1:2014/06/01(日)01:36:21 ID:
3:2014/06/01(日)01:38:46 ID:
俺とお前の一週間
19:2014/06/01(日)17:41:12 ID:
>>3
山田と竹中はある総合商社のライバル同士
二人とも課長昇進を目前にしていたが、
そんなとき気まぐれな部長からテストを出される
それは一週間でなるべく多くの嘘をつくというものだった
山田は同僚や飲み屋のママなどにウソをつきまくりポイントを貯めていく
一方竹中は動いてる気配がない
勝利をあきらめたか、と思いつつ一週間がすぎ、結果を報告する日
今までついた嘘についての報告書を積みあげる山田と、手ぶらな竹中
すると竹中はにやりと笑い、部屋に専務や常務など実力者が入ってくる
嘘のつきあいで課長を決めるなど何事か、と叱られる部長
部長はあわてて「全てただの冗談だった」としてしまう
竹中は一週間の根回しにより、この対決自体を嘘にしてしまったのだった
20:2014/06/01(日)17:45:50 ID:
>>19うめえwww
映像にしたら怖そうだな
6:2014/06/01(日)01:39:41 ID:
回転芋虫
13:2014/06/01(日)02:08:07 ID:
>>6
主人公は若くして成功した大富豪の青年
彼はその好奇心から自分を冷凍保存して未来へ行くことを実行する
未来で目覚めた青年であったがそこは回転寿司に芋虫が並ぶような
現代とは著しく文化を異にする未来であった
それでも人類の柔軟性・多様性を楽しむ青年
未来での生活にも飽きてきた彼は変化の過程をも楽しもうと歴史を調べることに
しかしそれで彼が知ったのは人類が滅亡し宇宙人が取って代わったという事実であった
最後には人類と思われた宇宙人に無表情で取り囲まれるシーンで終わり
10:2014/06/01(日)01:48:17 ID:
超情報系
23:2014/06/01(日)17:56:56 ID:
>>10
株で負け続けている男がいた
男は人工知能を研究する企業の研究員であり、株に勝つために最新鋭の人工知能を無断で使おうとする
人工知能にどの株を買ったらいいか訪ねるものの、情報不足との回答
男は人工知能の命じるまま、あらゆる資料をかき集めて入力していく
やがて極めて優秀な投資先が出たと回答があるが、
人工知能はなぜか「閲覧はおすすめしません」と繰り返す
ここまで来てそれはないだろう、と男は人工知能の基幹システムに侵入し、無理やり情報を見る
それは素晴らしい利益率が約束された情報だったが、ライバル会社の存在が不安要素だった
男は夢遊病に取り付かれたようにふらふらと街に出て、そのライバル会社に放火してしまう
燃え盛るビルを見あげて「これで完璧だ」と呟く男
その背後には数人の警察官が立っていた

タモさん登場「情報は人に豊かさを与えてくれます、
しかし、情報そのものに干渉しようとする、それは悲劇の始まりなのです」
25:2014/06/01(日)18:00:09 ID:
>>23
タモさんのセリフいいな
14:2014/06/01(日)15:34:04 ID:
あげ 今のところ凄い面白いからよかったら 他の人も頼む!
18:2014/06/01(日)17:22:06 ID:
やってみるか
34:2014/06/01(日)18:51:49 ID:
>>18
「やってみるか」

主人公はブラック企業勤めの気弱で冴えない独身中年サラリーマン。
口下手にも関わらず営業課に配属されてしまい、かつて部下だった上司に怒鳴られ家に帰れば自分の両親にすら
疎まれる日々を送っていた。

ある夜同僚から押し付けられたサービス残業の帰り道、自宅の近所に精神科専門の病院がオープンしていること
に気づく。
しかもすでに日付が変わった深夜にも関わらず、診察を続けていた。
不自然に思いつつも、仕事と人間関係に疲れ切っていた主人公はフラフラとその病院に足を踏み入れる。

そこで処方されたのが「アクティブ・ドラッグ」という怪しい薬。
藁にもすがる思いでその薬を服用する主人公。
すると次の日から、どんな難しい仕事に対しても「よし!やってみるか!」と積極的に取り組むやる気に満ち溢
れた人間になっていた。
営業成績はとんとん拍子に上がり、周囲の人間からも好かれるようになった。
しかしアクティブ・ドラッグの効き目がきれれば、元の自分に戻ってしまう。

足しげく病院に通う主人公だったが、アクティブ・ドラッグは法外な価格であっという間に貯金が底をついてし
まい、親の貯金と会社の金に手を付けてしまう。
ありったけの金額を費やしてアクティブ・ドラッグを手に入れた主人公だが、横領があっさり発覚して首に。
両親からも絶縁され、手元に残ったのは大量のアクティブ・ドラッグだけ。

アクティブ・ドラッグに頼り切りの主人公。
いくらやる気に満ち溢れていても、既に若くない主人公はなかなか再就職が決まらない。
あんな冴えない自分なんて自分じゃない、アクティブ・ドラッグを飲んだ自分こそ真の自分だ。と自分自身に言
い聞かせ、依存し続けた体はボロボロになっていった。
あれだけ大量にあったアクティブ・ドラッグも、ほとんど残っていない。

元の自分に戻る恐怖で、完全におかしくなってしまった主人公。
ふと部屋の隅のロープに気づく。
「よし!やってみるか!」
衝動的に首を吊り、そのまま絶命。
22:2014/06/01(日)17:51:28 ID:
ゴリラズ
27:2014/06/01(日)18:08:18 ID:
>>22
男のアパートの窓からは、近所の動物園のゴリラの檻が見えた
うだつの上がらない浪人生である男は、暇さえあればゴリラを眺めていた
檻には二匹のゴリラがいたが、いつからか、心の中でゴリラの会話をアテレコするようになる
すると奇妙なことに、ケンカをするようなアテレコをするとゴリラはケンカし、
仲良くするようなアテレコをすると仲良くしだした
予備校やバイト先などでストレスを貯めていた男は、
ゴリラたちに檻の中が不満だらけであるようなアテレコを行う
やがてそのアテレコは過激さを増し、飼育係の女性への殺意にまで至る
「あの人間を殺してやろう」とアテレコすると、なんとそれは現実に起こる
アパートの窓からそれを見ていた浪人生、さすがに怖くなって布団をかぶって震える
すると、頭の中にいつものアテレコ口調で声が響く
「この部屋だな」「いつもジロジロ見てやがって」
「手足をちぎってやろうぜ」
29:2014/06/01(日)18:20:25 ID:
>>27 あえて最初コメディ系な感じやな
面白い
30:2014/06/01(日)18:21:26 ID:
>>27
落差がいい感じ
38:2014/06/01(日)19:08:39 ID:
>>27見てぇな!
28:2014/06/01(日)18:09:02 ID:
ピーターパン・ラジオ
32:2014/06/01(日)18:31:12 ID:
>>28
《ピーターパン・ラジオ》
大人になりきれない男がある日ラジオをつけると、ピーターパンラジオという番組をやっていた。
番組の内容は「大人になりきれない大人たちの90分」らしい。
何の気なしに聞いていると、リスナーの多くは自分と似た境遇の大人たちで、パーソナリティである「ピーターパン」そういった大人たちを本当の大人にしてくれるらしい。
最初はアホくさいと思って聞いていた主人公だったが、パーソナリティの的確なアドバイスに関心し、自分も投稿してみることに。
「読まれるといいな・・・」と期待半分に聞いていたが、なんと自分の投稿した内容が読まれている・・・!
主人公が喜んでいると、なんとも的確なアドバイスを貰う。
主人公がそのアドバイスを元に努力すると、なんとうまくいってしまうではないか。
主人公は再び悩み事を「ピーターパンラジオ」に投稿することに。
するとまた採用され、アドバイスを貰う。
燻っていた主人公だったが、そのラジオをきっかけにグングン成長していく・・・
「大人になるのもいいかもなぁ」と思っていた矢先、今日もラジオを聞こうと机に向かうと、外から何やら窓をたたく音が。
「俺だよ!」
なんとその声はラジオのパーソナリティの「ピーターパン」だった。
あわてて窓をあけると、「君、大人になったんだね!」とニコニコしながら声をかけるピーターパン。
驚き半分も、自分をここまで成長させてくれたピーターパンに会えてうれしい主人公・・・が、しかし
グサッ
「ピーターパンはね・・・子供たちと永遠の夢の世界を冒険するんだ・・・でも、子供たちは大人になってしまう。
だからピーターパンは大人になる前に子供たちを殺してしまうんだ・・・」
ドロドロと流れる自分の血に死を実感しながら、そういえばピーターパンの原作はそういう内容だった、と思い出す男だった。

(完)
33:2014/06/01(日)18:40:38 ID:
>>32 本家でこのタイトルだったらまじでこうなりそうだな
35:2014/06/01(日)18:57:17 ID:
世に奇妙というか星新一っぽいな

39:2014/06/01(日)19:17:59 ID:
エレベータボーイ
47:2014/06/01(日)19:49:12 ID:
>>39
『エレベーターボーイ』

老人が病室で死体を見下ろしていた。どうやら自分は死んだようだ。若い頃は両親がいなかったせいで苦労したが悪くない人生だったと思う。その時、病室のドアからチンという機械音が鳴り響き左右に開いた。どうやらエレベーターのようで中の小綺麗な男が口を開いた。
「審判のエレベーターへようこそ。私は本日のエレベーターボーイを勤めさせて頂きます。~でございます。」
審判のエレベーターとは天国の近代化によって昇天と審判を同時に行う施設であり、過去を振り返って善行一回につき上昇し、悪行で下降するそうだ。
老人はエレベーターボーイと現代から過去へと記憶を遡りつつゆっくりと上昇して行く。天国間際まできた直後、5才の頃の映像が映る。何故か自分には5才以前の記憶がない。両親を見られるかもと老人は喜ぶ。
家族旅行の車の中、子供の彼はちょっとした好奇心で運転する父親に後ろから目隠しをした。衝撃、悲鳴、爆音、最悪と言われた、ある高速道路の玉突き事故は彼によるものだった。その瞬間エレベーターが断線。
「こんな!こんな事があるか!私の人生は何だったんだ!」
彼はどこまでも墜ちていった
48:2014/06/01(日)19:49:24 ID:
大当たりの日
132:2014/06/03(火)01:05:02 ID:
>>48

「あんた今日大当たりの日だよ」

通りがかった占い師にそう指さされた男、占いなど全く信じていなかったが、大好きな競馬で勝負しようと馬券を買いに行った。
すると、千円が5万円に!
ツイてる日だと上機嫌で馴染み割烹の店に、泡銭など使っちまえと、高い料理と酒を堪能した。
しかし、薄造りを口にした途端、男はひっくり返った。
「し………し…び……れ…………」
そう、男はフグに大当たりしたのだった。
54:2014/06/01(日)20:40:57 ID:
これはまさかの良スレ
58:2014/06/01(日)20:48:56 ID:
お前らセンスありすぎ
羨ましいわ
61:2014/06/01(日)21:31:05 ID:
空洞
67:2014/06/01(日)21:57:11 ID:
>>61

酒好きの男がいた
男はこのところ毎晩同じ夢を見る
それは洞窟でただ穴を掘り続けるというもの
不安になって飲む酒の量が増えていく
夢の洞窟はどんどん大きくなっていく
イラツキが抑えられなくなって人当りが悪くなる

だれも彼の相手をしなくなったころ
アパートの大家が男の部屋を訪れたときに男が倒れているのを発見する
病院に搬送され検査を受けた結果
男の脳に大きな空洞ができていた
99:2014/06/02(月)06:45:50 ID:
>>67
いいなこれ
64:2014/06/01(日)21:43:10 ID:
いよいよ明日だな
65:2014/06/01(日)21:51:26 ID:
>>64
【いよいよ明日だな】
君達にも明日の予定というものがあると思う
無論私にもある、が私の予定は君達とは一風変わっている
私は…

……次の日
「もう戻ってくるなよ?」
「有難う御座いました…」
そう、私の予定は出所だ
いよいよ明日だな、と昨日は胸が高鳴って仕方なかった

「あぁ、少し待ってくれ」
「はい?どうかしましたk…」グサッ
担当の看守さんだっけか?
彼に呼び止められたと思ったら刺されていた

「お前は昨日、いよいよ明日だなと…
ずっと言っていたよな?
俺も同じなんだよ、妹を刺し殺したやつを刺し殺して捕まるのもいよいよ明日だなと…
皮肉なことにお前と同じことを考えていたんだ」
声は出ない…
君達には、いよいよ明日だなと
楽しみにできる予定はあるかな?
どんな結果になるかは分からないが、その明日は楽しみにしてても嫌でも必ずやって来る
私のようになりたくなければ常に誠実に生きることだ…
66:2014/06/01(日)21:52:57 ID:
未来冷蔵庫
80:2014/06/01(日)22:33:06 ID:
>>66

高野卓志はこの春大学生になり1人暮らしを始めた。
それに備えて家電量販店に行くと、店員が倉庫の奥に連れて行った。
そこには、ホコリのかぶった売れ残りの業務用冷蔵庫が。
高野は定価の3割の価格で冷蔵庫を買うと、届いた当日に早速いろいろ詰め込んだ。
数日後、高野は「弱/強」ボタンの隣に謎のボタンがあることに気付く。
そのボタンを押すと・・・特に変わったことが起こるわけでもなくがっかりした。
しかしその翌日、冷蔵庫の中にあった納豆がなくなっていることに気付く。
その後もそのボタンを押すたびにいろいろなものがなくなってしまう。
ところが、ある日、高野は買った覚えのないシュークリームがあることに気付く。
なんだろう、高野はそう思いつつもシュークリームを食べた。
5月のある日、高野は彼女のツグミからシュークリームをもらう。
そう、あのシュークリーム、まさにそれだったのだ。
高野はこの瞬間、冷蔵庫の中身が未来から送られてくることに気が付いた。

そんな中、高野はツグミと喧嘩をしてしまう。
かっとなった高野は冷蔵庫の中身をツグミに投げつけ、ツグミを冷蔵庫の中に入れてボタンを押してしまう。
ツグミがいなくなってせいせいした、高野はそう思いながらテレビをつけてのんびりし始めた。
いつものようにバラエティー番組を見ていると、高野はビールが飲みたくなり、冷蔵庫を開けた。
すると、中には何か巨大なものが入っていた。
それは・・・

自分の惨殺体だった。
87:2014/06/01(日)23:03:42 ID:
象を売る
88:2014/06/01(日)23:20:14 ID:
>>87

20XX年、第三次世界大戦の影響でワシントン条約はすでに失効していた。
焼け跡の町はすっかり見る影もなく、まるで幼少期に見た高度経済成長期のようだ。
しかし、この世界で珍重されているものは、金でも、ダイヤモンドでも、はたまた技術でもない。

象だ。

象の牙は象牙に、肉は食用に、皮はなめし皮に使われるとか。
とにかく、捨てるところがないんだ。
近頃では象の先物取引なんということも行われている。
昔は金なんかがこんな風に取引されていたらしい。今では象が貴重な金融商品だ。
実は、うちには巨大な地下倉庫がある。
そこには120頭もの象の大群がいる。
象が高騰している今、長年コツコツ貯めてきた象を売れば俺は大金持ちだ。
今、ついに、この象たちを売る時が来た。

俺は今、ライオンキングのシンバのような気分だ。
銀座の町中を、120頭の象を引き連れて歩いているのだから。
街行く人の睨みつける視線、妬いているんだろ?

「象を売りに来ました!」
俺は証券会社に入って一声を上げた。
みんなポカーンとしている。どうしたんだ?

「金融商品として扱っているのは、象ではなく、像、つまり貴金属製の像です。」
108:2014/06/02(月)14:28:24 ID:
自分RPG
113:2014/06/02(月)15:59:10 ID:
>>108
「自分RPG」

ケイスケは高校時代、大学受験に失敗して以来、自室に引きこもりインターネットゲームに没頭していた。

そんなある日、今話題となっているオンラインRPG、「サクセスストーリーズ」のある噂を聞く。

それは、そのゲームは幸運を呼ぶゲームだという噂だった。

好奇心に負け、ケイスケは「サクセスストーリーズ」をプレイする。
すると、とても不思議な事が起きた。
ゲーム内で報酬があると、現実のケイスケの講座に大金が入った。
ゲーム内で恋人を作ると、ケイスケに恋人が出来た。

幸運を呼ぶ「サクセスストーリーズ」にのめり込み、いつしか最強クラスプレイヤーになり、現実でも色んな物を手に入れたケイスケは、恋人と共にSkypeをしながら隠しボスを倒す事に。

隠しボスの圧倒的な力に押されるケイスケと恋人。
そんな中、ゲーム内で恋人がゲームオーバーになると、突然恋人が苦しみだし倒れる音が聞こえた。
嫌な予感がするケイスケ。
そして隠しボスの攻撃をまともにうけてしまった。
すると、ケイスケの身体に同じように切り傷が出来た。

死の恐怖に怯えるケイスケ。
そしてとうとうケイスケはゲームオーバーになり、その画面を見たケイスケは倒れてしまった。

しばらくして、ケイスケは意識が戻り、目を覚ます。
目の前にいたのは、その隠しボスだった。

「ようこそ、自分RPGへ!!」

どこかから、そんな陽気な声が聞こえた。
117:2014/06/02(月)17:31:04 ID:
なんか文章にすると
意味がわかると怖い話っぽくなるな
120:2014/06/02(月)18:48:44 ID:
喜びの機械
130:2014/06/02(月)22:31:19 ID:
>>120
喜びの機械

その機械はどんな状況でも人を幸せにする最善の選択肢を選ぶ。
その機械のおかげで人間は戦争を防ぎ、病気を克服して生き延びてきた。
しかしある日、その機械が人間に牙を剥く。
人間は一丸となって危機を防ぎ、その機械を破壊した。
何故機械が人間に牙を剥いたのか調べるため、エンジニアが情報を読み取ると、機械は第三次世界大戦の勃発を予想していた。

そう、彼はその身を持って人類を幸せへと導いたのだ。
131:2014/06/03(火)00:09:29 ID:
ルーティン
139:2014/06/03(火)21:34:31 ID:
>>131
私は特急電車の運転手。
今日もこの時間、この路線をルーティンで走っている。
明日も私はこの時間にはここを通過するだろう。



そうだ。
今日は月に一度のルーティンの日だ。

この駅だ…




運転手より指令へ、○○駅で飛び込みによる人身事故が発生…
繰り返す…
134:2014/06/03(火)01:56:28 ID:
黒時計と白時計
135:2014/06/03(火)03:56:00 ID:
>>134

兵藤は地元では名の知れた神童で、東京の一流大学に通う大学2年生。
小中高と成績は優秀、生活態度も申し分なし。
というのは、あくまでも表の顔。

ある晩、兵藤は黒い腕時計を右腕につけて人気のない道をさまよった。
兵藤は私鉄の高架下でうずくまるホームレスを発見し、容赦なく殴り殺した。
殴り殺すと、兵藤は右腕の腕時計の竜頭をつまんで時間を戻した。
「これでチャラだ。」兵藤がほくそ笑むと、時計は白くなった。

時計は毎晩黒くなり、兵藤はその度に殺人のために街に繰り出した。
しかしある晩、いつものように街に繰り出してチンピラを鈍器で殴り殺して家に帰ると、玄関の前に友人の姿があった。
「こんな夜中に何の用だ?」兵藤が尋ねると、友人は「暇だったから遊びに来た」と答えた。
兵藤は何でこんな夜中に来るんだと思いつつも友人を家に通した。
兵藤が時間を確認すると午前1時35分、時計は白かった。
せっかく友人が来たのだから、と兵藤が発泡酒を冷蔵庫から出そうとすると、何者かが後ろからヘッドロックをかけてきた。
慌てふためく兵藤はその瞬間、「宿命なんだ」という友人の声と、その腕に光る黒い時計を認識した。
136:2014/06/03(火)15:43:27 ID:
夢の遊園地
144:2014/06/03(火)22:51:59 ID:
>>136
男がベンチでうなだれている。
男は、元々このワンダーエンパイアの総支配人であった。
不況のあおりを受け、ワンダーエンパイアは5年前に閉園となっていた。
ポケットから小瓶にを取り出し眺めている。
中身は液体に溶かした青酸カリだ。
死のうと決めて手に入れたものの、いざ手に取ると飲む決心は起きない。

目玉のジェットコースター「エーススプリンター」も、今は錆び付き見る影もない。
小瓶を通してエーススプリンターを眺めてみる。
するとどうだ、在りし日のエーススプリンターが、沢山客を乗せて快走する姿が見えるじゃないか。
「懐かしいな…」
ザ・パイレーツも、メリーゴーラウンドも、小瓶を通した風景は、多くの来場者で賑わったあの頃のものだ。
「心象風景ってやつか」
ホラーハウスを小瓶越しに見てみる。
出口から泣きじゃくった男の子が両親と出てくる姿が移り、その前を笑顔の女の子が走り抜ける。
女の子の笑い声が聞こえた気がした。
小瓶を下に下ろしてみる。

えっ?本当に男の子と女の子がいるじゃないか!
どういう事だ!?
辺りを見回してみると、廃墟のはずのワンダーエンパイアに、大勢のお客様がいる!

「おじさん行こ?」
女の子に手を引かれる。
園内は、あの頃のままだ。
訳がわからないまま、スピンコースターに女の子と乗る。
うわーー!!目が回るーーー!!!
その後も女の子に連れられ、アトラクションに片っ端から乗り込んだ。
流石に疲れ果て、ベンチ座り込む。
「おじさん、楽しい?」
「ここは夢の遊園地だ、楽しくない訳がない。」
「そうだよ、ここはとっても楽しいんだよ?だからおじさん、死んじゃダメだよ?いつか、もう一度あたしと遊ぼ?」

気がつくと、白い天井が見えた。
どうやらベッドに寝かされているようだ。
回復した男が聞かされた話では、どうやら男は青酸カリをあおったようだ。
家を出る時の様子がおかしい案じた妻が助けてくれたそうだ。

それから20年後、男は同じベンチに杖にもたれて腰掛けていた。
孫娘が、楽しそうに駆け回っている。
男は、15年掛けワンダーエンパイアを再建した。
今日は5周年記念日だ。
孫顔は、どこかあの時の女の子に似ている気がした。
147:2014/06/04(水)06:52:11 ID:
>>144
いいね
149:2014/06/04(水)16:24:00 ID:
俺も>>144好き
152:2014/06/04(水)17:46:13 ID:
恐怖心
153:2014/06/04(水)18:01:48 ID:
>>152

タモリ「あなたは、恐怖心を感じた事があるだろうか?
私はありますよ。何度も
え?そんなのカッコ悪い?
ですが、考えてみてください
恐怖心とは、なんなのか」

『恐怖心』

主人公の彼は、普通の男子高校生だ。
ただ1つ、他人より恐怖心が大きいという事を除けば。
主人公(以下A)は、何にでも怯え、怖がり、パニックに陥ってしまう程の恐怖心の持ち主だ。

ある時Aが道を歩いていると、猫が目の前に飛び出してきた。可愛らしい猫だ。
だが、Aは「ひぃぃぃぃ!!」と怯え、頭を抱えてうずくまってしまった。
通行人が「大丈夫ですか?」と声をかけると、Aは怯えながらも「大丈夫です……」と言い、去って行った。

そんなAをクラスの男子はいじめていた。
虫や恐怖画像をAの机に入れたり、いきなり物陰か飛び出して脅かしたりして、反応を楽しんでいた。

A自身もこの体質をなんとかしたいと考えており、悩んでいた。
時には気を失ってしまうし、些細な事でも大声をあげてしまう。
病院のカウンセリングを受けてみたが、効果無し。それどころか、『病院』という場所のシチュエーションだけで怖くなって、気が気でいなかった。

続く
157:2014/06/04(水)18:20:47 ID:
>>153続き

ある日Aが下校していると、商店街に見慣れない薬局ができていた。
気になったので入ってみると、どうやら中は普通の薬局らしい。
だが、なんだかその中にもとんでもない副作用のある薬が混ざっているような気がして、また怖くなる。
ふとカウンターを見ると、『心に効くお薬あります!!』という張り紙がしてある。
Aはビクビクしながらも、「あ、あの、恐怖心が無くなるお薬ってありますか?」と聞いた。
すると、清楚な雰囲気の男の店員は「はい、ありますよ」と言って、後ろの棚から1つのビンを取り出した。
普通の栄養錠剤のような物が入っていて、『恐怖ナクナール』というラベルが貼られている。
少々値が張ったが、恐怖を抑えながら、Aは薬を購入した。
「ご使用は薬の説明に沿って、限られた数だけ服用してくださいね」と釘を刺されたので、Aは頷いた。

家に帰ると、Aは「まあどうせ嘘なんだろう」と思いながらビンを開けてみた。
1日1錠、食後。と書いてある。とりあえず夕飯を食べ、服用してみた。
すぐに効果は現れなかった。
Aは「やっぱり嘘なんじゃないか」と思い、明日返品しに行こうと思った。

効果は突然現れた。
Aがその日寝ようと思い、電気を消すと、何かが違う。
闇が怖くない。
いつもだったら暗闇が怖くて、ガタガタブルブルしているのに、今日はまったく恐怖心を感じない。
Aは久しぶりに、悪夢も見ずにぐっすりと眠った。

続く
158:2014/06/04(水)18:41:59 ID:
>>157更に続き

翌朝、Aは自分がこの部屋の中に1人ぼっちなのに恐怖を感じ、すぐに身支度をし、朝食を食べると、薬を服用して学校へ行った。

道に猫が飛び出して来たが、可愛く思い、頭を撫でてやった。

学校に着くやいなや、同級生の男子がマスクやお面をして脅かしてきたが、Aはとくに反応せずに、教室まで歩いて行った。

その日からAは変わった。
明るくなり、友達との付き合いもうまく行き、Aをいじめていた男子たちもAの明るさに惹かれ、仲良くなった。
『強い男』と男子に慕われ、『頼りなる人』と女子に人気を得た。
肝試しなどにも行っても動じないし、元々正義感もあったので、Aはみんなの人気者となった。

ある日、Aは街ですごく好みの可愛い女性を見つけた。
ナンパしたいけれど、とてもそんな勇気が出ない。
その時、Aはその場で薬を服用し、女性に声をかけた。
恐怖は何も感じなかった。
女性はAと趣味もあい、数週間後にAと付き合う事になった。

Aの人生はバラ色だった。
いつもは恐怖心が薄く、明るく楽しい性格で友達も多く、困った時には2錠目を服用し、無敵の状態となる。
Aはいつしか、朝食後に2錠を服用するようになっていた。

Aが服用を始めてから数ヶ月後。変化が起きた。
Aは勉強をしなくなった。
成績が落ちるという恐怖を感じなくなったのだ。
友人との会話も乱暴になった。
酷い事を言って友人が傷つくという恐怖を忘れたからだ。
恐怖という恐怖を忘れ、Aは非行に走り、どんどん堕落していった。

いつしかAは殺しをしてしまっていた。
いろいろな犯罪も犯した。
だが、その顔に恐怖の色は無い。
余裕の表情で、街を歩いている。
片手には、あの錠剤。

暗い街の中。Aは車の多く通る、青信号の道路の真ん中を歩いていた。
Aは恐怖を感じない。
目の前を10tトラックが走ってくる。だが、Aは逃げようとしない。

Aはただ歩いていく。
危険という存在の真正面へ。


死 ぬ こ と さ え 怖 く な い


おしまい。
159:2014/06/04(水)18:44:31 ID:
なんかありがちになっちゃってごめんね
161:2014/06/04(水)19:03:00 ID:
>>159

いや良かったよ
ありがとう
170:2014/06/05(木)06:28:10 ID:
2月30日
171:2014/06/05(木)08:29:10 ID:
>>170
「2月30日」

とある刑務所で印刷仕事をやっている囚人の主人公。
翌年3月上旬の出所を楽しみにしてまじめに作業に取り組み模範囚となり、秋口から増えてきたカレンダーの印刷作業で忙しい毎日を送っていた。
そんなある日、確認ミスで2月30日というありえない日付入りのカレンダーを大量に作ってしまう。
慌てて顔なじみの看守に報告するが、「何が間違ってるんだ?」と怪訝な反応。
それどころかよく出来ていると褒められる始末。
後日その看守から「出所祝いの先払いに」と、そのカレンダーを一部もらえることに。
戸惑いつつ同室の囚人にもそのカレンダーをみせるが、同じ反応。
疑心暗鬼に陥った主人公は面会にきた家族にも確認するが、「何言ってんの、2月は30日まであるよ」と翌年の手帳を見せられる。
そこには確かに2月30日が存在した。

1年が367日となった翌年、仕事に忙殺されていた主人公は「自分がずっと勘違いしていた」と割り切れるようになっていた。
2月30日、いつも通りの仕事を終えた主人公はもうすぐ出所とワクワクしながら就寝。
そして翌朝、主人公は看守に今日から3月ですねと何の気なしに声をかけたら笑われた。
「何言ってんだ、まだ31日だろ」
カレンダーには、2月の31日があった。

混乱しながらその日の仕事を終え就寝。
翌朝起き抜けにカレンダーを確認。
2月32日。
翌朝 2月33日になっていた。
翌朝 2月34日になっていた。
翌朝 2月35日になっていた。

どれだけ働いても、何度寝ても、2月の日付が1日増えるだけ。
あれだけ待ち望んでいた出所の日が来ない。
主人公は泣きながら看守に詰め寄るが「何言ってんだ もうちょっとで出所なんだから問題起こすなよ」と一蹴される。
日付が増える瞬間を見ようと寝ずにカレンダーを見張り続けてみたが、ほんの2~3秒目を離した瞬間に増えていた。

とうとう発狂した主人公、カレンダーを素手で引き裂き焼却炉に捨てる。
そして翌朝、恐る恐る看守に今日の日付を尋ねてみると「えーっと… 今日は3月1日だな」。

ついに2月から脱出したと歓喜する主人公。
その日の印刷作業も終了、あと少しの辛抱だと思うと浮足立つ。
部屋に戻ると、同室の囚人が落ち込んでいる。
「どうかした?」「いやぁ、今日大失敗しちまったよ 今月のカレンダーの印刷でな、日付全部1日になってんの なんでこんな失敗したんだろう。」
173:2014/06/05(木)09:46:37 ID:
>>171
見てみたい
185:2014/06/06(金)03:05:45 ID:
魂リサイクル
222:2014/06/07(土)23:29:12 ID:
>>185
魂リサイクル

私は死んだ。馬鹿らしい死に方だった。楽して痩せたいがために、某国製の痩せ藥を飲んだらこのざまだ。
自分の赤黒く変色した遺体を真上から見つめている私は幽霊なのだろう。一人暮らしで友達もほとんどいないから、発見される頃には腐っているだろうな。

そんなことを考えていると、あの世の案内人というのがやって来た。
人が死んでいるのにやけに明るく不謹慎なその女は、【魂リサイクル】という方法での転生を提案する。
簡単に言えば、体という器に入れる魂を作るのはすごくめんどくさ…いや、大変な作業だそうだ。そこで、私のように死ぬつもりがなかったのに死んでしまったもの、いわゆる事故死のような人間の魂にはリサイクルが勧められているらしい。
あなたたちのゴミのリサイクルと同じだと言われたときは、さすがにカチンと来た。

そして、私はリサイクルされ、オスカマキリになり、交尾の最中にメスカマキリに食われ、再度のリサイクルを提案されている。

リサイクルでより上位の生物になれるわけがなかったのだ。人間のゴミのリサイクルのように。
224:2014/06/07(土)23:32:27 ID:
>>222
バカリズムが出てたやつでそんな話あったな
人が死んで蝉になるやつ
192:2014/06/06(金)19:44:45 ID:
English
198:2014/06/07(土)00:05:20 ID:
>>192
とある男がいた
この男は勉強こそ苦手なもののプレゼンテーションの能力に長けていて大きな商談の成功のおかげで会社ではそこそこの地位にいた
今日は会社全体に関わるような大きな商談を任されていたため朝早めに起きていた
男が朝のニュース番組を見ていると緊急の速報が入ってくる
日本はアメリカやヨーロッパ諸国を見習い今日から公用語を『英語』にするというものだった
キャスターが「では、次のニュースです」と言ったのを聞き「そんなことすぐにできるわけがないだろう」とバカにするかのように呟いた次の瞬間テレビのキャスターが英語でニュースを読み始めた
これに驚いた男は慌ててテレビの電源を切ってしまうが「テレビだからやらなきゃいけなかったのだろう」と落ち着いてから時計を見るとそろそろ出社の時間
駅へ向かう途中飲み物とタバコを買おうとコンビニへ入りパッケージを確認すると日本語で「お茶」と書いてあり安心する
それを持ってレジへ行き「あとタバコ、14番」というが店員は不思議そうな顔をする
「だから14番のタバコくれ」というと店員から「In English Please」と言われる
これにもびっくりした男は「じゃ、じゃあこれだけで…」とお茶を出すが「In English please」としか言われない
「えっとthis one please」と言いお茶だけは買うことができたが(これはやばいんじゃないか)と危機感を覚える
予想通り会社に着いてから周りはみんな英語で喋っているため言われることはわからず言いたいことも伝わらずその日予定されていた大きな商談も失敗してしまい首を切られてしまう
その日はまっすぐ家に帰って絶望したまま寝てしまうが次の日には街中の様々なものが英語に置き換えられていた
他の仕事を探そうにも英語がわからないため面接さえ受けられずどうしようも無くなっていた男がふと立ち寄った本屋で様々な英語で書かれた本が並ぶ中一冊だけ
「英語が全くわからない人のためのビジネス英語」という日本語で書かれた本を見つける
値段はとても高かったがこれはチャンスと男はすぐさまその本を購入し家で勉強し始める
数年後なんとか英語を覚え新しい仕事に慣れ始めた男が家に帰りテレビをつけると英語で緊急ニュース速報が流れそれを見た男の顔が真っ青になった





緊急ニュース速報:最近経済が急成長している中国を見習い明日から公用語を『中国語』にします
214:2014/06/07(土)21:38:25 ID:
声だけの森
229:2014/06/08(日)17:32:42 ID:
>>214
ある山深い村に、話の得意な娘がいるという噂があった。
特に語りが上手いわけではないが、きわめて独創的な話を何百と暗記しているという。

その噂を聞きつけ、東京から年老いた作家が訪ねてくる。
かつてはいくつもヒット作を書いた作家だったが、近年はアイデアに恵まれていなかった。
作家はその娘に出会って驚く、まだ10にもならない少女だったからだ。
だが、数日その娘の家に泊まり、話をじっくり聞くと、その奥深さと題材の多様さ、
そして聞いたこともないような独創的な内容に驚く。
自分で考えたのか、それとも誰かに教わったのかと聞くと、娘は手の平に握っていた白い石を見せる。
「この石を耳に当てると、木の話し声が聞こえるんだべ、木はとても頭が良くて、たくさんの話を教えてくれるんだべ」
その娘の純真な話しぶりに、老作家はその話をすんなり信じる気持になっていた。
「ぜひ、その話を聞いてみたい」
と言い、娘に手を引かれるまま、庭にある古木の根本に立つ老作家。
石を耳に当てると、風のうなりのようなものが、だんだん人の声のように変わっていくのだった。

場面転換。
ある出版社で、編集者が電話で話している
「先生、もう東京へは戻らないってどういうこと・・(ガチャッ)」

場面転換。
老人は電話を置くと、石を一つだけ握りしめ、よろける足取りで森へと入っていくのだった。
230:2014/06/08(日)17:50:27 ID:
>>229
想像通りでわかりやすい
ありがとうございます
221:2014/06/07(土)23:27:54 ID:
願わくは君とポルカを
227:2014/06/08(日)17:01:27 ID:
>>221
19世紀ヨーロッパ、人形職人の男がいた。
男には理想があった、それは自分の意志で動き、表情を変え、人間と手を取り合って踊るような人形である。

複雑なバネ仕掛けを駆使し、精巧なマスクを取り付けても、まだまだ人間には程遠い
職人の師匠である老人は、「そんなものができるものか」と何度も叱りつけたが、職人は諦めなかった。

そして職人は発想の転換をする、すなわち、生きている人間を人形にすればいいのではないか。
職人たちの住む街には美しい娘がいた、人形好きで、よく仕事を見学にきていた娘である。
男はその娘を密かにさらい、薬で眠らせ、
ゼンマイに連動する革製のベルトを巻き付け、人形のように仕立てあげる。
娘が意識を取り戻すと、完全に拘束された己の姿、
そしてゼンマイによって勝手に動く手足に驚愕し、激しい恐怖の色を浮かべるが、
職人は狂気の笑みを浮かべてその娘と踊ろうとする。

その職人の後頭部に振り下ろされる金槌。
それは職人の師匠だった。「早く逃げろ」と娘を解放する師匠。
そして娘はその場を逃げ出し、人形職人たちも、次の日には街から消えていた。

場面転換。
暗い天幕のような場所に入ってくる師匠。
「まったく若造はせっかちでいかん」と言い、天幕の片隅から何かを引っ張りだす。

それは、職人が作っていたものよりも遥かに精巧な人形だった。
時計のように複雑な歯車機構と、絹糸のように細いベルトが縦横無尽に走っており、
マスクは象牙のように美しかった。
師匠は片隅にあった大型のオルゴールを動かし、人形と静かにポルカを踊るのだった。
225:2014/06/08(日)15:55:05 ID:
虫文
226:2014/06/08(日)16:42:07 ID:
>>225
『虫文』


山沿いの池の近くにアパートであるからか蚊が多い。
ある夜、くたくたに疲れきって帰宅し電気をつけると尋常じゃない蚊がいた。霞のようだ。
呆然としていると、蚊の霞がうねり塊となりバラけるを繰り返す。


た す け て




文字なのか…


その夜は寝食を忘れ蚊と語り合った。
超能力があり人との関わりを避けて生きていた少女なこと。
虫を操れるが近辺のものだけなこと。
ストーカーに監禁されていて助けて欲しいこと。


あり得ないが、目の前で蚊は文字を形成し、ほどけてまた文字を形成する。

状況を説明した後彼女は疲れたようだ。
かなりの体力が必要らしい。
詳しい相手の名前や住所は後できくことにし、とりあえず仕事に向かう。



帰宅すると清潔な部屋の中に様々なおかずとおかん。




「むっちゃ汚かったわ!
バルサンしといたからな
はよ手洗って食べり」

228:2014/06/08(日)17:12:34 ID:
>>226
素晴らしいね
世にもっぽい
ありがとうございます
324:2014/10/07(火)23:09:21 ID:
流される男
333:2014/10/21(火)22:09:03 ID:
>>324
流される男

男は目を覚ます
真っ白の空間の中で男は眠っていたようだ
寝起きの頭では異世界のように感じたがよく見るとただの病室のようだ
「目が覚めましたね」
声のする方を見ると妙齢の女性が微笑んでいた
「あなたはお酒に酔って川に落ちて溺れてたんですよ」
なるほどあやふやだった記憶が呼び起こされる
確かにあの日は部長と酒を飲み交わし、勧められた酒を断りきれず千鳥足で帰っていた。

「ご迷惑おかけしました」
「いえいえ。ただ・・・・」
「あ、お金ですか?大丈夫です。払います。」
「あの、いえ・・・」
「?」
女性の言葉は歯切れが悪い。
女性は一呼吸おくと真っ直ぐと男を見つめた。
「好きです。結婚してください。」
「!?」
「一目惚れしました。」
「え、いやいや!!」
「本当に好きなんです!」
「えっとー・・お互いのこと知らないし・・・」
「結婚してください!幸せになれますよ!私達なら!!」

何を言ってるんだこいつは。いやしかし、よく見ると美人だし、冗談も言いそうにないし、身なりも綺麗だし育ちも良さそうだな・・・この女、本気か・・・?
いや、でも・・・

「好きなんです!!」
「えっとじゃ、お友達からで・・・」


その後、二人は交際を始め、結婚に至った。
「ねぇあなた、この書類お願いね。」
「え?これ?・・・・そんな見るなよ・・・ああ、わかった・・・。」



その後、男は溺死体で見つかった。



「ホント、流されやすい男・・・」
女は口角を釣り上げて笑った。

362:2015/01/17(土)02:38:37 ID:
田中埋蔵金
365:2015/01/17(土)23:48:44 ID:
田中埋蔵金

田中は山で埋蔵金を発掘した
かなりの量だ、相当な価値があると見える
徳川家の埋蔵金だろうか?
噂を聞きつけたマスコミに取材され
田中は一躍、時の人となった

専門家に調査を依頼した
詳しく調査する専門家

調査の結果が出た
田中は専門家に聞いた
「徳川家の埋蔵金ですか?それとも―」
専門家は言った
「これはあなたのご先祖、田中家の埋蔵金です」
田中は驚いた、俺の先祖だったのか
先祖はどんな人物だったのだろうか
よっぽど偉い人物だったに違いない

専門家はさらに言った
「調査の結果、あなたのご先祖は近隣の村々を襲う山賊だったようです
奪った金を山に隠していたんですね」

マスコミはこれを報道した
田中は犯罪者の子孫だった
近所からは白い目で見られるようになった

こんなはずでは…
発掘するんじゃなかった
何が埋蔵金だ、負の遺産を残しやがって
204:2014/06/07(土)11:47:43 ID:
あ、やべえのこのスレ滅茶苦茶デジャヴがある
話の内容とかじゃなくて、過去に俺はこれ見てた
184:2014/06/06(金)03:02:36 ID:
ゴリラズおもしろくて好き