために地球破壊爆弾なんての使おうとしてたな……冷静に考えるとおかしいな」

しずか「……冷静に考えなくてもおかしいと思うわ……それ……」
69:2008/10/05(日) 00:22:05.04 ID:
これは長編になるのか?
70:2008/10/05(日) 00:22:13.26 ID:
ドラミ「ドラえもんさんの使う道具の大半は未来でも限られた人間にしか使うことが許されてないの、タイムパトロール隊のエースの特権よ」

出木杉「じゃあドラえもんと協力するその時代の人間っていうのは……!」

ドラミ「そう、のびたさんよ」

のびた「!!」

スネオ「じゃ、じゃあドラえもんがこの時代に来た本当の理由って……!」

ドラミ「この時代にきている時空犯罪者を捕まえることよ……のびたさんと協力してね」

のびた「……本当なの?」
71:2008/10/05(日) 00:23:41.48 ID:
ドラミ「未来のコンピューターがその時代の協力者を選ぶの……のびたさんが選ばれたとき、少し問題になったわ、『年齢が若すぎる』、『お世辞にも優れた人材とは言えない』、とかいろいろね。」

ドラミ「年齢が若いからまだ事情は話せない、だからタイムパトロール隊はのびたさんの子孫の協力を借りてドラえもんさんを送り込む口実をつけたの」

ジャイアン「でもおかしいじゃねえか、ドラえもんが来てからもう何年もたってるぞ!時空犯罪者がいるのにいままで何をしていたんだ?」

ドラミ「……正直のびたさんの能力に不安があったから少し前の時代からのびたさんと接触してのびたさんを鍛えることにしたの。パラレルワールドが発生しないような干渉をすればそれで十分任務を行うことができるわ」

ドラミ「そして今年こそ、のびたさんが捕まえる時空犯罪者が逃げ込んだ年なの。私たちはそいつの活動を調べていた……

そして数日前、小規模の亜空間発生反応がこのすすきヶ原周辺で確認されたわ」
72:2008/10/05(日) 00:25:30.30 ID:
ドラミ「ドラえもんさんはのびたさんに真実を話して時空犯罪者を捕まえるという手筈になっていた……でも」

ドラミ「ドラえもんさんはそうしなかった。恐らく一人で時空犯罪者を捕まえにいったんだわ……連絡がないところをみると恐らく失敗してつかまった……。

そしてその独断行動はタイムパトロール隊員でも許されることではないわ、現地人と協力せずに行動したんだもの、例え無事に戻ってきても処罰は免れないはずよ……」

ジャイアン「なんだって!?」

スネオ「おいおい、無茶しすぎだぞ!」

出木杉「どうしてそんなことを……!」

しずか「ドラちゃん……!」

のびた「僕の……」

のびた「僕のせいだ……っ!」
73:2008/10/05(日) 00:27:03.33 ID:
のびた「僕が……ドラえもんのいる日常が大事だなんて言ったから!あいつ、変なとこで気にして……

自分が嘘ついてるってばれたくなかったんだ!一人で解決して何も言わないまま未来へ帰ろう、って考えてたんだ……っ!」

ドラえもん、君は実にばかだな

僕がそんなこと知ったところで君を嫌いになるはずないじゃないか

君はドジで間抜けなネコ型ロボットだ

それ以上でも以下でもないんだ

そんな君は僕にとっちゃ一番の親友なんだぜ


のびた「助けにいくよ……あいつ一人でなんていいかっこなんてさせない……っ!」

しずか「のびたさん……」
75:2008/10/05(日) 00:28:38.67 ID:
のびた「もともと僕の役目なんだろうそれは!だったら僕がやってやる!

そうすりゃタイムパトロール隊も文句ないだろ!ドラえもんを処罰できないはずだ!」

ドラミ「……」

スネオ「おいおい……のびた、いままでの冒険とは違うんだぞ!?ドラえもんがいないんだぞ!?

第一道具がないよ!それに相手は未来の道具をもってるんだぞ!?犯罪者なんだぞ!!下手すりゃ……殺されるかもしれないんだぞ!?」

のびた「あっちが秘密道具をつかうならこっちもドラミちゃんのを貸して貰うよ、同じ条件ならいける。

それにドラえもんがいないのはこれまでだってあっただろ?」

スネオ「で、でも……」


ジャイアン「あー、わけわかんねえ」
77:2008/10/05(日) 00:30:16.36 ID:
ジャイアン「全然わけわかんねえぜ、さっぱりだ!タイムなんとかとか工事だかなんだかよ!

お前らの話は難しすぎて全然わかんなかったぜ!!」

スネオ「ジャイアンもかい!?そうだよね!いきなりこんなこと言われたって……」


ジャイアン「でもな」


ジャイアン「心の友が敵に捕まってる、それを助けねえのは男じゃねえ、ってのはわかるぜ」

スネオ「ジャイアン……」

ジャイアン「のびた、俺も手を貸すぜ!」

のびた「ジャイアン……君ってやつは……!」


スネオ「ああぁぁ!はいはいわかったよ!!」
79:2008/10/05(日) 00:31:57.61 ID:
スネオ「のびたもジャイアンも!こういう危険な時になると急にカッコよくなるんだから!

そして俺は怯えても拒否をしても君らに巻き込まれるのさ!!笑えないお約束だよ!笑えないよ!まったく!」

スネオ「あーぁ!飽きちゃったよこの展開!!いいさ、いいとも!俺も手伝う!

こうなった君らはもう止められないんだ!そんなのわかってるよ!だったら今回は君らと一緒に暴れてやる!もうやけくそだい!」

のびた「スネオぉ……!」

ジャイアン「それでこそ男だぜ!心の友よ!」

スネオ「……べ、別にあいつがいないと夏休みの旅行計画が台無しになるからってだけだからな!」

しずか「私も……手伝うわ!」
80:2008/10/05(日) 00:32:55.99 ID:
読んだけどやっぱりジャイアンかっこいいwww
81:2008/10/05(日) 00:33:25.31 ID:
しずか「ドラちゃんが危険なら助けるわ、友達だもの!それにいままでドラちゃんには危ないところを何度も助けてもらったから……!」

のびた「でもしずかちゃん、君は……」

しずか「あら?のびたさん、今更女だからってことで仲間外れは無しよ?

それにソフトボール部入ってるしそこそこ使えると思うわよ?」

ジャイアン「だっはっは!さすがしずかちゃん!男だぜ!」

しずか「私は女よ!」

スネオ「しずかちゃん、中学入ってから性格かわったよね……」


出木杉「……僕も力を貸すよ」

のびた「出木杉!?」
83:2008/10/05(日) 00:35:20.57 ID:
出木杉「僕じゃ力になれないかもしれないけどね……こんな話、僕にとっては初めてだしさっきから情けないことに腕の震えが止まらないよ……」

スネオ「じゃあなんで……!」

出木杉「僕はさ、中学校に入ってからやっと君達と本当に仲良くなれた気がするんだ、

恥ずかしいことだけど、僕にとっちゃ初めての友達かもしれない。そんな友達が危険なことをしようとしてるんだ、僕はそれを黙ってみていられる程ドライじゃあない……」

出木杉「ドラえもんも友達だ、助けにいかない理由はないさ、

いくら怖くても、これから逃げたら、僕は自分で自分が許せなくなる……!」

のびた「……出木杉ぃ!」

ジャイアン「心の友よぉぉ!!」

スネオ「……まったく!君のことは買っていたのにどうやら君は相当の馬鹿らしいな!」

しずか「さすが出木杉さん!」
85:2008/10/05(日) 00:37:10.40 ID:
のびた「と、いうわけさ、ドラえもんは僕たちが助ける、時空犯罪者も僕たちが捕まえる、両方やるさ!文句はないだろドラミちゃん!」

ドラミ「……ええ、問題ないわ、こうなった皆は強いものね……私も道具の提供くらいの干渉なら許されるはずよ、協力するわ」

のびた「ありがとう……安心してよ、君の『お兄ちゃん』は僕たちが助ける!」
「まっかされよう!」「安心してドラミちゃん!かならずドラちゃんは助けるわ!」「出木杉君、わかんないことあったら俺に聞けよ!」「あはは!頼もしいなスネオ君は!」

ドラミ「……ふふ、どうしてコンピュータがあなたを選んだのか、わかる気がするわ」

ジャイアン「そうかぁ?俺にはわからねえなあ!」
スネオ「本当だよ!見る目がないねぇ未来のコンピュータは!選ばれるべきはこの俺なのに!」

のびた「あははは!そうかもね!きっと間違いだ!」

出木杉「のびた君は謙虚だな……自信持てばいいのに」
しずか「そこがのびたさんのいいところの一つよ」

ドラミ(あなたの周りにいる仲間……それがあなたの力なんだもの)
86:2008/10/05(日) 00:37:42.36 ID:
ヤベェ…面白レェ
98:2008/10/05(日) 00:54:17.81 ID:
ジャイアン「よし!それじゃ早速ドラえもんを助けに行こうぜ皆!」

スネオ「ちょっと待てよジャイアン!」

ジャイアン「なに言ってんだスネオ!お前まだ怯えてんのか!」

スネオ「違うよ!ジャイアン、行くったってどこに行くのさ!」

ジャイアン「決まってんだろ!悪いやつのところだよ!」

出木杉「い、いや……、その悪いやつの居場所が分かるのかい?」

ジャイアン「……いっけね、居場所がわかんねぇや、ははは!」

のびた「ドラミちゃん、手掛かりはないのかい?」
100:2008/10/05(日) 00:55:54.42 ID:
ドラミ「さっきも言ったけど、

この時代のここすすきヶ原で小規模の亜空間発生反応があったことしかわからないのよ。正確な位置までは特定できてないの」

ジャイアン「『あくうかん』ってなんだ?」

出木杉「僕たちの時代では証明されてないんだけど、SFなんかではよく聞くな。

今僕たちが居る空間とは違う空間のことさ。超空間ってのも聞くよ。実際の空間の法則は亜空間では通用しないってのが共通の認識じゃないかな」

スネオ「ほら、ドラえもんのポケットの中身、あれはポケットの見た目よりも全然広いだろう?ああいう空間のことさ」

しずか「亜空間が発生することで何がわかるの?」
101:2008/10/05(日) 00:57:14.72 ID:
しずか「亜空間が発生することで何がわかるの?」

ドラミ「大抵、時空犯罪者は現地人にわからないようにアジトを作るわ。

それは近代になるに連れて亜空間による秘密のアジトを作る可能性が高くなっているの」

出木杉「……なるほど、今の時代の日本は人が住んでなくて空地で誰もこない都合のいい秘密の隠れ家なんて作り辛いからね」



スネオ「亜空間発生の位置は突き止められないにしても、何か他に手掛かりはないのかい?」

102:2008/10/05(日) 00:58:39.83 ID:
ドラミ「……のびたさん、ドラえもんさんはいなくなる前に何か変なことをしてなかった?」

のびた「変なこと?」

ドラミ「失踪する前のドラえもんさんの行動に何かヒントが隠されているかもしれないわ」

のびた「うーん……そう言えばあいつ、夜中まで起きてたみたいだったな、ミーちゃんとデートだ、とか言って」

ドラミ「そのとき、ドラえもんさんは何をしていたの?」

のびた「……うーん……」

あの夜、ドラえもんは何かをしていた?
103:2008/10/05(日) 00:59:56.91 ID:
ジャイアン「ドラミちゃん、こいつは寝ることにかけては天才的なんだ」

スネオ「のびたのことだ、多分布団に入ってすぐ寝ちゃったからわかんないんだよ」

のびた「へえ、よくわかったねぇ……!」

しずか「のびたさんのことは大体想像できるわよ」

じゃい・すね「「そういうこと!」」

のびた「……なんか複雑」

出木杉「あはは!」


出木杉「そうなるとやっぱり自力で探すしかないね」
104:2008/10/05(日) 01:01:27.79 ID:
のびた「ドラミちゃん、なにか道具はないかい?」

ドラミ「私単体が許可を取っている道具で役立ちそうなのは……はい!『尋ね人ステッキ』!」

スネオ「なんだ、ドラミちゃんもドラえもんと変わらないなあ、凄い道具期待してたのにやっぱりそれか」

ドラミ「し、失礼ね!なんだとは!この尋ね人ステッキはストーカー目的で使われた事件が発生して以来、

プライバシー保護の観点から免許がいる制限道具なのよ!一般人だと持てないの!」

出木杉(リアルな理由だな……)

ジャイアン「じゃあ俺がそれで探しに行くぜ!」

スネオ「俺も行くよ!」

出木杉「じゃあ僕も一緒に行こうかな」

のびた「じゃあ僕も……」

スネオ「のびたは駄目だ」
108:2008/10/05(日) 01:07:27.56 ID:
道具デターーーーーー!!!!!
106:2008/10/05(日) 01:05:02.39 ID:
のびた「なんでさ!」

スネオ「お前、運が悪いじゃないか。この前だってドキモンパンのおまけシール三回連続でタケル君だっただろ!尋ね人ステッキの確立は70%なんだぜ、運が悪いやつはお留守番でもしてろ」

のびた「そんなぁ!」

スネオ「……なんてね、この流れが懐かしくてつい言ってみただけだよ、へへ!」

出木杉「のびた君はドラえもんがなにかを残してないかこの部屋を調べてみたりした方がいいと思う、こっちは任せてくれ」

ジャイアン「なぁに!俺様が居るんだ!安心して報告を待っててくれよな!」
107:2008/10/05(日) 01:06:23.94 ID:
ドラミ「何かあったら連絡が取れるように……はい、『糸なし糸電話』を渡しておくわ、

それと相手は時空犯罪者、未来の道具にも詳しいはず、道具を使うところを見られたら危険だから念のため『石ころ帽子』と『タケコプター』を渡しておくわ……

タケコプターで移動するときには石ころ帽子も使ってね」

しずか「みんな、無茶はしないでね」

スネオ「なに、大丈夫だよ!問題はジャイアンだけど……」

ジャイアン「……俺のどこが問題なんだスネオ!」

ガツン!
110:2008/10/05(日) 01:08:11.38 ID:
ジャイアン「殴るぞ!」

スネオ「痛い!殴った後に言わないでよ!そうやってすぐかっとなって無茶する所じゃないか!」

出木杉「わあ、押さえて押さえて……!じゃ、じゃあ行ってくるよ、はは……」

ザザッ……たったったった


のび母の声「あらもう帰っちゃうの?」
出木杉の声「いえ、少し調べ物をしに出かける所です」
スネオの声「そういうことです、……本当のびた君のお母さんはいつみても……それじゃあ、また来ます」
のび母の声「あら、スネオさんたら……!そうそう、みんな、後でスイカを出すから帰ってくるのよ?」
ジャイアンの声「わぁ!本当ですか!!楽しみにしてまーす!んじゃ、行ってきまーす!」
出木杉の声「行ってきます!」
のび母の声「はい、いってらっしゃーい!」
111:2008/10/05(日) 01:10:13.55 ID:
のびた「よし、僕らは押し入れから探してみようか」


のび太の家前

スネオ「よし、早速尋ね人ステッキを使ってみるか!」

出木杉「そう言えば、尋ね人ステッキって?」

ジャイアン「探している人の方向を70%の可能性で教えてくれる道具なんだ、70%ってのが少し不安だけどな」

出木杉「どうして?」

スネオ「そりゃあ30%の確立が出て違う方向に行ったら大変じゃないか」

112:2008/10/05(日) 01:11:51.77 ID:
出木杉「いや、例えば今倒してさ」

カランッ

出木杉「目の前を北とするとここから北東に向いただろ?もう一回倒して……」

カランッ

出木杉「次は北北西」

カランッ

出木杉「次はまた北東……こうやって何回かやれば正しい方向がわかるんじゃないかな」

ジャイアン「おぉ!さすが出木杉!」

スネオ「……あら、どうしてこんな簡単なこと気付かなかったのかしら、ぼくちん」
113:2008/10/05(日) 01:13:35.63 ID:
カランッ

カランッ

出木杉「……うん、多分目の前を北とするとここから北東で多分間違いないね」

スネオ「じゃあ石ころ帽子をかぶってタケコプターで行こう!」

出木杉「石ころ帽子って?」

ジャイアン「被るとその辺にある石ころみたいに気にされなくなって姿が見えなくなるのさ」

出木杉「でもそれを被ってしまったら僕たちがお互いに姿を見れなくなってしまうじゃないかい?」
116:2008/10/05(日) 01:15:09.83 ID:
スネオ「……どうしてこんな簡単なことに気が付かなかったんだろ……ドラミちゃんも案外抜けてるよね……」

ジャイアン「どうするんだよスネオ!」

スネオ「しょうがない……歩くしかないんじゃないか?さすがにタケコプターは目立つだろ、俺は見つかっていきなりズドン!……なんてのはやだよ!」

出木杉「うん、それがいいね。まっすぐ目的地には行けないだろうけど敵の居場所はすすきヶ原なのは間違いないんだからそんなに遠い距離というわけでもないだろう」

ジャイアン「じゃあ自転車に乗っていこうぜ!その方が早い!」

スネオ「うん、じゃあ自転車を取りにいったん解散だ!」

出木杉「またここに集合しよう!」
117:2008/10/05(日) 01:15:17.32 ID:
出来杉アタマイイーーーーーーー!!!!!
119:2008/10/05(日) 01:16:56.56 ID:
のびたの部屋

のびた「うーん、ドラえもんのやつしばらく見ないうちに押し入れに物をため込んだな……こりゃあちょっと時間がかかるぞ」

しずか「あら?なにか箱があるわよ?」

パカッ

ドラミ「……どら焼き?」

のびた「あぁ、ドラえもんのやつ、たまにどら焼きをそうやって隠すんだ、僕が食べると思ってね。

まったく……僕はそこまで食い意地ははってないのに」

ドラミ「……」
120:2008/10/05(日) 01:18:42.09 ID:
のびた「しかもその隠したどら焼きをよくネズミにかじられるんだ、

それを僕だと思って『ぼくのどら焼きを食べたな!』、なんて言うんだよ。誰がそんないつのものかわからないどら焼き食べるかってんだ。」

のびた「その後犯人のネズミが登場、ドラえもんが大騒ぎってのがよくあるパターンさ、

なにが高性能ロボットだよ。笑っちゃうよな、案外あいつは学習能力がないんだ」

しずか「うふふ、ドラちゃんらしいわね」

ドラミ「……」

しずか「……ドラミちゃん?」
125:2008/10/05(日) 01:37:08.38 ID:
のびた「ねえ、そろそろ話してくれないかな、

なんでドラミちゃんはいつものようにドラえもんを『お兄ちゃん』って呼ばないんだい?」

ドラミ「私たち、あんまり仲が良くないのよ」

のびた「ドラミちゃんが?ドラえもんと!?まさかぁ!」

ドラミ「本当よ、私が作られた時にはもうドラえもんさんはタイムパトロールに入っていて、

その寮に住んでいたから一緒に暮したことはないし……」

しずか「でもいつも仲良さそうに話してたじゃない」
127:2008/10/05(日) 01:39:18.54 ID:
ドラミ「それはのびたさんの前だからよ。私はドラえもんさんの連絡係みたいなものだからのびたさんの前に行かなければならない時もある、

その時に私たちが仲が悪いとのびたさんに悪い影響が出るといけないから仲がよさそうに振る舞っていたの」

ドラミ「のびたさんの前じゃないとね、私たち本当に事務的な会話しかしないの、

のびたさんの前だけ仲がいいように振る舞う冷めた兄妹……それが私たち」

ドラミ「きっとドラえもんさんは私のことを煙たがっているでしょうね……」

しずか「ドラミちゃん……」

のびた「本当に……」

のびた「本当にそう思うのかい?」

ドラミ「……」
128:2008/10/05(日) 01:41:43.54 ID:
のびた「僕の目には君らの仲の良さは演技に見え無かったよ、だって僕は君らを見てて兄妹っていいなっていつも思ってたんだから。僕も妹や弟が欲しくなったくらいさ」

しずか「私もそう思うわ、ドラミちゃん。あなた達は本当に仲のいい兄妹よ」

ドラミ「……」

のびた「ドラえもんってさ、人には結構いうくせに恥ずかしがり屋だったり意気地無しなとこがあるんだよ、

好きなネコがいて友達になりたいって言ってた時も、あいつったら馬鹿みたいに緊張して何も言えなくなっててさ」

のびた「ドラミちゃんに対してもそうなんだと思うな、あいつ僕にたまに君の話するんだぜ」

ドラミ「……私の?」
129:2008/10/05(日) 01:44:00.54 ID:
妹萌え
130:2008/10/05(日) 01:50:46.80 ID:
夏休みの冒険に、頭の良い出来杉が合流、ドラえもんとドラミがただの同僚・・・
この辺をどうやってうまく処理していくのか非常にワクテカしている
132:2008/10/05(日) 01:51:25.97 ID:
のびた「うん、ドラミは僕と違って優秀だ、とかさ。あいつまるで自分のことのように誇らしげに自慢するんだよ」

ドラミ「……」

のびた「今度僕の前じゃなくても『お兄ちゃん』ってよんであげなよ、あいつのことだ。絶対喜ぶよ。普段はきっと照れくさいからあんまり会話できないだ」

ドラミ「そう……かな」

しずか「きっとそうよ、だから、もう仲が悪い兄妹だなんて悲しいこと、言わないでね」

ドラミ「……うん」

のびた「ふふふ、よし、探し物を再開しよう!」
133:2008/10/05(日) 01:51:40.77 ID:
のびたの「~~だぜ」って原作でしか使ってないよね?
135:2008/10/05(日) 01:55:44.59 ID:
>>133  
キャラクターのセリフは原作とアニメ混ぜて書いてるんだ。違和感あったら申し訳ない
136:2008/10/05(日) 01:56:53.46 ID:
>>135
いや、それがいいなーって思ったからね
批判的に聞こえたみたいですまん
135:2008/10/05(日) 01:55:44.59 ID:
商店街

ジャイアン「そっれがどおしぃーた!ドラぼくえーもーんー!」

スネオ「結構進んでるはずなのに、なんかどんどん賑やかな所に出ちゃってるよ?このステッキ壊れてるんじゃないの!?」

出木杉「いや、多分こっちであってると思う」

スネオ「どうして?」

出木杉「この時代はもう隠れ家に適した土地がないんだよ」

スネオ「うん、それはドラミちゃんが言ってたな」

ジャイアン「きーみょうきてれつまかふしぎ!」
137:2008/10/05(日) 01:58:21.66 ID:
「ドラ、ぼくえもん」

>>137 
あんまり関係ないけど気づいてくれたのがうれしいから書いとく。アニメでジャイアンが実際そう歌ってたんだよ 
 
138:2008/10/05(日) 01:58:52.69 ID:
出木杉「亜空間というのは別の空間。だからその土地が広いか広くないかは関係がない」

スネオ「そうか……!人通りが少ない所よりも多い所の方がかえって目につきにくい!亜空間のアジトなら広さなんて関係ないもんね!」

ジャイアン「きーそうてんがいししゃごにゅう!」

スネオ「でも人通りが多いとアジトに入るところを見られたり、誰かに入口を見つけられたりするんじゃないかな?」

出木杉「うん……、そう考えるとなると、敵はその条件をクリアする所にアジトの入り口を隠しているんだと思う」

ジャイアン「でぇまえじんそくらくがきむっよっうぉー!」
140:2008/10/05(日) 02:01:41.27 ID:
スネオ「と、なるとだ、妥当な所で何かの建物をこの時代で買うか借りるかしているってことかな?」

出木杉「可能性は高いと思う。怪しまれず、そして見つからない。そうなると他人が入れないような建物の可能性が高い」

スネオ「じゃあその考えを踏まえて探せばいいんだ!」

ジャイアン「ぼぉぉくうぇもぉんんー!」

スネオ「うるさいよジャイアン!ちょっと静かにしてくれ!さっきから道行く人がジャイアンのことみてるよ!」

ジャイアン「当然だ、俺の美声に反応しないわけがない……!」

スネオ「よく言うよまったく……」

出木杉(極度の感覚性音痴なんだな武君は……)

ジャイアン「お、そこにいるのは我がバンドのメンバーではないか!」

安雄「じゃ」

はる夫「ジャイアン!!」
142:2008/10/05(日) 02:03:42.86 ID:
ジャイアンがのびたよりはるかに馬鹿になってるw
143:2008/10/05(日) 02:04:36.36 ID:
安雄・はる夫(最も会いたくない人物に会ってしまった……!)

キキッ

ジャイアン「どうだお前たち、俺の作った曲は聴いたのか?」

安雄「も、もちろんだよ!」

ジャイアン「よぅしよし、じゃあ出だしを歌ってみろ」

安雄「……」

はる夫「……え、えひめの!」

ジャイアン「……てめえら!嘘付きやがったな!まったく聴いてねえだろ!」

ガッシ!ボカッ!

安雄「スウィッ!!」

はる夫「ツァ!!」

出木杉「はは……そこらへんでやめて勘弁してあげなよ」
145:2008/10/05(日) 02:07:35.24 ID:
のび太の部屋

のびた「あれ?ドラミちゃん。これって何だっけ?どこかで見た気がするんだけど……」

しずか「なんだか香水みたいな入れ物ね……」

ドラミ「ふふふ、これはね、しずかさん、ちょっと指を貸して」

しずか「いいわよ」

ドラミ「まずこの液体を指に塗る」

ぺたぺた

ドラミ「次に乾かすの」
146:2008/10/05(日) 02:10:31.92 ID:
ドラミ「次に乾かすの」

しずかちゃんが腕をぷらぷらさせている……

ドラミ「乾いたら『バン』!っていってみて」

あ、思い出したぞこの道具……

しずか「え?」

しずかちゃんがぷらぷらさせている指の先は僕の方向に向いていて

のびた「ちょ、ちょっとまったしずかちゃん!」

しずか「『バン』?」

のびた「っ!!」

ドタンッ!

しずか「あれ!?の、のびたさん!?」

のびた(この道具、液体性の『空気ピストル』だ……)

しずか「なんで急に倒れたの!?のびたさん!?ちょっと……のび……」

……
147:2008/10/05(日) 02:11:59.35 ID:
ええええええええっ!!!!!
148:2008/10/05(日) 02:13:19.78 ID:
のびた「ひどいじゃないかドラミちゃん!」

ドラミ「ご、ごめんなさい、まさか当たるとは……」

しずか「ごめんねのびたさん、まさか気絶させちゃうなんて……」

のびた「あ、いやしずかちゃんが悪いんじゃないよ!?しずかちゃんは全然悪くない!」

ドラミ「……態度が全然違うわね」


しずか「つまり、この液体を塗って乾かして『バン』と言えば空気ピストルがでるのね?」

ドラミ「そう、指一本につき一発よ、殺傷能力はないけど気絶くらいはさせられるわ」

のびた「うーん……なんでこれがここに?」
150:2008/10/05(日) 02:17:48.30 ID:
この道具の時ののび太はかっこよかったなぁ…
153:2008/10/05(日) 02:20:44.64 ID:
空気ピストルか~
あの話は俺も好きだな~

期待支援
149:2008/10/05(日) 02:16:59.03 ID:
ドラミ「お兄ちゃんが置いていったのかしら?」

のびた「あいつポケットの中だけじゃなく押し入れの中まで整理してないんだな……あきれるよまったく」

しずか「……あれ?これ何かしら、マイク?」

ドラミ「それは『ジーンマイク』ね、それを使って話すとどんな歌や言葉でも感動的に聞こえるの」

のびた「……あいつ、本当に整頓癖ないな……」

ドラミ「ちなみにどっちも制限道具よ。免許無しには扱えないわ」


 

すすきヶ原 中心地


ジャイアン「なあ、まだ行くのかよ、さっきっからおんなじ所行ったり来たり、どうしったっていうんだよ」
152:2008/10/05(日) 02:20:25.59 ID:
スネオ「つまりそれは目的地が近いってことだよ、ジャイアン」

ジャイアン「どうしてだ?」

スネオ「尋ね人ステッキが示す方角が極端に変わりやすくなったんだつまり僕らは目的地を通り過ぎたりしてるわけだな」

出木杉「二人とも」

ジャイアン「うん?」

出木杉「目的地を見つけたと思う、十中八九あれだ」

出木杉は一つの一階建ての白くて綺麗な建物を指さした。

スネオ「……なんかの事務所かな、ずいぶん新しい……こんなの、前からここにあったっけ?」

ジャイアン「わかんねぇけど……あそこの中にドラえもんが居るんだな、腕がなるぜ!」

スネオ「鳴らせちゃだめだよジャイアン!今回は場所を突き止めるだけなんだから!」

154:2008/10/05(日) 02:23:41.51 ID:
ジャイアン「馬鹿野郎、スネオ!ここが敵のアジトかどうかを調べるってんなら、中に入んなきゃしょうがないだろ!」

出木杉「確かに……うん、そうだね。一理あるな」

ジャイアン「こっちには石ころ帽子がある!楽勝だぜ!自転車をどこかに置いて中に入ろう!」

スネオ「いやだよ、いやだよ!行くんなら皆で行った方がいいだろ!危険すぎるよ!」

出木杉「……でもスネオ君、少人数の方が潜入しやすいと思うよ」

スネオ「まさか出木杉君……おいおい冗談だよね?」

出木杉「……怖いけど……行ってみよう!」

スネオ「うわわあん!やっぱりぃ!!」

ジャイアン「スネオ、ここまで来たんだ!男を見せろ!!」

スネオ「お、俺は……ああ!やめてよジャイアン!引っ張らないで!!うわああわあ!!ママーーー!!!」
193:2008/10/05(日) 11:31:16.18 ID:
場所 ?


ドラえもん(……う、うう……)

ドラえもん(ここは……一体?)

ドラえもん(確か急に体が動かなくなって……)

ドラえもん「僕、捕まったのか?」


?「やあ、お目覚めかねタヌキ君?」
194:2008/10/05(日) 11:34:35.47 ID:
?「やあ、お目覚めかねタヌキ君?」

ドラえもん「お、お前は……!なんでお前が!?」

?「覚えていてくれて光栄だよ、ははは」

ドラえもん「体が重い……、ぼ、僕に何をした!」

?「時空犯罪者がタイムパトロールへの対策を講じないとでも思っていたのか?君に効果があることを見ると、どうやら君はタイムパトロールらしいな」
195:2008/10/05(日) 11:37:12.75 ID:
?「タイムパトロール隊のロボットには体内にある部品がつけられる、

その部品が仲間に自分の位置を知らせる役割を持っているのは君も知っているだろう、その部品に反応してロボットの活動を鈍らせる電磁波を作ったのだよ」

ドラえもん「……ッ!」

?「君には……君達には借りがある、どうやらそれを返せそうだな」

ドラえもん「僕を……どうするつもりだ!」

?「なに、壊しはしないよ、もちろんそうするのは簡単だがね」

?「君の道具をちょっとね、借りたいだけさ……」
197:2008/10/05(日) 11:41:21.62 ID:
のび太の部屋

ドラえもんの押入れを捜索して見つけたのはどら焼き、液体性空気ピストル、ジーンマイクと正直あまりドラえもんの失踪について重要な手がかりと呼べるものじゃなさそうだ

しずか「……大抵調べ終わったけど」

ドラミ「手掛かり無し、ね」

のびた「……」

?『おーい、もしもーし!聴こえるー!?』

ドラミ「糸なし糸電話から声がする!スネオさんだわ!」

のびた「聞こえてるよ、のびただ。スネオ、どうしたの!」
199:2008/10/05(日) 11:44:30.93 ID:
スネオ『どうしたもこうしたもないよ!尋ね人ステッキでドラえもんを探していたら怪しい建物を見つけてさ!

僕はこれで十分だって言ったのに、ジャイアンと出木杉君ったら中に入るって言うんだぜ!のびたからもなんとか言ってくれよ!』

しずか「無茶はしないって言ったのに、武さんったら……、それに出木杉さんまで!」

ジャイアン『のびた、聞こえてるか!?』


ジャイアン『スネオのことは気にするな!俺が連れていく』

のびた「でもジャイアン、危ないよ!」

ジャイアン『石ころ帽子があるんだぜ、大丈夫だ!それに中をちょっとみたらすぐに帰るから安心しろ!』

のびた「でも……」

出木杉『のびた君、僕だ』
200:2008/10/05(日) 11:45:15.27 ID:
さてどうなるか
201:2008/10/05(日) 11:47:24.07 ID:
出木杉『ここにドラえもんがいるってことは限らないんだ、僕たち全員が動くには確かな事実が必要だろう?』

のびた「それはそうだけど……」

出木杉『大丈夫だよ、危険になったらすぐ戻る』

のびた「……わかった、でも危なくなったら絶対戻ってこいよ!約束だぞ!」

出木杉『わかったよ「スネオー!覚悟を決めろ!」「助けてママー!!」……じゃあいまから入ってみる、

糸なし糸電話はそっちからは使わないでくれよ?』

のびた「わかってる、気をつけてね!」
202:2008/10/05(日) 11:50:15.80 ID:
ジャイアン「さて、これから石ころ帽子を被るぞ!

いいか、姿が見えなくなるから俺、出木杉、スネオの順で肩を掴んで行動するぞ!お前ら帽子をかぶれー!」

ジャイアン「よし、ジャイアン潜入隊ばんごーう!一!」

出木杉「二!」

スネオ「三!」

ジャイアン「よし、全員いるな!ジャイアン潜入隊、しゅっぱーっつ!!」
203:2008/10/05(日) 11:54:25.74 ID:
のび太の部屋

しずか「大丈夫かしら、みんな」

ドラミ「きっと大丈夫よ」

のびた「……ねえ、しずかちゃん、こんな時に話すことじゃないかもしれないけどさ」

のびた「どうして今年の夏休みの旅行は出木杉も誘ったんだい?」

とりあえずやることがないから気になってたことを聞いてみた、しずかちゃんと出木杉はお似合いだ、くやしいけど。

ドラえもんがここに来た本当の理由がわかった今、いくら馬鹿な僕でもわかる。

僕が未来でしずかちゃんと結婚する、なんてのは、僕をやる気にさせる嘘なんだ、と。

頑張らなきゃせっかくしずかちゃんと結婚する運命が変わってしまう、なんて言ってくれちゃって。

(そしてその嘘に僕はまんまと乗せられたわけだ)
204:2008/10/05(日) 11:56:28.44 ID:
ドラえもんが来て、僕はだんだんとこの自分の自堕落な現状を変えていこうと思った。

確かに最初のころはいつも楽をすることしか考えてなかった。人間、普段だらけたやつが楽をするともっと楽をするようになる。

僕は道具を使って楽をすることをいつも考えていた。

でもある日、テレビでボクシング世界チャンピオンのクラッシャー大岩さんがでているトーク番組を見たんだ。

大岩さんはとある運命の大きな別れ道で、正解の道を選べた。その結果世界チャンピオンになったのだ。

この話を聞いて僕は心底感心した。

つまり、人生ってのは運命の大きな別れ道に差し掛かった時、自分が正解の道を選べるかどうかが重要なんだ、と。

僕はいつものようにドラえもんから道具を借りた。選択肢を選んだ先の未来が見える道具だ。

これさえあれば僕は簡単にいい人生を送れる。そう思った。


でも現実は違った。
206:2008/10/05(日) 12:04:15.00 ID:
ちょい飯食ってました、すいません
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右の道を選んでも、左の道を選んでも、その先には障害しかなかった。

この時僕は改めて思った


(僕はなんて不幸な少年なんだ!)


どの選択肢を選ぼうとも目的地に辿りつくには障害がある、だから僕は目的地には辿り着けない。

だから僕には

きっといい人生なんて送れっこない!!

そんな僕にドラえもんは言ったんだ。


ドラえもん『障害があったら乗り越えればいい!』
208:2008/10/05(日) 12:08:11.00 ID:

ドラえもん『君は勘違いしているんだ。道を選ぶということは、必ずしも歩きやすい安全な道を選ぶってことじゃないんだぞ!』

ドラえもん『大岩選手だってそうだ!道一本選んだだけで世界チャンピオンになれたわけじゃあない!!

そう考えているなら君は大岩選手に失礼だ!』

ドラえもん『大岩選手はボクサーへの道を、

それこそ血のにじむようなトレーニングで切り開いていったんだ!!自分自身の力でだ!』

この言葉で、僕は変わろうと思った。勉強も、運動も、いつもより真面目に取り組んだ。

だけど現実は甘くない、すぐに成績が上がるわけでも、体が強くなるわけでもなかった。
209:2008/10/05(日) 12:10:56.05 ID:
それでも僕は努力した。今思うともっと楽ができたと思う。でも楽な道を選ぶことが正解ではない、だから僕は努力した。

正直まだ成績もよくないし、体だって強くなったわけじゃない。

それでも、しずかちゃんに見合う男になるように、子孫に迷惑をかけない男になるように

ドラえもんが安心して未来へ帰れるように。

そうしてまんまとドラえもんに乗せられた。ドラえもん、大したやつだよ君は。


………………
210:2008/10/05(日) 12:12:40.09 ID:
こんな欝にならなくて楽しいシリアス続編ドラえもんは初めてだ、>>1超がんがれ
あとドキモンパンは日和のシール2パロディだよねw
こういうパロディ好きだ
211:2008/10/05(日) 12:14:58.11 ID:
しずか「のびたさん、聞いてる?」

のびた「え?ごめん、もう一回言ってくれる?」

どうやらしずかちゃんの答えを聞き流していたらしい。

しずか「だからね」

しずか「同じクラスの日下部さん、出木杉さんのことが気になるんですって」

のびた「……え?」

しずか「知ってるでしょ、日下部さん。だから仲良くさせるために今回出木杉さんも誘ったわけ」

しずか「でも女の子二人ってのもあれだから他にも友達誘おうと思って……、のびたさん、聞いてる?」
212:2008/10/05(日) 12:18:16.19 ID:
のびた「あ、ああ、聞いてるよ、聞いてる」

ドラミ「……なんだかのびたさんにやけてる」

のびた「そ、そんなことないよ!あはは!あはは……」

そうだ、運命がなんだってんだ。

僕としずかちゃんが結婚する運命がないとしても、それが何の関係があるんだろう

自分の力で切り開くんだ。大岩選手のように。


だから僕はしずかちゃんに好かれるように頑張る、ドラえもんを助ける。

きっとそれは昔僕が求めていた、歩きやすくて、安全な、簡単な道というものとは程遠いのだろう。

障害だって、きっと大きい。

でもそんなもの

乗り越えればいいんだ
213:2008/10/05(日) 12:21:25.26 ID:
謎の建物前 スネオside


僕たちはあの敵のアジト疑惑があるあの建物前まで来ていた。

正直言うと怖い、怖すぎる。何故二人がここまで平気なのか僕には理解できない

ジャイアン「さて、建物の前まで来たけど……」

出木杉「どうやって中に入ろうか?」

ジャイアン「今俺たちは透明なんだぞ、バレやしない、堂々と入ろうぜ!」

ジャイアンは大胆だ。昔はガキ大将だったんだ。さすがに肝は据わっている。
214:2008/10/05(日) 12:24:55.67 ID:
ガチャ……、と音がしてドアが開いた。

真正面には無人のカウンター。カウンターの奥には多分職員用と思われるドアがあった。

玄関からみて左側にはなにもおかれていない少し広めの空間になっていた。壁には大きい有名なお菓子のポスターがかけられている。

右には待合室のように何脚か長椅子が置かれている。

スネオ「なんだ、だれもいないじゃないか」

出木杉「案外普通の造りだね、……カウンターがあるけど人がいない」
215:2008/10/05(日) 12:28:12.91 ID:
ジャイアン「留守なのかな……こんにちはー!誰かいませんかー!?」

スネオ「じゃ、ジャイアン!!潜入しに来たのにどうして声をだしたのさ!」

ジャイアン「あ、いっけね!」

スネオ「いけねじゃないよいけねじゃ!!」

出木杉「……静かにっ!」

かつかつかつ……
216:2008/10/05(日) 12:32:07.09 ID:


黒服「……」

そこにはドアもないのにどこから現れたのか、左側から黒い変わったデザインの服をきた中年の男が歩いてきていた!

スネオ(なんだあの黒服!、今どっから現れたんだ!?)

黒服「声が聞こえた気がしたが……気のせいか……」

そう言うと黒服は怪訝な顔をして玄関から見ての左側にあるポスターの中に消えいく……!

スネオ(あれが入口!)
217:2008/10/05(日) 12:35:31.16 ID:
ジャイアン「確信したぞ、絶対ここにドラえもんが居る!」

出木杉「僕たちもついて行こう!」

ジャイアン「おう!あのポスターだな!」

スネオ「できれば何も起こりませんように……」

僕たちはポスターに向かって進んでいく。姿は見えないけどムカデリレーのように進んでいるので肩の感触でそこに出木杉君がいることがわかる。
220:2008/10/05(日) 13:00:18.83 ID:
ジャイアン「入るぞ……!」

ついにポスターの中に入る……!

スネオ「おいおい……!ウソだろ!?」

出木杉「うわぁ……!」

ジャイアン「おい、さっきまで建物の中だったよな!?どうなってるんだ!?」


ポスターを抜けると、そこは地下世界だった。


おそらくここは地下なのだろう、天井である岩にはライトが埋め込まれこの空間全体を照らしている。驚くべきはこの空間の広さだ。

天井までの高さは地下なのに百メートルは軽く越していると思う。周りは壁で囲まれていて、ここからいちばん遠くの壁は二キロ近く離れているかもしれない。

そして周りにはなにか倉庫のような建物がいくらかあった(港を想像してもらうとわかりやすいだろう)
222:2008/10/05(日) 13:04:53.29 ID:
スネオ「広いな……ここは一体?」

出木杉「た、多分これが亜空間のアジトってわけだ、地下のように見えるけど……すごいなあ……」

ジャイアン「……おい、右をみろよ」

ジャイアンに言われたとおりに右を見る。そこには黒い奇妙なデザインの服を着た男が、小さな建物の中にいた。高速道路の入り口を想像してもらえばわかる、入る人をチェックする役割をしているようだ。

ジャイアン「おい……なんだよ、あのでかい建物」
223:2008/10/05(日) 13:08:21.47 ID:
おそらくジャイアンが言っているのは前方にある一際目立つ巨大な白い建物のことだ、

外観は美術館とか博物館によく似ている。

出木杉「いかにも……って感じだね。多分あの建物が敵の本拠地なんだろう」

ジャイアン「よし、行ってみようぜ」

スネオ「あぁ、怖いよう……」
224:2008/10/05(日) 13:12:18.31 ID:
前の二人が歩きだしたようなので僕も歩くことになる、敵の本拠地に向かってだ。

敵に姿は見えないとしても怖いものは怖い。白い建物に近づくにつれて黒い奇妙なデザインの服を着た人が増えてきている。

あの服はこの集団の制服なんだろうか。

出木杉「一人の犯行じゃないとは思ってたけど、まさかここまで大規模とはね……」

ジャイアン「まともに戦ったら勝ち目がないぜ……」

どんどん建物に近づいてゆく、僕の心臓が比例して大きく鼓動する。

肩の感触とたまにする小さな声での会話からそこにジャイアンと出木杉君がいることはわかる。


それでも姿が見えないってのは心細い。
227:2008/10/05(日) 13:15:49.53 ID:
スネ夫視点がこれまた良いね
228:2008/10/05(日) 13:17:12.41 ID:
皆がうらやましい、僕だって好きで臆病なわけじゃない。

僕だってジャイアンみたいに強くなりたい。

でも実際に怖い目に会うと、どうしても足がすくむんだ、どうしても腕が震えるんだ。

そこで僕は考えてしまう。


(なんで僕がこんな目に合わなくちゃいけないんだ!)


怖い思いをするのを止めて、家に帰ってしまえたら。そう考えると、


それがどうしようもないほど魅力的なものに感じられるんだ。
229:2008/10/05(日) 13:20:35.70 ID:
もう一人の僕がささやくんだ。

『うまく立ち回って、辛いことから逃げればいい』

ささやくんだ。

『どうして怖い思いをする必要があるんだ』

僕はそれに負けてしまう。僕は自分に負けてしまう。


僕は皆とは違う、臆病な人間なんだ。
234:2008/10/05(日) 13:24:28.43 ID:
いつも、皆が僕を引っ張ってくれるから、僕はこんなに怖いことに立ち向かうことができる。

でもそれは、僕一人じゃなんにもできないってことなんだ。

僕は

皆と、違う。

今回こそは自分を変えようと思った。危険な状態でも自分から友達を助けに動こうと思った。

それでもまた、足がすくんで、腕が震えて、もう一人の自分が誘惑してくる。

結局、僕が言ったセリフはただの虚勢をはっただけだったんだ。

小学生の頃からぼくはなんにも、変われちゃいなかったんだ。

しょうがないじゃないか、僕はまだ子どもなんだ。

中学生なんていっても、子どもなんだ。

本当はこんなこと、大人がやるべきなのに。

…………
235:2008/10/05(日) 13:28:45.33 ID:
ジャイアン「おい、連中倉庫から何かを運んでるぜ……!」

出木杉「木箱みたいだ、中身はわからないけど……もしかしたらここで何か作ってるのかもね」

見たこともない台車で、黒服達は木箱を運んでいた、木箱は厳重に封がされているように見える。

僕らが今向かっている白い建物にむかって。運んでいる人数は数えれるほどであり、頻繁に運搬をしているわけではないらしい。

そんな連中の横を通りながら、僕たちは進んでいく、

そしてついに建物の前まで来た。

ジャイアン「ついに着いたな……」
236:2008/10/05(日) 13:32:13.40 ID:
出木杉「近くでみると大きいもんだなあ……!」

僕らが通っている中学校の三倍くらいの大きさが、その建物にはあった。

いいようのない圧迫感、建物から無言の圧力を受けているように感じる。

ジャイアン「じゃあ入るぞ……!」

僕らは動き出した、そして、建物の入り口だと思うドアの前に立った。

木箱を運ぶ黒服たちはここに入って行った、おそらくここが入り口で間違いないはずだが、おかしいな。黒服達のようにドアが開かないぞ?

『……認証、デキマセン』

ジャイアン「おいスネオ!ドアが喋ったぞ!!」
239:2008/10/05(日) 13:35:47.14 ID:
『……認証、エラー』

そういうとドアは内側に開いた、どうやら中に入れるようになったらしい。

スネオ「あ、あいたぞ」

ジャイアン「よし、入ろうぜ!」

出木杉「……何かおかしい、武君ちょっとまって!!」

ジャイアン「え?」

『エマージェンシー!エマージェンシー!侵入者デス!!』
240:2008/10/05(日) 13:38:32.25 ID:
支援
おもしろい
241:2008/10/05(日) 13:39:24.57 ID:
ビイイィィン、と辺りにけたたましい警報が辺りに鳴り響く。

それとそれと同時にエマージェンシーの声、あぁ、なんてことだ……!

出木杉「見つかった……!皆!逃げよう!!」


ジャイアン「畜生、どうしてだ!?なんでばれた!!?」

出木杉「皆タケコプターで逃げるんだ!全速力でここを出てのびた君の部屋に集合する!

それまでバラバラになって逃げよう!!」

スネオ「うわああぁ!もうやだよぉぉ!!」

ジャイアン「泣くなスネオ!!早く逃げろ!!」
243:2008/10/05(日) 13:42:49.18 ID:
スネオ頑張れ
244:2008/10/05(日) 13:43:16.12 ID:
建物内部、とある場所


『エマージェンシー!エマージェンシー!侵入者デス!!』

?「ほう、思ったより早いな、さすがのびた君だな」

ドラえもん「のびた君!?なんでそうだとわかるんだ!」

?「簡単さ、未来人は絶対ここには来れない……それは君だってわかるだろう?」

ドラえもん「……」

?「そしてタイムパトロールのロボットなら我々が作りだした特殊な電磁波で今の君のように動けないはず……

この建物の警報が鳴るほど近くまで辿りつけないだろう」
246:2008/10/05(日) 13:46:38.59 ID:
?「そうなれば答えは明確だ。君のお友達が君を助けに来た。

さすがだな、現地人にしては優秀だよ、のびた君は」

ドラえもん「くそ……っ」

?「そしてこの建物までこれたということは……」

カチッ

?『基地内全員に告げる!敵は道具で姿を隠している!ゴーグルを携帯しているものは行使しろ!

熱線銃使用は許可するがの出力は下げろ!生けどりにして連れてこい!入口を封鎖しろ!

虫一匹たりともこの基地から逃がすな!!』

ドラえもん「み、みんな……!!」
247:2008/10/05(日) 13:50:26.06 ID:

タケコプターをつけて、僕は全速力で逃げていた。

ジャイアンは、出木杉君は大丈夫なんだろうか?姿が見えないから確認はできない、

孤独だ、今度こそ本当の孤独だ!

誰も僕を助けちゃくれない、このピンチは僕一人で切り抜けなきゃいけない!

スネオ(怖い、こわいこわいこわいこわいこわい!)

助けてママ、と僕は叫ぶのをこらえるので精一杯だった。

前へ、前へ!逃げるしかない、早く、速く!


黒服「一人見つけたぞ!」
249:2008/10/05(日) 13:55:08.53 ID:
黒服「ふん、ガキのくせに石ころ帽子なんて使いやがって!

生け捕りにしろって言われたからな、タケコプターを狙ってやる!」

バシュンッ!!


突如、衝撃、そして落下感

スネオ(撃たれた!タケコプターがやられた!?落ちる!)

スネオ「うわわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

ドンッ

黒服「向こうに落ちたぞ!」
250:2008/10/05(日) 13:56:09.93 ID:
スネ夫オおおおおお
252:2008/10/05(日) 13:58:34.31 ID:
スネオ「痛い……、あ、あれ?」

タケコプターが故障した。動かない!

スネオ「く、くそう!走って逃げなきゃ!なんであいつら僕を撃てたんだ!?

石ころ帽子は……あ、さっきの放送……!」


『敵は道具で姿を隠している!ゴーグルを携帯しているものは行使しろ!』


スネオ「じゃあ石ころ帽子の意味がないじゃないか!

あ、あああ!どどどどうしよう!!!」


たったったった

スネオ「ひ……!足音!こっちに来るぞ!」
253:2008/10/05(日) 14:02:13.48 ID:
ジャイアン達ならタケコプターを使ってるから足音なんてしない!!

だったら……!

スネオ「敵……!うわあ、どうしよう!!誰か、誰か助けて!!」

足音はまっすぐこっちに向かってくる!

だんだんと、だんだんと!近づいてくる!

ザッ


黒服「ふん……、捕まえたぜ、ガキ!」


スネオ「うわぁぁぁぁ!!」


黒服「おとなしくしてりゃ手荒なマネはしねえ、ほら、両手を挙げろ!」
254:2008/10/05(日) 14:05:11.74 ID:
黒服「おとなしくしてりゃ手荒なマネはしねえ、ほら、両手を挙げろ!」

もう駄目だ、僕はもう駄目なんだ、

捕まった、敵に。目の前で僕に銃を突きつけてくる。

黒服「早く手を挙げろ!撃たれてえのか!!」

ああ、ごめんよ皆、しくじっちゃたよ。

僕は手を挙げようとして

そして、見た



黒服が、いきなり尻もちをついて倒れるのを

256:2008/10/05(日) 14:08:44.01 ID:
黒服「うぐっ!なんだ!?がはっ!!」

そして黒服は凄い勢いで後ろに倒れた……!

スネオ「な、なんだ?なにがあったんだ?」


出木杉「……っ、人を殴るのってこっちも痛くなるんだね。初めて知ったよ、あはは……」


スネオ「出木杉君!?」


いきなりそこに出木杉君が現れた。石ころ帽子を脱いだんだ。
257:2008/10/05(日) 14:09:09.65 ID:
おもしろい!
頑張れ>>1
258:2008/10/05(日) 14:12:14.67 ID:
出木杉「大丈夫かいスネオ君?」

スネオ「た、助かったよお!!で、でも俺、タケコプターが壊れちゃって……!!」

出木杉「……、そうか……。うん、わかった!」

僕は一瞬理解が出来なかった。



出木杉君が自分の石ころ帽子を渡してきたんだ



スネオ「お、おい。どういうことだよ!!」
259:2008/10/05(日) 14:15:48.09 ID:
スネオ「お、おい。どういうことだよ!!」

出木杉「僕のを使いなよ」

スネオ「い、いや、俺は石ころ帽子は持ってるぞ!?」

出木杉「気付かなかったのかい?君、僕に見えてるよ。

多分、石ころ帽子も壊れちゃったんじゃないかな?」


そうだ、僕が石ころ帽子を被っていたなら、出木杉君は僕を見つけられるはずがない!


スネオ「まてよ!君の分はどうするんだ!!?」
260:2008/10/05(日) 14:19:50.54 ID:
出木杉「……僕にはタケコプターがあるよ」

スネオ「答えになってないぞ!君の姿が隠れないんだ!危険すぎる!」

スネオ「それに相手は石ころ帽子でも見えるんだ!俺に渡す意味がない!」

出木杉「それは違うよ、だってあいつら放送で『ゴーグルを携帯しているものは行使しろ』って言ってたじゃないか、

ゴーグルを持っているのは全員じゃない、大丈夫だよ」

スネオ「そ、それでもだ!」


スネオ「君が危険すぎるだろう!」


出木杉「……スネオ君は逃げてのびた君たちと合流してくれ」
261:2008/10/05(日) 14:20:44.75 ID:
出来過ぎだよ出木杉くん……
262:2008/10/05(日) 14:22:39.00 ID:
スネオ「無理だよ……!そんなの……っ!!」

出木杉「……無理じゃない」


出木杉「僕が敵を引き付ける」


スネオ「な……!馬鹿なこと言うなよ!!!」

出木杉「僕は真剣だ!」

スネオ「俺なんか助けても意味がない!

それより君が逃げてのびた達と合流しろ!そっちのほうが正しい!!」
263:2008/10/05(日) 14:23:06.12 ID:
ssでこんなにカッコイイ出木杉初めてみた支援
266:2008/10/05(日) 14:26:43.50 ID:
出木杉「いや僕よりスネオ君の方がみんなの役に立つ……!」

出木杉「言ってただろ、道具の扱い方は俺に聞け、って」

出木杉「僕より君の方が道具の扱いには慣れている。これは適材適所さ」


スネオ「なに言ってるんだよ……なに言ってるんだよ!!僕なんかより君の方が!!!」

出木杉「言っただろ!これは適材適所なんだ!……それに」

出木杉「君は僕の友達だ、友達が危険なのに、

自分が怖いからって逃げ出したら、僕はこれから自分を許せそうにない……!!」

スネオ「……!」
268:2008/10/05(日) 14:30:40.32 ID:
出木杉「……ははっ、たまにはさ、僕にもかっこつけさせてくれよ、

これって僕の好きなアニメのキャラクターみたいなんだよ……いいだろ?」

スネオ「……馬鹿野郎!」

出木杉「その代わりさ、後でみんなと助けにきてくれよ?

なに、放送が本当なら殺されるなんてことはないはずだよ……

早く行くんだ!もうすぐ敵が来る!」


そういうと出木杉君は倒した敵の銃を持ってタケコプターで宙に上がった。本当に囮になるつもりなんだ、わざと目につくように空中にいるんだ。

僕は石ころ帽子を被ると全速力で駆けだした
270:2008/10/05(日) 14:31:03.63 ID:
出来杉神過ぎ
271:2008/10/05(日) 14:32:33.16 ID:
カッコ良く出来すぎだろ…
272:2008/10/05(日) 14:33:43.51 ID:
走って走って走って走って、

運がよかったのか出口に着くまでゴーグルを付けた連中に遭わなかった。

出口に着くと、4~5人が倒れていた、きっとジャイアンだ

ジャイアンが無事だ!

そのことで僕はまだ走れた。

基地を抜けて、走って走って、安全のはずなのに僕の足は止まらなかった。

途中で涙が出てることに気付いた。

情けなかった、友達に守ってもらって僕は逃げだした。

(出木杉君だって怖かったんだ!!)
274:2008/10/05(日) 14:37:15.60 ID:
言ってたじゃないか、腕の震えが止まらないと!

僕は見ていたじゃないか、石ころ帽子を僕に渡した時、出木杉君の顔は蒼白、

彼だって怖がっていたんだ!

あいつのことはいつも完璧なやつで、僕なんかとは違う、そう思っていた!

でも違う!彼だって僕みたいに恐怖を感じていたんだ!

それでも彼は耐えたんだ!一人で逃げだし助かることができたのに、そうしなかった!

もう一人の自分の誘惑に、彼は勝ったんだ!
275:2008/10/05(日) 14:40:55.58 ID:
(出木杉君は、初めてだったんだぞ!)

彼は人を殴るのも初めてだった!自分はどうだ!

なんどもこんな危険な体験をしてきたじゃないか!

情けない、情けない!

自分が!骨川スネオが!他の誰でもない、自分に一番腹が立った!

自分だけが皆と違う、確かにそうだ!

僕は自分の性格のせいにしてこれまで逃げてきたんだから!

僕は皆と違って卑怯者だ!それだけが皆との違いだ!

皆だって怖いんだ!スーパーマンじゃあない、

みんなは怖いのを必死に我慢してもう一人の自分の誘惑に勝ってきたんだ!

鼻汁も涙も拭わず、僕は走った。のびたの家まで。

速度がどれほど落ちても、僕は止まらなかった。止まれなかった。
292:2008/10/05(日) 15:45:46.77 ID:
今まで見たドラえもん系で1番面白い
続き期待保守
317:2008/10/05(日) 19:12:34.84 ID:
のび太の部屋

のびた「出木杉が……!」

しずか「捕まったですって!?」

スネオ「うう……!ご、ごめんよ!お、俺の……!俺のせいだっ!」

スネオは泣きながら謝っていた。よほど悔しかったのだろう。

ジャイアン「スネオ、お前のせいじゃねーぜ……畜生!!俺が後ろを確認していれば!!」
318:2008/10/05(日) 19:15:25.00 ID:
しずか「誰のせいでもないわ……!だから……!泣かないで、スネオさん!」

のびた「悪いのは時空犯罪者だよ!」

ドラミ「それに……、話を聞く限り出木杉さんは無事のはずよ、生け捕りにしろってことなら、簡単には殺さないはず」

スネオ「み、みんな……」

スネオは腕で涙を拭った。その顔は決意に満ちた表情をしていた。

スネオ「言っただろ、今回は暴れてやるって、やけくそだって……

でもあれ、嘘だったんだよ、俺、やっぱり怖かったんだ」
320:2008/10/05(日) 19:19:04.02 ID:
スネオ「でも……!今度は嘘じゃない!」

スネオ「君達と暴れてやる!やけくそだ!ドラえもんと出木杉は絶対助ける!

嘘じゃない、嘘じゃあないぞ!今度は本気だ!」


ジャイアン「スネオ……!」

しずか「スネオさん……!」

のびた「あぁ!絶対みんなでドラえもんと出木杉を助けよう!」
321:2008/10/05(日) 19:20:40.03 ID:
スネオ(´;ω;`)
322:2008/10/05(日) 19:22:47.00 ID:
…………

のびた「二人の話で敵の規模と場所はわかった。建物の中には入ってないけどね」

ドラミ「問題はどうやって気付かれず中に入るか、ね」

ジャイアン「なんであの時ばれて警報がなったんだ?」

スネオ「おそらく、あの扉は何か認証するカギみたいなのがないと入れないようになっているんだ」

しずか「それがない限り警報がなる……どうにかして入る方法はないのかしら?」
325:2008/10/05(日) 19:27:47.38 ID:
今思ったんだけどこういうのってsageで投下するのが普通?

-----------

のびた「……ドラミちゃん、何か使えそうな武器はないの?」

ドラミ「うーん……ちょっと待ってね」



スネオ「で、結局いつものように『ショックガン』と『スーパー手袋』なわけね、しかも空気砲じゃなくて『空気ピストル』」

のびた「そして『名刀、電光丸』」

ジャイアン「ドラミちゃん、『空気砲』と『ひらりマント』はないのかよ!?」
327:2008/10/05(日) 19:31:39.42 ID:
ドラミ「『空気砲』は私の免許だとまだ使えないわ、『ひらりマント』はもともとお兄ちゃん専用の武器で、

昔貰ったひらりマントは破けて使えなくなっちゃったの」

スネオ「肝心な時に道具がないって所はドラえもんと似てるな」

ドラミ「……ごめんなさい」

のびた「それに合わせて『空気ピストル液体版』に『ジーンマイク』か……」

ドラミ「あ、『スモールライト』もあるわよ」
328:2008/10/05(日) 19:35:31.72 ID:
しずか「それも武器になるわね!」

ドラミ「うーん、どうかしら、大抵の時空犯罪者はスモールライトの効果がないような防護素材を使った服を着ているから……」

スネオ「うーん……、駄目だなぁ……」

のびた「中に入れればこの道具でも十分戦えると思うんだけど……」

しずか「『通り抜けフープ』はどうかしら?」
329:2008/10/05(日) 19:38:45.48 ID:
ドラミ「……駄目ね、時空犯罪者のアジトには大抵そういう亜空間移動の道具がきかない仕組みになってるわ」

のびた「そういえば前に皆で大昔の日本に行ったとき、敵のアジトで通り抜けフープが使えなかったってドラえもんが言ってたな」

スネオ「ギガゾンビのことか、懐かしいなぁ」

僕は大昔の日本に行ったときに出会った人々のことを思い出していた、

ククルたち、ペガ、グリ、ドラ。そういやドラえもんのやつギガゾンビに対抗してドラゾンビなんて名乗ってたな、懐かしい。

のびた「『どこでもドア』は?」
330:2008/10/05(日) 19:42:29.15 ID:
ドラミ「亜空間は行き先としてインプットされてないの、

行き先としてインプットされてないところはいけないわ」

ジャイアン「ああ!畜生!じゃあどうすりゃいいんだよ!」

スネオ「中から誰か開けてくれるか、敵と一緒に仲良く入るしかないね……まあ不可能だけど」


のびた「……!いや、それだよ!!それだよスネオ!!!」
334:2008/10/05(日) 19:47:52.25 ID:
スネオ「えぇ!?どういうこと!?」

のびた「敵と一緒に入るんだよ!」

ジャイアン「なに言ってるんだよのびた!それができれば苦労しないぜ!」

のびた「いや、できるんだよ、簡単さ!」

のびた「スモールライトだ!」

しずか「スモールライトで小さくなって敵と一緒に入るってこと!?」

のびた「そうさ!それなら認証をパスして中に入れる!」

ジャイアン「それだ!さっすがのびただぜ!」

336:2008/10/05(日) 20:00:41.80 ID:
スネオ「でもさあ!透明になるわけじゃないんだぜ!?見つかる可能性の方が高いよ!」

のびた「それは、そうかも……」

ジャイアン「がっかりさせるな、よく考えてしゃべれ!!」

しずか「待って!」



しずか「中には倉庫があって、その中の木箱を建物に運んでいたのね?」

スネオ「ああ、そうだよ?」

しずか「じゃあ小さくなってその荷物の中に紛れていけばいいんじゃないかしら!」
337:2008/10/05(日) 20:06:21.76 ID:
ジャイアン「すげえ!さっすがしずかちゃんだ!」

のびた「さえてるう!」

ドラミ「それが一番いいかもしれないわね……」

スネオ「でもなぁ、ちょっと不安だよ」

のび・ジャイ「「どうして?」」
338:2008/10/05(日) 20:11:26.81 ID:
スネオ「僕が見た感じ、あの木箱は結構厳重に閉じられていた。

中には小さくなっても入れないと思う、できたとして荷物の陰に隠れて入るってことくらいか。

流石に僕らが全員で行くとゴーグルをつけているやつに見つかっちゃうかもしれない」

のびた「かといって、分かれて別々の荷物に隠れて中に入っても、

スモールライトを持ってないグループと居場所が違ったら元の大きさに戻れない……」

しずか「私たちは内部の構造を知らないわけだから、合流するのも難しいわね」

ジャイアン「それでもこれ以外にいい手はねぇんだ!これでいこうぜ!」
339:2008/10/05(日) 20:15:52.61 ID:
スネオ「しょうがない、か。……問題は中に入った後だ。二人を見つけて助けたとしても敵にみつからないわけにはいかない。

建物の外にあれだけ敵がいたんだぜ?中はきっともっとうじゃうじゃいるよ!」

ジャイアン「しょうがねえだろそんなことは!ドラえもんと出木杉を助けりゃこっちは楽になるし、

今更泣き言いうんじゃないぜスネオ!」

スネオ「そうだけど……」

のびた「とりあえず、その案で行こうよ、それしかない」
340:2008/10/05(日) 20:16:48.31 ID:
期待保守
341:2008/10/05(日) 20:20:40.39 ID:
……

スネオ「じゃあ後は明日の作戦決行に備えて休むか」

ジャイアン「よし、景気付けに俺様が歌うぞ!」

のびた「やめてくれ!僕の部屋が壊れる!」

ジャイアン「なんだと!のびたてめえ!それでも『剛田武ファンクラブ』の会長か!?」

ガツンッ
343:2008/10/05(日) 20:25:06.87 ID:
のびた「痛い!まだ僕はそれの会長なのか……」

しずか「やめてあげて武さん!のびたさんが怪我しちゃうわ!」

スネオ「……あ!」

スネオ「ああ!!」


ジャイアン「どうしたんだスネオ、いきなり」

スネオ「ちょっと、ちょっとだけ待って!」

そういうとスネオはぶつぶつ言いながら何かを考えていた。

スネオ「……もしかしたら、すんごいこと思いついちゃったかも!これで敵の数も、潜入も楽になるよ!」
344:2008/10/05(日) 20:29:35.69 ID:
ジャイアン「なんだそれ!どういうことだ!?」

のびた「そんなことできるの!?」

スネオ「まあ待ってくれたまえ、ドラミちゃんこういう道具ない?ごにょごにょ……」

ドラミ「……あるけど、一体何に使うの?」

ジャイアン「おい、なに話してんだよ?」

スネオ「……よし、グッドだ!みんな、きいてくれ!」

345:2008/10/05(日) 20:34:40.53 ID:
スネオの作戦を聞いた僕たちは少し呆れるというか、呆けた顔をしていたと思う。

しずか「本当にそんなことが可能なの!?」

ドラミ「……わからないわ、でも、スネオさん、成功率は?」

スネオ「ほぼ100%さ!」

のびた「……うん!僕もそう思うぞ!」

ジャイアン「……やるしかねえ、な」

ドラミ「ずいぶん危険な方法ね、確実に敵に気付かれる」
346:2008/10/05(日) 20:38:28.00 ID:
スネオ「この際気付かれるか気付かれないかは大した問題じゃないよ!

大切なのは敵を混乱させられるかどうかさ!」

ジャイアン「へへ、さすがスネオ!」

のびた「これで勝算が出てきたよ!」

ドラミ「……」

ドラミ「ねえ、皆」

ドラミ「少し話を聞いてもらいたいの」
347:2008/10/05(日) 20:42:27.26 ID:
のびた「どうしたんだい?」

ドラミ「どうしてこの時代にタイムパトロールが来てないか、聞いてほしいの」

しずか「え?ドラちゃんが来てるじゃない、それにドラミちゃんも」

ドラミ「でも人間は来てないわ」

スネオ「一体どうしてなんだ?」

ドラミ「……この時代に来ている時空犯罪者、彼は刑務所を脱獄、

その後とあるコンピュータウイルスの母体を盗んでこの時代に逃げてきたの」

ドラミ「そのウイルスは前代未聞の最悪のウイルス……」

ジャイアン「ど、どんなウイルスなんだよ!」

ドラミ「未来人だけを殺せるウイルスよ」
351:2008/10/05(日) 21:00:20.46 ID:
のびた「未来人を殺せるウイルス!?」

しずか「でも待って、今コンピュータウイルスって言ったわよね、それがどうして人を殺せるの?」


ドラミ「ナノマシン、って知ってる?」

ジャイアン「おいスネオ、知ってるか?」

スネオ「確か凄く小さい機械のことだった気がするぞ?

テレビでナノテクノロジーってのをどっかの大学の谷口なんとかさんって人が発表したっていってた気がする」

ドラミ「そう、凄く小さい機械、その名の通りナノサイズの機械なの、

22世紀ではそれが普及していてね、ほぼ全員が体内にナノマシンを持っているの」

354:2008/10/05(日) 21:03:34.30 ID:
これは面白いな
ドラえもん愛を端々に感じるw
355:2008/10/05(日) 21:06:05.99 ID:
のびた「か、体の中に入れるの!?気持ち悪いなあ!」

ドラミ「大丈夫よ、目に見えないほどのサイズだし、

怪我をした時の治療はもちろん病気の早期発見、対処なんかにも役立っている画期的な技術なのよ」

しずか「そのナノマシンとウイルスがどう関係しているの?」

ドラミ「時空犯罪者が盗んだのはそのナノマシンを暴走させるウイルスなの」

ドラミ「空気感染するんだけど人体にはまったく影響は与えないわ、

体内のナノマシンに直接作用して暴走させる……」

スネオ「ぼ、暴走するとどうなるんだ!?」
359:2008/10/05(日) 21:12:06.47 ID:

ドラミ「プログラムエラーを起こして人体のあらゆる細胞を殺し始めるの。

ナノマシン自体が活動を停止するころには人体は破壊し尽くされ、死んでしまう」

ジャイアン「おっかねえなあ!」

しずか「こわいわ……」

ドラミ「そのウイルスが、すでにこの時代、いまこの場所でも蔓延しているの」


スネオ「おいおい!洒落にならないよ!」

のびた「この部屋にも存在するのかい!?」

ジャイアン「大丈夫なのかよそれ!」
364:2008/10/05(日) 21:17:34.68 ID:
ドラミ「大丈夫よ、コンピュータウイルスだし、この時代の人はナノマシンは使ってないから……

それに空気中のウイルスは一週間程で消える。私にも影響はないわ、だけど……」

スネオ「22世紀のタイムパトロールは別……ってことか」

ドラミ「この時代はウイルスが蔓延している、だから人間はこれないの、今回の時空犯罪者逮捕に現地人を使う理由の一つにも挙げられるわ」

ドラミ「体の中のナノマシンを取るのも、

ウイルスについてワクチンを打つのも、感染するのを防ぐ対策ができるのも時間がかかるの」

ジャイアン「なんだよそれ!自分たちがあぶねえからってのびたとドラえもん任せで自分たちは安全なところにいるってのかよ!許せねえぜ!」

ドラミ「本当に、謝罪しかできないわね……、ごめんなさい」
365:2008/10/05(日) 21:22:38.67 ID:
しずか「ドラミちゃんが悪いんじゃないわ……、

でも、どうしてこの話をしたの?」

ドラミ「大人の都合を押し付けて、それを教えずに戦わせるってことに耐えられなかったの……」

のびた「……」

ドラミ「本当は、全部大人が始末をするべき仕事なのにね……

今日の所は報告しに未来へ帰るわ……明日、また来るわね」

のびた「うん、またね。ドラミちゃん」

スネオ「じゃあね!」

しずか「また明日!」

ジャイアン「明日は頼むぜ!」
367:2008/10/05(日) 21:28:02.77 ID:
ドラミちゃんが帰ったあと、僕らは無言だった、

何か話せばいいのに、話題が見つからない。こんな時に自分の会話力の低さに悩まされる。

たんたんたんたん……

のび母「みんなー、スイカよ。良ければ食べてね!」

しずか「ありがとうございます」

ジャイアン「いただきます!」

のび母「あら、そういえばドラちゃんと出木杉さんは?」

のびた「……出木杉は、用事を思い出したんで帰ったよ、ドラえもんはまだ帰ってこないな、今日も泊まるんじゃないかな」

のび母「そう、じゃあみんなゆっくりしていってね」

母さんから渡されたスイカをみんな無言で食べる、窓の外を見ると少し辺りが暗くなってきていた。
371:2008/10/05(日) 21:32:26.77 ID:
さっきから頭から離れないのが、ドラミちゃんの言ってた『大人の都合』というやつだ。

どうやら僕は大人が決めたことに振り回されてるらしい。

スネオ「大人ってさ……」

スネオ「自分勝手だよな、『あなたのことを思って言ってる』、なんて言いながら、

そんなの実際自分のためだよな。自分の価値観、子どもに押しつけてくるだけなんだよ」


しずか「それ、わかるわ。私ピアノよりもバイオリンの方が好きなのにママったらわかってくれないもの。

いつも『女の子らしくしなさい』って……、だから私ソフトボール始めたのよ、今思うと反発心からの行動ね」

のびた(しずかちゃんのバイオリンは酷いからしずかちゃんのお母さんの気持ちも少しわかるなあ)

ジャイアン「うちの母ちゃんもよぉ、

『店番しろ!』、中学行ってもそればーっか!もうやんなっちゃうよな!」
372:2008/10/05(日) 21:35:35.03 ID:
のびた「僕も『勉強はしたの?』ってよく聞かれるな……おかしいなぁ、昔よりはがんばってるのに」

スネオ「どこもみんな変わらないな」

のびた「……ねえ」

のびた「どうして僕らは大人になるんだろう?」


ジャイアン「……」

のびた「……いつ頃、大人になるんだろうな」

373:2008/10/05(日) 21:36:53.58 ID:
歌詞ktkr!
374:2008/10/05(日) 21:37:58.68 ID:
あぁこの切ない感じ、ドラえもんの映画だ…
何かすっごい懐かしい
375:2008/10/05(日) 21:39:29.58 ID:
いつから、僕らは大人になるんだろうか、

高校を卒業したら?二十歳になったら?大学を出たら?就職したら?

子どもと大人の境目ってなんなんだろう。

あいつは、ドラえもんは僕に『もう子どもじゃない』と言った。

それってつまり大人ってことなんだろうか、いや、僕自身そうと思えない。

つまり、それって今僕は子どもと大人の境目にいるってことか?


スネオ「……きっとそんなことを考えてるうちに大きくなって、

俺たち自身、気づいたら子どもの頃嫌いだった大人の一員になるんだろうな、いやだねえ、人間社会って!」


しずか「……きっと、大人になったら私たちも今のママみたいなことを言うようになるんでしょうね……」

ジャイアン「いや、俺は違うぞ!」
376:2008/10/05(日) 21:41:44.62 ID:
映画化したいな…これ
377:2008/10/05(日) 21:43:15.75 ID:
ジャイアン「俺は、大人になっても、ジャイアン様だ!俺は変わらねえぞ!」

のびた「あはは!ジャイアンらしいや!なんかわかるよ、きっとジャイアンはずっと変わらないな」

スネオ「俺は変わるぞ!今よりもっとかっこよくなってやるさ!」

ジャイアン「おめえは変わんねえよ!スネオ!!きっとしずかちゃんはもっと可愛くなってるだろうけどな!」

しずか「あらやだ武さんたら!……でも」

しずか「私たちは変わらないと思う、変わったように見えても、きっと変わってないんだわ。

だって、小学校の時からそうだもの。のびたさんも、たけしさんも、スネオさんも、出木杉さんも、ドラちゃんも、ドラミちゃんも。

これからも、ずっと変わらないと思うわ」
379:2008/10/05(日) 21:47:46.18 ID:
スネオ「変わったように見えても?」

しずか「ええ、そうよ」

ジャイアン「へへ、ちげぇねえ」

僕らは、多分、もう子どもじゃないんだ。ただなにも気にせずに遊んでいられた頃とは違う、

昔よりずっといろいろなことに縛られて、今を生きている。

でもきっと大人というわけでもないのだろう、

先生が言っていた『目は何故前についているのか』という話の通り、前へ、前へ。

それが正しいんだ、きっと。

もしかしたら、今の僕らは子どもから大人へと変わる長い期間に入っているのかもしれない。

それが少年期というものなんだと思う。

381:2008/10/05(日) 21:50:40.20 ID:
のびた「ねえ、これが終わったら、今度こそ夏休みの旅行計画を立てようよ!」

ジャイアン「当たり前だろ!しずかちゃん!女子って誰が来るんだ?」

しずか「日下部さんにちはるちゃんに……」

スネオ「わぉ!レベル高いじゃないか!」

のびた「本当だね!」

しずか「……のびたさん、鼻の下が伸びてるわよ、みっともない」

のびた「えぇ!?なに怒ってるのさしずかちゃん!」

明日は勝負の日になる

明日が終わってからの日常を取り戻すために、僕らは戦うんだ。

これは大人の都合ってやつに振り回されてるってやつなんだろうか、

いや、関係はない。これは僕の意志だ。自分で決めて選んだ道だ。

だれにも文句は言わせやしない。

384:2008/10/05(日) 21:55:53.77 ID:
ジーンときた・・・
382:2008/10/05(日) 21:54:34.57 ID:
これで今日は終了します、まじで疲れた……
付き合ってくれて本当ありがとう。
今回もなんか孤独を感じなかったな

次はたぶん明日の夜の更新になります。ではノシ
400:2008/10/05(日) 22:22:21.48 ID:
やっと追いついたと思ったら>>1
原作好きな俺はものすごい好きだ!応援してる
418:2008/10/05(日) 23:38:18.57 ID:
ほんと神スレだわぁ
保守
425:2008/10/06(月) 00:06:05.88 ID:
みんなで少しずつ保守しようぜ!

こんな良作なかなかみれるもんじゃないよ!

>>1ありがとう!
445:2008/10/06(月) 02:45:50.09 ID:
悲しい時には 町のはずれで

電信柱の明かり見てた

七つの僕には 不思議だった

涙うかべて 見上げたら

虹のかけらが キラキラ光る

瞬きするたびに 形を変えて

夕闇にひとり 夢みるようで

しかられるまで たたずんでいた

ああ僕はどうして大人になるんだろう

ああ僕はいつごろ大人になるんだろう
447:2008/10/06(月) 02:48:13.50 ID:
いい歌だよな・・・少年期・・・
516:2008/10/06(月) 18:52:14.07 ID:
保守本当にありがとうございます
ではのんびり投下していきます
518:2008/10/06(月) 18:55:20.37 ID:
>>1きた
519:2008/10/06(月) 18:56:31.38 ID:
アジト


?「ほら、ドラえもん君、君のお友達だ!」

ドサッ

出木杉「いたた……」

ドラえもん「出木杉君!」

出木杉「やぁドラえもん!無事だったんだね!」

ドラえもん「どうして君が……!」

出木杉「ははは……、ドジ踏んじゃったよ」

522:2008/10/06(月) 19:00:16.06 ID:
?「この子はみたことがないな、……うちの者が何人かやられてしまってね、

出木杉君にはその借りを返してもらうかもしれない……

どうだ、ドラえもん君、決めてくれたかね?」

出木杉「なんのことだいドラえもん!」

ドラえもん「……っ!」

?「何、ドラえもん君にね、借りたいだけなんだよ。道具を」

出木杉「!!」

?「力づくで奪えないのは彼がポケットをロックしているからさ、まったく困ったものだ」
524:2008/10/06(月) 19:05:23.35 ID:
出木杉「ドラえもん!道具を渡しちゃだめだ!僕のことはかまうな!」

ドラえもん「で、でも……」

?「ふん……、相手はたかがロボットだというのに……まあ今すぐ決めろなんてことは言わないさ、

もっとふさわしい時に答えを聞こう」

出木杉(相応しいとき?)

?「そういえば、聞いてなかったな、ドラえもん君、君はどうしてこの基地の場所がわかったんだ?」

ドラえもん「……ニュースでやっていたのさ、『警察官二名意識不明の重体』ってね、

ここでそんな物騒な事件が起きたのは初めてだ。

おまえたちの仕業かと思って事件のあった近くを調べていたのさ。どうやら当たりだったみたいだな」
526:2008/10/06(月) 19:08:49.60 ID:
?「……君は?」

出木杉「……」

?「ふん、まあいいか」

ドラえもん「おい、僕が質問に答えたんだ、こっちも質問させてもらうぞ。

どうしてお前たちはこの時代に来たんだ?」

?「……都合がよかったのさ」

出木杉「都合?」
528:2008/10/06(月) 19:12:49.94 ID:
?「私たちが盗んだウイルスは未来人に影響が出る、なにもこっちも人殺しをしたいわけじゃない、

だからナノマシンが普及していないこの時代を選んだ、この時代なら常時ウイルスを散布していてもまったく問題はない」

出木杉(……ということは、未来ではナノテクノロジーが普及していて、

ウイルスはそれに作用するのか?そしてこの時代の人間には影響がない?)

?「そしてある程度文明が発達していたほうが何かと都合がいい」

?「一番の目的は、ドラえもん君やのびた君たちに借りを返すってことだがね……

おい、このガキを連れて行け」

黒服「はいッ!」

ドラえもん「おい!出木杉君に何かしてみろ!僕は許さないぞ!」

?「ふん……、行け」

黒服「おら、さっさと歩け!」
529:2008/10/06(月) 19:16:58.93 ID:
わくてかわくてかくわばらくわばら
530:2008/10/06(月) 19:17:13.21 ID:
のびたside

決戦の日が来た。

昼からみんな僕の家に集まり最後の打ち合わせをした。

夜になって目的地まで念のため石ころ帽子をかぶって移動する。

皆緊張しているのか、無言だった。

そして目的地近くに着いた。僕たちはポスターをくぐり、アジトへ潜入する。

入口には何人か見張りがいたけど幸運なことにゴーグルはつけていなかった。

話にきいた以上アジトは広く感じた。

目のいいドラミちゃんが前に立ってゴーグルをかけているやつがいないかチェックしながら進む。

ドラミ「見て、あの倉庫、今ちょうど荷物の運搬行ってるみたい!」

のびた「よし、じゃあ近くまで行こう」
532:2008/10/06(月) 19:21:18.47 ID:
そしてその運搬が行われている倉庫の近く、黒服達の目につかないような所へ隠れる

ドラミ「武さん、スネオさん、いったん石ころ帽子を取って」

目の前にジャイアンとスネオが現れる。

ドラミ「準備は大丈夫?」

ジャイアン「もちろん!」

スネオ「万全だよ!」
533:2008/10/06(月) 19:23:21.12 ID:
キテターーー!

一を聞けば十理解する出木杉カコヨス
535:2008/10/06(月) 19:29:42.18 ID:
のびた「二人とも、頼んだよ!」

ジャイアン「まっかされよう!」

スネオ「任しといてよ!」

ジャイアン「行くぜ!スモールライト!」

スモールライトの光を浴びた二人はみるみるうちに小さくなっていった。

そして石ころ帽子を被り、完璧に姿が見えなくなる。

しずか「がんばってね、二人とも!」

のびた「よし、それじゃ僕たちも急いで準備にかかろう!」
537:2008/10/06(月) 19:31:38.83 ID:
スネオside

ジャイアン「スネオ、木箱を運んでいる台車に乗って中に入るぞ!」

スネオ「しかし、中身はなんなんだろうね、これ?」

小さくなったから巨大に感じるその荷物、外見はただ木の箱に見える。

ジャイアン「よし、あの緑色の文字が書かれているやつだ!」

スネオ「わかった!」

僕たちはその木箱の近くに行き、その木箱のちょっとしたでっぱり(僕らにとっては十分な広さだ)に座った。
538:2008/10/06(月) 19:33:53.54 ID:
ジャイアン「おい、スネオ、いるか?」

スネオ「いるよジャイアン」

ジャイアン「こんなスペースがあるなら皆一緒に建物の中に入れたかもしれないな」

スネオ「そうかもねぇ」

黒服が僕たちが居る木箱を運搬するための台車に乗せた。

この道具は未来の道具なんだろう、宙に浮いている。
540:2008/10/06(月) 19:37:42.26 ID:
そうしてついに僕らはあの建物の入り口に着いた、

なんだか、胸がどきどきしてくる、それは恐怖というよりも高揚から来るものであるように感じた。

『……認証、クリア、ドウゾ』

あの時はここを失敗したんだ、遂に僕たちは中に入ることになった。



建物の中は広かった、通路が、天井が。それはおそらく自分が小さいからそう思うわけではないだろう。

進んでいくと観葉植物や自動販売機らしいものが置いてある休憩場をぽつぽつ通り過ぎたりした。

ジャイアン「おい、スネオ……!」

スネオ「どうしたのジャイアン?」
543:2008/10/06(月) 19:46:40.73 ID:
ジャイアン「見ろ、下り階段に向かってるぞ!好都合だ!」

このままの進行方法なら下に降りる階段に向かっている。確かに好都合だ。

少し長い階段を下りて、僕たちはなにか広い荷物置き場のような場所に着いた。

黒服が台車から木箱を下ろす、そして出ていく。

スネオ「ジャイアン」

ジャイアン「おう!」

ジャイアンはスモールライトを使って元の大きさに戻った(はずだ、姿が見えないけれど僕が戻ったのだから)。

ジャイアン「早速作戦開始か……!スネオ、準備はいいか!?」
547:2008/10/06(月) 19:51:00.57 ID:
スネオ「ちょっと待って……!」

僕はドラミちゃんから貰った耳バンをつける、

こんなの、気休め程度にしかならないのはわかっているがそれでもいい。

スネオ「いいぞジャイアン!」

僕はそう言った。ああ、これからどんなに辛い出来事がまっているのだろうか、ママ、頑張ってくるよ。

そして作戦開始の合図のジャイアンが息を吸い込む音が聞こえた、

ちくしょう、ドラミちゃんから未来の薬をもらったけど、それでもきっと駄目だろうな。

そして作戦開始

もの凄い振動が、僕に、そして建物全体に襲いかかった。
548:2008/10/06(月) 19:55:49.72 ID:
回想 前日 のび太の部屋


スネオ「ジャイアンの声さ!」

のびた「ジャイアンの声!?それが秘策だってのか!?」

スネオ「ジャイアンの声にはもの凄いパワーがある、ガラスだって割っちまうんだ、

人並み以上、いや……、人間の限界を超えている!」


ジャイアン「おぉ!心の友よ!俺の声のよさがわかるのか!」


スネオ「わかるとも!その声のでかさと人並みはずれた低音の歌声だから可能なことがある」


スネオ「超低周波音さ!」
549:2008/10/06(月) 19:57:02.17 ID:
ジャイアンすげぇwwww
551:2008/10/06(月) 20:00:37.63 ID:
ジャイヤン輝きすぎwwwww
552:2008/10/06(月) 20:00:44.95 ID:
のび・しず・じゃい「超低周波音!?」


スネオ「いいかい、音ってのは空気が振動して聞こえるって知ってるよね?」

のびた「当たり前だろ、小学生でも知ってるぞ!」

スネオ「音は空気の振動、そして振動回数で音の高さ低さがわかる。

人間の声ってのはその振動の周波数が100Hz以下の低音はどうやっても出せないようにできてるんだ」

スネオ「この100Hz以下ってのは低周波音、なんて呼ばれてる。公害の騒音問題なんかで取り上げられる部類さ」

のびた「それとジャイアンの声にどう関係が?」
555:2008/10/06(月) 20:05:33.07 ID:
スネオ「そう急かすなよ、その低周波音よりさらに低い音、これが超低周波音さ。

20Hz以下の低音だ、こうなるともう人間の耳には聞きとれない」

スネオ「でも、身体や周りのものには影響が表れるんだ、

その音だけで窓ががたがた震えたり、人体を気持ち悪くさせたりする……、

例えば、ベースの音が馬鹿でかいバンドのライブをライブハウスでベースのスピーカーの真ん前で観てみたりすると、

途中で気持ち悪くなったりして後ろに下がっちゃう、なんてことがよくあるんだ」

スネオ「ジャイアンの場合、人間じゃ考えられない低音を出している。

僕ら、ジャイアンの歌を聴くと気分が悪くなるだろ?超音痴ってことだけじゃない、

きっと人間離れしたジャイアンの歌声の低さが原因なんだよ」
557:2008/10/06(月) 20:10:54.88 ID:
石ころ帽子って見えなくなるんじゃなくて意識の範疇から外れる見たいな感じだったと思うんだけど
これって第二者の使用者に対する注意がそれるとかいうことなのかしら

>>557  
石ころ帽子は魔界大冒険を参考にしてます 
 
558:2008/10/06(月) 20:11:20.73 ID:
のびた「確かに昔僕の歌がスネオに『ジャイアンよりひどい』って言われたことがあったな。

音痴だけが原因じゃ……お、おいスネオ」

スネオ「ん?」

ジャイアン「だぁれが超音痴だってスネオ君?」

ガツン!

スネオ「痛い!……ちょっと続きを聞いてくれよ!!」

スネオ「このジャイアンの声を、ドラミちゃんの持ってる未来のマイクで低音を増幅させて協力な超低周波音を起こすんだよ!」
561:2008/10/06(月) 20:17:04.74 ID:
ドラミ「さっきスネオさんがあるか聞いてきたのは『武さんの声のでかさにたえられて、いくらか音の高さが調節出来るマイク』のことなの」

しずか「武さんの声のでかさに耐えられる?」

のびた「実はジャイアン、本気で歌うと声が大きすぎてスピーカーを壊しちゃうんだよ、

ジャイアンの声を大幅に増幅させるマイクなんてあったら凶器だよ、

昔害虫駆除に使った『狂音波発振機』は音自体をそこまで増幅させてはいなかったな」
565:2008/10/06(月) 20:23:03.61 ID:
スネオ「マイクで増幅されて、音の高さを低音に設定したジャイアンの声なら、建物内で強い地震が起きたような揺れを起こせるだろう、

ジャイアンは先に潜入して内部でそれを実行するんだ。なるべく低い階層がいいな。

揺れに驚いたやつらは外に逃げ出すだろ?その騒ぎと一緒に石ころ帽子を被ったみんなが中に入る、

たくさんの認証をクリアできる人間と一緒に入ればが動けば認証だってパスできるはずだ、

中にいる全員が逃げ出すわけじゃないけど、残ったやつらにもそうとうダメージを与えられる!

そして低音周波数をだすジャイアンを止めようにも超低周波音は人間の耳には聞こえないから簡単にジャイアンを見つけることはできない!」
566:2008/10/06(月) 20:24:08.61 ID:
ジャイアンカッコヨスwwwwwww
567:2008/10/06(月) 20:27:42.05 ID:
のびた「そっか!そして中に入った僕らは内側から入口をロックすればいいんだね!」

ドラミ「外では私たちが居るようにダミーを使ったりとか、なにか派手なことをして注意を引けば時間を稼げる!」

しずか「基地の広さをうまく利用した作戦ね!そう考えると夜中の方が敵に効果的かもしれないわ」

スネオ「……、偉そうに言ってたけど全部この前読んだ小説に書いてあったことなんだよね」

ジャイアン「なあ、この作戦、おれは誉められてるのか?喜んでいい話なのか?」

のび太「……たぶん喜んでいいんじゃないかな」
582:2008/10/06(月) 20:59:59.40 ID:
ホゲェ~wwwwwww
618:2008/10/06(月) 23:52:30.55 ID:
アジト内

ビリビリビリ!!メキメキ!!

黒服1「な、なんだこの揺れは!?」

黒服2「じ、地震だ!!みんな、逃げろ!!」

黒服3「……うぉ、なんか気持ちわりい!」

黒服4「相当でかいぞこれは!」



アジト内 地下の空き部屋

黒服A「うわわ、なんだこの揺れは!」

黒服B「じ、地震だ……!外の倉庫の中身が危ないかもしれないぞ!急げ!!」

出木杉(……!まさかのびた君たちか!?この隙に逃げ出せるかも!)

出木杉「この腕のロープさえ切れれば……!」
623:2008/10/06(月) 23:57:05.20 ID:
アジト内

?「な、なんだこの揺れは!?」

黒服「じ、地震だ……!」

?「そんなわけはない……!お前ら!この部屋からでるな!慌てるなこれは敵の罠だ!……ガキ共め、どんな道具を使ったか知らないが、やるじゃないか!」

ドラえもん「……!」

?「奴に連絡を取れ!原因を探らせてこの揺れを止めさせろ!」

ドラえもん「のびた君たちがきたのか……!」
626:2008/10/07(火) 00:00:04.52 ID:
アジト 入口


黒服1「な、なんだ、建物のなかより外はそんなに揺れてねえな」

パァン!!!

黒服2「おい見ろ!第三倉庫で爆発してやがるぞ!」

黒服3「……!今ガキの姿が見えたぞ!捕まえろ!!」

パァン!!

黒服4「今度は第七倉庫だ……!くそっ、散れ、散れ!あれが台無しになったらおしまいだぞ!」

ドラミ(いろんなとこにこけおどし時限爆弾とコピーロボットを設置しておいてよかったわ!)

ドラミ「私が出来るのはここまでよ……!みんな、頑張って!」
628:2008/10/07(火) 00:01:59.91 ID:
こいつぁwktk
支援age
629:2008/10/07(火) 00:04:55.69 ID:
アジト内部 入口 のびたside

大きな揺れが始まった、きっとジャイアンの仕業だろう、

いくらマイクを使っているからってこんな現象を起こせるなんて人間業じゃない。

流石ジャイアンだ。

僕としずかちゃんは互いの姿が見えないので手をつないで建物の入り口近くで隠れて中の黒服達が出てくるのを待っていた。

ドラミちゃんは積極的な介入はできないようで外でいろいろ陽動をする算段になっている。

それにしても凄い揺れだ、

そんなことを考えていると中から黒服たちが飛び出してきた


のびた「今だしずかちゃん!」
630:2008/10/07(火) 00:11:44.07 ID:
しずかちゃんの手を引いて黒服たちがどんどん出てくる入口に突入する、ゴーグルをつけた黒服も何人かいたけど、

この騒ぎと人の多さでこっちには気付かなかったらしい。僕らは無事に建物の中に入れた。

そしてすぐに近くにあった大きめの観葉植物に身を隠す。

そうして黒服たちが外に逃げ出していくのを待った。

さっきから断続的に激しい揺れが続く、少し気分が悪くなってきていた。


のびた「よし、だいたい外に逃げ出したな!しずかちゃん!」

しずか「ええ!この瞬間接着銃で!」

しずかちゃんはドラミちゃんから借りた瞬間接着銃でドアを固めた、恐らく気休め程度にしかならない程の時間しか時間稼ぎしかできないはず、

どれだけ早くドラえもんを見つけられるか、それが勝負だ。
631:2008/10/07(火) 00:17:42.55 ID:
のびた「よし!行こう!」

しずかちゃんの手を引いて建物の中を走りだす。カラン、と音がした。瞬間接着銃をすてたらしい。

しずか「ドラちゃんたちはどこにいるのかしら!?」

のびた「わからない、でもジャイアン達は多分段取り通り地下に居るはずだ、僕たちは上に行こう!」

走っている途中でエレベーターのようなものを見つけたが、何があるかわからないので使わない、これは打ち合わせで決まっていたことだった。

黒服「おい、侵入者だ!」


ゴーグルをつけた黒服と遭遇する、敵が銃を構える前に、

僕はショックガンで敵を撃つ。射撃なら誰にも負けない、早撃ちももちろん負けるつもりはない。

バシュンッ!

黒服が短い悲鳴を上げて倒れた、そしてまた僕たちは走りだす。
632:2008/10/07(火) 00:23:57.78 ID:
しずか「案外ゴーグルをかけている人は少ないのね」

のびた「きっと貴重品なんじゃないかな?」

しずか「……だといいんだけど」

のびた「あ、階段!」

念願の階段、一段抜かしで駆けあがる、しずかちゃんも遅れずついてきている、流石は運動部だ。


バシュッ!


のびた「うわっ!?」


二つくらい階を登ったくらいだろうか、いきなりの銃声、幸いにも目の前をかすっただけで命中はしていない。

素早く敵の方向へ向き体を傾けながら、射撃!
633:2008/10/07(火) 00:25:53.38 ID:
スピード感がカッコイイ
634:2008/10/07(火) 00:27:31.34 ID:
のび太カッコヨス
635:2008/10/07(火) 00:29:06.00 ID:
明日も仕事なのに…(´・ω・`)もっとやれ
636:2008/10/07(火) 00:29:07.61 ID:
階段の上にいた敵に見事命中する、しかしどうやら敵は一人ではなかったようだ、

三人の黒服がまだ上で銃をこちらに向けていた。


のびた(危ない!)

そう思いしずかちゃんと少し下がり、態勢をたてなおそうとしたが、

そのしずかちゃんがいなかった、

いや、正確にはしずかちゃんの手の感触が無くなっていた、という方が正しいだろう。

黒服「ガッ!?」

その時上で銃を構えていた黒服が苦悶の声を上げ、

倒れる、

そして一人、

また一人。


気がつけばあっという間に上にいた黒服が全員倒れていた。

のびた「しずかちゃんか!?」
640:2008/10/07(火) 00:34:16.04 ID:
しずかちゃん強いwwwwwwwwwww
641:2008/10/07(火) 00:34:28.49 ID:
しずか「そうよ!うふふ、なんとかやれたみたい!この電光丸って凄いのね!」

恐らくしずかちゃんが黒服達を全員やっつけてしまったのだろう。

名刀電光丸は内蔵されたレーダーで敵キャッチして自動的に相手を倒す、

しかししずかちゃんは自分で敵に突っ込んでいった、大した根性だ。


のびた「まるで女武蔵だな……、銃を持っている相手によくやるなあ」


しずか「のびたさんよく見てよ、この黒服達は全員ゴーグルをつけてないわ」

のびた「あれ、本当だ!どうして?」

ゴーグル無しで石ころ帽子を被っている僕たちをどうして認識できたのか?

しずか「多分、私たちの足音ね、だからこっちの姿が見れなくても大体の見当をつけて撃ってこれた、

それがわかったから私敵の方へ動いて倒したのよ」

のびた「凄い観察力というかなんというか、感心したよ」

しずか「うふふ、先へ進みましょ!」
642:2008/10/07(火) 00:39:36.62 ID:
建物地下 スネオside

スネオ「うええぇ、ジャイアンのやつ、本当に凄いな、ドラミちゃんの薬がなけりゃ俺は今頃死んでいたかもしれないぞ」

ジャイアンの声で建物全体が断続的に大きく揺れる、流石ジャイアンだ、

ジャイアンの歌をこんなに頼もしく思うことは滅多にない。

スネオ「とりあえずジャイアンとは離れてドラえもんと出木杉君を探しているけど……」

見つからない、この建物広いんだ。

地下一階調べるだけでこんなに時間を費やすとは思わなかった。
644:2008/10/07(火) 00:43:55.05 ID:
スネオ「と、なるとだ。俺もスパイ映画みたいなことをやるしかないな」

まず黒服を探す、慌ただしく動いているから注意力は散漫だ、そこにつけ込めばいい。

スネオ(……見つけた!)

ゴーグルをつけた黒服が一人、早足で自分の前を歩いている。

銃を持っているけど構いやしない。

僕は足音をなるべくたてないように後ろから近づいていく……今だ!

僕は一気に黒服との距離を詰め、

スーパー手袋をしたこの左手で敵の左手を掴み、ひねりあげた!

645:2008/10/07(火) 00:46:18.21 ID:
スネ夫の成長ぶりにママン感激ザマス
647:2008/10/07(火) 00:49:21.90 ID:
黒服「ぐうっ!?な、なんだこりゃ!敵か!?」

黒服は右腕を背中の方に回し、銃をこちらに向けてくる。

しかしそんなことを予測してなかったわけがない、銃口を掴み、力任せにそれを捨てる!

そして相手の右腕を掴んで後ろに引っ張る、これで拘束完了だ。


スネオ「すごいなスーパー手袋は……大の大人の力もなんともないや!」


黒服は僕から逃げようともがくが、手袋の力とこの態勢からは逃れることができない、

ああ、ジャイアンから受けていた攻撃がこんな時に役立つなんて!


スネオ「あんまりにも凄い力だから、手加減できないかもなぁ!」
648:2008/10/07(火) 00:50:44.48 ID:
石ころって存在感そのものがなくなるんじゃなかったっけ。
652:2008/10/07(火) 00:54:04.56 ID:
石ころとかモーテン星とか似たアイテム多いよね
651:2008/10/07(火) 00:53:56.87 ID:
ぎりり、と左手を捻る力を強める、黒服からは苦悶の声が出ていた。

一方的な、暴力。まるで昔のジャイアンじゃないか。そう思うと少し苦笑いがでた。

スネオ「こんな腕、折っちゃうかもしれないなぁ……!」


ぎりり……

黒服「や、やめてくれ……」


スネオ「……だったら、俺を、ドラえもんか出木杉君のところへ案内するんだ!

お前たちが捕まえたやつのことだぞ!早くするんだ!」
654:2008/10/07(火) 00:58:32.15 ID:
ジャイアンside


俺は声を出し続けていた、なるべく低音が出るように、低く、低く。

歌を歌ってしまったら自分の居場所がばれてしまうらしい、だから歌えない。それが少し悲しかった。

必要とされているのは俺の歌じゃない、声だ。

なんとなく、感付いてはいた。俺はおそらく、人よりちょっとだけ音痴なのだ。

リサイタルを開いても、皆嫌々参加しているのが少しずつ分っていった。

(俺の歌は誰にも必要とされていない)
656:2008/10/07(火) 01:03:07.51 ID:
そんなこと中学に入ってからは気づき始めていた。

(それでも俺は歌が歌いたい)

歌が、好きだ。どうしようもないくらい、好きだ。大好きだ。

幼い頃からテレビで観ていた歌番組、あこがれの歌手。

自分も、いつか自分もとずっと夢を見て、歌ってきた。


(俺は歌手になるんだ!)


夢だ、夢なのだ。そんなことは。

わかっている、現実はそんなうまくできてはいない。
657:2008/10/07(火) 01:08:47.24 ID:
ジャイアンかわいそす・・
658:2008/10/07(火) 01:09:08.93 ID:
将来の夢に『プロ野球選手』と書いたやつが何人その夢を叶えられるのか?

全員叶うなら、俺の周りは将来野球選手だらけになってしまう。

わかる、わかっている。夢なのだ。

きっと叶わない。

(それでも)

今は、今だけは自分の声を必要としてくれている仲間がいる。
659:2008/10/07(火) 01:12:45.09 ID:
こういう中学生ならではの葛藤とか迷いとか
それ故の弱さとか、そういうリアリティーがあっていいな>>1の作品は
660:2008/10/07(火) 01:13:15.26 ID:
今だけ歌ったら、おれは夢を諦めよう。

自分の歌ではないけれど、それでも必要としてくれるやつがいるのだ。

そのために声を出す、辛くなっても、何度も何度も。

何度も何度も何度も、叫ぶ!

叫ぶ!

(今夜が剛田武の、ラストリサイタルだぜ!)
662:2008/10/07(火) 01:15:49.87 ID:
ジャイアン……
663:2008/10/07(火) 01:18:29.01 ID:
のびたside

どうやらもう階段は続いていないらしい

のびた「最上階……だね」

しずか「ここにドラちゃんがいるのかしら?」

のびた「……わからない、でも敵の親玉はいると思う、そいつを捕まえれば一件落着さ」

最上階だけは造りが違った、扉がない、緩やかなカーブの一本道だった。

のびた「扉だ……!」

しずか「とうとう着いたわね!」
666:2008/10/07(火) 01:23:01.37 ID:
のびた「……」

しずか「どうしたの?」

のびた「……なんか静かすぎやしないかい?」

なにかの、違和感。

しずか「……私も少し不思議に思ってたの」

しずか「私たちが石ころ帽子で隠れてくることを敵は知っているはずだわ、

それなのにゴーグルをつけている敵は少ない、不自然よ」

のびた「敵の罠ってことかな……」
667:2008/10/07(火) 01:25:03.78 ID:
緊張する
668:2008/10/07(火) 01:26:02.14 ID:
>>667
ワカル
669:2008/10/07(火) 01:28:31.82 ID:
しずか「……考えすぎならいいんだけど」

のびた「……前に進まなきゃ駄目なんだ、皆頑張ってる、

この先に親玉がいるなら行くしかないよ……たとえ罠でも、ね」


そして僕らは扉の前に立つ、静かにショックガンを構えて、その扉が開くのを待った。

ウィーン……

扉が開いた、中は暗くてよく見えない。


のびた(……入るしかない!)


そして、その暗闇に足を踏み出した。
672:2008/10/07(火) 01:33:30.78 ID:
数歩歩いて、暗闇に誰かがいる気配がするのに気付いた。

ショックガンを握る手に自然と力が入る、そしてしずかちゃんの手も強く握ろうとしたとき


しずかちゃんの手の感触が急に消えた



のびた「しずかちゃん!?」

そして急に部屋が明るくなる。

広い部屋だった。周りには二十人くらいのゴーグルをつけた黒服が居る、罠だ!

のびた(しずかちゃんはどこだ!?)

後ろを見ると、石ころ帽子を取られたしずかちゃんが黒服二人に捕まえられているのが見えた。
674:2008/10/07(火) 01:38:53.12 ID:
のびた「しずかちゃん!」

?「大丈夫、眠っているだけだ。睡眠銃でね」

のびた「お、お前は……!」

?「君が我々の姿が暗闇でも見えなかったのは我々が『かくれマント』を使っていたからだ……、

駄目じゃないか、わしは未来の犯罪者だぞ、道具はこちらも持っている」



のびた「お前は、あの時の恐竜ハンター!?」



部屋の奥にいたのは、昔僕が恐竜のピー助を育てていた時にピー助を狙ってきた、恐竜ハンターがいた!
676:2008/10/07(火) 01:41:41.07 ID:
あいつかwww
677:2008/10/07(火) 01:42:41.53 ID:
薄々気付いてたけど、やっぱりあいつらかwwwww
678:2008/10/07(火) 01:45:27.00 ID:
ハンター「手のショックガンを床に置け、石ころ帽子をとれ、従わなければ女の子がどうなってもしらないぞ」

僕は指示に従うしかなかった。

のびた「なんでお前が!お前はあの時タイムパトロールに捕まえられたはずだぞ!」

ハンター「ああ、確かにそうだ。もちろんわしは君らのせいで捕まえられた、

だが脱獄したのさ、そしてこの時代に来た」

のびた「どうしてこの時代にお前は来ているんだ!?」

ハンター「ふむ、そうだな、恐竜ハントは確かに儲かった、しかしもっと安全に儲けることがわかってね」


ハンター「この時代での麻薬の売買さ」
680:2008/10/07(火) 01:46:01.30 ID:
ギガゾンビだと思ってたのにwww
支援支援
681:2008/10/07(火) 01:47:14.61 ID:
ギガゾンビを予想してたのに違った支援
683:2008/10/07(火) 01:48:45.20 ID:
ギラーミンだと思ったら親玉の方だった
684:2008/10/07(火) 01:51:03.58 ID:
のびた「麻薬!?」

ハンター「未来の麻薬はこっちではもちろん出回っていない、

未来の麻薬は効き目が凄くてな、この時代の顧客を独り占めすることができる。

そしてこの時代の人間は麻薬に対する理解がまだ浅いところがある……捌きやすいのさ」


ハンター「この時代の紙幣でも裏では未来の金と取り替えてくれる商人がいてな、全く、いい商売だよ」

ハンター「タイムパトロールは我々のウイルスでこっちには来れない、来たとしてもすぐに逃げ出せる、簡単さ。

誰も我々を邪魔する者はいない……

この時代の警察が我々の取引を目撃して止めようとしたが、道具の前ではただのカスだ」

のびた「……」


ハンター「しかしな、他にも理由がある」
685:2008/10/07(火) 01:56:00.63 ID:
のびた「?」

ハンター「私の人生を変えてくれたやつに用があってね」

ハンター「君だよのびた君」

のびた「……!」

ハンター「あの時君の持っていたフタバスズキリュウに執着しなければこんなヘマはしなかった……

君にお礼がしたいんだ」

そしてハンターはこっちに銃を向けてきた……!

ハンター「避けてもいいぞ、その時はその女の子が犠牲になるがね」

のびた「……!」


ハンター「……死ね小僧!!」


バシュン!
699:2008/10/07(火) 02:16:54.61 ID:
まじ今までのSSで一番おもしろい
792:2008/10/07(火) 19:36:59.26 ID:
撃たれた、はずだ。銃声が聞こえた、はずだ。

のびた(なのになんで僕は無事なんだ?)

ハンター「……ふふふ……、驚いたかい?安心しろ、まだ殺さない」

ハンター「君の返答しだいだがね、ドラえもん君!」

バサッ!

現れたのは、恐らく隠れマントで身を隠されていた……

のびた「ドラえもん!」
798:2008/10/07(火) 19:43:24.08 ID:
ジャイアンside


ジャイアン「疲れた、もう声がでねえ……」

声を出しすぎてもう駄目だ、疲れてしまった。

ジャイアン(いや、まだ皆頑張ってるじゃねえか!)

弱音を吐いてはいけない、出すんだ、声を!

そう思った時、急に入口のドアが開いた

敵か、味方か。どちらでもいいがとりあえず指につけている空気ピストルを向けようとする。

しかし

バンッといきなりの衝撃が自分に襲ってきた!後ろに吹っ飛ばされ、マイクと空気ピストルを落としてしまった!石ころ帽子もどこかに飛ばされてしまったらしい。
800:2008/10/07(火) 19:49:12.66 ID:
ジャイアン「いてて……」

?「ほう、お前だったのか、なにか大がかりな道具を用意しているかと思ったらただのマイクとはなぁ」

ジャイアン「て、てめえは」

ジャイアン「ギガゾンビ!」


そこに居たのは大昔の日本に行ったときに出会った時空犯罪者、ギガゾンビだった.

現地の人を奴隷に使って自分の国を作ろうとしていた悪党だ!趣味の悪い仮面をまだ被っていやがる!


ジャイアン「やいてめえ!お前がここの親玉か!捕まったんじゃなかったのかよ!?」
801:2008/10/07(火) 19:52:35.90 ID:
まwwwwじwwwwwかwwwwww
802:2008/10/07(火) 19:53:21.23 ID:
オールスターktkr
803:2008/10/07(火) 19:55:22.41 ID:
ギガゾンビ「私は確かに捕まったが、外にいる仲間と協力してな、すぐに脱獄したよ」

ジャイアン「なんでこの時代にきやがった!」

ギガゾンビ「私を助けてくれた仲間がここで儲け話をやろうと持ちかけてきたからだよ、

私の目的は歴史を変えて自分の国を造ることだが、それにはやはり金が必要だからな」

ギガゾンビ「そいつに協力する代わりに脱獄できた……私は亜空間にかけてはスペシャリストだと自負している、

そしてこの時代に散布したコンピュータウイルスも私が培養している……

協力を求めたのもそれが狙いだろう。しかし、まさかお前たちがこの時代にいたとはなぁ!」

ジャイアン「へん、どうでもいいぜ!俺がお前をぶちのめしてやる!」

走ってギガゾンビの元へ近づく!距離を一気に詰める!
806:2008/10/07(火) 19:59:29.73 ID:
ジャイアン(その趣味の悪い仮面を叩きこわしてやる!)

しかし

ギガゾンビ「無駄だぁ!」

またも、衝撃

ジャイアン「ぐわあぁ!」

後ろに吹っ飛ばされてしまう!

ギガゾンビ「ギーガギガギガ!ゴリラ君、お前なぞ近づけんよ、この衝撃波を与える指輪があるかぎりな!」

奴の指についている指輪、この衝撃波は前に受けたことがある!

おそらくやつの部下だった変な土偶みたいなやろうの攻撃だ!
807:2008/10/07(火) 20:01:26.11 ID:
ギガゾンビの声が脳内再生されるなwww
809:2008/10/07(火) 20:05:55.33 ID:
ギガゾンビ「ゴリラ、貴様なんぞ敵ではないわ!」

ジャイアン「ゴリラじゃねぇ……」

ジャイアン「俺はゴリラじゃねえ!」

ギガゾンビ「ん?」

ジャイアン「いいか悪党!よく聞きやがれ!俺様はジャイアン様だ!悪さをするやつは俺が許さねえ!」

ジャイアン「お前には二つの選択肢を与えてやる!1、俺様にギッタギタにされてお縄になるか、

2、お縄になったあと俺様にメッタメタにされるかだ!選びやがれ!」


ギガゾンビ「……くだらん」

バンッ

ジャイアン「ぐわぁ!」

ギガゾンビ「普通に殺すのはやめて、この衝撃波で遊んでじっくり殺してやろう!」
810:2008/10/07(火) 20:06:53.92 ID:
ジャイアンが・・・格好良すぎる・・・!
813:2008/10/07(火) 20:11:29.04 ID:
アジト内  スネオside

黒服の後ろに立って僕は歩いていた。

もし今、敵が来たら

もし今、突然撃たれたら

そんな恐怖が頭をよぎる。

『なぜ僕はこんな危険なことをしているのか?』

もう一人の僕が問いかけてくる。

恐怖を感じる、今の自分の行為に。

確かに、なぜこんな危険なことをしているのか?
815:2008/10/07(火) 20:17:11.53 ID:
(いや、わかりきったことじゃないか)

約束したのだ、皆と助けに行くと。

誓ったのだ、今回は皆と一緒に暴れてやるのだと。

もう一度、その考えを思い出す。

そうすると不思議なことにもう一人の自分の声も、恐怖もすっかり消えたような気がした。



ある程度歩いて、黒服が止まった。

黒服「こ、ここだ!ここにいる!」
816:2008/10/07(火) 20:21:48.89 ID:
スネオ「ありがとう、ちょっと眠っててくれ!」

ガンッ!

スネオ「さて、と」

僕は目の前の扉を調べた。開け方がわからない。

スネオ「こんなときは力任せだ!」

手で思いっきり押して扉を壊す、中にいたのは……



スネオ「よう!約束通り助けにきたよ!」

出木杉「その声は……スネオ君!?」
818:2008/10/07(火) 20:24:36.17 ID:
スネオ「あ、まだ石ころ帽子被ってるんだったな」

僕は石ころ帽子を取った。

出木杉「来てくれると信じてたよ!よくここがわかったね!」

スネオ「へへ、友達が危険なのに助けないわけないだろ!場所は敵に案内してもらったのさ!」

出木杉君のロープをほどいてやる、よし、できたぞ、僕も友達を助けることができた!

恐怖に、もう一人の自分の誘惑に勝つことができたのだ!

スネオ「さて、これからどうするかだな」

出木杉「多分隣の部屋に僕の道具がある、取りに行こう!」

スネオ「あ!そうだそれだ!それが必要だったんだよ!早く取りに行こう!」
821:2008/10/07(火) 20:27:40.15 ID:
アジト 最上階 のびたside


のびた「ドラえもん!!」

ドラえもん「の、のびた君……」

のびた「ど、ドラえもん……無事だったのか!よかったぁ!」

ドラえもん「のん気なこと言ってるなよ……この状況で……」

ドラえもんは地面にうつ伏せになっている。動けないのだろうか?

ハンター「さて、ドラえもん君、今こそ相応しい時だ、答えを聞こう」

のびた「答え!?」

ハンター「君のポケットを、我々に渡すんだ」

ドラえもん「……」

のびた「どういうことだよ!」

ハンター「君達がわしを捕まえたとき、ドラえもん君が見たこともない道具を使っているのをみてね、わしはピンときた」

ハンター「このロボットは普通のロボットではない、と」
822:2008/10/07(火) 20:29:19.73 ID:
普通のデザインではないなwww
824:2008/10/07(火) 20:31:55.01 ID:
ハンター「このロボットなら、わしが噂にしかきいたことのない道具を持っている、と」

ハンター「わしはどの時代に行くか考えたとき、ドラえもん君のポケット、のびた君への復讐、金、隠れ家、

全てが手に入るのはどの時代か考えた、それが今この時代だよ」

ハンター「さあ、ドラえもん、ガキが殺されたくなければポケットのロックを解け!」

ドラえもん「ぼ、僕は……」

のびた「やめろドラえもん!ロックを解除しちゃだめだ!」

ハンター「……そうか、いいことを思いついたぞ」

ハンター「のびた、君が選べ、自分が殺されるか、ドラえもんにポケットのロックを解除するよう言うか、をな」



のびた「……!」
826:2008/10/07(火) 20:37:44.20 ID:
ハンター「ポケットのロック解除を君が指示すれば君も、女の子も、ドラえもんも助かる、約束しよう」

ハンター「しかしそれをしない場合、君を殺す」

のびた「……」

ハンター「おっと、ドラえもんに頼るのはやめた方がいいぞ。こいつは今我々の電磁波で動けなくなっているからな」

のびた「電磁波!?なんでそれでドラえもんが動けなくなるんだよ!」
827:2008/10/07(火) 20:39:40.75 ID:
ハンター「我々の技術さ、その電磁波発生装置もここにはない」

のびた「じゃあどこにあるんだよそれは!」

ハンター「君が知ってもどうにもならないだろう、答える必要はない」

ハンター「さあ、答えを聞こうかのびた君、自分が死ぬか、ポケットを解除させるか」

ハンター「君も大人になっただろう、正しい選択がわかるはずだ」

ハンター「では聞こう、のびた君、君は殺されたいか?」

のびた「ぼ、僕は……」

のびた「……まだ、死にたくない!」
834:2008/10/07(火) 20:44:39.36 ID:
ハンター「ははは!そうだ!それが正しい!!」

のびた「勘違いするな!」

のびた「ポケットのロックも解除させない!」

ドラえもん「!!」

ハンター「……おい、のびた君」

ハンター「君は馬鹿か?どちらかを選べと言ったのに……」

のびた「お前らにポケットを渡したら何をするかわからないからな」

ハンター「……どうして君は大人の判断ができないのかね」

のびた「そんなことが大人の判断なら僕は大人になんてならなくていい!」

ハンター「……なぁ、聞かせてくれ」

ハンター「君はどうしてこうも馬鹿なんだ?」

ハンター「恐竜のときも、今もそうだ、何故君はこんな馬鹿な行動しかできない?」

ハンター「今回の件、何故わざわざドラえもん君を助けにきたんだ?」
837:2008/10/07(火) 20:49:34.76 ID:
のびた「友達だからさ!ドラえもんが、皆が!」

ハンター「……クックク」

ハンター「はーはっは!!こいつは笑わせる!」


ハンター「こいつはロボットだぞ!人が作った、ただのロボットだ!それなのに、友達だと!?」

のびた「ロボットだって生きているんだ!おかしくない!」

ハンター「クックック……おいおい、ロボットってのはな、『生きている』んじゃあない、『動いている』んだ」

ハンター「それなのに友達!?こいつらロボットは人に使われる存在だぞ!

友達として君が思っているのは、ただのプログラミングされたロボットだ!」

のびた「違う!ロボットでも友達だ!」

ハンター「ロボットなんぞを友達と思うとは、そのロボットも、君も、君の友達も馬鹿としか言いようがないな」
838:2008/10/07(火) 20:53:23.60 ID:
のびた「……!お前に僕の友達は馬鹿にさせないぞ!」

ハンター「ふん、私は客観的な意見を言ったまでだ」


のびた「言わせないぞ!言わせるもんか!友達の悪口はゆるさないぞ!」

のびた「僕はロボットと友達になったぞ!変な車だったけど、命をかけて仲間を救ったやつだ!」

友達、

のびた「地球を侵略しようとしたロボットとも友達になった!

彼女だって命をはって自分の国を裏切って、仲間を、地球を救ってくれたんだ!天使みたいな娘だった!」

友達だ。

のびた「ロボットの王国へ行ったこともある!その国では人間とロボットが仲良く暮らす、いい国だった!」

皆、友達なんだ!

のびた「ロボットだろうとなんだろうと、みんな、みんな僕の友達だ!みんないい奴だ!」

僕の友達を、お前なんかに馬鹿にさせられてたまるか


のびた「それを馬鹿にするのは、僕は許さないぞ!」
841:2008/10/07(火) 20:55:58.85 ID:
のびた・・・かっこええ
840:2008/10/07(火) 20:54:57.05 ID:
のびた格好良すぎワロ……………(´;ω;`)
839:2008/10/07(火) 20:54:15.46 ID:
映画化したら間違いなく観に行くわ
843:2008/10/07(火) 20:57:29.50 ID:
恐竜ハンターとかギガゾンビなんて今の奴は知らんだろうな
845:2008/10/07(火) 20:58:36.45 ID:
どうやったら映画化できるだろうか
847:2008/10/07(火) 20:59:29.92 ID:
ハンター「ふん、くだらないな」

のびた「おいドラえもん!聞こえてるだろ!」

ドラえもん「……!」

のびた「なんで今君はこんなところで寝てるんだよ!」

ドラえもん「電磁波……だって、言った……だろ」

のびた「ピンチなんだぞ!それなのにそこで寝てるのか!」

ドラえもん「無茶……言うなよ……本当に動けないんだ」

のびた「そんなもの、君ならどうにでもできる!」

ドラえもん(無理だよ、僕だってなんとかしたい、でも動けない。僕じゃこの状況を変えられない、僕じゃ駄目なんだ)


のびた「電磁波がなんだってんだ!ドラえもん、君の考えてることならわかるぞ。

どうせ自分なんか駄目だって思ってるんだろ、君は変なところでそういう節があるからな」
852:2008/10/07(火) 21:03:30.16 ID:
ドラえもん「……!」

のびた「前に言っただろ!一番いけないのは自分なんか駄目だと思い込むことだよ!」

のびた「自信を持て!僕は世界一だと!」

立てよ

ドラえもん「……!!」

のびた「自信を持て!自分ほど優れたロボットが、この世に居るものか、と!」

立ち上がれよ

ドラえもん「……!!!」

のびた「自信を持て!君は、この僕が認める最高の親友なんだぞ!」

君ならできるはずだ

のびた「電磁波がなんだ!男をみせろ!そんなものどうってことはないだろう!」

絶対、できるはずだ!

ドラえもん「無茶言うなよ、のびた君」

ドラえもん「き、君ってやつは……実に馬鹿だなぁ……!」
855:2008/10/07(火) 21:05:14.86 ID:
実に馬鹿だなぁきたー!!
857:2008/10/07(火) 21:06:37.52 ID:
ドラえもんが、ふらふらになりながら立ち上がる。

ハンター「馬鹿な……!」

ドラえもん「君の一番の親友ってことが……そこまで自信を持てることじゃあないと思うぞ」

のびた「細かいこと言うなよ!ほら、できたじゃないか!」

ドラえもん「本当だ……あはは、でも立ってるだけでつらいよ」

これで最低条件はクリアした、少しだけ、少しだけでいい。

ドラえもん、頑張ってくれ!

ハンター「電磁波をはねのけたのか!?そんな馬鹿な!」
859:2008/10/07(火) 21:10:38.62 ID:
黒服達の注意がドラえもんに向く、僕はしずかちゃんの位置を確認した。一人の黒服に捕まっている。

のびた「よし、ドラえもん!とっととこんなやつらやっつけて家に帰ろうぜ!」

ドラえもん「そう……だね!」

ハンター「……ふん!この状況でそんなことができるわけがない!」

僕は大仰に手を広げた

のびた「家に帰って、歌番組でも見てさ!そうそう!

フニャコフニャオ先生の漫画だってまだ読んでないだろ?読もうよ、

そして母さんの作ったおいしい晩御飯を食べよう!」
866:2008/10/07(火) 21:15:24.94 ID:
ばんごはんwww
868:2008/10/07(火) 21:16:25.84 ID:
でたwwwばんごはんwwwwwwwwwwwwwwww
873:2008/10/07(火) 21:21:58.33 ID:
歌番組の「番」は?
876:2008/10/07(火) 21:24:10.22 ID:
>>873
ぎゃああああああ書き直しじゃない方投下してましたごめんなさい
877:2008/10/07(火) 21:24:12.55 ID:
>>873
歌番組の番はBAN
晩御飯の晩はBANG
878:2008/10/07(火) 21:26:36.94 ID:
>>877
お前頭いいな
880:2008/10/07(火) 21:29:17.35 ID:
>>877
奇才あらわる
883:2008/10/07(火) 21:30:31.04 ID:
そして母さんの作ったおいしいBANG御飯を食べよう!

全然違和感ないな、なるほど
884:2008/10/07(火) 21:30:38.30 ID:
BANGUMI
BANGOHAN

両方BANGだ・・・
886:2008/10/07(火) 21:31:16.09 ID:
>>884
あ・・・・・
893:2008/10/07(火) 21:34:01.47 ID:
やめてくれええぇえぇ!俺の心が痛む!のびた「music tv program」っていったことにでもしといてくれ!
864:2008/10/07(火) 21:14:44.72 ID:
その言葉を発して、しずかちゃんを捕まえていた黒服が後ろに吹っ飛び、壁に叩きつけられる!見事命中だ!

ハンター「な、何が起こった!?」

僕はこの敵の一瞬の時を逃さなかった、床に置いたショックガンを取ると、走りながらそれでしずかちゃんの近くにいる黒服に射撃!

倒れる黒服、僕は一気にしずかちゃんの元へ距離を詰める!

ハンター「くそっ!撃て!もういい!殺せ!!」

ドラえもん「させるか!」

バシュン、バシュンと何発かの銃声が聞こえるが、かまっている暇はない!

ドラえもん「ひらりマント!」

黒服「くそっ!跳ね返されるぞ!!」

僕はしずかちゃんの元へたどりついて、敵からかばうように立った。

のびた「さすがドラえもん!!僕の考えがわかったんだね!」

ドラえもん「何年一緒に居ると思ってるんだよ、君の演技くらいすぐわかったさ、

……しかし僕が考えるに君は役者にはなれないな」
872:2008/10/07(火) 21:19:29.00 ID:
ハンター「ど、どういうことだ!?」

のびた「液体性空気ピストルさ!」

僕はここに来る前に液体性空気ピストルを指に塗っていた、僕の言った『晩』ご飯に反応して空気ピストルが発射された。

これを使ってしずかちゃんを助けるには敵の注意をドラえもんにそらすことが重要だった、

僕がドラえもんに頼み込み、道具を持つドラえもんが何かのアクション起こせばドラえもんが何か危険なことをするはずだと敵全員が思い込み、

僕としずかちゃんから注意がそれる。その状況をどうしても作りたかった。

ドラえもん「まったく……僕が動けなかったらどうするつもりだったんだよ」

のびた「僕は君のことを世界一のロボットだと信じているからな!」

ハンター「くそっ、もういい全員殺せ!ポケットなど構うな!」

ドラえもん「させる……うぅ!?」

のびた「ドラえもん!?」

ドラえもんが地面に倒れる!考えてみれば無理もない、立ち上がるだけでもきつかったのに僕を守るためにひらりマントを使ったのだから!

ハンター「ははは!!やはり、我々の作った電磁波には勝てなかったな!」 
876:2008/10/07(火) 21:24:10.22 ID:
のびた「くそっ!ドラえもん!」

ドラえもん(どうした、立て!ここで立てなかったらみんな死んじゃうかもしれないぞ!)

ドラえもん(立たないと……!)

ハンター「やはり、立てないようだな!」


ドラえもん「く……くそ……あ、あれ?」

ドラえもん(あれ?)


何事も無かったかの様にドラえもんが立ち上がる……!

ドラえもん「立てるぞ?」

ハンター「なにぃ!?」

のびた「えぇ!?」

いったいどうして?そんなことを思っていたら

?『のびた君!僕だ!!』
879:2008/10/07(火) 21:28:33.35 ID:
のびた「この声は……出木杉!?」

出木杉の声『そうだよ!電磁波発生装置を壊したんだ!間に合ったかい!?』

ハンター「な、なぜそれを!いや、その前にどこから声がしている!?」

まさか、これか!?

のびた「糸なし糸電話……!」

僕が腰につけている糸なし糸電話から出木杉の声がする!

のびた「じゃあ、スネオのやつ間に合ったんだ!」


僕らの作戦で、出木杉が持っていた糸なし糸電話をつかって内部では連絡を取ることになっていた。

恐らく出木杉が捕まった際に糸なし糸電話もとられたと思う。連絡を取り合うにはそれが必要だった。

万が一出木杉が自力で逃げ出した場合にも有効な連絡手段として考えられた作戦だ。

僕が持っている糸なし糸電話はもしも僕になにかあって糸なし糸電話を堂々と使えない場合を考えて集音性をドラミちゃんに強化してもらっていた。 
893:2008/10/07(火) 21:34:01.47 ID:
出木杉の声『これを敵から取り返したら何か声がするって気づいて、よく聞いてみたらのびた君が電磁波でドラえもんが動かなくなっている、

そして「どこにあるんだそれは」って言っただろう?だから僕はスネオ君と分かれてその電磁波を発生させているものがどこにあるか探してたんだ!

敵にちょっと協力してもらったけどね!』

ハンター「……くっ!」

のびた「ありがとう出木杉!……さて、ドラえもん君」

ドラえもん「何だいのびた君?」

のびた「この悪者達、どうしたらいいかなぁ?」

ドラえもん「そうだねぇ、懲らしめてやったほうがいいかもねぇ?」

ハンター「くそっ!舐めるなよガキ共!おい!早くこいつらを殺せ!」

ハンターがその言葉を言い終わらないうちに、僕はしずかちゃんを床に寝せて走り出した
899:2008/10/07(火) 21:39:30.17 ID:
走りながら目についた黒服めがけてショックガンを撃つ!敵はまだ身構えていないから当てるのは簡単だった。

ドラえもん「のびたっ!」

ドラえもんが僕にショックガンを投げてよこす、僕はそれをキャッチした

のびた「サンキュードラえもん!背中は任せたぞ!」

ドラえもん「了解!」

僕は二丁のショックガンで黒服を撃つ!当たって倒れるまでは確認していられない、この数だ、立ち止まったらこっちがやられる、常に動き回らなければいけない!

こちらに銃を構えてくる集団を見つけた、真向からの撃ち合いでは勝ち目がない、床に転がりながら射撃!

射撃!そして射撃!右の銃で、左の銃で!


黒服「背中ががら空きだぜ小僧!」

バシュン!

ドラえもん「えーい!ひらりマント!」
903:2008/10/07(火) 21:42:46.50 ID:
黒服1「ぐわぁ!?」

流石はドラえもんだ、安心して背中を任せられる!

撃つ!

黒服2「ぎゃぁ!」

撃つ!

黒服3「っつ!!?」

感覚を研ぎ澄ませる、敵の銃口の向きをみる、目線の動きをみる、そして一瞬の隙を突く!

バシュン!

黒服4「うっ!?」

ドラえもんが居るから僕はこれだけ大立ち回りができる、背中を任せられる安心感、
これはドラえもん以外にはないことだと思う。

ハンター「な、なにをやっている!たかが子ども一人とロボット一体だけだぞ!?」

ハンターの声が聞こえた、ちょうどそのくらいに、僕とドラえもんは部屋の中の黒服を全員倒し終えた。

ドラえもん「のびた君は射撃の天才なんだぞ!思い知ったか!」

のびた「さあ、観念しろ!」
905:2008/10/07(火) 21:44:42.31 ID:
いよいよクライマックスか・・・・・
909:2008/10/07(火) 21:48:35.34 ID:
WAKUTEKA
911:2008/10/07(火) 21:49:35.68 ID:
スネオside

出木杉君と分かれた僕はジャイアンの元へ向かっていた、断続的につづいていた揺れが、おさまってしまったからだ。

スネオ(ジャイアンの身に何かあったのか!?)

僕は走っていた、そしてもうすぐジャイアンがいる部屋に着く!

スネオ「ジャイアン!……!?」

そこにいたのは、黒服二人と、ぼろぼろになっているジャイアンと、ギガゾンビだった!

スネオ「ギガゾンビ!?そうか、このアジトはお前が作っていたのか!」

ギガゾンビ「ふん、お前もいたのか」

ギガゾンビが親玉!しかしそんなことにいちいち驚いている暇はない!

スネオ「お前がどうしてここにいるかは後で聞いてやる!これでもくらえ!」

そして僕はジーンマイクを取り出した。
918:2008/10/07(火) 21:53:25.98 ID:
スネオ「あんなこっといいな!できたらいいな!」

このマイクで歌うとどんな音でも感動的に聴こえるという効果の道具だ!これなら敵の動きを止められる!

黒服1・2「おお!なんと素晴らしき歌声!」
ジャイアン「素晴らしい……」
よし、効いている!

ギガゾンビ「……ふん」

バンッと衝撃が僕を襲った!駄目だ!ギガゾンビには通じない!

ギガゾンビ「私にそんな道具が効くと思ったか?」

黒服1「あれ?俺今なにしてた?」
黒服2「……?」

入口のドアに叩きつけられて、うまく呼吸ができない!

スネオ(このままじゃ……)

やられるのか、いや、違う一つだけ方法がある!

僕はジャイアンにジーンマイクを投げた!

スネオ「ジャイアン!歌え!歌ってくれ!」
919:2008/10/07(火) 21:56:36.30 ID:
ジャイアンside

スネオが俺にジーンマイクを投げてきた、俺はそれをうけとる。

スネオ「ジャイアン!歌え!歌ってくれ!」
ジャイアン「で、でも……」

ギガゾンビにジーンマイクは効かない、無意味だ

ジャイアン「どうすりゃいいんだよ……!」

スネオ「ジャイアン、君にはまだ歌があるだろ!」

スネオ「君は君の歌を歌えばいい!思いっきり歌ってくれ!」

ジャイアン「いいのか?」

スネオ「当たり前だろ!思いっきり歌え!」

わかったぜ、心の友よ

思えば、今夜が俺のラストリサイタルだとしても、俺はまだ歌を歌ってはいない。

ジャイアン「いくぜ……」

俺は大きく息を吸い込む

ジャイアン「お っ れ は ジャイアーン!!! ガーキ だぁいしょぉぉぉ!!!」
920:2008/10/07(火) 22:00:27.25 ID:
スネオside

ジャイアンに歌うよう促し、僕は気休め程度の耳バンをつけた。

ジャイアンが歌いだす、なんて、なんてひどい歌声だ!しかし僕にマイクの効果が表れる。
スネオ(なんかくやしいけど、感動しちゃう!)

ひどい歌声だ、だがジャイアンはさっきの声を出していた時の何倍も楽しそうに歌っていた、
ひどい歌声だけど、楽しそうで、楽しそうで。

僕は気がついたら涙が出ていた。こんな、いい歌声だっただろうか?ジャイアンは?

黒服たちも涙を流して歌を聴いている、ああ、なんて光景だ、ジャイアンの歌で人が感動しているなんて!

そう思ったのもつかの間、いきなりジャイアンの声が変わった。

いや、元に戻った。ジーンマイクが壊れたのだ。

いままで涙を流して感動していた黒服は白眼をむいて倒れていた。僕も倒れそうだったが、なんとかこらえた。

そしてジャイアンの歌が終わる

ジャイアン「……ふう、すっきりしたぜ!」

スネオ「お疲れ、ジャイアン」
ジャイアン「おい、ギガゾンビのやつ、倒れてんぞ?」

僕の予想通り、ギガゾンビは倒れていた。おそらく仮面の下では泡でも吹いてるんじゃなかろうか。
923:2008/10/07(火) 22:05:40.48 ID:
スネオ「やっぱり、ジャイアンの歌は凄いな」
ジャイアン「……スネオよう」

スネオ「?」

ジャイアン「やっぱり俺、歌が好きだわ」

スネオ「どうしたのいきなり?」

ジャイアン「道具の効果でもよう、涙ながして感動してくれるってさ、すんごいよかったんだよ、俺」
ジャイアン「いつかはさ、道具無しで感動させられるようになりてえな、と思ってよう」

ジャイアンは、凄い満足した表情で話していた。

ジャイアン「だからよ、俺、もう少し歌を続けてみるよ」

スネオ「え?」

今なんと言った?

ジャイアン「本当は今日で歌うの止めようとしてたんだけどよ!やっぱり続けてみようと思うんだよ、俺!ありがとうなスネオ!お前のおかげだぜ!」

スネオ「ど、どういたしまして……あはは」

僕は何かとんでもなく余計なことをしてしまったようだった。でも屈託なく笑うジャイアンをみて、これでもいいのかな、と少し思うのだった。
926:2008/10/07(火) 22:10:59.10 ID:
のびたside

のびた「さあ、観念しろ!」

ハンター「くそっ!」

ハンターは奥の部屋に逃げ込んだ!

ドラえもん「追いかけよう!」

のびた「いや、ドラえもんはしずかちゃんを介抱してくれ!僕一人で行く、大丈夫だよ!」

ドラえもん「……わかった、多分逃げるとしたら屋上だ、タケコプターを貸すよ!」

のびた「ありがとう!」

ドラえもん「無茶はするなよ!僕も後から行くよ!」

僕は奥の部屋へと進んだ、ドラえもんの言う通り上へ上がる階段があった。おそらくハンターはここから上に上がったはずだ、僕も進む!

階段を上がると扉があり、僕はそれを開ける、何が起こるかわからない、ショックガンを握る手に力を入れた。
927:2008/10/07(火) 22:18:41.57 ID:
ハンター「来たか、のびた君」

扉を開けた先は屋上だった。少し広いスペースがあり、フェンスのようなものは存在していなかった。その屋上の真ん中に、ハンターがいた。しかし、おかしい所があった。

のびた「なんでお前ヘルメットなんて被ってるんだ?」

ハンターはバイクのフルフェイスのヘルメットのようなものを被っていた。

ハンター「なに、私が戦うときの衣装さ、気にすることはない」

ハンター「のびた君、君に一対一の決闘を挑もう」

のびた「……?」

ハンター「悪い話じゃないだろう、それとも君は私に負けるのが怖いのかね?」

のびた「っ!そんなわけあるか!いいさ!一対一の決闘だ!」

ハンター「よろしい!ならば……」

ハンターは空中に上がった、何かの未来の道具かもしれない

ハンター「ここまでこい!勝負だ!」

のびた「望むところだ!」

僕は二丁のショックガンのうち、一丁を床に置き、タケコプターで宙に上がった。
928:2008/10/07(火) 22:26:35.02 ID:

ハンターが撃ってくる!狙いが鋭い

のびた(こいつただものじゃないぞ!)

タケコプターで動いて避けながらの反撃!

ハンター「……っ!」
ハンターは横に移動して避けた、そしてハンターの反撃!

バシュッ!

なんとか避ける、只者じゃない、でも

のびた「当たれッ!」
敵の移動を読んで撃つ瞬間に銃口をそらす!当たる!

バシュン!

ハンター「ふふふ……」
効いていない!?

ハンター「ははは!やはり君は馬鹿だなのびた君!私がなぜ一騎打ちを選んだか、なぜヘルメットを付けているか、君は考えなかったのかね?」
のびた「くそっ!」
バシュン!バシュン!!

ハンター「無駄だあ!この防護服は君のショックガンなど通さんよ!」
のびた「卑怯者!」
ハンター「なんとでも言え!次はこっちからいくぞ!」
929:2008/10/07(火) 22:29:14.53 ID:
最上階

しずか「う、ううん……」

ドラえもん「あ、気がついたかいしずかちゃん!」

しずか「ドラちゃん!無事だったのね!」

ドラえもん「はは、おかげさまでね」

しずか「よかったわ……あら、のびたさんは?」

ドラえもん「それが……」

スネオ「おーい!!」
ジャイアン「どじゃえもぉぉん!」
出木杉「無事だったのかい!」

ドラえもん「皆ぁ!」

…………

出木杉「えぇ!?」

スネオ「のびた一人で後を追った!?」

しずか「一人じゃ危険よ!早く追いかけましょう!」

ドラえもん「わかった!早く行こう!」
930:2008/10/07(火) 22:32:39.55 ID:
支援
931:2008/10/07(火) 22:33:14.35 ID:
屋上 空中

ハンター「ほらほらどうしたのびた君!ちゃんと避けなきゃ当たってしまうぞ!」

遊ばれている、一方的な展開だ、僕は避けられる、しかしいつまで持つかわからない、対して相手は僕の攻撃は絶対喰らわない、どちらが不利かは目に見えて分かる。

のびた(どうすればいい!?)

屋上 

ジャイアン「おい!あの上にいるやつのびたじゃねえか!?」
スネオ「本当だ!なんだ、相手はヘルメット被っているぞ?」
しずか「のびたさんなら一対一なら負けないとは思うけど……」
出木杉「何かおかしいぞ?さっきから逃げてばかりだ!」

ドラえもん「まさか……!」

バシュン!

ジャイアン「よっしゃ!のびたが当てたぜ!……っておぉ!?」
スネオ「なんであいつ平気なんだよ!」
出木杉「あの銃じゃきかないんだ!」

しずか「ドラちゃん!何か道具!」
ドラえもん「わ、わかった!えぇと、何かないか何かないか!」
スネオ「慌てるとだめなやつ!」
932:2008/10/07(火) 22:36:28.39 ID:
ドラえもん「よしこれだ!『空気砲』!」
スネオ「結局それかよ!」
出木杉「細かいことはいい!どうやってこれをのびた君に渡す!?」
しずか「近づくと流れ弾に当たったりしちゃうわ!」
ドラえもん「こんな時はジャイアンだ!」

ジャイアン「任せろ!ブン投げりゃいいんだな!?」

ドラえもん・スネオ・出木杉「頼むぞ名投手!」


空中

ジャイアン「受け取れぇえぇぇぇぇ!のびたぁぁぁぁ!!!」
のびた「ジャイアン!?」

空気砲がこちらにむかって飛んでくる、助かった、これなら倒せる!

のびた(いや、まてよ!?)

この位置を維持しなければ空気砲は取れない、維持をすると撃たれてしまう!かといって空気砲を取りに行っても動きがわかるから撃たれて終わりだ!

のびた「くそっやるしかない!」

僕はショックガンをハンターに向かって投げつけた

ハンター「そんなものが効くか!貰った!」

空気砲が近づく、ハンターが撃ってくる
936:2008/10/07(火) 22:41:16.88 ID:
僕はタケコプターを取り外した、もちろん頭から落ちていくだろう、だけど伸ばした左腕で空気砲を取る、顔のすぐ前を熱線銃の光線が通り過ぎた。
落ちながら僕は撃った
のびた「あたれっ……!」
ドカンッ!

ハンター「ひっ!?」

ハンターに命中、そのままやつは天井に叩きつけられた、そこまで見ていた。

ドラえもん「のびた君!」

落ちていく僕をドラえもんが捕まえてくれた。

のびた「やったよ、僕」
ドラえもん「……流石のびた君、だな」

そして僕はドラえもんに引っ張り上げられながら建物の屋上へ行く
のびた「そう言えばさ、ドラえもん」
ドラえもん「なんだい?」

のびた「まだ黒服達が残ってるだろ?どうするんだい?」

ドラえもん「……さっきタイムパトロールから連絡があったよ。ウイルスのワクチンができたって。僕が場所を見つけたって言ったら、すぐ来るってさ」
のびた「……なんか僕は必要なかったみたいだな」
ドラえもん「そんなこと全然ないぞ、あ、来た来た」

ドラえもんの視線の先に目を向けると、白いタイムパトロールの船が現れたのがわかった。

のびた「あぁ、これで本当に終わったんだなぁ……」
939:2008/10/07(火) 22:44:41.78 ID:
その後、タイムパトロールが黒服達を全員逮捕、連行した。恐竜ハンターも、ギガゾンビも捕まった(まさかギガゾンビがいたとは)

ドラえもんとドラミちゃんは、会った瞬間、ドラミちゃんが泣きながらドラえもんに抱きついていたのが印象深い、多分、あの兄妹はこれからもずっと仲良しなんだろう。

しかし、いいことばかりではなかった
ドラえもんは命令違反の罪を受けるらしい、そして任務終了のため、未来へ帰るそうだ、皆、泣いてとめた、でも駄目だった

ドラえもんは、言った

『さよならじゃない、またね、だろ。こういう時の別れは』

だから、僕は泣かなかった。また会える、そう信じた。
そして、三日たった。

のびたの家

のびた「ただいまー」
たんたんたん、階段を上がる
のびた「今日も疲れたな……」

ザザッ

ドラえもん「やあ、お帰り!」
のびた「ドラえもん!?」
---------------------------

BGMにでも。
さよならにさよなら

私のなかの銀河

 
少年期

940:2008/10/07(火) 22:45:01.34 ID:
久しぶりにvipに来てみればこんな神スレが…
941:2008/10/07(火) 22:45:52.95 ID:
ここは少年期だな
私のなかの銀河も好きだが
945:2008/10/07(火) 22:46:47.06 ID:
ドラえもん「いやあ、命令違反で停職になっちゃって!行くところもないからここに来たんだよ!」

のびた「……」

ドラえもん「おい、どうしたんだのびた君」

のびた「また、君と一緒に暮らすのか?」
ドラえもん「そういうことになるな」

僕の日常が戻ってきたようだ、ジャイアン達がいて、ドラえもんがいる。

きっとずっと一緒というわけにはいかないのだろう、
皆が離れる時、それが大人になるときなのかもしれない。
しかし、離れても、大人になっても、きっと僕らは変わらない。
離れても、さよならじゃない、皆との別れは、またねと言おう。

のびた「そう言えばさドラえもん、言い忘れてたよ」

ドラえもん「なんだい?」

のびた「お帰り」


おわり
946:2008/10/07(火) 22:47:25.10 ID:
ありがとう。>>1のおかげで楽しい時間を過ごせたよ
947:2008/10/07(火) 22:47:29.84 ID:
感動した!
乙!!
948:2008/10/07(火) 22:47:36.45 ID:
1乙
素晴らしいものをありがとうノシ
950:2008/10/07(火) 22:47:49.96 ID:
うおおおおおおおおお、>>1神スレをありがとう!
少年期を聞き始めたら鳥肌が立ち、感動が止まらない
952:2008/10/07(火) 22:48:01.31 ID:
感動した
本当に楽しめた
>>1みたいな人がいるから俺は今日も明日もvip
957:2008/10/07(火) 22:48:34.62 ID:
映画化無理としても絵師に漫画化してもらいたいな…
958:2008/10/07(火) 22:48:36.98 ID:
神の>>1に出会えた事に感謝する

マジでありがとう
961:2008/10/07(火) 22:48:51.01 ID:

いままで読んだドラ系で一番面白かった
973:2008/10/07(火) 22:50:12.22 ID:
お付き合いいただきありがとうございました
気づいた方が多いかもですが、結婚前夜を参考にしてます

本当にありがとうございました、ドラえもん大好き
976:2008/10/07(火) 22:50:21.72 ID:
30すぎのオッサンを泣かせたお前さんは凄い。
あぁ、これでアニメ化してくれねーかなぁ
980:2008/10/07(火) 22:50:55.05 ID:
ドラえもんの最終回これでいいよ
981:2008/10/07(火) 22:51:00.69 ID:
>>1超乙!!!!


どうして大人になるんだろう?
989:2008/10/07(火) 22:52:18.39 ID:
いちもつ!超もつ!次回作も期待してるわ!
995:2008/10/07(火) 22:53:09.05 ID:
多分今回が最初で最後のSSです、皆様本当にありがとうございました
998:2008/10/07(火) 22:53:22.74 ID:
>>1000ならドラえもんは永久に不滅です。
999:2008/10/07(火) 22:53:23.44 ID:
>>1000ならみんなドラえもん一同と>>1が大好き!
元スレ: