2chまとめ・読み物・長編・名作/2MONKEYS.JP

2chまとめ・読み物・長編・名作をまとめています。昔の2ちゃんねるの面白いスレやおすすめスレ、画像ネタなどの2chまとめサイトです。5ちゃんねるまとめ。

    2015年05月

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    267:2008/08/03(日) 01:44:23 ID:
    その日の放課後、私は3年生の教室へ向かった。
    ポルターガイスト現象の本を貸してくれた、先輩に会うためだ。
    廊下で名前を出して聞いてみると、すぐに教室は分かった。
    先輩は私の顔を見るなり、オッ、という顔をして手招きをしたが、席まで行くとすぐに両手を顔の前で合わせて謝る。

    「ゴメン。今日はこれから部活なんだ」
    「剣道は止めたんじゃなかったんですか」と聞くと、「文科け~い」と言って、トランペットを吹く真似をする。
    吹奏楽部かなにからしい。
    「一つだけ教えてください」
    そう言う私に、「ま、座りなさい」と近くの席から椅子を引っ張ってくる。
    その周りでは帰り支度をする生徒たちが、私を物珍しそうに横目で見ている。
    多少は時間をとってくれるようなので、順序立てて聞くことにする。
    「先輩の家で起こったポルターガイスト現象は、イタズラでしたか?」
    先輩は目を丸くしてから笑う。

    「いきなりだな。でも違うよ。私だって驚いてた。ホントに目の前で、花が宙に浮かんだりしたんだ」
    「じゃあ原因はなんですか?」
    「……あの本もう読んだんだ?私に聞くってことは」

    頷く。

    「まあ、知ってると思うけど、あたしの家って両親が仲良くないワケよ。今も別居してるし。
     そんで小学4年生のころって、一番バチバチやりあってた時期なのよ。
     家の中でも、顔あわせれば喧嘩ばっかり。
     子どもの目の前で酷い口論してたんだから。まるであたしがそこに居ないみたいに」
     
    私のイメージの中で、シルエットの男と女がいがみ合っている。
    そしてその傍らには10歳くらいの少女が、怯えた表情で身体を縮ませている。

    「超能力だか心霊現象だか知らないけど、たぶん原因はあたしなんだろうと思う。今となっては、だけど」
    「じゃあ。どうやってそれが収まったんですか」

    「怪物(転)」【師匠シリーズ】

    「怪物(結)上」【師匠シリーズ】 →続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    21:2008/07/21(月) 00:48:03 ID:
    図書館からの帰り道、私はクレープを買い食いしながら商店街の路地に佇んでいた。
    夕焼けがレンガの舗装道を染めて、様々なかたちの影を映し出してる。
    道行く人の横顔は、どこか落ち着かないように見える。
    みんな心の奥深い場所で、説明しがたい不安感を抱いているようだった。
    そう思った私の目の前を、女の子たちの笑い声が通り過ぎる。
    息を吐いて、最後の一口を齧る。

    どの人の表情も、私の心の投影なのかも知れない。ロールシャハテストだ。
    笑い顔以外に、すれ違うの人の気持ちを理解できる機会なんてまずないんだから。
    結局あの図書館の本の落下の原因はわからないままだった。
    こんなことが昨日の水曜日から今日にかけて、街の至る所で起きているらしい。
    私は起こっていることより、この一連の出来事の向かう先のことが気に懸かっていた。
    いったいどういうカタルシスを迎えるのか。
    そう考えながら目を閉じると、何かをせずにはいられない気持ちになるのだった。

    『エキドナを探せ』

    その言葉に糸口を見出せそうな気がする。さっきからそのことばかり考えている。
    クレープの包みをクズ籠に放る。
    私にこのヒントを投げ掛けた間崎京子は、街中で起こっている怪異を怪物に例えた。
    そして、その怪物たちを生み落とすのは、蝮の女エキドナだ。
    これがいったい何の隠喩なのか定かではない。
    定かではないが、私はこう考えている。
    少なくとも間崎京子は、一見バラバラに発生しているように見える怪奇現象が、単一の根っこを持っていると思っている。
    それも、ナントカ現象だとかナントカ効果だとかといった、包括的ななにかではなく、
    信じがたいことにそれは、たった一つの“人格”と言えるような存在に収束されているような気がするのだ。
    ハ。こんなこと、誰かに話せるようなものではない。

    「怪物(承)」【師匠シリーズ】

    「怪物(転)」【師匠シリーズ】 →続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    807:2008/07/10(木) 20:54:08 ID:
    怖い夢を見ていた気がする。
    朝の光がやけに騒々しく感じる。
    天井を見上げながら、両手を頭の上に挙げて伸びをする。自分が嫌な汗を掻いていることに気づく。
    掛け布団を跳ね除けて身体を起こす。
    夢の残滓がまだ頭の中に残っている。
    現実の眼は閉じられていたのに、視覚情報として記憶に刻み込まれた夢の光景。
    今まで不思議だとは思わなかったのに、今日はそれが酷く奇妙なことに思えた。

    夢の中で私は、やけに暗い部屋に一人でいる。
    散らかった壁際に、じっと座ってなにかを待っている。
    やがて外から足音が聞こえて、私は動き出す。玄関に立ち、ドアに耳をつけて息を殺す。
    足音が下から登ってくる。
    私はその足音が母親のだと知っている。

    やがてその音がドアの前で止まる。ドンドンドンというドアを叩く振動。
    背伸びをして、チェーンを外す。そしてロックをカチリと捻る。
    ドアが開けられ、私はその向こうに立っている人間に、話しかけることも、笑いかけることも、耳を傾けることもしなかった。
    ただ、月だけがその背中越しに冴えている。
    そして血飛沫が舞って、私の視界を真っ赤に染める。
    世界がたったの一つの色になる。
    母親は崩れ落ち、もう呼吸をしなくなる……

    「うああ」

    ベッドのシーツを握り締めながら、思わずそんな声が出た。自分でも驚いた。
    それは恐怖心を身体の内側から逃がすための、自己防衛本能だったのかも知れない。

    「怪物(起)」【師匠シリーズ】

    「怪物(承)」【師匠シリーズ】 →続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    654:2008/07/06(日) 21:18:08 ID:
    京介さんから聞いた話だ。

    怖い夢を見ていた気がする。
    薄っすらと目を開けて、シーツの白さにまた目を閉じる。鳥の鳴き声が聞こえない。
    息を吐いてからベッドから体を起こす。静かな朝だ。
    どんな夢だっただろうと思い出しながら、記憶を辿ろうとする。
    すると、『スズメは魂を見ることができる』という話がふと頭に浮かんだ。

    どこかの国の伝承で、スズメは生まれてくる前の人間の魂を見ることができるという。
    朝、スズメがさえずるのは、その生まれてくる魂に反応しているのだと。
    その魂がやってくる場所が空っぽになっていると、魂を持たない子どもが生まれて来る。
    そんな子どもが生まれる朝には、スズメはさえずらない。
    だから、スズメの声の聞こえない朝は不吉さの象徴だ。

    カーテンを開けると、2階の窓から見える家並みはいつもと変わらない姿で、
    慌しい一日の始まりの息吹がそこかしこに満ちている。
    そう言えば今日は何曜日だっただろう。
    目を閉じて一秒数えたら、他愛もなくありふれた土曜日の朝でありますように。

    その日。つまり、憂鬱なる月曜日。
    学校への通学路の途中、道行く人々の群れの中でふと足を止めた。
    視覚でも、聴覚でも、嗅覚でもなく、まだどれにも分かれない未分化の感覚が、街の微かな違和感をとらえた気がした。
    私にぶつかりそうになったサラリーマンが、舌打ちをしながら袖を掠めていく。
    色とりどりのたくさんの靴が、それぞれのステップで私を追い越していく。
    その雑踏の中で私はギギギギギ……という、古い家具が軋むような音を聞いた気がした。
    蠢き続ける人間の群れの中で身を固くする。

    「怪物(起)」【師匠シリーズ】 →続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    627:2010/04/25(日) 01:21:55 ID:
    眠れないので流れを読まずに投稿
    文才無い上に長文ですので不快に思われたらスルーして下さい

    今から20年近く前の話です
    高校を中退した私は、アルバイト三昧の生活をおくって居ました
    学力至上主義の進学校に通っていたので、それまでの友人達との縁は完全に切れ、
    バイト先の仲間達だけが遊び相手でした
    中でも2歳年長のN、同じく2歳年長のK、Kの連れのTの三人とは、
    色々と馬鹿をやらかしたものです

    そんなある日、Kが隣の県にある某幽霊ホテルに肝試しに行かないかと提案してきたのです
    そこは建設途中で資金繰りの都合で放棄されたホテルで、外観はほぼ出来上がっているものの、
    一度も開業する事無く、地元の暴走族やなんやらの溜まり場になっているという場所でした
    幽霊ホテルと呼ばれるようになった謂れは複数有りましたが、私達が知っていたのは、
    暴行され自殺した女性の亡霊が出るとか、リンチされて殺された奴が出るとか、
    ありがちな話ばかりでした

    「幽霊ホテル」【洒落怖】 →続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    1:2011/10/17(月) 21:47:57.75 ID:
    もう許せん


    >>10

    安価で母ちゃん虐める →続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    1:2013/04/08(月) 13:35:18.80 ID:
    聞き流してください

    ある女の子の話をする →続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    830:2013/12/19(木) 02:53:57.60 ID:
    オカ板見ながら「霊もUFOも見たこと無いなぁ」と考えていたら、
    一回だけ不可解な出来事があったのを思い出したので、懺悔も兼ねて書き込んでみる。
    怖い話でも面白い話でもないが、個人的に不可解な思いをした話である。

    「学校の図書館」【不可解な体験、謎な話】 →続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    232:2010/05/26(水) 17:08:35 ID:
    俺が中学の時の話。

    麻雀を覚えたての頃で、仲の良い友達3人(A・B・C)と学校が終わってはAの家に集まり麻雀をやっていた。
    Aの部屋は離れにあり、親などに特にうるさくされず、多少騒いでも近所の迷惑にもならない所だった為、良い溜まり場となっていた。

    ある金曜日。
    次の日は学校が休みなもんだから、Aの家で徹夜麻雀をやろうって話しになり、各自宅で晩飯を済ませてから22時にAの家集合にした。
    22時を少し回ったところで俺到着。
    移動手段は中学生だからもちろんチャリだ。
    C以外は集まっており、麻雀をセットしたりしてCの到着を待っていた。

    しかし、いくら待ってもCが来ない。
    時間は23時になろうとしている時だった。
    Cが家を出たのか、出てないのかどうか分からない。
    当時はまだ携帯電話なんてなかったので、気が引けたが、取り合えずAがCの家に電話した。
    「夜遅くにすいません。今夜ウチで集まる事になってるのですがC君はまだいますか?・・・え、そうですか。分かりました。いや、まだこっちに来てないんです。・・・はい。失礼します。」
    Aの言葉からCは家を出ている事は容易に汲み取れた。

    「C、もうとっくに家出てるってさ」
    「コンビニで立ち読みとかしてんじゃね」
    「もう少し待ってみるべ」

    そう言ってから30分経過。
    部屋の子機が鳴ったが、親機の方で家族の誰かが取ったらしい。何コールかして音は止んだ。

    「いや、おせーだろ」
    「なんかあったんかな、探しに行くか?ここからCの家までどんくらい?」
    「チャリで15分。んじゃ行くか。」

    そう言って部屋を出ようとした時に外から砂利の上を小走りする音が聞こえてAのオカンが勢いよく入ってきた。


    「C君!事故に遭ったって!○○病院に運ばれたみたいよ!」


    全員顔を見合わせた。身体の内側からドンって感じの振動を受けた。
    ○○病院はチャリで行ける距離であったため、3人はチャリで全力で向かった。

    「初めて見た霊」【洒落怖】 →続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    767:2010/05/03(月) 02:17:56 ID:
    2ch初投稿。
    山の不思議板読んでて海でコワイ体験ならしたことあるなーと思ってここにたどり着いた。
    ベタな話なんだが、よかったら聞いて欲しい。

    今から3年前くらいの時に俺は同級生5人でアホだから台風の日に海に遊び行ったんだ。
    まず、九十九里の場所までわからんが犬吠崎の近所まで行った。
    あんのじょう台風で海なんて入れるわけなかった。
    が、当時はワルノリで台風たしか北に向かうよな?
    じゃ、南いけばよくねwwwwという浅はかな考えで、そのまま南下。
    館山のあたりまで移動した。

    ビックリしたのは、なんと本当に台風を抜けられたのだ。(海はゴミだらけだったけど)
    その日は、とりあえず素泊まりの民宿に泊まることにした。
    若い男だけの集まりだった。ただすぐ寝るわけもなく酔っ払ったままコワイところいってみない?
    という話になり民宿から、とにかく車で海沿いを北上してみた。

    「台風の海」【海にまつわる怖い話】 →続きを読む

    このページのトップヘ