10:2009/11/21(土) 03:36:29.47 ID:
そういえばグミ酉バレしてたな

※前スレ→「あの映画を夢見て部活作ったら色々と青春だった

13:2009/11/21(土) 03:39:01.75 ID:
たんじゅんな酉だったかんな。
っつーわけで酉かえますた。

22:2009/11/21(土) 03:41:30.88 ID:
映画SWING GIRLSでのライブシーン(ネタバレあり)

44:2009/11/21(土) 03:49:53.03 ID:
もっかい書くけど、この話は誰かを悪く言おうとか、
そんなんで書いてるつもりはないです。

途中書いちゃったバンドのトラブルのことも、
個人的には解決してます。で、仲直りもした...と思ってます。
くどいけど、俺あのバンドも大好きだったし、ケンカした奴のことも、
調子に乗りやすいけどほんとはいいやつだと思ってます。

45:2009/11/21(土) 03:52:46.06 ID:
やまだに関しては、言わずもがな、あいつは何も悪くないし、
責めようなんてこれっぽっちも思ってないです。
むしろ、辞めた後もちょくちょく顔を出してくれて、
ライブの手伝いとかもしてくれて、感謝してます。
個人的には、今も仲間だと思ってる。

54:2009/11/21(土) 03:58:38.45 ID:
まあ、そういうことで他校をゲストに呼ぶこととなりました。

ぶっちゃけ、超大御所。
でも、あちらの方はみんな良い人で、なーんも知らない俺を暖かく迎えてくれました。
であと色々教わりました。

ベイシーを知ったのもその人達の影響だったなー。

131:2009/11/21(土) 05:31:10.59 ID:
ベイシーくらい最初からきいとけグミが
ファミコン買ってもらったら誰でもマリオとかロックマンとかから入ってただろw

58:2009/11/21(土) 04:04:03.24 ID:
でもって、なんと向こうの方の御厚意で、うちの部員何人かを交えてビッグバンドを編成してくれることに。
これはさすがに考えてなかった。

で、確か林檎とボーンの彼女とピンクを連れて行った気がする。

今思うと本当にお世話になったもんだ。

70:2009/11/21(土) 04:09:56.18 ID:
さて、自己企画ということで、
プログラムやら何やらを全部自分らで決めにゃならんかったわけです。

まず問題だったのがお客さん。

開催日が終業式ちょっと後になってしまったもんで、
父兄の方は良いとして、他の生徒やらがちょっと来づらい。

そんでもって地域の方にもアピールしたい。

集客の戦術を考えねばならんかったのです。

104:2009/11/21(土) 04:26:52.14 ID:
つか、色々書く事はあるが
全部書いてたらきりがないので。本筋書きます。

とりあえず、
客寄せのため「フリードリンク」「音楽ギフト券\5000分プレゼント抽選」とか、
色々催す事に。

で、本題は曲決めになった。

106:2009/11/21(土) 04:33:00.82 ID:
この段階になると、部員のみんなも各々好きな曲ができてた。
実力的にやれる曲も増えて、
なかなか面白い選曲になったと思う。

個人的に印象的なのが、林檎がやりたいと言い出した「Take 5」。
知らない人に軽く説明すると、5拍子のしぶーい曲。

これを、林檎のエレキギターとボン子のトロンボーンをメインに編曲すると。
正直すげーかっこよかった。
で、すげードラムむずかった。

107:2009/11/21(土) 04:37:17.15 ID:
5拍子とかww
むずそう

108:2009/11/21(土) 04:40:02.80 ID:
で、曲が決まってからはまた練習の日々。

正直このあたりは、みんな鬱々としてた。
原因は色々だったが、
やっぱり「ゲスト」の存在が結構負担になってたところがあると思う。

実は、ゲストの話はほぼ俺が勝手にすすめた話で、
みんなにはあんまり相談してなかった。

確かに、超上手い人達の前で、ジャズかどうかもあやしい発表をするのは...
気が進まないというか、ぶっちゃけすごく嫌だったに違いない。

みんなごめん。

109:2009/11/21(土) 04:43:53.53 ID:
しかもゲスト扱いだもんな

110:2009/11/21(土) 04:46:10.81 ID:
正直に言うと、俺はかなり好き勝手なリーダーだった。
すぐ思いつきで行動するし。
ワンマン運営そのもの。

しかも、まったく経験の無い素人が手探りで指揮をとってるから質がわるい。

おそらくみんな、俺の方針にはうんざりしていたことだろうと思う。
もっといいリーダーだったら、もっと楽しい部活になっていたんじゃないか?

部員を振り回してしまった事は、今でもたまに思い出して、ちょっと後悔する。

111:2009/11/21(土) 04:47:23.49 ID:
それが青春(笑)

112:2009/11/21(土) 04:47:50.70 ID:
それでもみんな付いてきてたんだから大したもんだよ

113:2009/11/21(土) 04:50:22.38 ID:
皆を振り回すぐらいの奴がいないと部は回らない。

114:2009/11/21(土) 04:53:27.06 ID:
そんでもって、一番謝りたいのはMちゃんに対して。

元々小心者だったMちゃん。
俺が困っていた時に、いつも救いの手を差し伸べてくれたMちゃん。

なのに俺は、Mちゃんですら振り回してしまったように思う。

本番前のピリピリした練習では、つい怒ってしまったことがあった。
Mちゃんはそれをすごく気にして、
次の日、寝ずに練習してきたこともあった。

Mちゃんがいたからできた部活
それを俺はいつの間にか、自分が作った部活だと勘違いしていたのかもしれない。
と、今になって思う。

115:2009/11/21(土) 04:55:46.07 ID:
読んでると自分は学生時代何をしてたんだって思ってマジで涙出てきた。

116:2009/11/21(土) 04:56:41.78 ID:
Mちゃん健気だな

119:2009/11/21(土) 05:00:18.09 ID:
話は変わって。

クロくんが、バンドを組んだ。
ドラムにホロ、ギターに林檎、そしてベースに新部員。

新部員は男の子で、これでもかという草食男子だった。
もうすげー穏やか。
超優しい。

クロくんは前々からバンドを組む野望を持っていたらしく、
ついにこのたび、グミジャズからのスピンオフとして念願のインストバンドを設立した。

お披露目のデビュー戦は、定期コンサートとなる。
これについてはまた後述。

120:2009/11/21(土) 05:05:20.29 ID:
お、クロくんはピンクパンサーの人だっけか?

121:2009/11/21(土) 05:08:37.59 ID:
さてさて、もう書く事がほとんど無くなって参りました。
話はついに定期コンサート前日となります。

前日は会場設営と、ゲストバンドとの合同リハ。

会場は体育科のすげー怖い先生に無理を言って、
屋内運動情(卓球場になってた)を使わせてもらうことに。

そこにステージに使う教壇やら、客席代わりの机と椅子(教室にある物)やら、
軽音から借りてきた機材やら、野球部から借りてきた照明やらを運び込む。

もうえらい大変。だって女の子ばっかりだし、人数少ないし。

さらに卓球場は三階。で、階段。
腕がやばい。

122:2009/11/21(土) 05:12:05.55 ID:
会場設営は大変だったけど、楽しかった。
なんだか文化祭を思い出してわくわくした。

みんなもしみチョコ食ったり、
卓球したりしながらだらだら設営して、飾り付けして....という感じ。

俺はあいかわらずぷっちょ食べながら写真撮ってた。

124:2009/11/21(土) 05:19:34.23 ID:
写真ってのが良いよな。
ちゃんと形で残してくれて。何気ない1コマなんだろうけど、
それを思い出せるってのが本当にうらやましい。

写真キライとか言わないでいっぱい撮っときゃよかった・・・

125:2009/11/21(土) 05:21:12.02 ID:
そうこうしている間に、ゲスト校さんが到着。
なんと雨の中、楽器ごと運んできてくれた。
いやもうほんと申し訳ない。

今謝らせてくれ。
本当にありがとうございます。

ほんでもってリハして、向こうの団体のPAさんと打ち合わせして....
そうこうしている間に、前日は終わった。

このときも、PA機材借りてきたはいいけど使い方わかんなかったり、
後で聞いたら往復の交通費がすごいことになってたり、
林檎にしみチョコもらえなかったり色々あったけど、割愛。

127:2009/11/21(土) 05:24:22.48 ID:
林檎wwwwww
クロくんは内に秘めたる野心家って感じか

128:2009/11/21(土) 05:26:52.50 ID:
これ高校生とか中学生が読んだら燃えるんだろうな
浪人の俺は重ね合わせてもちょい虚しい

129:2009/11/21(土) 05:27:15.48 ID:
第一回定期コンサート当日。

朝から雨だった。
あー、こりゃお客さん少ないだろうな、と少々がっかりしたことを覚えている。

学校に向かう時、確かMちゃんに会った。
向かう道で何を話したかは覚えていない。

でも、不思議と緊張してなかった。なんでだろう。

132:2009/11/21(土) 05:31:46.46 ID:
学校到着。

他の部員もちらほら来ていた。
で、しばし談笑。
黒子(ピアノの一年生ね)はなぜか猫耳をつけていた。

「なんで猫耳かと」
「似合ってませんか...?」

「いや、そういうわけでは」
「ならいいじゃないですか」

いや、いいんだけどさ。

ちなみに、バレンタインに部員から義理チョコをもらった(分けてもらった)時、
黒子はオレンジピールのはいったチョコを作ってきていた。

「大人の味です」

すんげー苦かった。
でも笑顔で食べた。

133:2009/11/21(土) 05:36:50.17 ID:
その日もやまだは手伝いに来てくれていた。

前日はあまりに人が足りなさすぎて、
「ごめんちょっときてマジで」と半ば強引に手伝わせてしまったんだけど。

ライブにもでないのに、わざわざ来てくれるやまだは、やっぱりいいやつである。
あと笑顔がかわいい。

134:2009/11/21(土) 05:39:29.34 ID:
やまだがどういうキャラか忘れた俺27歳

ホロ:ギター(軽音ではドラム、後にジャズバンでもドラムに)
林檎:ギター
黒子:ピアノ
やまだ:ドラム。キツネっぽい。わりとイケメンだが奥ゆかしい
ロリ:ベース。私服がライトゴスロリでびっくりした。こいつも天然。

135:2009/11/21(土) 05:45:12.92 ID:
ホロとロリ、林檎は相変わらず仲良く騒いでいた。

この三人は軽音でバンドも組んでいて、
普段から常に仲良しだったように思う。

ちなみにそのバンド、みんなめっちゃ小さい。
ミニモニ。もびっくりぐらい小さい。そして今ミニモニ。
が○付きで一発変換されたことに驚いた。

なんだかんだ俺はこの三人を凄く信頼していた。
というか、頼りにしていた。
バンドが急がしくても、こっちの練習にもちゃんと参加してくれていたし、なにより上手かった。

「先輩wwwwぷっちょくださいよぷっちょwwww」
「うるせえ しみチョコとこうかんだ」
「うわーwww最悪wwww後輩の女の子に優しくないwwww」

うるせー林檎が

141:2009/11/21(土) 05:52:44.85 ID:
カカシはくちびるのウォーミングアップをしていた。
こいつはつくづく真面目である。
超ストイック。

カカシはトランペットのハイトーン(っていうのかな。高い音)をよく練習していた。
それはスカパラとかそういうジャンルをばしばしやらせてたからなんだけど。
でも、なかなか出なくて苦労していた。出るようになると、

「ちょっと高い音でるようになったんですよ」

と、嬉しそうに報告してくる。

カカシには今日、とっておきの見せ場があった。
それに関してはまた後述。

142:2009/11/21(土) 06:00:20.60 ID:
ピンクは相変わらず、林檎あたりにいじられて笑っていた。
こいつは生粋のいじられ役というか、いじられるとすごく輝く。

でもどんなにいじられようと決して期限を崩さず、一緒に笑っていた。

「音が細い」

とずっと言われ続けて来たピンク。

比較対象がクロくんだったので、いささか不運というか、
ちょっとかわいそうではあったのだが、
丁寧に吹くピンクの繊細な音は、俺は嫌いじゃなかった。

143:2009/11/21(土) 06:05:46.95 ID:
ピンクの繊細な音…

144:2009/11/21(土) 06:06:57.17 ID:
トロ子(ボン子だとなんか可愛くないから却下)は、
みんなの様子を穏やかな笑顔で観察していた。

トロ子はいやに落ち着いた子だった。
大人びている、というのが正しい表現なのかはちょっとわからない。

というか、トロ子は本当にいつ休んでいたのだろう。
俺が覚えてる限りでも、相当色んな事をやっていた。

常に予定が埋まっていた印象がある。
でも、しっかりグミジャズにも顔を出していた。
うーん。不思議。

145:2009/11/21(土) 06:14:11.38 ID:
これでおそらくほぼ全員について触れられたはず。

そんでその日は卒業ライブということで、ひさびさにみき先輩が来た。

みき先輩は、たしか卒業旅行とかで当日ぎりぎりに参加することになっていた...はず。
その前に練習はちょろっとしてたんだけどね。

会場に来たみき先輩の手には、大量に刷られた紙が。
なんとプログラムを作って来てくれたらしい。


147:2009/11/21(土) 06:17:06.27 ID:
みき先輩!!。°・(>Д<)・°。

151:2009/11/21(土) 06:20:18.84 ID:
プログラムの中には部員全員の名前と、
簡単なキャッチコピーみたいなものが書いてあった。

何でも、卒業旅行から帰って来たその日の晩に作って、印刷して来たらしい。すごい。

そんなこんなでついに役者は揃い、いよいよ俺たちの集大成となる
「グミジャズ 定期コンサート」
が始まろうとしていた。

思えば遠くへ来たもんだ。

152:2009/11/21(土) 06:22:43.38 ID:
そろそろクライマックスだな。

153:2009/11/21(土) 06:28:32.52 ID:
草食くん忘れてた。

草食くんはMちゃんと一緒に、みき先輩のプログラムを畳んで、本にする作業をしていた。
ずーっと。

草食くんはその代のグミジャズメンバーとしては、ほんとに最後の方に入ってきた。
しかもほぼ素人で。
でも、ほわーんとしているくせにセンスは抜群だった。

そんで努力家だった。

「一応、グミさんが俺のベースの師匠ですから」

と後に言われた気がする。
「一応」が気になるがまあいいとしよう。

155:2009/11/21(土) 06:34:40.73 ID:
話聞いてると良いメンバーばかりだな

154:2009/11/21(土) 06:34:33.68 ID:
雨のせいか、お客さんはやはり少なかった。
少し残念だが仕方が無い。

照明が落とされる。
俺たちは、ステージ裏で静かに円陣を組んだ。
このメンバーでの演奏は、正真正銘これが最後。

俺はMCマイクの前に立って、
いよいよ定期コンサートが始まった。

155:2009/11/21(土) 06:34:40.73 ID:
話聞いてると良いメンバーばかりだな

156:2009/11/21(土) 06:40:41.72 ID:
オープニング一発目は、クロくんのバンドだった。

「ふぅーじこちゃーん!」

クロくんが叫ぶ。
会場の失笑を裂くように、イントロが流れる。

「ルパン三世のテーマ」だ。

奴らはこの日のため、「ルパン三世のテーマ」を
なんとオリジナルで爆音ジャズにアレンジしていた。

クロくんは頭を振り乱しながら、つんざくようなアルトサックスソロを熱演した。

157:2009/11/21(土) 06:41:31.52 ID:
なんだとww

158:2009/11/21(土) 06:46:00.99 ID:
曲が終わり、拍手と共にざわつく会場。

そりゃそうだ。
まさかビッグバンドジャズのライブに来て、一発目の曲がコレだとは。

ぶっちゃけた話、
第一部としてこの後に続くのは少人数で編成されたバンドでのしっとりした演奏がメインだったので、完全に空気は読めてなかった。

が、クロくんのやりとげた表情をみたら、どうでもよくなった。

159:2009/11/21(土) 06:46:35.18 ID:
クロwwww

161:2009/11/21(土) 06:54:33.76 ID:
第一回 グミジャズライブは、三部構成となっていた。

第一部が少人数でのバンド。
第二部がゲストバンド。
そして第三部が、グミジャズオリジナルメンバーでの演奏である。

一部では各バンドで衣装を決めたり、
曲と曲の間に小芝居を入れてストーリー性を持たせたりと、
色んな工夫をしてみた。

怪盗ピンクパンサーを追う黒スーツのトロ子。
曲はTake 5。

片足をアタッシュケースにかけながら演奏するボーンソロは、さすがの渋さ。
林檎のギターも心地よい歪みだった。

163:2009/11/21(土) 07:00:31.52 ID:
その後も、カカシソロによる「枯葉」や
ピンクの「When you wish upon the ster」「over the rainbow」
等々、それぞれ思い思いの曲を演奏する。

たまにスカパラが入るのは仕様だった。
今思えば、みんな「お客さんを楽しませよう」という意識があって、立派だったと思う。

一部が終わり、二部へ。
ゲストバンドの演奏が始まった。

164:2009/11/21(土) 07:08:55.33 ID:
ゲストを呼んで演奏してもらう、というのはもしかしたら、
やっぱり俺のエゴだったのかもしれない。

変な言い方をすれば、
お客さんは俺たちのへたくそな演奏を見に来てくれているわけだし。

でも、本格的なビッグバンドを自分が企画したライブで聞けた、というのは、
やはりなんだか嬉しかった。

うちの部員が混ざって演奏している姿を見て、ニヤけてしまったのもまた事実。
俺の現役生活で、最大のわがままを叶えてもらった瞬間だった。

165:2009/11/21(土) 07:11:45.78 ID:
ゲストのハイクオリティな演奏が終わり、
ついにライブは残すところ最後の第三部のみとなった。

第三部、
俺の目論みは二つあった。

167:2009/11/21(土) 07:22:15.94 ID:
まず一つ目。

「やっぱりジャズは正装!」

ということで。
はい。
またネクタイです。三たびダイソー。

みんなでネクタイを持ち寄って、つける。
なんかこう、ある種儀式みたいになってた。

これたしか今でもやってるらしい。
もっといいコスチュームあると思うよ、俺。

168:2009/11/21(土) 07:28:46.87 ID:
そんで二つ目。
みき先輩を泣かせること。

みき先輩は文化祭が終わって引退するときも、笑っていた。
みき先輩らしいといえばらしい。

でも面白くないじゃない!
部活の引退、卒業、こういう時に泣くのが青春ってもんでしょう!

170:2009/11/21(土) 07:29:44.93 ID:
俺も文化系の部活にしときゃあ良かった

171:2009/11/21(土) 07:33:48.02 ID:
グミなかなか
因みにサワーズの青リンゴは俺もいいとおもふ

172:2009/11/21(土) 07:34:23.77 ID:
俺たちは密かに、ある計画を進めていた。
そしてそれは、コンサートの最後で明かされることとなる。

コンサートは進み、アンコールを含めていよいよあと二曲となった。

最後の二曲。
俺たちがバンドとして一番最初にやった、スカパラの二曲である。

174:2009/11/21(土) 07:35:41.84 ID:
グミなかなか
因みにサワーズの青リンゴは俺もいいとおもふ

175:2009/11/21(土) 07:42:58.59 ID:
「サワーズの青リンゴがいい」て
そんな大事なことなのかwwwwwwwwww

176:2009/11/21(土) 07:43:19.86 ID:
コンサートの名目上最後の曲、「24 hours to ska」。

これは一番最初に文化祭でやる時、
みき先輩がスゥイング風にアレンジしてくれた曲である。

演奏している途中、ふと、文化祭練習に使ったスタジオの風景が思い浮かんで、
なんだか不思議な感情がこみ上げて来てあやうく俺が泣くところだった。
あぶないあぶない。

ピアノソロはMちゃん。
Mちゃんの目はいつものように泳いではいなかった。唸ってもなかった。

演奏が終わる。拍手。
軽い挨拶をすませて、俺らは鳴り止まない拍手に答える準備を始めた。

泣いても笑っても、あと残り一曲である。

178:2009/11/21(土) 07:48:58.61 ID:
最後の一曲は
「銀河と迷路」。


名残惜しさも曲の流れを止める事はできず
刻、一刻と終わりは近づいてくる。

残すところあと、みき先輩のソロとMちゃんのソロ、そして大サビだけだ。

みき先輩のクラリネットは、その日も心地よく、力強い音色だった。
流れるようなソロが終わる。

今だ

僕らは計画を実行した。

179:2009/11/21(土) 07:51:39.57 ID:
wktk!

181:2009/11/21(土) 07:56:38.18 ID:
みき先輩渾身のソロが終わっても、曲は展開しなかった。
ソロを担当する人間がいないまま続く伴奏。

みき先輩が一瞬、戸惑いの表情を見せる。その時。

「ここで、今年卒業してしまうみき先輩にプレゼントがありまーす」

裏でスタンバイしていたロリが、MCをする。

それを合図に、裏から黒子が表れる。
手には色紙と、こぢんまりとした花束。

「先輩、今まで本当にありがとうございました」

183:2009/11/21(土) 08:02:54.37 ID:
先輩は笑っていた。
暗かったし、ベースから遠かったので、
涙を流したかはわからなかった。

でも、クラリネットの音が震えていた気がした。

拍手が止んで、帰るお客さんにあらかた挨拶をした後、俺は力が抜けて壁にもたれた。

ひとつのことが終わった気がした。

184:2009/11/21(土) 08:08:42.12 ID:
へたな映画よりおもしろいよ、マジで
こういう青春甘酸っぱい系の話聞くたびに檸檬のころって映画思い出す

185:2009/11/21(土) 08:10:37.20 ID:
その後ステージの上で写真を撮った。
ゲストの人達もみんなで。良い写真だった。

ゲストの人を見送って、地獄の片付けを済ませた後は、
誰かのおかあさまが差し入れてくれたゼリーをみんなで食べた記憶がある。

みんな疲れきっていたが、表情は明るかった。

と、ずっとライブに付き合ってくれていた顧問の先生が
ぽん
と封筒を俺に渡した。

「がんばったからご褒美。みんなで何か食べて来なさい」

先生、さすがです。

186:2009/11/21(土) 08:14:14.57 ID:
ヤバい
頭の中でブルーハーツのToo much painが流れ続けてる

189:2009/11/21(土) 08:20:52.84 ID:
みんなで先生を崇めながら、ライブの日は無事、終わった。

正直言って、悩む事やら部員とのすれちがいやら色々あったが、
「まあ、楽しかったしどうでもいいか」と言えるライブだったように思う。

ふと、あの映画を夢見て悶々としていた頃を思い出した。
俺はどうやってここまで来たんだっけか

しばらく考えたが、めんどくさくなったのでやめた。

で、今さらになって考え直した結果、色々と青春だったことを思い出して
ここに書いているわけです。

おしまい。

192:2009/11/21(土) 08:23:31.63 ID:
グミ乙!
諦めたらそこで青春終了ですよ

193:2009/11/21(土) 08:25:00.25 ID:
不覚にも涙が出たんだが

198:2009/11/21(土) 08:28:17.64 ID:
おつかれー、おもしろかったぜ

200:2009/11/21(土) 08:29:50.02 ID:
乙だよ!!

正直あまりのリア充っぷりに軽く鬱になったけど、
それ以上に俺の日常も行動次第で
ちょっとはマシなものになるんじゃないかって
希望持ったよ。
まさかこんな気分になるなんて・・・
グミ男のせいだよ!ありがとよ!!


214:2009/11/21(土) 10:24:06.11 ID:
グミ乙でした!
なんか泣いたwwwwww

240:2009/11/21(土) 14:22:51.77 ID:
おはよう。
なんかいろんなところにまとめられててビビった

242:2009/11/21(土) 14:25:41.52 ID:
おはよう。

210:2009/11/21(土) 09:00:02.20 ID:
Mちゃんとは今はどうなんだ?

244:2009/11/21(土) 14:29:54.14 ID:
Mちゃんとは結局、4年間ぐらい付き合ったのかな?
でもあっちが大学進学のとき地元を離れちゃって、
やっぱり距離には負けてしまい、別れる事に。

でも、今でもわりと仲はいいです。
あれだけ一緒に頑張ったからね。
恋愛感情を抜きにしたら、親友というかそんな感じになりました。

246:2009/11/21(土) 14:34:54.78 ID:
Mちゃん失踪未遂に関しては時系列もあやしいし、
正直詳細は覚えてないんだよねwww

覚えてるのは、なんだったかでケンカして、
Mちゃんが公園でずっと泣いてたこと。
ケンカは珍しかったから印象に残ってるんだけどね

229:2009/11/21(土) 12:55:58.20 ID:
今はドラムやってるって書いてあったけど大学のサークルとか入ってるの?
あとMちゃんとの行方が気になる

>>229
大学でも音楽やってるよ。
今のサークルもなにやらへんぴというか、面白いサークル。


248:2009/11/21(土) 14:46:05.73 ID:
今の髪型はアフロ?

249:2009/11/21(土) 14:49:13.23 ID:
>>248
今もだいぶぼさぼさ。
色気づいてゆるパーマかけたらソバージュみたいになって死にたくなった

255:2009/11/21(土) 15:59:10.95 ID:
さてと
今日一日家にいる事が決定しかけているので、
蛇足だが後日談を書こうと思う。

今年の春、久々に母校に行ってきた。
文化祭だ。

256:2009/11/21(土) 16:04:25.01 ID:
俺は高校卒業後都内の大学に進学。
通える距離ではあったが、親に無理を言って一人暮らしをさせてもらっていた。

一方、Mちゃんは遠くの大学に進学した。
さっきも書いたけど、俺たちは四年間付き合ったものの、
遠距離ということもあって別れてしまっていた。

「高校の文化祭、行く?」

六月に入ったあたりで、Mちゃんから再び連絡が来た。

259:2009/11/21(土) 16:10:21.75 ID:
「あー、そんな時期か。」
「暇だったら一緒に行かない?一人だと寂しいし。痛いし。」
「おーおー。いこういこう」

Mちゃんとは別れた現在も仲の良い友達だ。
お互いに、よき理解者だと思っている。

そんなわけで、二人で文化祭を見に行くこととなった。
卒業してからグミジャズにはあまり顔を出してなかったし、良い機会だと思って。

260:2009/11/21(土) 16:16:11.36 ID:
グミジャズは例の定期演奏会の後、順調に発展して行った。

その年の新入生が当初20人弱とか入って来たっけな
ちょっと小規模のビッグバンドぐらいなら組めそうな人数。


262:2009/11/21(土) 16:22:06.97 ID:
で、その後俺とMちゃんの引退ライブがあって、俺はグミジャズを離れた。
文化祭の最後のライブで、ムリヤリ「Take the A train」「メキシカンフライヤー」「sing sing sing」をやったのは良い思い出だ。

その後、部活はクロくんとカカシに任せる事にした。

「えー。リーダーは嫌ですよ」

とクロくんは文句たらたらだったが、俺は任せて良かったと思っている。

264:2009/11/21(土) 16:28:26.93 ID:
「あ、先輩」
「おー。久しぶりだね」

文化祭へ足を運ぶと、クロくんと草食くんに出会った。

クロくんと草食くんも高校を卒業して大学生になっていた。
この二人、同じ大学にすすんだあげく同じ音楽サークルに入って、
今も楽しくバンドを続けているらしい。

初代グミジャズのメンバーは、既に全員が卒業。
それぞれが新しい生活を送っていた。

265:2009/11/21(土) 16:34:11.84 ID:
文化祭は俺が高校生のころの雰囲気とまったく変わってなかった。
みんな手作りのTシャツを着て、慌ただしく動き回っている。

「JKってスカートこんな短かったんだね」
「今思うと恥ずかしいね」

短いスカートをつい目で追ってしまう自分に気づいて、
ちょっと俺も年をとったかな。なんてクソ生意気なことを考えていた。

未だに昔あの短いスカートと生活していたなんて信じられん
もう戻れない時間って残酷ね

267:2009/11/21(土) 16:39:08.26 ID:
会場につくと、すでに一本目のライブが終わっていた。

グミジャズは俺の引退ライブの年から、
教室を一つ借り切って「ジャズ喫茶」をやるのがお約束となっていた。

とは言っても、やっすいジュースをさらに安い値段で客に売って、
そのお客さんの前でパフォーマンスをする、という簡単なものだったんだけど。

ライブは二日間通しで行われる。
つまり二日目の最後のライブが、三年生の引退ライブとなる。

270:2009/11/21(土) 16:45:07.31 ID:
「あ、ども」
「あ、お久しぶりです」

挨拶がお互いによそよそしくて笑ってしまった。
今日引退する三年生。
俺が三年だったときの一年生が、その日引退することになっていた。

あー、これ終わったら俺、よく知らないOBさんになっちゃうなあ
と、差し入れのアイスバーの残りを食べながら考えていた。

271:2009/11/21(土) 16:54:42.45 ID:
文化祭も終わりに近づき、いよいよジャズ喫茶のライブも終盤に差し掛かっていた。

グミジャズは俺が引退した時よりさらに増え、もう普通のビッグバンドが組めるようになっていた。

グミジャズは今や、ベイシーの曲を演奏しちゃうような、
立派なジャズバンドに成長していた。

が、やる曲には相変わらずスカパラがちょくちょく混ざっていた。
(これはたぶんクロくんの代の影響だろう。)

歴史も伝統も、ちゃんとしたノウハウもさっぱり残せなかった俺。
後輩はすごい。超凄い。偉い。

274:2009/11/21(土) 17:04:54.06 ID:
ちょっと息抜き。

これ後輩がライブでやっててグミ吹いた

「Gun's & Roses」


「vs ~知覚と快楽の螺旋~」


278:2009/11/21(土) 17:17:11.11 ID:
そして最後の曲。
部長とバンマスが最後にMCで挨拶するんだけど、

バンマスが号泣してた。

回り見たら他の部員も涙。
うしろでスタッフやってる一年生とかも超泣いてる。

号泣のまま最後の曲のカウントが入る。

俺が憧れた、あの映画の「sing sing sing」だった。

280:2009/11/21(土) 17:26:11.27 ID:
曲を聴きながら、なんとなく、自分の引退のときを思い出していた。
各パートの人数もそろわない、小さいバンドでやった「sing sing sing」。

ああ、カカシがトランペットソロで苦戦してたなあ
最後の高音、最高にいい音だったなあ

目の前では、いつもクールだったペットの男の子が、涙をぼろぼろ流しながらソロを吹いていた。

最後の高音が頭をカチ割るような改心の一撃で、うっかりこっちまで泣いてしまった。

282:2009/11/21(土) 17:32:33.86 ID:
ライブが終わった後、やっぱり記念写真を撮っていた。

全員顔がくしゃくしゃで、でも最高に良い表情をしていた。

部活を作ってほんとによかったと思った。
で、すこし前の自分を思い出して、少し寂しいような、なつかしいような、そんな感覚になった。

若いねー 青いねー

283:2009/11/21(土) 17:34:15.32 ID:
後輩がグミの意思を継いだようで泣ける

284:2009/11/21(土) 17:35:35.23 ID:
こっちまで泣けてきた

285:2009/11/21(土) 17:36:25.80 ID:
グミの力すごくね
お前が始めなかったら全部なかったことなんだぜ

286:2009/11/21(土) 17:39:46.52 ID:
今では、当時のメンバーで集まる事はほとんどない。

文化祭の時に聞いたが、
あの古文の恋愛マスターのおばちゃん先生は
俺が卒業した後も顧問をずっと引き受けてくれていた。
その先生も、今年いっぱいで離任されるらしい。

「あたしは、音楽のこともさっぱりわからないし。
ただ、あなたたちのサポートしかできないから。」

「グミくんが作った部は、ここまで大きくなった。
よくぞここまで、って感じね。あ、あくまで生徒達のおかげよ」

そういって、いつもの笑顔で笑っていた。

287:2009/11/21(土) 17:41:57.50 ID:
いい先生だな

288:2009/11/21(土) 17:45:50.62 ID:
今年、グミジャズは晴れて「同好会」から「部活」へと昇進するらしい。
今となっては、俺や、Mちゃんや、メガネ子や、みき先輩の面影なんて
全然これっぽっちもない。

でも、あの定期ライブの時に俺が思った

「ビッグバンドの楽しさ、素晴らしさ、感動を伝えたい」

という願い、
そして何より

「家族みたいな仲間と、一緒に青春したい!」

という思いは、後輩が育ててくれた「ジャズバンド部」に生きている、と思う。

291:2009/11/21(土) 17:50:20.32 ID:
この話を書いている時、現役の後輩からmixiを伝って
「特定しますた」
メッセージが届いた。

「うわ!勝手にネタにしてほんとごめん。」


「いやいや。ジャズバンド部作ってくれて感謝してるんです。 」

「作ってくれてありがとうございました! 」

後日談おわり。

294:2009/11/21(土) 18:02:02.22 ID:
最後に、
予想外に大きな反響に、うれしいやら、びっくりやら、
とにかくありがとうございます。

そんでもう一回書きますが、
この話は俺のひそやかな感謝の気持ち、
あの時の自分の内なる思いとかを重視して書いています。
決して特定人物を貶めたり、
当時の出来事をふざけ半分で茶化して書いてるわけではありません。
そんで記憶を頑張ってひねくり出しながら書いているので、事実関係と違ったり、
創作的な補完をしてしまっている部分が多数あります。特に会話部分とかね。
その辺も、割り切ってくれるとありがたいです。
でも、基本的にはできるだけ事実に忠実に書いたつもりです。

ここでネタにしてしまった人、関係者の方、
無許可で好き放題書いてしまって本当に本当にごめんなさい。
大げさな昔話だと思って、笑って読んでくれたら幸い。

ブログにまとめて下さった方、本当にありがとうございます。
もし見ていたら、上に書いたような事を記事のどこかに入れてくださるとありがたいです。

295:2009/11/21(土) 18:04:51.77 ID:
グミ乙!!

296:2009/11/21(土) 18:08:57.98 ID:
乙!!!

297:2009/11/21(土) 18:09:34.12 ID:

おもしろかったぜ

298:2009/11/21(土) 18:09:56.52 ID:
このグミ充め
あんたカッコイイよ

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