358:2005/05/16(月) 22:13:53 ID:
僕がまだ高校生だった冬、まあまあの進学校だったため、週に三回、選択者だけの補習が9時近くまでありました。
その日は英語の補習で、男が僕を入れて4人、女3人、出来の悪い連中で授業を受けていました。
出来が悪いせいで、普段は9時を過ぎる事が多かったんですけど、
その日は何故かみんなサクサクと問題が解けて、補習は8時半に終わりました。

家に帰るのもだるいと言う事で、みんなでダベることに。
そうやって喋っているうちに、「怖い話をしよう」ということになりました。
一人一人順番に、知っている怖い話をしていきました。
二人目が話し終わり、次は友人のTの番です。


「これ、A(僕のこと)から聞いた話なんやけど――」


そう言ってTが話し始めた話を聞いて、僕は笑いそうになりました。
彼が話そうとしていた話は、最後に大声を出して驚かすという、よくある落ちのものだったからです。
落ちを知っている僕は、みんなどんな反応をするか楽しみで、あまりTの話を聞いていませんでした。

しかし、もう終わってもいいはずなのに、Tは長々と話を続けています。

359:2005/05/16(月) 22:15:43 ID:
話の内容を聞いてみると、僕が話した話と少し違うことに気が付きました。
こいつ、アドリブなんか入れおってwwwいつからそんな賢マンになったんだwwwww
と、僕はみんなの反応がますます楽しみになってきました。
笑うのをこらえ、Tの顔を見ました。

あ、やばい…一瞬にして、僕は恐怖で一杯になりました。
Tはただ一点を見つめ、まばたきもせず話し続けていました。そんなTを見たのは初めてでした。
話の内容も妙にリアルで、グロテスクな部分も多く、一人の女の子はすでに耳を塞いで下を向いていました。
本当にやばいかもと思い、僕は


「俺が話したのと違うやん」


と言ってTの話を中断させようとしましたが、
Tは僕の声など聞こえないという風に話を続けていました。
他の友達もTの異変に気付きだしました。

僕は必死に話を止めさせようとしましたが、Tは話し続けます。
他の友達も段々怖くなってきて、過呼吸になった子もいました。
本当にまずいと思った僕は、


「お前ホントもうやめろって」


と大声で叫びTの肩を強く掴みました。
その瞬間、Tが


「キャハハハハハハハハ」


と甲高い声で笑い出して笑ったかと思うと、
今度は全身の力が抜けたように腰から倒れ、机に額を強く打ち付け、動かなくなりました。
僕たちはどうしていいか分からず、ただTを見ていました。

するとTはゆっくり僕たちの方を向き、「…吐きそう」と歯をガタガタいわせながら言いました。
Tはトイレで何度も嘔吐し、何人かの友人に支えられ帰っていきました。

あれがいったい何だったのか、今でも分からないままです。

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