1:2006/08/05(土) 19:44:23.47 ID:
パソコンを落とし、一息ついてから俺は時計を見た

時計は午前2:03をさしている

・・・約束の時間まであと5時間ほどか。

体を大きく伸ばす。骨がポキポキと音を立てる。

('A`)「・・・一眠りするか。」

俺はソファで横になり、あくびをした後 静かに眠った。

3:2006/08/05(土) 19:45:38.14 ID:
彼は眠った
二度と目を覚ますことはなかった

-end-
5:2006/08/05(土) 19:46:14.36 ID:
ことの発端は大学の講義を終え、荷物をまとめる俺あいつがと話しかけてきたことから始まる。


-三日前

( ^ω^)「ドクオ、明日から夏休みだお!」

こいつは内藤ホライゾン。 通称ブーン。
高校時代からの親友で、去年俺とともにこのVIP大学に入学した。
イケメンで、高校時代からよくモテるやつだった。

('A`)「そーだな。大学の夏休みは無駄に長いから困る」

( ^ω^)「あるあるwww」

実家に帰る予定もない俺はどうせ夏休み中バイトばっかやっているだろう。
別に金がほしいわけではないが、部屋で腐ってるよりはいくらかましな生活だろう。

( ^ω^)「ところでドクオ、来週開いてるかお?」

('A`)「んあ?決まってんだろwww俺はいつもノープランさwww」

( ^ω^)「おっおっwwじゃあ、しあさってからツンと三人で二泊三日で海に行かないかお?」

思わず咥えかけたタバコを落とす

('A`;)「はいぃ!!?」
6:2006/08/05(土) 19:46:51.92 ID:
ツンとはブーンの彼女であり、俺ら三人は同じ高校の出だ。

彼女は

そして俺とツンは部活が同じだったこともあり、俺たち三人は仲がよかった  が、



( ^ω^)「あさってで、ツンの学校も休みになるんだお!だからドクオt・・」

('A`;)「まてまてまてまて、さすがにそれはできんだろ」

さすがに恋人二人の旅行についていく気にはなれなかった。


( ^ω^)「これは僕もドクオに来てほしいし、何よりツンも望んでることだお。」

('A`)「・・・考えさせてくれ」

ブーンは「わかったお、明日には返事くれお」といって帰っていった。

('A`)「さて・・・どうしたもんかね」
7:2006/08/05(土) 19:47:35.73 ID:
その後、俺はガストで軽く夕食をとり、タバコが切れているのに気づいたのでコンビニに入った。

俺はしばらく店内を回って歩き、俺はタバコを三箱取りレジに出した。

その途中、自動ドアが開き、若い女性が入ってきた。

その女性がこっちを見たかと思うと

ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ?  ドクオじゃない!」

('A`)「ん?・・・おぉ、ツンか。」

くるっとした巻き髪、少しつりあがった目をした綺麗な顔をした女性、

積出 玲子。 通称ツン。

目つきと言動できつい印象を与えるが、実はやさしくて、微Mだってことを俺は知っている。

俺がレジを済ませると、ツンは「すこしまって」と言い、カロリーメイトとウィダーインゼリーを持ってきた

('A`)「なんじゃそら」

ξ゚⊿゚)ξ「夕食よ。 ダイエット中なの。文句ある?」

('A`;)「いえ・・・特に」

ツンはレジを済ませ、「出ましょ」と言い、店から出た。俺もそれに続く。
8:2006/08/05(土) 19:49:45.41 ID:
俺の二歩先にツンが歩き、俺はツンについてしばらく歩いた。しばらくしてツンが口を開いた。

ξ゚⊿゚)ξ「ブーンから聞いた?あの話。」

('A`)「海の話か?」

ええ、そうよ。と彼女は立ち止まり振り返った。

('A`)「・・・せっかくの旅行なんだから二人で楽しんでこいよ」

ξ゚⊿゚)ξ「気を使うあんたの事だからそういうと思ったわ・・・ねぇ、こうしない?」

('A`)「ん?」

ξ゚⊿゚)ξ「私と内藤があんたの宿代を出すわ。っていうか三人でもう予約とってあるけど」

俺がおい、と言おうとしたが、それをツンが手で制した

ξ゚⊿゚)ξ「だからドクオ、私たちのドライバーになってくれない?宿代はガソリン代と運賃でいいわ。 
      どう?悪い話じゃないでしょ?」

ξ///)ξ「べ、べつにあんたに来てほしいわけじゃないんだからね!
       あんたの運転じゃないと乗りものに弱いブーンが酔うからなんだから!!」

俺は苦笑した
9:2006/08/05(土) 19:51:10.20 ID:
ここまでしてくれる友人の誘いを断る理由など無い。

('A`)「その話・・・・乗ったッ!」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあしあさってに迎えにきてね!多分ブーンの家にいると思うから」

('A`)「OK、午前中には着きたいから7時にはいく。それまでにちゃんと服着とけよ」

ξ゚⊿゚)ξ「うんわかtt  ξ///)ξ「って、ちょ!!」

('A`)「じゃあなwww」

ξ///)ξ「もう・・・!」


家に帰り、ブーンに 「海の件だけど、行くことにした」とメールし、そのまま寝た。

そういえば日付が変わる前に寝るのは久しぶりだ。



こうして俺は三人で海へいくことになった

13:2006/08/05(土) 20:26:09.71 ID:
俺は楽しみにしている。
14:2006/08/05(土) 20:28:48.85 ID:
携帯のアラームが響く。

重いまぶたを開き、アラームを止め、携帯で時間を確認する。


-6時01分

うん、いい頃合だ。

ソファの上で思い切り伸びる。それに答えるかのように背骨がポキポキ鳴った。


俺は低血圧で朝は苦手だが、今日久々には気持ちよく起きれた。

カーテンを一気に開ける。

顔をのぞかせ始めた太陽の光が俺の部屋に入る。

寝起きの目にまぶしい光が少し痛い

('∀`)「今日はきっといい天気だ」

心なしかウキウキする
15:2006/08/05(土) 20:39:01.70 ID:

トーストにマーガリン、レタス、トマト、ハムをはさみかぶりつく。

うん、うまい

熱いコーヒーを淹れ、一口含む。コーヒーの心地よい苦さが口の中に広がった 


コーヒーを飲み干し、洗顔、着替えを済ませ、時計を見る。

-6時38分。

ここからブーンの家まで15分ほどだ。完璧。


ポケットに財布と携帯を入れ愛車のキーを持ち、旅行かばんを持つ。

('A`)「いってきます」

習慣で言ってしまうこの言葉を答えるものが誰もいないアパートの一室に俺は投げかけた。

がらんとした部屋に俺の声が響く。

俺はドアに鍵をかけ、駐車場へと向かった


18:2006/08/05(土) 20:52:06.66 ID:
ドロドロした展開しか予想できない・・・
20:2006/08/05(土) 21:01:57.75 ID:
俺の愛車は朝日を浴び、宝石のように輝いていた。

俺は愛車のトランクを開ける。

この車は親父が俺に遺してくれたものだ。口数も少なく、無骨だったが、やさしかった。

親父との思い出はあまりないが、この車を運転する親父が俺は好きだった。

(いいか、ドクオ。運転するときは紙コップの水がこぼれないように運転するんだ。)

('∀`)(豆腐屋の親父かあんたは・・・)

荷物を詰めつつ、昔の親父にツっこむ。

車のドアをあけシートに深く座り、大きく車の中の空気を吸い込む。
やはり落ち着く。だからこの車は大好き。
俺はエンジンを入れ、ハンドルに手をかけ、アクセルを踏む。

すべるように車は車道に出る。その間に起こる振動はほとんどない。

親父のアドバイスから車に常に置くようにしている紙コップから水はこぼれない。

('A`)(早朝は車が少なくて気持ちいいな・・)

俺は鼻歌まじりにブーンの家に向かった
19:2006/08/05(土) 20:52:58.79 ID:
ドクオの顔がなんか変だぜ!!
21:2006/08/05(土) 21:02:33.06 ID:
>>19
まじでか
22:2006/08/05(土) 21:03:27.02 ID:
('A`)←これが正しい・・・かな
25:2006/08/05(土) 21:07:25.94 ID:
>>22
おおthx、次からそれにするわ
28:2006/08/05(土) 21:24:35.58 ID:
ほどなくして、ブーンの住むアパートに着いた。

時間も七時二分前。上々、上々。
ブーンとツンはアパートの前で待っていた。
ブーンが俺に向かって手を振っている
二人の側に車をつける。

('A`)「よぉ」
( ^ω^)「おいすー」
ξ゚⊿゚)ξ「おはよー」

互いに挨拶を交わす。
ブーンは眠そうにあくびをした。

( ^ω^)「今日が楽しみでよく眠れなかったんだお」

('A`)「ほう、大変だったな、ツン。」

ξ゚⊿゚)ξ「そりゃあもうベッドが壊れるかt・・・・ξ///)ξ「って!何言わせんのよ!」

('A`)(・・・やっぱな)
30:2006/08/05(土) 21:37:46.04 ID:
二人はトランクに荷物を乗せ、後部座席に乗り込んだ。

そして再び車道へと出る。

('A`)「確かラウンジだったな。」
俺はツンに問いかける。

ξ゚⊿゚)ξ「ええ、そうよ」
( ^ω^)「どれくらいかかるんだお?」

ブーンが聞く

('A`)「三時間ってとこか。」

( ;^ω^)「結構かかるお・・・」

('A`)「まぁな、でも昔はいくだけで半日かかったからな。近くなったもんさ。」

などと他愛のない話をしながら俺は車を走らせた。
36:2006/08/05(土) 22:20:50.68 ID:

( ^ω^)「・・・・やっぱ不思議だお」

数分後、ブーンが口を開いた

('A`)「ん?なにがだ?」

( ^ω^)「僕はいつも車とか電車とか自転車とかに乗ると酔ってすぐ吐いちゃうんだお。
     でもドクオの運転だとなぜか酔わないんだお。」

そのために、ブーンの部屋は大学に歩いていけるよう徒歩5分のところにある。

ξ゚⊿゚)ξ「ほんとよね、ドクオの運転だとぜんぜんゆれないわよね。」
ξ///)ξ「べ、別にほめてるわけじゃないんだから!」


('A`)「はいはいありがとさん。まぁ昔練習したからなー。コップの水がこぼれないように。
   意識しなくてもそういう運転ができるようになったわけだよ。」

( ^ω^)「ほー、ドクオは器用だお。」

俺はちょっと照れくさくなって長くなった後ろ髪を掻き揚げた。
照れるとなぜかそうしてしまう。小さいころからの癖だ。

---ドクオ、お前は器用なのだな

('A`)(器用・・・・か。前あいつもそんなこと言ってたな・・・)

女性でありながら男言葉を使い、いつも自分の気持ちに率直な女性を俺は思い出していた。
38:2006/08/05(土) 22:24:42.28 ID:
鬱の臭いがプンプン
42:2006/08/05(土) 22:39:40.66 ID:
('A`)(クー・・・。元気にやっているだろうか。)

( ^ω^)「ドクオ?どうしたお?ボーっとして」

('A`)「ん?ちょっと考え事してた。」

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと運転手さん、気をつけてよ。事故なんて起こしたらしゃれんなんなわよ。」

俺は「わるいわるい、気をつけます」といい、運転を続けた。

途中何回かツンに「髪の毛じゃまじゃないの?」とか「切ったほうがいい」とか言われたが、
「大丈夫。」とか「そのうち」とか生返事をした。

髪の毛は長いほうがいい。俺の顔を隠してくれる。

そういう気持ちを説明するのは面倒だし欝になる。


( ^ω^)「似合ってると思うけどせっかくのイケメンがよく見えないお」

俺がブーンがすきなのは、絶対に嘘は言わないことろだ。
だからブーンにこういう事言をわれると、照れくさい。俺はまた無意識に後ろ髪を掻き揚げた。
53:2006/08/05(土) 23:08:36.02 ID:
車は高速に乗った。
俺は高速道路が好きだ。思い切り走れるからだ。

俺は少しづつアクセルを踏み入れる。それにあわせ、徐々に車のスピードが上がっていく。
景色が高速で俺の前から後ろに流れていく。


ξ゚⊿゚)ξ「そういえばあんたが意識を保ったまま高速乗るのは始めてね。」

( ^ω^)「おっおっ!速いお!!」
ブーンは初めて見る高速で流れる景色をみて興奮気味である。

('A`)「へぇ、じゃあいつも車で遠出するときはどうすんだ?」


( ^ω^)「酔い止め飲みまくって意識をぶっ飛ばしてから乗るお。」

ξ;゚⊿゚)ξ・('A`;)「それはやばいだろ」

( ^ω^)「?そうかお?大学にいくためにVIPに越してくるときもそうやって来たし、帰るときもそうだお」

急にブーンのからだが心配になった。大丈夫か?こいつ。

('A`;)「今度帰るときは俺に言え、乗せてってやっから・・・」

( ^ω^)「マジかお?頼むお」

取り留めのない会話が車内にあふれていた。
そういう他愛のなさに、これはきっといい旅になると 俺は予感した。
56:2006/08/05(土) 23:28:20.28 ID:
高速に乗って、二時間ほどが過ぎた。

トンネルを通る車内は静かだった

( -ω-)ξ-⊿-)ξ.zZ

後部座席の二人は仲良く肩をよせ、寝息を立てていた

少し欝になったが、ほんのりとした幸せも感じていた。

この二人が付き合いだしたのは、高校三年の文化祭直後。

それからちょうど三年ほどたつ。

その三年間、俺はこの二人を見守ってきた。時には相談を受けたりもした。

そんな二人に俺は親心のようなものを感じていたのかもしれない。

トンネルを抜けると、目の前に青く澄んだ海が見えた。陽光が反射し海面はキラキラと輝き、遠くには大きな客船が見える。

('∀`)「おい二人ともおきろ、海が見えたぞ」

(つω-)「ふぉ・・・?   ( ゚ω゚)!! ツン!おきるお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「馬鹿、おきてるわよ・・・・きれいね」

青空よりも青い美しい海を見て、二人はしばし言葉を失った


57:2006/08/05(土) 23:32:10.41 ID:
内容はともかく
こういう雰囲気好きだ
59:2006/08/05(土) 23:49:07.55 ID:
('A`)(ここはあの時と変わらないな・・・)

ラウンコビーチ。

ここには来た事がある。親父が昔、一度だけ家族旅行といって連れてきてくれた。
まだ俺は小学生だったが、めったに親父と遊ぶ機会がなかったためとてもうれしかった。

そのころのラウンコビーチには高速はなかった。

午前二時に出て、昼過ぎに着く。それが当時だった。

親父、ラウンジに3時間でいけるようになったけど、ラウンコビーチは相変わらず綺麗だよ。

('A`)「次のパーキングで休んでくか。」

二人は景色に見とれながら「うん」とだけ言った。

ここからビーチまで30分ほど。

今は10時5分前。上々。

そこのパーキングエリアには展望鏡が付いていた。

車から降りるや否や、「展望鏡見に行くお!」といいブーンは両手を広げて駆けていった。

ξ゚⊿゚)ξ「まちなさいよ内藤!」といい、ツンもそれに続く。



63:2006/08/06(日) 00:11:10.22 ID:
俺は長い運転でたまった疲れを払うため、大きく伸びをし背骨を鳴らす。

そしてブラックコーヒーを自販で買い、ベンチに座った。

一口啜る。   まずい。

俺は一気にそのコーヒーを飲み干した。ひどい苦さだ。

展望鏡の方が騒がしい。あいつらが騒いでるんだろう。
俺はタバコを一歩咥え、火をつけ、煙を肺に流し込む。

そして吐き出す。

とんとんと指で灰を落とし、また咥える。

( ^ω^)「ドクオー!こっちくるおー!海が綺麗だお!」

俺は灰皿にタバコを押し付け、ブーンたちの元へと向かう。

('A`)「ほう、どれどれ?」

俺たちは十五分ほどパーキングエリアにいた

('A`)「さて、ビーチに行きますかね」
車に乗り込み、俺は二人に言った。

二人が歓声を上げる。
('A`;)「あ、ガソリン入れなきゃ」
二人はあからさまに肩を落とした。少し笑いそうになったが、押しこらえた
67:2006/08/06(日) 00:33:42.59 ID:
パーキングエリアのスタンドで給油をした。

ガソリンは満タンだが最近の値上がりのおかげで財布に結構響いた。畜生。


今度こそ車は車道へと出る。

そして10分後、高速を降りた。

・・・信号さん、こんにちは。

俺は信号が嫌いだ。あの赤いやつ。あいつは許せない。青と黄色は許せる。通れるから。
でも赤いのは許せない。通常の三倍許せない。

運がいいことに、すぐ信号は青に変わってくれた。

パーキングでテンションのあがった二人のおかげで車内は盛り上がっていた。

まもなく、ビーチに着く。ビーチの駐車場で降りる。これも高い。畜生。

('A`)「俺先に荷物ホテルに持ってとくから、水着とかだけ出してといてくれ」

( ^ω^)「すまんお」

ξ゚⊿゚)ξ「場所はわかる?」

('A`)「ああ、ホテルラウンジだろ?行ったことあるから。」

「そう、悪いわね・・・」と彼女は柄にも無く申し訳なさそうな顔をしていた。
68:2006/08/06(日) 00:40:39.61 ID:
('A`)「まあ なるべく時間かけて来てやるから楽しめよ」

ξ゚⊿゚)ξ「ええ、ありがとう・・・ξ///)ξ「って!そんなことビーチでするわけ無いじゃない!ばかっ!」

(;'A`)(べつにそんなことしろとは言ってないが・・・)

( ^ω^)「ツンにはよくあること」

さすがブーン、なれてらっしゃる。急にブーンが頼もしく思えた。

そんな二人を後にして、俺はホテルラウンジへと向かった。

11年前、家族旅行で宿泊したあのホテルへ。
69:2006/08/06(日) 00:41:32.79 ID:
些細なネタでクスリとくるw
82:2006/08/06(日) 03:42:32.98 ID:
うわー海行きたいなーほっしゅ
85:2006/08/06(日) 03:50:00.66 ID:
これは久々に期待
98:2006/08/06(日) 07:18:44.37 ID:
自慢じゃないが俺は道を覚えるのが病的に得意だ。

たとえそれが10年以上前の道だとしても正確に覚えていられる。

道は増えることはあるがなくなることは少ない。だから11年前の記憶だって十分役に立つ。

どんなに道が多くなっていてもその中に一つは記憶の道があるはずなのだから。

幸い、道は大きくなっていたものの記憶と大差は無かった。

車のラジオをつける。スピーカーから流れるヒットソングが車内を満たす。

とんとんと指でハンドルをたたきリズムを取る。

アコギの和音が綺麗な、静かなラブソング。
100:2006/08/06(日) 07:21:12.02 ID:
---最後にお前のギターが聞きたい。弾いてくれ。

---しょうがねえな。それに最後なんていうな。帰ってきたらいくらでも聞かせてやる。

---・・・・そうだな。いい音だ。ありがとう、ドクオ。


ふとあいつのことを思い出す。
父親の都合で外国へ渡ったあいつのことを。

クーとは大学に入ってから知り合った。

髪は黒く長く、端正な顔をした女性。

空条 静。通称クー。突然目の前に現れた彼女は、

川゚-゚)「ドクオ君。君が好きだ。是非付き合ってほしい。」

さすがの俺もあいた口がふさがらなかった。ほんとに。

サークルの部室でのことだった。
101:2006/08/06(日) 07:22:25.30 ID:
('A`)「俺もじいさんだな、昔を思い出すなんて・・・」

ハッ、と自嘲的な笑いを漏らす。



しばらくしてホテルラウンジに到着した。
フロントで受付をすませ荷物を部屋に降ろし、再び車内に戻る。

だが車が向かう場所はビーチではない。

途中のコンビニでコーヒーを買い、一服。やっぱ缶コーヒーは裏切らない。それなりにうまい。

そして再び車を走らせる。やがて車は町のはずれのひっそりとした小屋に着いた。

('A`)「・・・ここ、だよな。」

インターホンを鳴らす。 奥から「どうぞ」としわがれ声が答えた。

遠慮なくあがらせてもらう。
102:2006/08/06(日) 07:22:43.12 ID:
コレは良いほのぼの小説ですね
103:2006/08/06(日) 07:22:46.78 ID:
,' 3 「誰かね?」

しわがれ声の持ち主の彼はほとんど目が見えていないようだった

('∀`)「俺です。ドクオです。」


/ ,' 3 「おお・・・!元気だったかね?」

「ええ、それなりに」と俺は朗らかに答える。

荒巻先生。中学の時の美術の先生で、絵の好きな俺に目をかけてくれたおじいちゃん先生だ。

退職してラウンジで隠居しているのは知っていたが、訪れるのは初めてだ。
104:2006/08/06(日) 07:23:27.97 ID:
('A`)「コーヒー入れます?」

/ ,' 3 「ああ、頼む。豆は戸棚にあるから」


手際よくコーヒーを入れる。いい香りが漂う。毎朝豆から淹れてる俺はこれくらい文字通り朝飯前だ。

二人でコーヒーを啜る。 うん、うまい。 いい香りだ。


/ ,' 3 「いい顔をしてるね、・・・いい絵でも描けたのかい?」

('∀`)「・・・そうですね。今なら、かける気がします。」

先生は「そうか」とだけいって微笑んだ。


帰ったら絵を描こう。海の絵を。「良い絵」が描ける。そんな気がする。
112:2006/08/06(日) 07:56:26.62 ID:
/ ,' 3 「このコーヒー・・・うまいな。ドクオ君はコーヒーを淹れるのがうまいらしい。
     こんなにコーヒーがおいしいと思うのは何年ぶりか。」

「いや、」とおれは後ろ髪を掻き揚げた。そんなほめないでくれ、照れくさい。

/ ,' 3 「・・・一つ残念なのは、君が絵を完成させてもこの目は君の絵を見る手助けをしてくれなさそうだということだよ。」

俺は黙って聞きく。

/ ,' 3 「だが・・・私の画材たちはきっと君の絵を描くのを手助けしてくれると思う。」


先生は手探りでベッドの脇の引き出しをあけ、黒い箱を出した。ふちには銀の字で「荒巻スカルチノフ」と書かれていた。

/ ,' 3 「受けとってくれるね?」

先生は上体を起こし、そのもうほとんど見えない”目”で俺をまっすぐ見つめた。
強い意志を感じる。 これを断るのは野暮ってもんだ。

('A`)「ありがたく、いただきます。先生」

/ ,' 3 「目の見えないわしが持っていても仕方がないものだからね、君が存分に使ってやってくれ。
     そのほうがきっとそいつたちも喜ぶ。」

最後に先生と握手をし、「ありがとうございます、先生。また来ます」といい、俺は先生宅を後にした。

113:2006/08/06(日) 08:15:26.30 ID:
いったんホテルに戻り、先生にもらった画材をしまう。
この陽気に車の中に放置しておくのはやばいと思ったからだ。

再び車を走らせる。

今度はビーチに向かう。
時間は11時48分。よし、ちょうどいい。
つくころには昼飯時だ。

すごい日差しだ。日焼け止めはあったかな。


12時ぴったりに到着する。また駐車代か。高いわ、畜生。

( ^ω^)「おーい!ドクオー!ここだおー!」

駐車場から100mほど離れたところでブーンが手を振っていた。
('∀`)「よぉ」

( ^ω^)「お?ドクオ何かいいことでもあったのかお?」

俺は「まぁな」とだけ答えた。ブーンはそれで満足のようだった。

( ^ω^)「ツンは焼きそばを買いに行ってるお。」
俺がツンの姿を探していると、ブーンが言った。

「じゃんけんで勝ったんだお」と誇らしげにブーンは胸を張った。

115:2006/08/06(日) 08:43:57.59 ID:
ξ;゚⊿゚)ξ「ただいまー。あら、ドクオお帰り。おそかったわね」

俺たちのいるパラソルにしばらくしてツンがやってきた。

ξ゚⊿゚)ξ「もう、砂は熱いし日差しはきついし店の親父はむさくるしいしもう、最悪!」

( ^ω^)「おっおっ。自然の摂理だお。」

文句は垂れているが、ツンも楽しそうだ。

三人で焼きそばを食べた。もそっとしていて、あまりうまいとはいえないが腹は満ちた。


「砂で城を作るお!!」とブーンが意気込んで砂を掻き始めた。ツンも彼を手伝う。

幸せそうな二人をカメラに収める。 うん、さすが美男美女、何をやっても絵になる。

そんな二人を邪魔する気にもなれず、俺は一人浮き輪につかまり海に浮いていた。

いい。気持ちいい。やっぱ海はいいね、うん。

どれくらいたったか、そろそろあがろうかと思うと、後ろを泳いでいた少年が悲鳴を上げた。

(;A; )「うわぁぁぁぁん!痛いよー!!」

俺が振り返るとそこには泣いている少年と、小さなクラゲ。どうやら刺されたようだ。

116:2006/08/06(日) 08:57:02.45 ID:
('A`)「少年、見せな、どこ刺された?」

五歳くらいであろう少年は黙って足を刺した。なるほど赤くなっている。

('A`)「おk、刺されたとこ触るなよ?手もやられっから」

俺はその足を海水で洗い触手をおとし、少年を抱え、海の家の人に頼んで氷嚢を作ってもらい、患部を冷やした。

( `八´)「おお、兄ちゃん。的確な応急処置だね。」

と海の家のおじさんが俺を褒めてくれた

('A`)「自分も昔やられたことあるもんで」

俺は後ろ髪を掻き揚げながら答える。やっぱ褒められるのは慣れない。照れくさい。

俺の時は親父がやってくれたんだよな。

---うわーん!いたいよー!
---落ち着けドクオ、刺されたとこ触るなよ?手もやられるぞ

ふと昔を思い出す。 親父も同じ事いったんだったな、俺と。

そう思うと何か照れくさくて、俺は後ろ髪を掻き揚げた。
117:2006/08/06(日) 08:59:57.85 ID:
どくおかっこいい
125:2006/08/06(日) 10:13:02.74 ID:
パラソルに戻ると、そこには砂の城らしきものができていた。

( ^ω^)(「ドクオ、見てくれお、これは力作だお。おっおっ」

形はいびつだが、ちゃんと城と呼ぶのも怪しいが、その城を俺は一目見ただけで好きになった。

('∀`)「やるじゃん」

ξ゚⊿゚)ξ「あらドクオ、私もがんばったのよ?」

「ああ、すごくいいと思う。」と俺は心から言った。二人はうれしそうに笑いあった。


( ^ω^)「ビーチボールで遊ぶお。ハイ!ドクオ!」

ブーンのきれいでしなやかなボディから繰り出されるその一撃をかわすことはかなわなかった。

バシッと俺の顔面に当たる。

('A`)「    や っ て く れ た な       」

( ^ω^)「 さ ぁゲームの始まりだ 」

ボールを投げあう俺とブーン。それを見て笑うツン。

結局4時ころまでそうやって遊んだ。


132:2006/08/06(日) 10:50:04.58 ID:
いつしか海は夕方の雰囲気となり、遊泳時間終了を告げるアナウンスが流れる。

遊びつかれた俺たちはパラソルの下でごろごろして談笑していた。

( ^ω^)「そろそろ、行くかお?」

('A`)「そうだな。夕飯でも食いに行くか?」

ξ゚⊿゚)ξ「そうね、おなか減ったわ」

何食うかな、と思っていると。

(・∀・)「ママ!あのおにいちゃんだよ!」

振り返ると、先ほどの少年と、その母親らしき人がこっちに来た。

ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ、この子どうしたの?」

('A`)「ん、ちょっとな。」

(*゚ー゚)「このたびは息子がお世話になったようで・・・この子はアレルギー体質なので迅速な処置をしていただいて本当に感謝しています。」

( ^ω^)「お?」

俺は後ろ髪を掻き揚げ、二人に少年の応急処置をしたことを話した。
お礼とかされるの苦手なんだよなぁ、俺。ほんと照れくさい。



134:2006/08/06(日) 10:53:05.49 ID:
このスレは久しぶりに神スレ

一回泣きそうになった
141:2006/08/06(日) 11:16:51.88 ID:
(*゚ー゚)「それで、お礼といっては何ですが、主人がこの近くで料亭をやってるんです。
     もしよろしければご馳走させていただけないでしょうか?」

遠慮はしてみたけども「どうしてもお礼がしたい」といわれ、結局ご馳走になることにした。

歩いて10分ほどで、そこについた、が

( ^ω^)「すごいお・・・」

一般人が気楽に入れるといった感じではなく、役人が接待で来るような荘厳さ。

メニューのほとんどが時価。すげぇ。

客間に招かれ、俺たちは座った。

ξ;゚⊿゚)ξ(大学生が入るような雰囲気じゃないわね・・・)
( ;^ω^)(だおだお)
(;'A`)(あ、女将さん入ってきたぞ)

女将さんだけではなかった。店の主人と思しき方も入ってきた
雰囲気に呑まれ、固まった俺たちを見て女将さんはクスリと笑い

(*゚ー゚)「気楽にやってくださいな」
( ,,゚Д゚)「そうだぞ 今日はお偉いさんでもめったに食えないようなもん振舞ってやるから期待しろ ゴルァ!」

次から次へと出てくる豪華な料理。見た目もスゴイが味もいい。

( ,,゚Д゚)「おまえらがもっと偉くなって稼ぐようになったらまたこいや!サービスしてやっからな!ゴルァ!」

言葉は荒いがいい人たちだった。うん、きっとまた来よう。
143:2006/08/06(日) 11:22:13.72 ID:
なんか、いーな。夏っていいものだったんだね・・・
150:2006/08/06(日) 11:31:57.86 ID:
がんばれ。('A`)が活躍するのは好きだぞwww
154:2006/08/06(日) 11:45:07.67 ID:
受験勉強中のおれもいるぜ
wktkしてるから>>1がんがるお( ^ω^)
158:2006/08/06(日) 11:52:41.49 ID:
>>154
俺も受験生だお( ^ω^)
176:2006/08/06(日) 14:06:04.69 ID:
なんか友達と旅行にでも行きたくなるな
177:2006/08/06(日) 14:06:42.53 ID:
俺たちは女将さんたちに礼をいい、料亭を後にした。
ホテルに向かうのだがちょっと遠回りして海岸沿いの道に出る。
月の光を反射した水面がなんとも幻想的な雰囲気を漂わせている。

その雰囲気にクーを思い出す。変なやつだったな、あいつは。

 

ホテルラウンジ。
ここは前来たときとあまり変わっていない。ぴかぴかの床。高い吹き抜け。

しっかり掃除されていて、築12年とは思わせない綺麗さだ。

( ^ω^)「思いのほか綺麗なとこだお」

ξ゚⊿゚)ξ「ほんと。ここがあの値段なんてかなり良心的ね」

俺たちの部屋も完璧な掃除が施されていた。

「一番乗りだおー」といってブーンがベッドに飛び込んだ。

('A`)「ガキかお前は。」

ξ゚⊿゚)ξ「ガキね。」

俺はベランダに出てタバコを吸った。

180:2006/08/06(日) 14:24:01.84 ID:
広いベランダにテ-ブルといすがあった。
俺はそれに腰掛け、ぷかぷかとタバコをふかした。

ツンはシャワーを浴びているようだ。

しばらくして、ブーンが缶チューハイを持って出てきた。


( ^ω^)「一杯どうかお?」

('∀`)「いいな、もらおうか。」

二人でチューハイの缶を開ける。プシュ、と音を立てる。

静かに乾杯し、酒を口に含む。 うまい。炭酸が口にさわやかだ。

( ^ω^)「今日はたのしかったお。」

('∀`)「ああ、たまには旅行はいいもんだな。」

ホテルラウンジは高場にあり、広いラウンコビーチを一望できた。

( ^ω^)「ドクオのおかげだお、本当に感謝してるお。来てくれてありがとう。」

俺は何も言えずただ後ろ髪を掻き揚げた。

俺はもう一口酒を飲む。

俺は思い出していた。三年前のあの日。文化祭の後夜祭でのことだ。
186:2006/08/06(日) 14:40:06.29 ID:
-三年前。

後夜祭中に俺はツンに呼び出された。



('A`)「あんだい?」

ξ゚⊿゚)ξ「さっきあんたのことをペニサス伊藤さんが呼んでたわよ?」

('A`)(・・・あのデブスか。)「いけないって言っといてくれ。まぁ用件はそれだけじゃないんだろ?」

ドゥン・・・  花火が上がっている。校庭の方で騒がしい。そろそろ後夜祭もクライマックスのようだ。

ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ、内藤君ってどんな人?」

明るくて、馬鹿だけど、優しさを持っていて正直でみんなから人望もある。何よりイケメンだ。そんな感じのことを言った。

ξ゚⊿゚)ξ「・・。あんたがいい人というならきっとすごくいい人なのね。」

('A`)「おう」

私、内藤君にリボン交換申し込んでみる。といい、かけていった。

・・・今日はツンツンしねーんだな。


携帯が鳴った。内藤からだ。

188:2006/08/06(日) 14:43:30.70 ID:
>>1
この話の('A`)、
ホント理想的男気っすわ
192:2006/08/06(日) 15:03:31.82 ID:
(; ^ω^)『相談したいことがあるんだお。サイジェリアに来てくれないかお?』

大方、ツンのことだろう。

('A`)「・・ああすぐ行く。」

予想通り。
サイジェリアでブーンにツンはどんな人かと聞かれた。
言動と目つきはきついけどそれはただ素直になれないだけで本当は優しくて天然だ。

そして何より実は微Mだってことを話した。

('A`)「メアドは交換したんだろ?それなら直接話したほうがいい。」

(; ^ω^)「おっおっ・・・やってみるお。」


それから二人はどんどん仲良くなっていった。


数日後、二人は出かけるという。もう潮時だろう。

その朝、俺はブーンに電話した。

('A`)「今日、告白しろ。あいつは素直になれないやつだからお前から言ってやれ。」




そしてその日が、ブーンとツンの記念日となった。
189:2006/08/06(日) 14:54:22.84 ID:
なんかふいんきがH2に似てるな。キャラの設定とか

194:2006/08/06(日) 15:08:04.79 ID:
>>189
キャラの設定のモデルは俺の友人だお。

そしてこの話は部分的にノンフィクション。
196:2006/08/06(日) 15:09:20.26 ID:
>>194
まじでか
198:2006/08/06(日) 15:09:53.91 ID:
>>194
ちょwwww
195:2006/08/06(日) 15:08:21.94 ID:
おまえはおれをおこらせた
199:2006/08/06(日) 15:12:10.25 ID:
>>195
ごめん><

高3の話はノンフィクションw

後全部フィクションw
207:2006/08/06(日) 15:36:44.60 ID:

・・・
・・

('∀`)「あのころはお前も結構うぶだったよな。」

( ^ω^)「おっおっ。もう昔の事だお。懐かしいお・・・」

あのころ、本当に楽しかった。

ξ゚⊿゚)ξ「シャワーあいたわよ。」

部屋の中からツンが言った。

( ^ω^)「じゃ、先に入らせてもらうお」

俺は「おう」と答え、海の向こう側を見つめた。


ξ゚⊿゚)ξ「・・・タバコやめたら?体に毒よ?」

('A`)「ん。やばいと思ったらやめるさ。」

もう、とツンはため息をつき、さっきまでブーンが座っていたいすに腰掛けた。

ξ゚⊿゚)ξ「お酒、もらっていい?」
どうぞ、とこたえると「ありがとう、いただくわ。」といい、ビールのふたを開けた。


213:2006/08/06(日) 15:51:23.63 ID:
ツンはビールを二口ほど飲み、口を開いた。

ξ゚⊿゚)ξ「・・・ドクオって不思議ね。」

('A`)「何が?」

ξ゚⊿゚)ξ「なんか、いるだけで安心できるっていうか。」

('A`)「・・・なんだもうよってるのか。」

ξ゚ー゚)ξ「ふふ、そうかもね。」
俺は後ろ髪を掻き揚げた。変な事いうな、照れくさいだろうが。

ツンとも昔話をした。部活が楽しかったこと。合宿が楽しかったこと。予選も通過できなかった大会は悔しかったこと。

どれも今ではいい思い出だ。
やがてブーンも入浴を終え、「ドクオ、次ぎどうぞだお」と言った。

冷たいシャワーが焼けた素肌にしみたが、かいた汗を洗い流せてさっぱりした。

その後は、三人で酒を飲んでポーカーしたりした。


夜は更け、今日が終わりをつげ、二日目の朝が始まった。
226:2006/08/06(日) 16:10:18.63 ID:
ドクオ後ろ髪かきすぎ
227:2006/08/06(日) 16:12:01.66 ID:
そのうち後頭部だけハゲるんちゃうか?
228:2006/08/06(日) 16:12:09.37 ID:
ツンの水着姿の描写ドコー?
230:2006/08/06(日) 16:13:59.00 ID:
>>228
ごめんぜんぜん考えてなかった。

ビキニ。白いビキニ
224:2006/08/06(日) 16:07:15.39 ID:
乙です。
妄想絵描きつつwktkしながら読んでるよ
229:2006/08/06(日) 16:12:12.89 ID:
>>224
うp!!

>>226
照れ屋さんだから

232:2006/08/06(日) 16:21:39.00 ID:
ちょwwww
的外れな髪型だったらごめん

235:2006/08/06(日) 16:24:45.47 ID:
>>232
うめぇえ!
238:2006/08/06(日) 16:27:31.10 ID:
>>232
ドックンかっこよい
236:2006/08/06(日) 16:25:18.77 ID:
>>232
ほぼイメージ通りだww
てかうめぇwまじうめぇwご飯三ばいいけるw

マジサンクスww
240:2006/08/06(日) 16:29:50.96 ID:
高三の話がノンフィクションで、作者が受験生ってことはかなり最近の出来事なのかな
243:2006/08/06(日) 16:31:49.72 ID:
>>240
かなり最近です
277:2006/08/06(日) 18:45:15.12 ID:
保守がてら
つっこみどころ満載だけど触れないでくれると助かるよ!(´・ω・`)

286:2006/08/06(日) 19:27:11.27 ID:
>>277
GJ!
287:2006/08/06(日) 19:29:56.74 ID:
>>277
飯食ってたら出遅れた
ツンやべええええええええ
ブーンにもかなり萌えた

結婚してくれ
283:2006/08/06(日) 19:10:35.71 ID:
>>277
ウマスwww
293:2006/08/06(日) 19:44:26.40 ID:
川゚ー゚)「ドクオはギターがへたくそだな」

('A`)「るせーやい」

景色はすっかり秋になっていた。

クーと付き合い始めて、ちょうど半年ほどが経っていた。

遅めの学園祭に、俺はギターで出ることにされていた。誰だ、俺の名前出したやつは。

しかし、俺も男だ。腹をくくって練習しだしたのだが、なかなかうまくいかない。

やっとFコードが押さえられるようになった俺は嬉々としてクーにFコードを聞かせにいった。

川゚ー゚)「同じコードだけではつまらん。適当にできるコードを組み合わせてみたらどうだ?」

といわれ、適当にやってみようとするもうまくコードチェンジができず、変な音が出たり。

川゚ー゚)「だが嫌いじゃないな、ドクオのギター。音はいびつなんだけど、どこか頼りがいがある音だ。」


('A`)(がんばって練習しよう・・・)
304:2006/08/06(日) 20:19:15.41 ID:
俺はがんばって練習した。

クーはお世辞はいわない。だから、たびたびクーに聞かせた。クーはちゃんと聞いてくれ、素直に意見を言ってくれる。

そのおかげで俺はめきめき、とは行かないが次第に上達していった。


川゚ー゚)「ちゃんと弾けるようになってきてるじゃないか。いいぞ。」

('∀`)「へへ・・」

クーが褒めてくれると、素直にうれしかった。


俺はどんどん曲のレパートリーを広げていった。

いろんな曲をクーに聞かせた。


川゚ー゚)「私はいろんな音楽を聴いてるつもりだが、君の音色はかなり独特だな。均等が取れていないようで、まっすぐな音。
     私が聞いたどんな音色とも違う。」

('∀`)「褒めてんだかけなしてんだか。どっちともとれねえな。」

「世界で一番好きな音だよ」とクーは言ってくれた。

俺は「ありがとよ」といい、クーと唇を重ねた。
319:2006/08/06(日) 20:50:06.90 ID:
しかしその日は来た。唐突に。

川゚-゚)「ドクオ、話したいことがある。聞いてくれ」

俺の部屋で、クーは切り出した。

('A`)「ん?」

川゚-゚)「・・・私の父親の都合で、海外へいかなければならなくなった。」

('A`)「・・・そうか、寂しくなるな。いつ帰ってくるんだ?」

クーはプルプルと肩を震わせていた。

('A`)「・・・クー?」

クーの頬を伝い、しずくが床に落ち斑点を作った。理解した。もう会えないかもしれないということを。

川;-;)「私の父親は事故で足が不自由なのだが、仕事で海外の会社を任されることになったんだ。」

川;-;)「私の母親は、何年も昔に他界している。じゃあいったい誰が父親の面倒を見る?
      一人娘の私しかいない。だから私は父親について行かなければ・・・」

('A`)「・・・いってこいよ」

320:2006/08/06(日) 20:52:35.94 ID:
本当に唐突…
324:2006/08/06(日) 21:08:34.13 ID:
('A`)「俺の親父もう死んじゃったけどさ。きっと、俺に話したいことが山ほどあったと思う。」

クーは黙って俺の言葉に耳を傾けた

('A`)「若いころの自分の話とか俺が小さいころの話とか。でも俺は聞きそびれちまった。」

川;-;)「・・・・ドクオ」


('A`)「俺たちはまだ若いからきっとまた会える。でもだいたいは親が先に死んじまう。だから、お前にはそういう機会を逃さないでほしい。」

川;-;)「わかった・・・・ありがとう、ドクオ」



---最後にお前のギターが聞きたい。弾いてくれ。

---しょうがねえな。それに最後なんていうな。帰ってきたらいくらでも聞かせてやる。

---・・・・そうだな。いい音だ。ありがとう、ドクオ。
325:2006/08/06(日) 21:11:38.91 ID:
淋しいね…
326:2006/08/06(日) 21:12:16.34 ID:
すでに泣きそうなんだが・・・
339:2006/08/06(日) 21:44:45.74 ID:

・・・クオ。  ・・・ドクオ!!

( ^ω^)「ドクオ起きるお!朝だお!」

俺は目を覚ました。・・・夢か。時間を見る。8時12分。

('A`)「あ、やべ、結構寝てたな。まだ朝食間に合うか?」

( ^ω^)「30分までだお。急ぐお。」


二階の大広間で朝食のバイキングが行われていた。

俺は取り皿にブレッドにレタス、ポテトサラダを取りマーガリンとコーヒーを取った。

( ^ω^)「それぽっちでいいのかお?」
ブーンの皿にはさまざまなものが山盛りになっていた。

(;'A`)「朝っぱらからそんな馬鹿食いできるかよ・・。」


窓際のテーブルにツンがいた。場所をとっていてくれたようだ

ξ///)ξ「べ、別にあんたたちのためにとっておいたわけじゃないんだからね!」

( ^ω^)('A`)「はいはい」
354:2006/08/06(日) 22:33:49.65 ID:
俺はブレッドを切り、間にマーガリンをいれて食べた。シンプルだがうまい。

ホテルのコーヒーはさすがといったところか。程よい苦さだ。

ブーンはあれだけあった料理をぺろりと平らげて見せた。なんて胃袋だ。

( ^ω^)「おっおっ。腹いっぱいだお。朝飯腹いっぱい食うのはひさしぶりだお。」

ξ;゚⊿゚)ξ「普通朝は満腹まで食べないもんよ・・・」

( ;^ω^)「そうなのかお?」

いつものように他愛のない会話で盛り上がる。賑やかな朝も悪くないな。

('A`)「ところで、今日はどこに行くつもりなんだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「水族館のチケットがあるから、行きましょう。」

手際いいな、というと、ツンは「でしょ」と胸を張って見せた。 


('A`)「俺水族館にはいった事ないから、ツン、ナビ頼むな」

ξ゚⊿゚)ξ「わかったわ」


( ^ω^)「おっおっ。じゃあ早速いくお」

といい、俺たちは車に乗り込んだ。
356:2006/08/06(日) 22:43:45.31 ID:
クーとの話の時に涙が浮かんだ。
何か優しい気持ちになれますなあ。

保守
495:2006/08/07(月) 12:39:20.62 ID:
ホテルを出て、三十分が経とうとしていた

(;'A`)「おいおい、ほんとにこの道でいいのか?そこにホテルラウンジから車で20分て書いてあるけど
    一向に見えないじゃねーか。」

ξ;゚⊿゚)ξ「う、うるさいわね、こっちでいいはずよ・・・あ、そこ左」

左折する。何かめちゃくちゃ細い道だ。車一台が通るので精一杯という感じ。

あ、やべ、前から人が通ってきた。

「そんなところに車置かれるとこまるよね。」

( ;^ω^)「すみませんお。・・・お?」

(;´・ω・`)「ん?・・あれ?ブーン?」

見覚えのあるしょぼくれ顔。こいつはもしかして

(;'A`)「もしかして・・・ショボン?」

(´・ω・`)「ドクオ?それに、ツン?」

やっぱり。

彼はショボン。俺とブーンと高校のころ同じクラスで、ツンと俺の部活の部長を務めた男だ。

ξ;゚⊿゚)ξ「なんでこんなところに?」

(;´・ω・`)「それはこっちの台詞だよ・・君たちVIPの方にいるんじゃなかった?」
499:2006/08/07(月) 13:01:56.76 ID:
俺たちは三人で旅行に来ていることを告げた。
彼は大学のゼミで来ているという。

(´・ω・`)「でもなんでまたこんな何にもないところへ?」

ξ゚⊿゚)ξ「水族館にいこうと思って・・・」

(;´・ω・`)「水族館て・・・まるで反対方向だよ?」

ショボンのおかげでツンが地図を逆に見ていたことが判明した。あほか。

ξ゚⊿゚)ξ「・・・」

( ;^ω^)「ツン、人間間違いはあるお」

どうやらもう、パンフレットにある地図の範囲を超えているようだった

ξ;゚⊿゚)ξ「ねぇショボン、水族館のチケットはおごるから、かわりにナビしてくれない?」

(´・ω・`)「ゼミ早めに終わって今日一日暇だからべつにいいけど・・・いいの?」

( ^ω^)「おっおっ。旅行は道連れが多いほど楽しいお。」

俺は助手席のドアを開けた。

('∀`)「・・頼むぜ相棒」

(`・ω・´)「・・・了解」

512:2006/08/07(月) 13:33:45.74 ID:
やっぱこの話好きだ(・ω・`)

wktk
507:2006/08/07(月) 13:18:00.83 ID:
妄想クー。

でしゃばりすぎたので大人しくロムに戻ります。
続きwktk

508:2006/08/07(月) 13:19:22.14 ID:
>>507

モエスwwうまいなぁ
510:2006/08/07(月) 13:21:28.44 ID:
>>507


(*´∀`)σ)∀`*)テラカワユス
520:2006/08/07(月) 14:07:08.24 ID:
ショボンの的確なナビにより一時間ほどして、水族館が見えた。

時刻は11時03分。水族館を出るころには昼飯時だろう。

( ^ω^)「でけぇお・・」

世界最大級の水族館、国立ラウンジ臨海水族館。すごい。めちゃくちゃでかい。

(;'A`)「ツン、よくこんなとこのチケット取れたな。」

ξ;゚⊿゚)ξ「叔父さんにもらったんだけど・・・こんなすごいところなんて思わなかったわ。」

駐車場に車を止め、チケットを見せ入場する。まず俺たちを出迎えてくれたのは通路の壁にはめ込まれた水槽のきれいな熱帯魚たち。

( ^ω^)「おっおっ、かわいいお」

ブーンがガラスに顔をくっつけんばかりに魚たちを眺めた。

('A`)「・・・二人づつ分かれて行動するか。ブーンとツン、俺とショボンで。」

( ^ω^)「おっおっ、そうするかお」

ξ゚⊿゚)ξ「気、使わせちゃって悪いわね。」

('∀`)「なぁに、水族館デート、楽しめよ」


(´・ω・`)「・・・・ウホッ」

何やら背筋に寒気が走ったが、気のせいだろう。
522:2006/08/07(月) 14:11:47.61 ID:
ウホwwww
542:2006/08/07(月) 15:50:34.81 ID:
俺たちは二手に分かれた。

途中の水槽のアーチはまるで海の中を歩いているような気分にさせてくれたし、
巨大な水槽にジンベエザメやマグロ、エイやカツオなどさまざまな魚を見た。
水の中を泳ぐ魚たちは光を反射してきらきらときれいだった。

(´・ω・`)「・・・あの二人は仲良くやっているようだね。」

ふいにショボンが話しかけてきた。

('A`)「ああ。見てると欝になるほど仲いいぞ。」

ショボンが「いいことじゃないか」といったので俺は「まあな」と答えた。
巨大な円形の水槽の向こう側にブーンたちが見えた。楽しそうだ。

('A`)「お前の研究のほうはどうだ?順調か?」

ショボンは大学で医療技術の研究していた。

(´・ω・`)「うん、大学の風当たりが強くてちょっと難航しててね。もしかしたら大学辞めるかも。」

(;'A`)「まじでか」

(´・ω・`)「仲間もそろってきたし、そろそろ時期かもしれない。会社を作って独自に研究をしようかな、と思って。
      もしよかったら、僕専属の秘書にならないか?悪いようには し な い か ら さ 」

(;'A`)「え、遠慮しとくわ」

ショボンはすげーな。自分の夢に向かって歩いている。
やっぱ、自分の夢を持っているやつは凄いわ。迷いがないから。迷う道すらない俺なんかとは、違う。
576:2006/08/07(月) 18:18:42.21 ID:
なんか青春百景って感じでいいね
588:2006/08/07(月) 19:44:31.29 ID:
保守と称して投下

水族館は小学校の頃行ったきりだ・・

589:2006/08/07(月) 19:52:38.91 ID:
>>588
GJ!
594:2006/08/07(月) 20:20:21.20 ID:
>>588
ちょw水槽に荒巻先生wwwwww
GJww
616:2006/08/07(月) 21:50:50.39 ID:
すみません調子のって描いてたらおそくなってしまったOTZ

本編これから書きます

619:2006/08/07(月) 21:52:45.16 ID:
>>616
これはwwwwwwwwwwwwwwwww
ドクオの原形とどめてないwwwwwwwwwwwwwwwwww
620:2006/08/07(月) 21:54:51.22 ID:
>>616
それドクオじゃねぇwwwwwwwwww
621:2006/08/07(月) 21:57:31.11 ID:
>>619-620

描いてて自分でもそう思ったw

まぁいいかと思ってやった。いまは反省しているし後悔もある。
624:2006/08/07(月) 22:14:21.90 ID:
( ^ω^)「1時から、イルカショーがあるらしいお!」

合流して、ブーンが言った。

ξ゚⊿゚)ξ「ここで昼食をとって、みんなで見に行かない?」

('A`)「今は12時10分か。いいんじゃねえか?」

(´・ω・`)「異議なし」

ξ゚⊿゚)ξ「決まりね。いきましょ」

食堂は3階にあった。俺は塩ラーメンを頼む。ラーメンっていったらやっぱ塩。塩最高。

ブーンとツンはマグロ丼を、ショボンはてんぷら定食をそれぞれ頼んだ。

10分ほどして料理が運ばれてくる。わかめ、もやしメンマなどを惜しみなく豪勢に盛り合わせてあるなかなか見事なラーメンだ。

みなでそろって「いただきます」をし、まずはスープをいただく。あっさりとした塩味。うまい。麺とこれがまたよく合う。

マグロ丼やてんぷらもなかなかに迫力のあるものだったが、味はいいらしく、みんなきれいに食べきった。

ξ゚⊿゚)ξ「なかなかおいしいかったわね、ここの料理。」

( ^ω^)「だおだお。 お、そろそろイルカショーが始まるお。」

(´・ω・`)「早く行かないと場所なくなりそうだね、行こうか。」

俺たちは食堂を後にした。
631:2006/08/07(月) 22:40:58.10 ID:
会場は結構にぎわっていたが、俺たちは何とか一番前の席に座ることができた。

(*^ω^)「たのしみだお」

ブーンが小学生のようにはしゃぐ。

ξ゚⊿゚)ξ「あら、はじまるわよ」

会場がしずまり、ステージに現れたトレーナーの女性に注目した。

トレーナー「レディースエーンドジェントルメンアンドチルドレン!今日はようこそラウンジ臨海水族館へ!イルカたちも歓迎してます!」

トレーナがピーッとホイッスルを吹くと二匹のイルカがジャンプし、空中で交差して水中に戻った。

会場が拍手と歓声に包まれた。

トレ「ありがとうございます!」

といい、イルカに魚を与える。

よく訓練されてる、と俺は感心した。

その後もトレーナーの指示に従い、イルカたちは芸を披露していった。

空中の輪にタッチしたり、ボールをついたり、立ち泳ぎのような姿勢でプールを横切って見せたり。

そのたび俺たちは拍手し、歓声を上げた。

635:2006/08/07(月) 22:58:42.98 ID:
ショーは楽しいものだった。ブーンもかなり興奮していた。

トレ「では、会場のお客様といるかのドル君とフィン君に触れ合っていただこうと思います!」

トレーナーは「触れ合いたい方は手を上げてください!」と会場に促した。

手を上げたのはたいてい小さな子供たちだったが、なんとブーンも上げていた。

トレ「それじゃー・・・そこのお嬢さんとそこのお兄さん!前に出てきてくださーい!」

なんと。ブーンが当たってしまった。

(*^ω^)「おっおっ!いってくるお!」

ブーンと少女は、魚をイルカに与え、イルカと握手をした。

少女はかなり緊張していたらしく、ほとんど固まっていたが、ブーンはむしろ生き生きしていた。さすがライオンハート。

(*^ω^)「ドル君、かわいかったお!手硬かったお!大根とかきれそうだったお!」

ξ゚⊿゚)ξ「ばかね、あんたと触れ合ったのはフィン君よ」

(;^ω^)「・・・あうあう」

ショボンが「あいかわらずだね」と笑った。ブーンは恥ずかしそうに鼻を掻いた。

639:2006/08/07(月) 23:12:31.28 ID:
ぶーんカワイイww
647:2006/08/07(月) 23:44:41.46 ID:
一時間ほどに及ぶショーが幕を閉じた。なかなかに楽しかった。

ラストにイルカたちが観客に水をかけるという芸があったのだが、ブーンに水があまりかからなかったので残念そうだった。でもそれなりに満足そうだった。

('A`)「んで、この後どこ行くんだ?」

( ^ω^)「おっおっ、海といったら釣りだお。釣りしに行くお!」

ξ゚⊿゚)ξ「釣り?でも竿は?」

( ^ω^)「もちろんちゃんと持ってきてますお。」

ブーンが胸をたたく。さすが、用意がいいな。

(´・ω・`)「釣りかい?ならいい穴場しってるよ。こっから30分くらいかかるけど。」

(*^ω^)「ぜひ教えてください。」

('A`)「決まりだな、いくか。」

ショボンのナビで車をまた走らせる。

しばらくして、ショボンが口を開く。
(´・ω・`)「朝も思ったけどさ、ドクオって運転うまいね。」

( ^ω^)「ほんとだお。プロになれるお!」

俺は「んなことねーよ」といって後ろ髪を掻き揚げる。やっぱ、ほめられるのはなれないな。
650:2006/08/07(月) 23:51:32.49 ID:
俺高校生になったら1みたいになりてぇw
652:2006/08/07(月) 23:53:48.42 ID:
>>650
やめとけww
653:2006/08/07(月) 23:55:35.49 ID:
今追い付いた

なんだこの素晴らしい話
('A`)がカッコよすぎるwwwwww
654:2006/08/08(火) 00:03:52.61 ID:
絵投下する度にID変わるww
ロムに戻ったはずなのに懲りてません。
ショボンの擬人化す

656:2006/08/08(火) 00:06:13.94 ID:
>>654
上手い!なんか・・・・ウホッ!にはもったいないw
658:2006/08/08(火) 00:14:53.84 ID:
>>654
GJ!
657:2006/08/08(火) 00:06:28.00 ID:
>>654

やべえええ きた。これはきた。
テラウマスwww
663:2006/08/08(火) 00:30:10.21 ID:
しばらく海岸沿いに車を走らせると、砂浜が消え、岩礁が姿を現した。

(´・ω・`)「うん、この辺でいいかな。」

('A`)「ここに車止めていいのか?」

「問題ないよ」とショボンがいったので、遠慮なく道路の端へ車を止める。

ξ゚⊿゚)ξ「へぇ、けっこう綺麗なところね。」

(´・ω・`)「足許に気をつけたほうがいいよ、結構ごつごつして歩きにくいからね。」

確かに何度か躓きそうになった。ツンの方は持ち前の身軽さでまったく問題としてないようだ。

ξ゚⊿゚)ξ「あら、魚がいるわね。」

(´・ω・`)「それはクサフグだね。体のいたるところに毒があるから食べれないよ。」

('A`)「へぇ、くわしいな」

「何度か来てるからね。」と彼は言った。

少し遅れて、ブーンが竿と釣り道具を持ってやってきた。

( ^ω^)「竿は三本あるお。ドクオに一本、ショボンに一本。僕とツンで一本」

ブーンは竿を配りながら言った。
678:2006/08/08(火) 01:14:03.34 ID:
(´・ω・`)「なんか悪いね。僕が竿もらっちゃって。」

( ^ω^)「なになに、僕はツンと釣りができてうれしいお」

ξ///)ξ「な、なにいってんのよ!ばかっ」

ツンもだいぶうれしそうだ。



俺はブーンに仕掛けとルアーをつけてもらい、適当な場所を見つけ竿を振った。

( ^ω^)「なかなか喰いがっ立ってるお、これはすぐにアタルお」

ブーンがなんか訳わからんことを言っている。何を言ってるんだかさっぱりだ。

とか思ってるうちに早速ブーンが一匹釣り上げた。

( ^ω^)「おっおっ、アカナメだお、なかなかでかいお。」

ξ;゚⊿゚)ξ「・・・あんた何者?」

ショボンの方も釣り上げていた。

(´・ω・`)「イサキか・・・まだ小さいからリリースだな。」

この人たち本当何言ってるのかわからない。でもこいつらがつりがうまいって事は言葉ではなく、心で理解できた。
689:2006/08/08(火) 01:46:46.18 ID:
しばらくして俺のほうもひきがきた。うお、けっこう強いぞ。

(;'A`)「んぐ・・」

俺は全力で引き上げる。かなりの力だ。

( ^ω^)「ドクオ、がんばるお!」

しぶきを上げて、大きな魚が姿を現した。それをブーンが手際よく網で受ける。

(;´・ω・`)「これは・・・スズキだね。」

( ^ω^)「ドクオ、大物だお!」

俺は肩で息をしながら自分の釣った魚に目をやった。怒ったように暴れている。

結構な達成感。やばい、釣り楽しいかも。

ξ;゚⊿゚)ξ「ねえちょっとブーン!魚きてるんだけど!!」



二時間ほど釣りをして、20匹ほどの魚を釣った。上々かな。

ショボン曰く「小さいのはまだ大きくなるからリリース」というので、残った魚はあのスズキとクロダイの二匹。

みんなであわせて大体9匹くらいの魚を残してリリースした。

俺たちはその魚をもって砂浜に向かった。
695:2006/08/08(火) 02:15:52.91 ID:
砂浜まで歩いて五分ほど。日が落ち始め、あたりは暗くなりつつあった。

砂浜に着くとブーンとショボンが棒と網で即席の生簀のようなものを作った。

そこに釣った魚たちを入れる。バケツから放された魚たちは生簀の中を気持ちよさそうに泳いだ。

( ^ω^)「さて、楽しいお料理の時間だお!」

なんと刺身包丁とまな板まで持ってきているブーンの用意のよさに脱帽した。やたら本格的だ。

ビーチで使ったテーブルの上で手際よくスズキを捌いていくブーン。ほんと何者だこいつ。

その間に俺とツンは流木を拾いに行き、ショボンは塩焼きの下ごしらえをしていた。

流木や乾いた細い小枝を積み重ね、タバコの空き箱に火をつけ、下のほうに入れる。

まもなく煙りがあがり始め、火がぱちぱちとはじけ、やがて炎となった。

ショボンが誰もいない海の家から金網を拝借してきた。

(´・ω・`)「うん、あらって戻しておけば問題ないと思うんだ。」

ξ;゚⊿゚)ξ「そういう問題なの?」


焚き火に金網をかけ、塩をまぶったクロダイを焼く。塩は海水を拾ったアルミ缶のなかにいれ、水を蒸発させ作った。

スズキの刺身にクロダイなどの塩焼き。それとツンが拾っていたサザエのつぼ焼きなどなかなか充実した夕食が出来上がった。
715:2006/08/08(火) 04:14:21.87 ID:
これはドクオじゃない!毒男はこんなんじゃない!
796:2006/08/08(火) 13:14:51.95 ID:
黒鯛の油が滴り、炎にあたりジュウジュウと音を立て香ばしい香りがただよう。

皮をめくるとうまそうな白身が顔を出す。その白身を口へ運ぶ。ちょうどいい塩気。マジうまい。

(´・ω・`)「うん、なかなか。」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーンあんた刺身なんて作れたのね・・・」

( ^ω^)「おっおっ。釣り好きのトーチャンに仕込まれたんだお。」

刺身もうまい。ブーンこっちの道でやっていけるんじゃないか?

けっこう魚はいたはずだが、見事に骨だけとなった。

ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、花火持ってきてるんだけどやらない?」

(*^ω^)「やるおやるおー!」


ツンが花火を持ってきた。かなりの量だ。

ブーンが手持ちの花火を両手に持ち、その両手を開きながら走り回った。

( *^ω^)「気持ちいいお!ドクオもやるお!」

('A`)「おk。」

( ;^ω^)「そ、それはドラゴn・・・うわぁぁこっちくんなお!」

ドラゴンなど噴出系の花火は地面に置いて楽しみましょう。
807:2006/08/08(火) 13:36:32.82 ID:
(´・ω・`)「ドラゴンはそう使うんじゃぁないっ!こうだっ!」

ショボンはドラゴンの箱から火薬の筒を取り出してそこに火をつけ導火線が火薬に着火する直前に真上に投げた。

シュルルルと回転しながら色とりどりの火花が空中で円を描く。すごい綺麗だった。

ツンは正攻法で楽しんでいるようだったが、俺たちの遊ぶさまを見て時折声を上げ笑った。

( #^ω^)「ドクオ・・・覚悟するといいお」

(;'A`)「バッ・・・おま、それロケtt」

シュー  パン

(;'A`)「あぶねえ、後数秒遅れていたら・・・・考えたくもねえ。」

( ^ω^)「気を抜くなお!弾はまだまだあるっ!」

(´・ω・`)「ドクオ、援護する。」

俺たちはロケット花火を使い切るまで激しく遊んだ。ロケット花火で遊ぶときは回りに人がいないのを確認して、土台に刺して遊びましょう。


花火をほぼ遊び尽くしたので最後に残ったのは線香花火。ほかの花火のような激しさや華やかさはないが、俺はこれが一番好きだ。

ぱちぱちと線香花火が火花を上げる。そして、   落ちる。

(`・ω・´)「元気玉っ!」

・・・・・線香花火は一本づつ楽しみましょう。
814:2006/08/08(火) 13:51:05.06 ID:
作者ありがとう、これから頑張らなきゃいけないんだけど頑張れそうだ。
820:2006/08/08(火) 14:13:30.05 ID:
ショボンが一回元気玉とかいって10本位使った以外は俺たちは一本づつ線香花火を楽しんだ。

ξ゚⊿゚)ξ「やっぱ、夏といったら線香花火ね。」

( ^ω^)「だおだお。ドクオ、ショボン覚えてるかお?高3のときにもクラスの男子で花火やったお」

(´・ω・`)「終業式のときだったね。覚えてるよ。受験生とは思えない馬鹿さだったよね、あのとき。」

ショボンとブーンが懐かしそうに笑った。もちろん俺も覚えている。みんなで線香花火をやって、初恋の人を暴露しあったんだっけか。懐かしいな。

結局、帰るのが11時過ぎになって、カーチャンにこっぴどく怒られた。今はそれもいい思い出だな。


青春を分け合った友人達。初めて心から友人といえるものができたのは高校に入ってからだ。

中学のとき、俺は孤独だった。いや、むしろ自分で孤独を作り上げた。

小学校のころは俺はまだ明るかったので友人に困ることはなかったのだが、小学校5年春。親父が死んだ。

交通事故で。信号無視したトラックと正面衝突して親父は即死。ほとんど人間の原型を留めていなかったという。

親父が死んでから俺はほとんど誰とも口を利かなくなった。カーチャンは働きに出ることになって、ほとんど家にいなかった。

そのまま中学にあがる。俺は無口で暗いやつ、というレッテルを貼られいじめられこそしなかったが、空気のような扱いを受けた。

つらくはなかった。誰もかまってくれないほうがむしろ楽だった。休日、他のみんなが遊んでいるようなときも俺は親父の車の手入れをしていた。

親父が死んだとき、車は車検に出されていて無事だったのだが、処分されそうになった。

「どうせ捨てるなら俺がもらう。」といい、半ば強引に引き取ったものだ。
880:2006/08/08(火) 19:20:37.41 ID:
俺は美術の時間が好きだった。自分の世界に没頭できるからだ。

テーマは「思い出」。

他の生徒は、遊園地で遊んでいたり、花火を見たり、楽しそうな「自分」の絵を描いていた。

が、俺はラウンジの海岸線の道を描いた。親父と遊べるという楽しみでいっぱいなきもちで見つめた道。

紛れも無く鮮明に記憶された俺の「思い出」。それを画用紙いっぱいに描き上げた。先生に無言で提出する。

/ ,' 3 「これは・・・ラウンジの海だね?」

はい、とそっけなく答える。

/ ,' 3 「私はここにいたことがあってね。・・・なかなか見事な絵だ。楽しそうな君の姿は無いが、
     何かわくわくとした気持ちが伝わってくる。」

俺は無意識に後ろ髪を掻き揚げた。絵をほめられるのは初めてで、照れくさかった。

/ ,' 3 「ドクオ君、といったね。君は、絵が好きかい?」

・・・俺は絵を描くのはすきなのだろうか。あまり描いたことは無い。でも、絵を描いているとき、いつも気持ちは満たされていた。

('A`)「・・・まぁ」

/ ,' 3 「美術部に入らないか?君にもっと絵のことを教えてあげたい。返事はすぐでなくていいから、決まったら教えてくれ。」

('A`)「・・・はぁ。考えておきます。」
886:2006/08/08(火) 19:59:59.42 ID:
家に帰ると珍しくカーチャンが帰ってきていた。明るいうちに帰っているのはもう何ヶ月ぶりか。

('A`)「・・・ただいま。今日は早いね」
J('ー`)し「あら、お帰り。今日は社長さんがいつもがんばってるからって」

('A`)「・・・そっか。」

久しぶりにチンしないでも暖かい料理を食べた。久しぶりに一人出でない食事だった。久しぶりの親子の会話だった。


J('ー`)し「学校はどう?楽しい?」

食卓で不意に話しかけられる。

('A`)「・・・面白くはない。」

そう、といいカーチャンは少しさびしげな顔をした。

('A`)「・・・あのさ、もし俺が美術部だったらどう思う?」

俺から話しかけたことに少し驚きながらカーチャンは答えた。

J('ー`)し「そうねぇ・・・あなたトーチャン似で絵がうまいからね。いいんじゃないかい?でも、どうして?」

('A`)「いや・・なんでもない。」

カーチャンはまた「そう」といったが、今度は微笑んでいた。

J('ー`)し「やりたいことがあったらいいなさいね。力になるから。」
俺は「わかった。ありがとう」といい、自分の部屋に戻った。後ろ髪を掻き揚げながら。
897:2006/08/08(火) 20:33:45.17 ID:
その翌日、俺は朝一で荒巻先生のところへ行った。

/ ,' 3 「おや、思ったよりずいぶん早く来てくれたね。時間的にも時期的にも。返事をくれるのかい?」

('A`)「・・・俺を美術部に入れてくれますか?」

先生は「もちろん、歓迎するよ。」と微笑み、戸棚からプリントを持ってきた。

/ ,' 3 「今日、このときをもって君を美術部員として迎えよう。
    
     と、いいたいところだが、面倒なことに入部にはいろいろ事務作業がある。君の担任のはんこと、君の親御さんの了承が必要なんだ。」

と説明し、俺に「入部届」を渡した。

('A`)「わかりました。」

/ ,' 3 「その二つをもらって、また来てくれ。」

俺は「はい」とだけ答え、美術研究室を後にした。


俺はその日の昼休みに早速担任のはんこをもらいに行った。

担任は「へぇ、美術部ねぇ。ま、がんばれよ。」と興味なさげにぽん、と入部届にはんこを押した。

其の後の授業も適当にこなし、さっさと家に帰った俺は帰りの遅いカーチャンの帰りを待った。

描きたい。絵が描きたい。こんな風に何かの衝動に駆られるのはは初めてのことだった。

俺は強い衝動が胸を押し上げているような不思議な感覚を味わった。
902:2006/08/08(火) 20:56:56.67 ID:
チチチチ・・・チチチ・・・

('A`)「・・・ん・・・あれ?朝・・・。」

俺はカーチャンの帰りを待ってリビングにいたのだが知らぬ間に寝てしまっていた。

7時12分。カーチャンはとっくに仕事に行ってしまっていた。

('A`)「・・・あー。クソッ」

俺は軽く壁を殴った。

朝食をとりに食卓へ向かう。

('A`)「・・・!」

テーブルの上には朝食にラップがかけてありその脇に入部届と書置きがあった。

「部活、がんばってね。カーチャンは応援してます。」

入部届にはカーチャンのサインと印が押してあった。


('A`)「カーチャン・・・」

その日、俺は晴れて美術部員となった。
903:2006/08/08(火) 21:02:14.70 ID:
カーチャン…
904:2006/08/08(火) 21:02:49.39 ID:
泣いた
907:2006/08/08(火) 21:07:58.20 ID:
カーチャンちゃんとドクオのこと考えてるんだな
933:2006/08/08(火) 21:53:13.06 ID:
それから俺はたくさんの絵を描いた。

先生には本格的な色の使い方を教えてもらったし、他の部員とも少しづつだが会話をするようになった。

そのほかの学校生活は以前と変わりないが、

一つだけ変わったのはカーチャンがいなくても出かけるとき「行ってきます」、「ただいま」というようになった。

誰に言うわけでもないが、「家」というものに対していうようになったのだと思う。

ここは俺が帰ってくる場所。そう思えるようになったから。



ポトリ。 俺の線香花火が落ちた。

(´・ω・`)「・・?どうしたんだいドクオ、ボーっとして。」

('A`)「ん、ちょっとな。」

ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ、また考え事?」

俺は「まぁな」とこたえ、微笑んだ。ツンは「なにかんがえてるんだか」といって俺にまた線香花火を渡した。

ξ゚⊿゚)ξ「まだ線香花火いっぱいあるからちゃんと消費してよね。」

俺は自分のライターで火をつけた。火花をぱちぱち上げしばらく輝き、やがて落ちた。
999:2006/08/08(火) 23:00:14.77 ID:
1000
68:2006/08/09(水) 00:10:24.68 ID:
ξ゚⊿゚)ξ「さてそろそろ全部終わったかしら?」

(´・ω・`)「そのようだね。」

ツンが「頃合ね」と満足そうに微笑み、なにやら大きな筒を持ってきた。

('A`)「なんだそら」

ξ゚⊿゚)ξ「取って置きよ」

ツンは『超打ち上げ花火  60連発』と書かれたそれを15mくらい先にどさっと置き戻ってきた。


ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、火つけてきて。」

( ^ω^)「おっしゃ、いってくるお。ドクオ、ライター貸してお」

俺はブーンにライターを投げた。ブーンはキャッチし花火へと向かった。

カチッ カチッ  ブーンの手元が一瞬明るくなる。そして勢いよく走ってこっちに戻ってきた。

( ;^ω^)「なかなかスリリングだったお。」

とブーンが言い終わるや否や

ボシュボシュボシュ・・・

たくさんの火花たちが空へ旅立ち、空ではじけた。海面にその光が反射しきらきらと色とりどりに輝く。

まるで小さなスターマインだ。夜空に広がる花火を俺たちは見上げた。
72:2006/08/09(水) 00:15:59.85 ID:
待ってたぜ>>1
170:2006/08/09(水) 13:34:10.37 ID:
(´・ω・`)「うん、ここらでいいよ。」

花火を終え、後片付けを終えたのはもう日付変更間際だった。

俺は今日ショボンと会った細い道あたりまで送った。

(´・ω・`)「よく道覚えてたね、すごいな。」

('A`)「道覚えるのは得意だからな。」

俺は後ろ髪を掻き上げる。だからあんま褒めるなって。

(´・ω・`)「みんな、今日は楽しかったよ。誘ってくれてありがとうね」

「どういたしまして」と後部座席の二人が言った。

少し離れたところでショボンが手を振っていたのでそれに答えて俺はクラクションを鳴らした。


ホテルにつくころにはもう日付は変わっていた。

部屋に帰り、さっとシャワーを浴びブーンは疲れていたらしくすぐに寝てしまった。

ξ゚⊿゚)ξ「ま、あれだけはしゃげば疲れもするわね・・」

('∀`)「だな」

俺とツンで少し酒を飲んでから寝た。あと一日、楽しむためにゆっくり寝よう。

線香花火のように俺の意識はすぐに落ちた。
171:2006/08/09(水) 13:36:12.83 ID:
やっと二日目終了><

遅筆ですまそOTZ
173:2006/08/09(水) 13:46:44.69 ID:
作者さん頑張ってだお(*^ω^)
175:2006/08/09(水) 13:58:03.90 ID:
秋は駆け足に過ぎ去り、もう冬が訪れていた。

そんな中VIP大学園祭はなかなか盛大に行われていた。

(;'A`)「やべ・・・・緊張してきた。てか何で俺ソロなんだよ。」

( ^ω^)「おっおっ。毎年恒例らしいお。去年はドラムソロだったらしいお。」

特設ステージの裏にブーンが応援しにきてくれていた。

司会「さぁ!毎年恒例!素人ソロライブの時間です!今年はギターソロ!

   演奏してくれるのは・・・ドクオ君! HEY, come on!」

会場には結構な人がいるらしい。しかもテンション上がりまくってる。

( ^ω^)「さあ時間だお、がんばれお!ドクオ。」

俺は「おう」とちからなく返事し、俺は特設ステージに上がる。

人、人、人。

狭い会場にところせましと人がひしめいていた。どうやらこの催しはだいぶ人気が高いらしい。

俺の入場に会場が歓声に包まれた。あれ?俺場違いじゃね?

司会者が中央のパイプいすに俺を促した。俺はイスに腰掛け、深呼吸をした。   


182:2006/08/09(水) 14:55:21.53 ID:
俺はアコースティックギターの音を合わせていく。次第に静かになっていく会場。

ギターの弦を一回なでる。あわせられた音ががさなって響く。完璧だ。

-よし、やるか。

俺はギターを鳴らした。まず演奏したのはLET IT BE。

クーが薦めてくれた曲だ。左手と右手をリズムそって動かしていく。作られる旋律に会場が包まれた。


そのほかにもブーンが薦めた曲、自分でやりたい曲など3曲ほど演奏する。曲が終わるたび会場は拍手に包まれた。

全部演奏し終えると司会者がこっちへやってきた。

司会「ドクオ君、時間あまってるからもう一曲だけやってくれ」

(;'A`)「まじすか」

司会者はぽんと俺の肩をたたき、司会席に戻っていった。

えらい勝手だな、オイ。しかし、なにやるか。

俺はふいにクーの顔を思い浮かべる。

俺は無意識手を動かしていた。8分のストローク。

・・・粉雪舞う季節は、いつもすれ違い・・・

俺は歌い始めた。

183:2006/08/09(水) 14:57:39.39 ID:
こなああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいい
185:2006/08/09(水) 15:06:00.46 ID:
ねええええぇぇぇ
wktk
192:2006/08/09(水) 15:24:08.23 ID:
こなああああああああゆきいいいいいいいいいぃ
wktk
195:2006/08/09(水) 15:29:55.06 ID:
おまいら落ち着け






こな(ry
201:2006/08/09(水) 15:34:42.01 ID:
学園祭の三日前、この国を去ったクー。

・・・人ごみにまぎれて同じ空見てるのに・・・

クーも同じ空を見てるのだろうか。

・・・風に吹かれて似たように凍えるのに・・・

あっちは寒いのだろうか。



粉雪  ねぇ 心まで白くそめられたなら 二人の孤独を分け合うことはできたのかい?



歌い終え、会場は歓声と拍手に包まれる。あ、そういや歌なくてもいいんだっけ。うわ、はずかしい。

ステージを降りた俺をブーンが迎えてくれた。

( ^ω^)「ドクオ!スンバらしかったお!感動したお!・・・・お?」

なんだよ?俺の顔に何かついてるのか?

( ;^ω^)「ドクオ、泣いてるのかお? 」



「え?」

204:2006/08/09(水) 15:45:05.75 ID:
こなゆきはこの為に作られた曲だったのか…
206:2006/08/09(水) 15:48:27.70 ID:
涙のことを粉雪と表現しているのね
294:2006/08/09(水) 22:47:06.76 ID:
・・・
・・

目が覚めた。今は何時だ?

携帯を覗くと「6:26」と記されている。カーテンの隙間から朝日がこぼれていた。

きっと今日もいい天気になるだろう。

二人はまだ寝ているようだ。

俺はベランダにでて一人タバコをすった。

行きの時点で感じていた予感はあたってたな。ふっと煙を吐き出す。

(-ω⊂ )「ドクオ、おはお。珍しくはやいおね。」

ブーンが目を覚ましてベランダに出てきた。

('A`)「ん、まぁたまにはな。」

( ^ω^)「おっおっ、朝日がきれいだお・・」

十分ほど朝日を眺め、部屋に戻るとツンもおきていた。

ξ゚⊿゚)ξ「あら、ドクオにしては朝早いわね、どうしたの?怖い夢でも見た?」

夢。夢は見た。昔の夢・・・。

('∀`)「まあな」と、俺は朗らかに返した。
296:2006/08/09(水) 22:52:41.15 ID:
寝起きのぶーんカワイイ
414:2006/08/10(木) 14:00:34.41 ID:
俺たちは朝食をとるべく二階大広間に向かった。

取り皿に思い思いの食材をのせていく。俺は昨日と同じくブレッドにマーガリンを取り、

さらに生ハム、レタス、トマトを皿に乗せ、コーヒーをとった。ブーンはまた馬鹿食いするようだ。

ξ゚⊿゚)ξ「・・・あんた絶対太るわね」

席に着くとつんがブーンに言った。

( ;^ω^)「そういえば最近おなかに肉が・・・」

ξ゚⊿゚)ξ「帰ったらピザはしばらくお預けね」

( ;^ω^)「そんな・・・殺生な・・・ 」

そんな二人のやり取りを眺めがらの朝食。やっぱ、悪くないな。

ブレッドにトマト、レタス、ハム、マーガリンをはさみ、かぶりつく。食材が口の中で混ざり合い絶妙な味を作り出す。

うまい。やっぱ朝はこれに限る。コーヒーを一口含む。やはりこれがないと一日は始まらないな。うん。

ブーンは俺の3倍くらいある量の朝食を俺と同時に食べ終わるという圧倒的強さを見せつけてくれた。

( ^ω^)「世界最速の美食家、ソニックイーターとは俺のことだお」

誰もしらねーよ、そんなん。
415:2006/08/10(木) 14:02:59.21 ID:
最速の美食家ソニックイーターwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
417:2006/08/10(木) 14:14:09.13 ID:
バロスwww
419:2006/08/10(木) 14:31:17.93 ID:
('A`)「今日の予定は?」

朝食をとり終わり、食後のまったりとした空気の中俺は口を開いた。

ξ゚⊿゚)ξ「んー考えてないけど、またビーチにいかない?」

( ^ω^)「おっおっ!海を心行くまで堪能するお!」

俺は了解、と答えた。


荷物をまとめ、二日間お世話になったホテルラウンジの一室を軽く掃除する。

ξ゚⊿゚)ξ「こんなもんかしらね。」

ツンがパンパンと手を払う。

ツンは綺麗好きらしく、ほとんど来たときと変わりない状態までやってのけた。

('A`)「ほー、やるな。これならいい嫁になれるわ。」

ξ///)ξ「ほ、ほめたって何にもでないんだからね!」

( ^ω^)「おっおっ、てれてるお」

ξ///)ξ「うっさいばかっ!」

( ゚ω゚)「ウッ!!!」


425:2006/08/10(木) 14:59:42.82 ID:
軽く掃除するはずがかなり本格的にツンがやったため、チェックアウトぎりぎりまでホテルにいた。

( ;^ω^)「何もみぞおちをおもいっきり殴らなくても・・・」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたのせいよ。」

( ;^ω^)「そうかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「そうよ。」

( ;^ω^)「それはすまんかったお・・・」

なにやら微妙な形で収まったが、まぁいいか。


車に荷物をつみいれ、出発したのは10時ちょっと過ぎ。15時に帰るとしても十分時間がある。上々。

さっきのこともあってちょっと心配だったが、車内の二人はいつもどおりだった。きっとあれが日常なのだろう。


十分ほどでビーチに着く。今日も痛いくらいの日差しだ。

水着に着替え、適当なところにパラソルとテーブルを設置する。

設置し終わると準備体操をし、はじかれたようにブーンが海へ繰り出して行った。

ツンもそれに続く。そんな二人をカメラに収める。お、今ので最後の一枚か。

フィルムを使い切った満足感を感じ、俺はカメラをバッグにしまうと、海へ繰り出した。

431:2006/08/10(木) 16:19:32.32 ID:
( ^ω^)「二人とも、テトラポットまで行くお!」

といってブーンが泳ぎ始めた。

ξ゚⊿゚)ξ「まったく元気ね・・・あんた体力ないけど大丈夫?」

('A`)「同情するならその浮き輪をくれ」

ξ゚⊿゚)ξ「やだ。がんばってねー」

といい、ツンは浮き輪につかまり泳ぎだした。俺も仕方なしに泳ぎ始める。浮き輪もってくればよかった、畜生。


二人から遅れること2分、俺はようやくテトラポットにたどり着いた。マジ疲れた。岸に帰れるかな・・・」

ξ゚⊿゚)ξ「だらしないわね、あんたほんとに体力無いのね」

('A`)「俺はお前らと違ってインドア派なんだよ」

俺は肩で息をしながら答える。

( ^ω^)「おっおっカニがいるお。かわいいお。」

ξ゚⊿゚)ξ「あらほんと・・・」

('A`)「フジツボに気をつけろよ、足とか切るから」

親父ときたときもテトラポットまで来たんだっけか。そんでそのときフジツボで足を切って大泣きしたんだっけか。

そんなことを思い出しつつ、今は遠い岸を見つめた。
435:2006/08/10(木) 16:28:13.05 ID:
そのころとある海の家。

( ;`八´)「あれ?昨日金網こんなとこにおいといたっけ?」

( ´∀`)「店長、使ったらちゃんと元の位置にもどしておいてほしいモナ。」

( ;`八´)「あ、いや。これはその・・・・ごめん」
442:2006/08/10(木) 17:06:40.65 ID:
しばらくのんびりとテトラポットで過ごしていると釣竿を持った中年男性が小船に乗ってやってきた。
俺はふとタバコが吸いたくなってポケットに手を伸ばそううとしたが、水着だということに気がつき手を戻しため息をついた。

中年「タバコ、いりますか?」

不意におっさんが話しかけてくる。悪人ではなさそうだから差し出されたタバコを一本もらう。

('A`)「どうも」

くわえると、おっさんが火をつけてくれた。

(;'A`)「!?   ゴホッゴホッ 」

なにやらしけったような、なんともいえない煙が磯の香りとともに肺を満たした。たまらずむせる。 
何じゃこりゃ、何年もしけったところに放置されていたようなこの味。

中年「知っていますか?20年前ここで水難事故がありましてねぇ
    ・・・旅行中の男性で釣りにをしに小船でテトラポットまでたどり着いたはいいものの、足を滑らせて頭を打ちそのまま海へ ド ボ ン」

トン、と胸を押された。俺はバランスを崩す

(;'A`)「なにをするd・・・!?」

そういえばあの小船、オールが無い。どうやってここまで?

( ;^ω^)「危ないお!」

間一髪、ブーンが転ぶ寸前に俺を受け止めてくれた。「いったいどうしたんだお?」と心配そうに俺を見た。

そこにはもうおっさんの姿は無かったが、俺の口にはしっかりとコケの生えたタバコがくわえられていた・・・
444:2006/08/10(木) 17:08:47.03 ID:
>>442
何その展開wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
34:2006/08/10(木) 23:24:06.72 ID:
(;'A`)「・・・ブーンお前、ここに誰か来たの見たか?」

( ;^ω^)「?誰か来てたのかお?」

(;'A`)「・・・不気味だ、とっとと岸に戻ろうぜ・・・」

俺はしけったタバコを吐き捨て、言った。

ξ゚⊿゚)ξ「?ふたりともどうしたの?」

ツンの後ろからただならぬ気配を感じる。

(;'A`)「早く岸に帰ろう。」

ξ゚⊿゚)ξ「はい?なんで?」

('A`)「いいから!!」

二人ともわけがわからないといった感じだったが、それでも了承してくれたようだ。
急いで岸まで泳ぐ。途中振り向くと、テトラポットの上で誰かが笑ったような気がした。
行きの半分くらいの時間で帰ってこれたんじゃないだろうか。

岸に帰った二人にテトラポットのことを話した。

( ;^ω^)「そういえばドクオぼろっちいタバコ咥えてたお・・・。不気味だお」

ξ;゚⊿゚)ξ「落ちてたやつ拾って咥えたんじゃないの?」

('A`)「無礼な、そんなことするか。」
37:2006/08/10(木) 23:29:35.90 ID:
ああ、こういう系嫌いだけどこれは結構いいね
41:2006/08/10(木) 23:46:07.22 ID:
とりあえず俺は供養になるかわからないが、いつか見たドラマのまねをして、線香代わりにタバコを一本火をつけ砂浜に刺した。
しけったタバコのお礼だよおっさん。そろそろ成仏しな。俺はテトラポットに手を合わせ、そう念じた。


ちょっと不可思議なアクシデントがあったが、ほかにこれといった事件は無かった。

やっぱ平穏なのが一番だな。平和万歳。

( ^ω^)「ドクオ、この除霊ビーチボールで除霊してやるお。」

(;'A`)「まさかお前・・・やめろ!」

( ^ω^)「ウォォオォオォ!悪霊退散!」

どうやら平和は長くは続かないようだ。



<ヽ`∀´>「このテトラポットは半島の領土ニダ!おっさんもそう思うニダ?」

「違うと思います。・・・それより知っていますか20年前、ここで水難事故があったんですよ・・・。」

<ヽ;`∀´>「な、なに?そんなこと聞いてないニダ!く、来るなニダ!それ以上近づいたら謝罪と賠償をy・・・

トン・・・

うわぁぁぁぁ


夏の海にはご注意を・・・
52:2006/08/11(金) 00:27:28.63 ID:
楽しいときが過ぎるのはあっという間だ。もう2:50を回った。そろそろ帰宅を考えなければならない。

パラソルとテーブルを片付け、車に積む。

ξ゚⊿゚)ξ「名残惜しいわね、なんか」

( ^ω^)「だお・・・悲しいけど海ともお別れだお・・・」

('A`)「たのしかったな・・」

しばらく三人で並んで水平線を眺めた。

('A`)「まだいたいのはやまやまだが、混み合う前にいかないと今日中に帰れないかもしれないからな。もう、行こう」

( ^ω^)「だお・・・また来たいお、このメンバーで」

ξ゚⊿゚)ξ「そうね・・・」

海に後ろ髪を引かれつつも、俺たちはビーチを後にした。

二日前来た道をたどり、ラウンジICから高速に乗る。

ブーンが車の窓から遠ざかる海を眺めていた。車内はとても静かだ。

ツンも窓から海を見つめていた。トンネルにさえぎられるそのときまで。この長いトンネルを抜ければそこからもう海は見えない。

俺もそのことに胸を締め付けられた。

やっぱ、海はいいもんだよ、親父。

54:2006/08/11(金) 00:31:28.97 ID:
静かに物語が終わっていく…
55:2006/08/11(金) 00:43:54.27 ID:
ドクオ・・・
56:2006/08/11(金) 00:47:00.46 ID:
そろそろ終わりが近いのかな……
59:2006/08/11(金) 00:55:43.63 ID:
後部座席の二人はすやすやと眠っていた。

車内はしんと静まり返っている。響くのはエンジン音。そのほかの振動はほとんど無い。

俺は少し寂しくなる。寂しい・・・中学のころ、そんな感情は無かった。孤独を愛し、孤独に生きた。

自分で入り込んで言った道だ。まったく後悔は無かった。きっと俺は一生その世界にいるのだと思っていた。


---内藤ホライゾンだお!ブーンって呼んでお!


ふとあいつとの出会いを思い出す。荒巻先生と美術部にいたおかげで別に苦無く返事はできたが、正直ほうっておいてほしかった。

しかし、こいつは妙に絡んでくる。鬱陶しかった。

高校で部活は弓道を選んだ。あれなら一人の世界に浸れる、と思ったから。


---やあ、同じクラスのドクオくんだよね?同じ部活だね。よろしく。


ショボンも俺によく話しかけてきた。同じ部活だし、険悪にならないような対応をしていたが、やはり鬱陶しく感じた。


しかしある日、二人が同時に休む日があった。不思議な感情が沸くのを感じた。心に穴が開いたような。

親父を亡くしたときと似たような感情。『寂しさ』。滾々と湧き出るその感情を、前ほどうまく押さえつけることができなかった。
60:2006/08/11(金) 00:58:02.46 ID:
寂しさ( ;ω;)
66:2006/08/11(金) 01:27:27.72 ID:
その日を境に、俺は徐々に二人に心を開くようになっていった。

ちゃんと会話したのは荒巻先生を最後に相当久しぶりだが、二人になら自然に話すことができた。

それから、少しづつクラスにも部活にも馴染んでいった。

-友達。

心からそういえる人物が現れるとは、思いもよらなかった。



本当に、中学のころの自分からは考えられない今の自分。それを支えてくれる「友人達」。

俺は両方大切にしていこう。そう思った。


('A`)「チッ・・・渋滞か。」

どうやら一時間の渋滞らしい。しかし、運転なしでその時間をつぶすには何も無さすぎた。

ちょうどパーキングエリアが近くにあり、そこにはいることにした。時刻は5:34分。もうだいぶVIPに近い。

('A`)「パーキング入るぞ。」

と後ろに呼びかける。ほとんど聞き取れなかったが「うん」みたいな発音をしたので了承の意と取らせてもらった。

起こすのもあれなので、俺は一人売店へと向かった。


181:2006/08/11(金) 13:45:25.73 ID:
コーヒー二本と適当な菓子を持ちレジへと向かう。その途中、土産品のキーホルダーが目に付いた。

いつだったか、クーとドライブに行ったとき。その途中でクーがなにやらよくわからないデザインのキーホルダーを買っていた。



川 ゚ -゚)「む・・・うまくつけられん」

クーはバッグにつけようと悪戦苦闘していた。

('A`)「・・・貸してみ」

俺はクーのバッグにキーホルダーをつけてやった。

キーホルダーをまじまじと見つめる。うーん、やっぱりクーの趣味は理解不能。

川 ゚ -゚)「ドクオ、お前は器用なのだな」

「んなことねぇよ」と俺は後ろ髪を掻き揚げた。



そんなことを思い出し、キーホルダーを一つ手に取り苦笑する。

-買うか。

俺はあらためてレジに向かった。
186:2006/08/11(金) 14:02:47.40 ID:
クーカワユスw
保守
187:2006/08/11(金) 14:15:00.93 ID:
それから2時間ほど渋滞と戦い、ようやく高速から降りれた。

ちょうど降りたとき、二人が目を覚ました。いい気なもんだ。

ξ゚⊿゚)ξ「ここは?」

ツンが聞く。

('A`)「もうVIPだよ。なんか飯食ってく?」

( ^ω^)「おっおっ。そういえば腹減ったお」

ξ゚⊿゚)ξ「ちょうどファミレスがあるわね。よっていきましょう」


俺たちはファミレスに入りこの三日間のことを話し、笑いあった。

メインの料理を食べた後もドリンクバーで粘った。


ξ゚⊿゚)ξ「またドクオはコーヒーばっか飲んで・・・寝れなくなるよ?」

俺は「いいんだよ」といってコーヒーを口に含んだ。

結局23時までファミレスにいた。

188:2006/08/11(金) 14:28:17.38 ID:
( ^ω^)「おっおっ、ここでいいお」

ブーンのアパートに入る道の前でブーンが言った。

( ^ω^)「ドクオ・・・ほんとに楽しかったお!ありがとうだお!」

('∀`)「こちらこそ」

ξ゚⊿゚)ξ「気をつけて帰りなさいよ!」

( ;^ω^)「気をつけろっていってもこっから50mもないお・・・ツンは心配性だお」

ξ///)ξ「べ、べつに心配してるわけじゃないんだからね!うちに帰るまでが旅行なんだからね!」

('A`)( ^ω^)「はいはい」

ブーンはトランクから自分の荷物を取り出し、帰っていった。バックミラーで見ると、車が曲がるまでずっと手を振っていたようだ。


ξ゚⊿゚)ξ「・・・この旅行も終わるのね」

ふいにツンが口を開いた。

ξ゚⊿゚)ξ「ごめんね、なんかつき合わせちゃって。」

('∀`)「馬鹿言え、こっちがお礼がいいたいくらいだよ。」


ξ゚ー゚)ξ「・・・ありがとう、ドクオ」
今日はやけに素直だな。まったく調子狂う。俺は後ろ髪を掻き揚げた。
190:2006/08/11(金) 14:30:28.39 ID:
いいね
193:2006/08/11(金) 14:32:52.48 ID:
そろそろ終わりか・・・
196:2006/08/11(金) 14:37:11.87 ID:
ξ゚⊿゚)ξ「あ、このへんでいいよ」

俺は車を止める。

ツンは自分の荷物をトランクから取り出し、俺はそれを手伝った。

('A`)「あ、そだ。これ頼める?」

俺はつんにカメラのフィルムを渡した。

ξ゚⊿゚)ξ「別にいけど・・・」

('A`)「じゃ、たのんだぞ」



ξ゚⊿゚)ξ「また頼むわね、運転手さん」

俺は微笑み「またのご利用をお待ちしております」といった。ツンもくすっと笑った。



こうして俺たちの二泊三日の旅行は幕を閉じた。

199:2006/08/11(金) 14:39:51.68 ID:
ドクオかっこよす
202:2006/08/11(金) 14:45:02.21 ID:
俺は玄関の戸を開ける。

('A`)「ただいま。」

習慣となったこの言葉をがらんとした部屋に投げかける。

俺の声は誰もいない空間にしんと溶けて行った。

俺は荷物をどさっと置き、しばらく旅行の余韻に浸る。


さて、やるか。


俺は押入れからまだ使ってないキャンパスを引っ張り出し、キャンパスたてに立てる。

荷物の中から「荒巻スカルチノフ」と銀字で彫られた黒いかばんを取りだし、開ける。

高級そうな道具が顔をのぞかせる。

コーヒーが効いて眠くはない。パレットに絵の具を取る。

そして一気に描き始めた。下書きもせずにいきなり描く。これが俺スタイルだ。
218:2006/08/11(金) 15:17:32.21 ID:
まずキャンパスの中心に月を描く

ふとよぎるクーの顔。一日目に見た月がクーの顔と重なる。


次は海を描いた。思い出。海はいつも思い出を俺にくれた。

ふとよぎるブーン、ツン、ショボンの顔。俺と「思い出」共有した友人たち。


そしてその海の水平線の向こうへ伸びる道を描いた。まるでそれは月に向かう道のように。


一心不乱に絵を描き続けた。俺は絵を描きおわるまで休まない。そうしないと描きたいことが薄れてしまうのでないか、と思うからだ。

一筆一筆にこの旅行の思い出をこめて。

どれくらい時間がたったろうか。

俺は筆を置いた。体を伸ばす。ぽきぽきと背骨が答える。

ふと窓を見る。カーテンの隙間からやわらかな日差しが差し込んでくる。携帯を覗く。8:52。



俺はソファに倒れこみ、意識を眠気に預けた


232:2006/08/11(金) 15:35:42.29 ID:
ピリリリリリ・・・

電話だ・・・。

ピリリリリリ・・・

出ないと。

ピリリリリリ・・・

あーわかったわかった。

俺は眠い目をこすり電話を取る。

('A`)「はいもしもし。」


『・・・・・・ドクオか?』


・・・え?


('A`)「クー・・・?」
233:2006/08/11(金) 15:38:03.91 ID:
キタ━━(゚∀゚)━━!!
237:2006/08/11(金) 15:43:58.02 ID:
239:2006/08/11(金) 15:48:35.06 ID:
『ふふ、そうだ。久しぶりだな。』

(;'A`)「久しぶりって・・・ってかお前今どこにいんだよ」

『お前の部屋の前にいる。』

(;'A`)「はぁ!?」

俺は急いでドアへと向かう。まさか-。


鍵を開け、戸を開けると見覚えのある顔が3つ。

( ^ω^)「おいすー!」

ξ゚⊿゚)ξ「相変わらずだるそうな顔してるわね・・・。」

川 ゚ -゚)「私はそういうところもすきだぞドクオ。」

理解不能。何これ?どっきり?カメラどこ?

( ^ω^)「おっおっ、ドクオびっくりしすぎだおw」

ξ゚⊿゚)ξ「ほんとねー、写真の現像できたから渡しに来たんだけどここでクーさんにばったり会って。

      あんた驚かせようと思って電話してもらったのよ」

だんだん脳に感覚が戻ってくる。

でもなんでクーがここに?外国で父親の世話をしてるんじゃ・・・
242:2006/08/11(金) 15:54:40.17 ID:
いい・・実にいいよ・・・
244:2006/08/11(金) 15:59:03.81 ID:
ドクオ━━━━━('A`)━━━━━!!
245:2006/08/11(金) 16:02:45.31 ID:
こなぁぁーーーーーーーーーーーーゆきーーーーーーーーー
246:2006/08/11(金) 16:02:48.30 ID:
川 ゚ -゚)「私の父親の仕事が軌道に乗ってな、ヘルパーを雇う余裕ができたんだ。

     私は父親にそんなものは必要ない。私がいるといったんだが『お前はまだ若い。

     だから国に帰ってもっと勉強してきなさい』と言ってくれたんだ。だから帰ってきた」

俺はその話を聞いても現実味が沸かなかったが、クーが目の前にいる。それは事実だった。

俺はよっぽど間抜けな顔をしているらしく、ブーンとツンは笑いをこらえるので精一杯そうな顔をしていた。

あ、そうだ。

(;'A`)「く、クー。一つだけ確認しておきたいことがあるんだ」

川 ゚ -゚)「ん?何だ?何でも聞いていいぞ」


(;'A`)「いま・・・何時?」


ツンとブーンがこらえきれず大声で笑った。珍しいことにクーも笑っていた。俺もなんか恥ずかしくなって後ろ髪を掻き揚げた。

251:2006/08/11(金) 16:11:14.75 ID:
これはいい短編小説ですね

260:2006/08/11(金) 16:22:52.15 ID:
俺は三人を招きいれ、描いた絵に布を掛けた。

俺は三人にとりあえずビールを出した

('A`)「これしかねーけど。」

( ^ω^)「おっおっ、お構いなくだお」

ξ゚⊿゚)ξ「あら、あんたにしては気が利くわね。」

川 ゚ -゚)「いただくぞ」


ツンのもって来た写真を見て旅行をおもいだし、笑った。その思い出話をクーも楽しそうに聞いていた。

ξ#゚⊿゚)ξ「ちょっと!誰?私の寝顔撮ったの!」

( ^ω^)「ククク。。。隙を見せるほうが悪いんだお」

いつものように盛り上がり、遅くまで騒いでいた。

( ^ω^)「お?これ、ドクオが描いたのかお?」

朝描きあげた絵を指してブーンが言った。俺はまあな、とだけ答えた。

ξ;゚⊿゚)ξ「あんた絵うまかったのね・・・」

川 ;゚ -゚)「おお・・・見事な絵だな。」

だからあんま褒めるな。照れくさい。後頭部だけ禿げるだろ・・・。と思いつつもまた俺の手は勝手に後ろ髪に伸びていた。
265:2006/08/11(金) 16:36:01.66 ID:
(*^ω^)「おっおっお、ばいぶーだおー」

ξ*゚⊿゚)ξ「後は二人で楽しんでねー」

かなり酔っ払って二人は帰っていった。ちゃんと帰れるだろうか、心配だ。

川 ;゚ -゚)「あの二人・・・大丈夫なのか?」

('A`)「まぁ・・・ブーンああ見えて結構たくましいお方だから何とかなるだろ」

川 ゚ -゚)「そうか・・・なら安心だな。なぁ、ドクオ」

('A`)「ん?」



---ギターを聞かせてくれないか。あれを聞けないと帰ってきた、という実感がわかないんだよ。

---わかった、いくらでも聞かせてやるよ。

---・・・やはりいい音だ。やっと帰ってきた心地だ。ありがとう、ドクオ。

俺たちはそっと、静かに口付けを交わした。




('A`)が海へ行くようです   完



266:2006/08/11(金) 16:36:24.51 ID:
乙!

267:2006/08/11(金) 16:37:05.41 ID:
乙。
べ、別に泣いてなんかないんだからね!!!!1111
268:2006/08/11(金) 16:37:19.10 ID:
いやああああああああああ
269:2006/08/11(金) 16:37:40.26 ID:
オワタ!

>>1、感動した
277:2006/08/11(金) 16:41:19.65 ID:
面白かったぜ>>1!
良い物を見させてもらった。ありがとう
283:2006/08/11(金) 16:43:34.87 ID:
やっと書き終えることができますた。

作者遅筆アンド受験生のため保守を皆様には本当にご迷惑をおかけしました。

絵師の方々、歌を作ってくれた神様、まとめてくれたオムライスの中の人、

保守をしてくれたかたがたに心から感謝しております。

本当にありがとうございました><

みんな大好きwwwwww
284:2006/08/11(金) 16:44:30.00 ID:
次回作書く予定ある!?
287:2006/08/11(金) 16:45:30.75 ID:
>>284
今のところはかんがえてません。

受験が終わったら、またなにかやるかもしれませんが
288:2006/08/11(金) 16:45:40.03 ID:
全てが丸く収まる、良い話だった(・ω・`)
308:2006/08/11(金) 17:07:39.66 ID:
これレミオロメンの粉雪聞きながら見てたら
ラストんとこで雰囲気でて涙でた
夏の物語なのにな!ワラエヨチクショゥ・・・
296:2006/08/11(金) 16:51:13.82 ID:
初めて最初っからみてた。もう超ありがとう。
乙かれさま。感動をありがとおおおぉぉぉ!!!!!1
元スレ: