583: :2016/07/02(土) 17:58:31.29 ID:
特殊清掃の仕事をしていた時期があって、死人の出た部屋やペットの死体処理からゴミ屋敷の
撤去までやる仕事は様々だった。死人の出た部屋とゴミ屋敷に関しては依頼人がそこでまた住もうと
したり中の家具や物を使おうとはしないものだから、家の中を空にする残置物撤去も合わせて
受注することが殆どだった。
自分のいた会社は契約書上はその中にある物の所有権が全て法人に委譲されるから、いざ作業を始めると必ずと言っていいほど出てくるお金や貴金属はお客に返す必要がない。会社の社長は処分費用でお金を頂く分思い出の品やお金は返したいという考えがあったから
営業担当や作業員にもその教えを徹底はしたけれど、実際に現場に出る作業員達は大体見つけた物は
自分のポケットに入れるようだった。自分も200万円を見つけたことがあったけれど、欲を理性で
押し込めるのは本当に大変なことだった。
休日に営業担当から電話があり、市内の首吊り自殺があった2階建住宅の特殊清掃と残置物撤去の依頼が入ったと伝えられたその時自分は作業員兼事務員として2年程働いていたから現場責任者として今回の現場に当たってくれとのことだった。
ゴミの量や状況を確認すると大体作業員4名と3日あれば出来ると分かりそれを伝えると、日取りを決めた。老人の一人暮らしで、生活費がなくなり身内にお金の無心もし辛かった故の自殺だったらしくて、それを聞いて少し悲しくなったけれど作業員も気心の知れた40代の先輩やよく外注を依頼するアルバイトのおじいさんだったから安心して計画を立てることが出来た
作業初日に物件内に入ってみると死臭はあまりなかった。営業担当が見積もりの時に窓を開けておいてくれていたようだった
中の家具や生活用品も電話で聞いていた通りで、そのまま2階の自殺死体があった部屋に入った
他の部屋に比べるとやっぱり死臭はあったけれど、それでも我慢出来ない臭いではなかった
床を見るとドアの内側の直ぐ下に黒とも茶色とも言えないシミが出来ていて、ドアの上辺には
紐のすれた後があった。ドアのノブはひん曲がっていて、どうやって自殺したのかが容易に想像出来て
物悲しかった。他の作業員の方も入ってきて、「首吊りしたな」だとか言っていたけれど、手馴れた様子で使う洗剤を選び始めていた。
撤去までやる仕事は様々だった。死人の出た部屋とゴミ屋敷に関しては依頼人がそこでまた住もうと
したり中の家具や物を使おうとはしないものだから、家の中を空にする残置物撤去も合わせて
受注することが殆どだった。
自分のいた会社は契約書上はその中にある物の所有権が全て法人に委譲されるから、いざ作業を始めると必ずと言っていいほど出てくるお金や貴金属はお客に返す必要がない。会社の社長は処分費用でお金を頂く分思い出の品やお金は返したいという考えがあったから
営業担当や作業員にもその教えを徹底はしたけれど、実際に現場に出る作業員達は大体見つけた物は
自分のポケットに入れるようだった。自分も200万円を見つけたことがあったけれど、欲を理性で
押し込めるのは本当に大変なことだった。
休日に営業担当から電話があり、市内の首吊り自殺があった2階建住宅の特殊清掃と残置物撤去の依頼が入ったと伝えられたその時自分は作業員兼事務員として2年程働いていたから現場責任者として今回の現場に当たってくれとのことだった。
ゴミの量や状況を確認すると大体作業員4名と3日あれば出来ると分かりそれを伝えると、日取りを決めた。老人の一人暮らしで、生活費がなくなり身内にお金の無心もし辛かった故の自殺だったらしくて、それを聞いて少し悲しくなったけれど作業員も気心の知れた40代の先輩やよく外注を依頼するアルバイトのおじいさんだったから安心して計画を立てることが出来た
作業初日に物件内に入ってみると死臭はあまりなかった。営業担当が見積もりの時に窓を開けておいてくれていたようだった
中の家具や生活用品も電話で聞いていた通りで、そのまま2階の自殺死体があった部屋に入った
他の部屋に比べるとやっぱり死臭はあったけれど、それでも我慢出来ない臭いではなかった
床を見るとドアの内側の直ぐ下に黒とも茶色とも言えないシミが出来ていて、ドアの上辺には
紐のすれた後があった。ドアのノブはひん曲がっていて、どうやって自殺したのかが容易に想像出来て
物悲しかった。他の作業員の方も入ってきて、「首吊りしたな」だとか言っていたけれど、手馴れた様子で使う洗剤を選び始めていた。